記事が50本を超えたあたりから、リライトの対象を決められなくなります。古い順に直す、思いついた記事から直すという進め方では、工数が分散して成果につながりません。
対象は実データから決まります。判断に必要なのは、掲載順位、表示回数、そして実際の検索結果がどうなっているかの3つだけです。特に3つ目を見ないと、直しても回収できない記事に時間を使うことになります。
この記事では、対象を絞る手順、優先順位のつけ方、直しても意味がない記事の見分け方、そして本文を書き換えずに改善する方法を整理します。
この記事でわかること
・リライトの対象を絞る3つの条件
・優先順位のつけ方(順位帯で分ける)
・直しても回収できない記事の見分け方
・何を書き足すかを決める方法
・本文を書き換えずに追記する理由
・効果を確認する時期
対象を絞る手順
- ページ単位の表示回数と掲載順位を出す:直近28日分
- 表示回数が一定以上のページだけを残す:少ないページは直しても効果が小さい
- 順位帯で3つに分ける:11〜20位、3〜10位、21位以下
- 各ページが実際に何のクエリで表示されているかを見る
- そのクエリで実際に検索してみる:ここを飛ばさない
5番目が最も重要で、最も飛ばされます。検索結果の上部が要約で埋まっているクエリでは、順位が高くてもクリックされません。この判定は数字からはできず、実際に検索するしかありません。1件あたり1分で済みます。
データの取り方はSearch Consoleで最初に見る3つの画面|順位が分かっても打ち手にならない理由にまとめています。
対象を決める最後の1手は「実際に検索してみる」こと。
数字だけでは、直せる記事と直せない記事が区別できない。
順位帯で優先順位が決まる
| 順位 | 状態 | 打ち手 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 11〜20位 | 1ページ目に届いていない | 内容の強化。不足している論点を足す | 最優先 |
| 3〜10位/CTRが低い | 見られているがクリックされない | タイトルと説明文の見直し | 高い(要SERP確認) |
| 1〜2位 | 取れている | 触らない | 低い |
| 21〜50位 | 遠い | 内容の全面的な作り直しが必要 | 低い |
| 51位以下 | 評価されていない | 統合するか、別テーマへ | 対象外 |
最優先は11〜20位です。1ページ目に届けばクリックが発生するため、少ない工数で成果が変わります。21位以下は同じ工数をかけても1ページ目までの距離が遠く、新しい記事を書くほうが効率的な場合があります。
3行目は意外に守られません。順位が取れている記事を「もっと良くしよう」と触ると、下がることがあります。触らない判断も選択肢です。
直しても回収できない記事の見分け方
次に該当する場合、タイトルや内容を直しても表示回数はクリックに変わりません。他の記事に時間を使ってください。
| 状況 | 確認方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 検索結果の上部が要約で埋まっている | 実際に検索する | スクロールする前に疑問が解決している |
| クエリの意味が複数ある | 検索結果の1位を見る | 無関係な結果が並ぶ。検索需要の一部が対象外 |
| 上位が公的機関や大手媒体で固まっている | 検索結果の1〜5位を見る | 指名性や規模で決まっており、内容では動かない |
| 検索意図が自社の商材と合っていない | 検索結果の傾向を見る | 順位が上がっても問い合わせにならない |
1行目は定義を聞くクエリ(「◯◯とは」)で頻発します。表示回数が大きいほど惜しく見えますが、その表示は構造的にクリックにならないものです。判断を切り替えて、条件で答えが変わるクエリ(費用、選び方、比較、判断)を持つ記事に工数を寄せてください。
4行目については、順位を上げても成果につながりません。順位は目的ではなく手段です。
何を書き足すかを決める
対象が決まったら、次は何を足すかです。感覚で足すのではなく、実際のクエリと既存の見出しを突き合わせてください。
- そのページが表示されているクエリを一覧にする
- 既存のH2見出しを一覧にする
- クエリに対応する見出しがないものを探す:ここが不足箇所
- 順位がついているのに本文が薄いクエリを優先する
- 1本あたり2〜3セクションを足す:一度に増やしすぎない
3番目で見つかるものが最も確実な追加対象です。すでに順位がついているということは、そのクエリで評価されうる位置にいるという意味です。そこに該当する内容がなければ、足すだけで改善の余地があります。
逆に、順位がまったくついていないクエリを狙って書き足しても、その記事では届かないことがあります。その場合は別記事として書くほうが早くなります。
追加するのは「順位はついているのに、本文に該当セクションがない」もの。
順位がまったくない語を追記で狙うより、別記事にするほうが早い。
本文を書き換えずに追記する
リライトというと全面的な書き直しを想像しますが、順位がついている本文には触らないほうが安全です。
| 方法 | リスク | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 不足セクションを追記する | 低い。既存の評価を保てる | 順位11〜20位。最も推奨 |
| タイトルと説明文だけ変える | 中。順位が動く場合がある | 順位3〜10位でCTRが低い |
| 構成を組み替える | 高い。順位が下がることがある | 21位以下で作り直す場合 |
| 複数記事を統合する | 高い。URLの扱いが必要 | 内容が重複している場合 |
1行目が基本です。既存の本文を残したまま、不足しているセクションを追加する。下振れのリスクが小さく、効果があれば順位が上がります。
4行目を行う場合は、統合してなくなるURLの扱いを決める必要があります。手順はURLを変えるときのリダイレクト|評価を落とさない手順と、やってはいけない転送を参照してください。
効果を確認する時期
| 時期 | 見るもの | 判断 |
|---|---|---|
| 直後 | 再取得の依頼が済んでいるか | 依頼しないと反映が遅れる |
| 1〜2週間 | 更新後の内容で表示されているか | 検索結果のスニペットを確認 |
| 3〜4週間 | 掲載順位の変化 | 上下の傾向を見る |
| 2〜3か月 | クリック数と流入 | 最終的な判断 |
| 半年 | 問い合わせへの寄与 | 事業への影響 |
3〜4週間より前に判断しないでください。順位は日々動くため、1週間の変化では効果かどうか分かりません。
1行目については、更新しただけでは再評価が遅れます。更新後に再取得を依頼する運用を、リライトの手順に組み込んでください。
よくある失敗
古い順に直す
公開日と改善余地は関係ありません。順位と表示回数で対象を決めてください。
検索結果を見ずに直す
直しても回収できない記事に工数を使うことになります。1件1分で確認できます。
順位が取れている記事を触る
下がることがあります。1〜2位の記事は触らない判断も選択肢です。
全面的に書き直す
既存の評価を失うリスクがあります。まず不足セクションの追記から試してください。
1週間で効果を判断する
順位は日々動きます。3〜4週間の推移で見てください。
よくある質問
どのくらいの頻度でリライトすべきですか
頻度より、対象の選び方が重要です。月に2〜3本を、データで選んだ対象に対して行うほうが、思いつきで10本直すより成果が出ます。
新記事とリライトのどちらを優先すべきですか
記事数が少ない段階では新記事、一定数を超えたらリライトの比重が上がります。目安として、順位11〜20位の記事が5本以上あるなら、そこから着手するほうが効率的です。流入後の行動に問題がある場合はGA4レポートの見方|最初に見るべき3画面も併せて確認してください。
公開日を更新すべきですか
実際に内容を更新したなら、更新日を示すことに意味があります。ただし中身を変えずに日付だけ変えるのは避けてください。読み手にとって誤りになります。
文字数を増やせば順位は上がりますか
文字数そのものは目的になりません。増やすべきなのは、そのクエリで求められている情報です。関係のない記述を足すと、かえって焦点がぼやけます。
内部リンクを増やすのは有効ですか
対象ページへのリンクが不足している場合は有効です。ただし本文の流れと関係のない位置に置くと不自然になります。設計は内部リンクの設計方法|評価が集まるサイト構造の作り方を参照してください。
まとめ
リライトの対象は実データから決まります。掲載順位、表示回数、そして実際の検索結果。この3つで絞ってください。特に3つ目を見ないと、直しても回収できない記事に工数を使うことになります。定義を聞くクエリでは、検索結果の上部で疑問が解決していることがあり、順位が高くてもクリックされません。
優先順位は順位帯で決まります。最優先は11〜20位で、1ページ目に届けばクリックが発生します。21位以下は距離が遠く、同じ工数なら新しい記事を書くほうが効率的な場合があります。そして1〜2位の記事は触らない判断も選択肢です。良くしようとして下がることがあります。
何を書き足すかは、実際のクエリと既存の見出しを突き合わせて決めてください。順位はついているのに本文に該当セクションがないものが、最も確実な追加対象です。そして本文の全面的な書き直しは避け、不足セクションの追記から試してください。下振れのリスクが小さく、効果があれば順位が上がります。判断は3〜4週間の推移で行ってください。
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