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建設業のWeb集客は何に効くのか|公共工事・下請け・民間直請けで届く範囲が違う

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建設会社からWeb施策の相談を受けるとき、最初にうかがうのは「昨年の完成工事高の内訳」です。集客の話をする前に売上の構成を聞くのは、建設業では受注の入口によって、Webサイトが届く範囲がまったく違うためです。ここを分けずに施策を決めると、届かない場所に費用を投じることになります。

「建設業 集客」で検索して出てくる記事は、施工事例を増やす、SNSで発信する、SEOで上位を取る、という構成でほぼ一致します。書いているのはWeb制作会社かホームページ作成サービスの運営会社です。これらの記事に共通して抜けているのは、自社の売上のうちWebが影響しうる比率はどれだけか、という問いです。サイトを作れば成果が出る側が書いているため、構造的に触れにくい論点になっています。

実際には、公共工事の受注は経営事項審査の点数と入札参加資格で決まり、サイトの出来は関係しません。下請けとしての受注は元請けとの関係と施工能力で決まります。Webが直接効くのは民間の直請けと、採用の2つです。そして採用は、経営事項審査の点数を通じて公共工事の受注枠にも効きます。この経路は集客の記事にはまず書かれていません。

この記事では、受注の入口ごとにWebの効き方を分け、民間直請けを増やす前に確認すべき許可区分と資金繰り、採用への投資が入札に効く仕組み、施工事例の掲載可否、そして価格訴求が制度の側から塞がりつつある状況を整理します。業種を問わないチャネルの選び方は自社の業種に合う集客チャネルの決め方|業種名ではなく4つの軸で選ぶで扱っています。

この記事でわかること

・建設業の完成工事高のうち、4割強は下請けとして施工されている

・公共工事と下請けの受注に、サイトの出来はほぼ影響しない

・民間直請けを増やす前に、許可区分・技術者・資金繰りを確認する

・採用が経営事項審査のZ点とW点を通じて入札の枠に効く

・施工事例は、載せる前に元請けと発注者の許諾を確認する

・労務費の基準により、安さで取りに行く導線は成立しにくくなった

受注の入口ごとに、Webが届く範囲は違う
受注の入口ごとに、Webが届く範囲は違う

完成工事高を3つに割ると、投資先が決まる

業界全体の数字を先に見ておきます。国土交通省の建設工事施工統計調査(令和6年度実績)によると、完成工事高は約154.5兆円で、このうち元請として施工された分は90.8兆円、元請比率は58.7%でした。元請完成工事高の内訳は民間が66.7兆円(73.5%)、公共が24.0兆円(26.5%)です。

これを完成工事高の全体に対する比率に直すと、次のようになります。

区分 全体に占めるおおよその比率 Webの関与
元請・民間 約43% 検索と比較検討が発生する。効く
元請・公共 約16% 入札で決まる。受注には効かない
下請け 約41% 元請けとの関係で決まる。効かない

業界平均ではおよそ4割がWebの届く範囲にあり、残る6割弱は別の要因で決まっています。重要なのは平均値そのものではなく、自社の内訳が平均とどれだけ違うかです。公共工事と下請けで売上の8割を占めている会社が、民間直請け向けのサイトに投資しても、当面の受注は動きません。

そこで最初の作業は、昨年の完成工事高を上の3区分で分けることです。経理の資料から数時間で出せます。この1枚が出たあとで、はじめて何に投資するかを決められます。どの段階で問い合わせが止まっているかを切り分ける手順はホームページから問い合わせが来ない原因の切り分け方|5段階で診断するにまとめています。

建設業の完成工事高のうち、Webが直接届くのは元請・民間の部分だけ。

自社の内訳を3区分で出してから、投資先を決める。

公共工事にサイトは効かないが、間接的な経路が1つある

公共工事の受注は、経営事項審査(経審)の総合評定値と、発注機関ごとの入札参加資格で決まります。総合評定値P点は「0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W」で算出され、X1が完成工事高、X2が自己資本額と利益額、Yが経営状況、Zが技術力、Wが社会性等です。この式のどこにも、サイトの品質や検索順位は入りません。総合評価方式の技術提案でも評価されるのは施工計画と実績であり、Web上の情報ではありません。

ただし、係数を見ると別の経路が見えます。Zの係数は0.25で、完成工事高のX1と並んで最も大きく設定されています。そしてZ点は技術職員の資格と人数で決まります。つまり技術者を採用して定着させることは、そのまま点数の上昇として現れます。

さらにW点(社会性等)には、若年の技術者・技能労働者の育成と確保に関する加点があります。35歳未満の技術職員が技術職員全体の15%以上であれば1点、新規に採用した35歳未満の技術職員が全体の1%以上であれば1点が加算されます。若手の採用が、そのまま加点項目として定義されているということです。

したがって、公共工事の比率が高い会社にとってのWeb投資の答えは「集客サイト」ではなく「採用サイト」になります。この経路は次のように整理できます。

  1. 採用サイトと求人で技術者が採れる:とくに35歳未満の有資格者
  2. Z点が上がる:資格の種類と人数がそのまま技術力の評点になる
  3. W点にも加点が入る:若年技術者の比率と新規採用の条件を満たす
  4. 総合評定値が上がる:等級が上がれば、応札できる工事の規模が変わる

応募が集まらない原因をどこで切り分けるかは応募が集まらない原因の切り分け方|求人広告・採用サイト・応募フォームのどこで止まっているかに、採用サイトに何を載せるかは中小企業が採用サイトを作るべき理由と制作のポイントにまとめています。建設業では、この投資が採用の枠を超えて受注の枠に効く点が、他の業種と違います。投資判断の説明も社内で通りやすくなります。

経審のZ点の係数は0.25で、完成工事高と並んで最大。技術職員の資格と人数で決まる。

若年技術者の比率15%以上、新規採用1%以上で、それぞれ1点の加点がある。

民間直請けを増やす前に、受けられる体制かを確認する

下請け中心の会社が直請けを増やしたいと考えるのは自然です。ただし元請けになることは、受注経路が変わることではなく、負う責任の範囲が変わることです。問い合わせだけを増やしても、受けられなければ意味がありません。着手前に3つを確認してください。

確認すること 基準 満たしていない場合
許可の区分 下請に出す総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)になるなら特定建設業許可 その規模の元請けはできない。一般のまま受けられる範囲で設計する
技術者の配置 同じ基準額以上の工事には監理技術者の配置が必要 有資格者を確保するまで、規模の上限を決めて受ける
運転資金 工事完成まで入金がない一方、下請代金と材料費は先に出ていく 手持ち資金と融資枠で受けられる工事規模が決まる

金額の基準は改正されています。特定建設業許可と監理技術者の配置が必要になる下請代金の下限は、令和7年2月1日の建設業法施行令の改正により、4,500万円から5,000万円へ(建築一式工事は7,000万円から8,000万円へ)引き上げられました。古い記事や社内資料には旧基準が残っているため、直請けの規模を検討するときは現行の数値で確認してください。

3つ目の運転資金は、Web施策の記事ではまず触れられませんが、実務では最も詰まる箇所です。下請けなら出来高に応じて元請けから支払いを受けられますが、元請けになると発注者からの入金は出来高払いか完成時になり、その間の下請代金と材料費は自社が立て替えます。受注できる工事の規模は、営業力ではなく資金繰りが決めています。

この3点を確認すると、「どの規模の直請けを取りに行くか」が決まります。そこが決まってはじめて、サイトに載せる情報と対策する検索語が決まります。順序を逆にすると、受けられない規模の引き合いに対応する時間が増えます。

施工事例は、載せる前に許諾の線を引く

施工事例が有効であることは、上位の記事が書いているとおりです。実務で詰まるのはその手前で、載せてよい案件かどうかの判断です。建設業には、他の業種にない制約が2つあります。

  • 下請けとして施工した案件は、自社の判断だけで公開できない:現場の写真も、発注者名も、元請け名も、確認なしには出せない
  • 民間の建物は、発注者が公開を望まないことがある:工場の設備配置、店舗の改装計画、住宅の所在地などは、それ自体が事業上または私生活上の情報になる

そこで、事例を1件つくる前に、どこまで出せるかを段階で決めておきます。全件について許諾を取りに行くのではなく、出せる範囲に応じて掲載の形を変えるほうが早く進みます。

出せる範囲 掲載の形
発注者名・写真・所在地まで可 1件1ページの事例。最も強い
写真は可、発注者名は不可 工種・規模・工期・写真で構成し、名称を伏せる
写真も不可 工種・構造・延床面積・工期・工事金額帯を一覧の1行にする
いずれも不可 掲載しない。自社施設や協力会社との共同案件で代替する

3行目の一覧でも、判断材料としては十分に機能します。発注者が知りたいのは写真の見栄えではなく、自社と同じ規模・同じ工種の工事を、どれだけの工期で完了させた実績があるかだからです。掲載の枚数を目標にすると、許諾の確認が雑になり、あとから取り下げる事態になります。

第三者の言葉をどう集めて見せるかは「お客様の声」の効果的な掲載方法|信頼につながる集め方と見せ方で扱っています。会社としての信頼を先に埋める考え方は会社案内サイトで信頼感を作る方法|見た目より先に埋めるべき情報を参照してください。

安さで取りに行く導線は、制度の側からも塞がりつつある

Webで直請けを増やそうとするとき、価格の優位を前面に出す構成が選ばれがちです。この方向は、いま制度の側から狭められています。

改正建設業法が令和7年12月12日に全面施行され、中央建設業審議会が作成した労務費に関する基準の運用が始まりました。この基準は、公共工事と民間工事の別を問わず、下請取引を含むすべての建設工事の請負契約を対象とします。適正な労務費を著しく下回る労務費等による見積りと契約締結が禁止され、そうした見積りへの変更依頼も建設業法違反となりうる、という整理です。基準となる額は、職種ごとの公共工事設計労務単価に、施工条件に照らして適正な歩掛と施工量を乗じて算定されます。

実務上の意味は次のとおりです。価格で差をつけるという訴求は、その原資を労務費以外から捻出できる範囲でしか成立しません。集客の設計としても、価格を軸にした導線は最初から上限が決まっていることになります。

同じ時期に、受注量そのものにも制約がかかっています。時間外労働の罰則付き上限規制は、2024年4月1日から建設業にも適用されました。原則は月45時間・年360時間、特別条項を結んでも年720時間以内などの条件があり、災害の復旧・復興事業には一部の上限を適用しない特例が置かれています。受注を増やす前に、増えた分を施工できる人員と工期の余裕があるかを確認してください。取ってから残業で吸収する運用は、罰則の対象になります。

したがって建設業のWeb施策で狙うのは、件数の最大化ではありません。工期に余裕があり、対応工種の内側にあり、価格以外の理由で選ばれる案件の比率を上げることです。同じ構造は受託製造にもあり、製造業のWebマーケティングは何を増やすべきか|問い合わせ数より先に決める、取りたい引き合いの条件で詳しく扱いました。

労務費に関する基準により、著しく低い労務費での見積りと契約締結が禁止された。

時間外労働の上限規制は2024年4月から罰則付きで適用されている。

商圏と検索語をどう決めるか

民間直請けを取りに行くと決めた場合、対策する語は工種と地域の組み合わせになります。ここで検索数の多い順に並べると、対策すべき語が上位に来ません。

「リフォーム」「注文住宅」のような大きな語は、検索数は大きいものの、探しているのは個人の施主で、ハウスメーカーとポータルサイトが上位を占めています。一方、実際に直請けにつながるのは「地域名+工種」「地域名+建物用途」のような語で、検索数は月に数十から数百にとどまります。数の大きさで優先順位をつけると、勝てず、かつ受注につながらない語だけが残ります。

代わりに使う基準は3つです。

  • 検索している人が発注を決められる立場か:施主・施設管理者・設計事務所の検索と、同業や学生の調べ物は同じ語には現れない
  • 自社の施工エリアと許可業種の内側か:受けられない工種で上位を取っても、断る連絡が増えるだけになる
  • 1件受注したときの金額と、その後の継続:月20件の検索でも、1件が改修の継続案件になるなら投資は回収できる

地域名を含む語をどう設計するかは地域キーワードのコンテンツ設計|量産せずに成果を出す方法で扱っています。市区町村ごとにページを量産する方法は、内容が同じであれば評価されません。施工実績が実際にあるエリアから順に、実績と紐づけて作るほうが確実です。

許可番号と資格の表記で気をつけること

建設業法により、許可を受けた建設業者は店舗と建設工事の現場ごとに許可票を掲示する義務があります。現場への掲示義務は、令和2年10月1日以降は元請業者のみが対象です。一方、自社のWebサイトに許可番号を掲載する義務はありません。

義務ではありませんが、掲載を勧めます。発注者が取引の可否を確認するとき、許可番号があれば行政の検索システムで実在と業種と有効期限を照合できるためです。逆に言えば、掲載した以上は照合されます。更新後に番号や許可年月日が古いままになっていると、確認した相手に不信感を与えます。サイトの更新項目に許可情報を入れておいてください。

資格の表記も同様です。「一級建築士在籍」「1級土木施工管理技士◯名」と書くなら、退職や異動のたびに直す必要があります。実態と違う表記は、景品表示法上の問題になるだけでなく、確認された時点で商談が止まります。広告や自社サイトの表現で問題になりやすい範囲は広告表現で問題になりやすい言い方|景表法・薬機法と媒体ポリシーの整理にまとめました。

何から着手するか

順序を飛ばすと、公開した情報を後から書き換えることになります。特に1番目を出さずに4番目から始めると、届かない場所に費用を投じたまま数か月が過ぎます。

  1. 昨年の完成工事高を3区分で分ける:元請・民間/元請・公共/下請け
  2. 投資先を決める:公共と下請けが大半なら採用側、民間直請けが伸ばせるなら集客側
  3. 受けられる規模の上限を確認する:許可区分、技術者の配置、運転資金の3点
  4. 掲載できる実績の範囲を確定する:許諾の段階に応じて掲載の形を変える
  5. 対応工種と施工エリアを明記する:受けられる範囲を先に書くと、範囲外は自分で降りる
  6. 検索語を対応範囲の内側から選ぶ:検索数ではなく、発注権限と施工可否で選ぶ
  7. 引き合いの記録を残す形にする:工種・規模・経路・受注可否を1行ずつ残す

7番目を最初から入れておくと、次の改善対象が数字で決まります。BtoBのリード獲得手段を商談化率から選ぶ考え方はBtoBのリード獲得手段はどう選ぶか|獲得単価ではなく商談化率から逆算するを参照してください。

KPIをどこに置くか

件数と流入だけを見ると、この記事で扱った問題は数字の上に現れません。投資先ごとに、見るべき指標を分けてください。

投資先 主に見る指標 注意点
民間直請けの集客 対応工種・施工エリアの内側から来た問い合わせ件数 総数ではなく条件を満たした件数を数える。条件の定義が先
同上 見積提出から受注までの率 工事規模が混ざるため、金額帯で分けて見る
採用 有資格者の応募数と、35歳未満の入社数 経審の加点条件と同じ区切りで数えると、次の点数が読める
共通 受注1件あたりの粗利と、工期の余裕 件数が増えても、工期が詰まっていれば受けられない

3行目を経審の区切りに合わせておくと、採用の成果を受注の枠として説明できます。「応募が◯件増えました」ではなく「35歳未満の技術職員の比率が加点の条件を満たしました」と報告できる形にしてください。社内での投資判断が通りやすくなります。

当社では、受注構成の整理から掲載できる実績の設計、サイトと採用サイトの構築までを一貫してご相談いただけます。どちらに投資すべきか決まっていない段階でも、完成工事高の内訳が出ていれば設計は進みます。お問い合わせからご相談ください。制作したサイトは制作実績でご覧いただけます。

よくある失敗

受注構成を分けずにサイトを作り直す

公共工事と下請けで売上の大半を占めている会社が集客用のサイトに投資しても、当面の受注は動きません。完成工事高を3区分で分ける作業は数時間で終わります。先にやってください。

直請けを増やす前に、許可区分と資金繰りを確認していない

下請に出す総額が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上になる元請け工事には特定建設業許可と監理技術者が必要です。運転資金の上限も受注規模を決めます。問い合わせだけ増やしても受けられません。

採用サイトを「集客とは別の話」として後回しにする

建設業では、技術者の採用が経審のZ点とW点に直結し、応札できる工事の規模を変えます。公共工事の比率が高い会社ほど、採用側への投資のほうが受注への距離が近くなります。

下請け案件の写真を確認せずに掲載する

現場の写真も発注者名も、自社の判断だけでは公開できません。元請けと発注者の双方に確認してください。掲載件数を目標にすると、この確認が雑になります。

価格の安さを前面に出す

労務費に関する基準により、適正な労務費を著しく下回る見積りと契約締結は禁止されています。価格を軸にした訴求は、最初から上限が決まっている設計です。

検索数の多いキーワードから対策する

大きな語はハウスメーカーとポータルサイトが占めています。直請けにつながるのは地域名と工種の組み合わせで、検索数は月に数十から数百です。発注権限と施工可否で選んでください。

許可番号を載せたまま更新していない

掲載した以上は照合されます。番号や許可年月日が古いままだと、確認した相手に不信感を与えます。更新のたびに直す項目として運用に入れてください。

よくある質問

下請け中心ですが、ホームページは必要ですか

必要です。ただし目的が違います。下請けの受注はサイトでは増えませんが、新しい元請けと取引を始めるとき、相手は社名で検索して実在・許可・保有設備・技術者の体制を確認します。ここで情報が出てこないと、取引前の確認に手間がかかる相手として扱われます。加えて、採用の入口としては下請け中心の会社でも同じように機能します。

施工事例は何件くらい必要ですか

許諾が取れて内容が埋まるものを3件から始めてください。件数より、工種・規模・工期が読み取れることのほうが効きます。許諾が取れない場合は、工種と延床面積と工期を一覧の1行にするだけでも判断材料になります。写真がないことを理由に着手を止めないでください。

SNSでの発信は建設業に向いていますか

採用を目的にするなら有効です。現場の様子や職人の仕事は、求職者にとって求人票からは読み取れない情報になります。一方、民間直請けの受注を目的にすると効率は落ちます。工場や店舗の改修を検討している担当者は、検索して比較する行動を取るためです。

公共工事の比率が高いのですが、Webに投資する意味はありますか

あります。ただし集客ではなく採用の側です。経審の総合評定値は技術力を示すZ点の係数が0.25と最も大きく、技術職員の資格と人数で決まります。若年技術者の育成・確保にも加点があります。採用への投資は、次回の点数と応札できる工事の規模として返ってきます。

エリアはどこまで広げて書くべきですか

実際に施工できる範囲までにしてください。移動時間と職人の手配が現実的な範囲を超えると、断る連絡が増えるだけになります。広げるなら、その前に協力会社の体制を確保してください。書ける範囲は営業の希望ではなく、現場の実態で決まります。

土木と建築の両方をやっている場合、サイトは分けるべきですか

発注者が違うため、ページは分けてください。土木は公共発注が中心で確認の場として働き、建築は民間の直請けで検討と比較が起きます。サイト自体を分ける必要は通常ありません。同一サイト内で入口を分け、それぞれに対応工種と実績を置く形で足ります。

まとめ

建設業のWeb施策で最初に決めるのは、サイトの構成でも対策キーワードでもありません。自社の完成工事高を、元請・民間/元請・公共/下請けの3つに分けることです。業界全体では元請比率が58.7%、そのうち民間が73.5%を占めており、Webが直接届くのは完成工事高のおよそ4割にあたる部分だけです。自社の内訳が平均とどれだけ違うかで、投資先は変わります。

公共工事の受注に、サイトの出来は影響しません。しかし間接的な経路が1つあります。経審の総合評定値は技術力を示すZ点の係数が0.25と最も大きく、技術職員の資格と人数で決まります。さらに若年技術者の育成・確保にも加点があり、35歳未満の技術職員が全体の15%以上、新規採用が1%以上でそれぞれ1点が加わります。公共工事の比率が高い会社ほど、集客サイトより採用サイトのほうが受注への距離が近くなります。

民間直請けを増やすなら、問い合わせを増やす前に受けられる体制かを確認してください。下請に出す総額が5,000万円(建築一式は8,000万円)以上になる元請け工事には、特定建設業許可と監理技術者の配置が必要です。この基準額は令和7年2月1日に引き上げられているため、古い資料の数値で判断しないでください。そして受注できる工事の規模を実際に決めているのは、営業力ではなく運転資金です。

施工事例は、載せる前に許諾の線を引きます。下請けとして施工した案件は自社の判断だけでは公開できず、民間の建物は発注者が公開を望まないことがあります。出せる範囲に応じて掲載の形を変えれば、写真がなくても実績は伝わります。工種・規模・工期が読み取れることのほうが、写真の見栄えより効きます。

価格の安さを軸にした導線は勧めません。労務費に関する基準が令和7年12月12日から全面施行され、公共・民間を問わずすべての建設工事の請負契約で、適正な労務費を著しく下回る見積りと契約締結が禁止されました。加えて時間外労働の上限規制が2024年4月から罰則付きで適用されており、取ってから残業で吸収する運用は成立しません。狙うのは件数の最大化ではなく、工期に余裕があり、対応工種の内側にあり、価格以外の理由で選ばれる案件の比率です。

これらの効果は、アクセス解析だけでは確認できません。対応工種とエリアの内側から来た件数、見積提出からの受注率、有資格者と35歳未満の入社数。いずれも社内の記録からしか取れないため、着手する時点で残す形にしておいてください。会社の紹介資料は資料ダウンロードからご覧いただけます。

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