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オウンドメディアは続けるべきか|成果が出るまでの期間と、撤退の判断基準

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オウンドメディアは、始めるより続けるほうが難しい施策です。広告と違って、止めた翌日に成果がゼロになるわけではない代わりに、動いているのか止まっているのかが分かりにくい。そのため、判断の材料がないまま「もう半年やってみよう」と延長されるか、逆に3か月で打ち切られるかのどちらかになりがちです。

問題は期間ではありません。進捗を段階に分けて見ていないことです。記事の公開から問い合わせまでの間には、いくつもの関門があります。どの関門で止まっているかが分かれば、内容の問題なのか、時期が早いだけなのかを切り分けられます。

この記事では、成果が出るまでに何が順番に起きるか、最初に止まりやすい箇所はどこか、新規記事とリライトのどちらに時間を使うか、そして撤退を判断する条件を整理します。

この記事でわかること

・順位が上がらない前に、検索結果に出ていない可能性を先に確認する

・公開した記事は、内部リンクを張らないと孤立したまま残る

・進捗は公開数ではなく、段階ごとの通過率で見る

・ある時点から、新規記事より11位から20位のリライトのほうが効率が高くなる

・撤退の判断は期間ではなく、段階指標が1つも前進していないかで行う

・外注しても、テーマ選定と事実確認は自社に残る

続けるか、やめるかの判断基準
続けるか、やめるかの判断基準

オウンドメディアが向く場合と、向かない場合

先に適性を確認します。止めた後も流入が残る点が最大の利点であり、立ち上がりが遅い点が最大の欠点です。この2つが自社の状況と合うかどうかで決まります。

自社の状況 判断 理由
広告費が上がり続けている 向く 支払いを止めても残る流入を作らないと単価が下がらない
検討期間が長い商材 向く 検討中に何度も読まれる。広告だけでは接点が足りない
今期中に受注が必要 向かない 立ち上がりに半年から1年かかる。間に合わない
書ける人が社内にいない 条件付き 外注できるが、テーマ選定と事実確認は残る
検索されない新しい概念の商材 向かない 検索需要がない領域では流入が発生しない

3行目に該当する場合、オウンドメディアより先に検索広告で商談を確保するほうが順序として正しくなります。手段ごとの立ち上がり期間と、止めた後に残るものの比較はBtoBのリード獲得手段はどう選ぶか|獲得単価ではなく商談化率から逆算するで整理しています。

利点は止めた後も残ること。欠点は立ち上がりが遅いこと。

今期の受注が必要な状況では、この施策は間に合わない。

成果が出るまでに何が順番に起きるか

記事を公開してから問い合わせが届くまでに、次の6つの関門を順に通過します。前の関門を通過していない記事は、後ろの数字が必ずゼロになります。

段階 見る数字 止まっているときの意味
1. 公開 公開本数 そもそも供給が足りていない
2. インデックス登録 登録済みの本数と割合 検索結果に存在しない。順位以前の状態
3. 表示 表示回数 登録されたが、対象キーワードで拾われていない
4. 順位 掲載順位、11位から20位の本数 内容が競合に届いていない
5. クリック クリック数、クリック率 順位はあるが、タイトルで選ばれていない
6. 問い合わせ 問い合わせ数 流入はあるが、記事から次の行動につながっていない

この順序が重要です。問い合わせが増えないという相談の多くは、実際には2段目か3段目で止まっています。そこを確認せずに記事の内容を書き直しても、数字は動きません。

各段階の数字はSearch Consoleで最初に見る3つの画面|順位が分かっても打ち手にならない理由GA4レポートの見方|最初に見るべき3画面で確認できます。

公開から問い合わせまでに6つの関門がある。

前の関門を通過していない記事は、後ろの数字が必ずゼロになる。

最初に止まるのは順位ではなくインデックス

運用を始めて最初につまずくのは、たいてい2段目です。記事を公開しても、検索エンジンに登録されなければ検索結果には一切出ません。表示回数がゼロでも、それは内容が悪いという意味ではありません。

状態 意味 対処
登録済み 検索結果に出る状態 順位とクリック率を見る段階に進む
未登録(未検出) 存在を知られていない 内部リンクを張る。サイトマップを確認する
未登録(未クロール) 知られているが訪問されていない 待つ。内部リンクを増やすと早まる
未登録(クロール済) 見た上で登録されなかった 内容が薄いか重複の疑い。加筆か統合を検討する
除外 noindexやrobots.txtによる除外 意図した設定か確認する

4行目だけが内容の問題です。それ以外は構造や時間の問題であり、記事を書き直しても解決しません。状態ごとの切り分けはページがインデックスされない原因と確認の順序|検索に出ない状態を切り分けるで詳しく扱っています。

運用上の指標としては、公開本数に対する登録済みの割合を月次で見ます。この割合が下がり始めたら、記事の生産ペースが登録の速度を上回っています。本数を増やすより、既存記事の構造を整えるほうが先になります。

表示回数ゼロの原因は、内容ではなく未登録であることが多い。

登録率が下がり始めたら、生産ペースが速すぎるサイン。

公開した記事は放っておくと孤立する

見落とされやすい構造があります。新しく公開した記事は、必ず被リンクがゼロの状態で生まれます。新記事から既存記事へリンクを張っても、既存記事から新記事へは誰も張らないためです。

孤立した記事は、サイト内のどこからもたどり着けません。クロールされにくく、評価も集まりません。公開して終わりにすると、記事は増えているのに登録率と表示回数が伸びない状態になります。

  1. 新記事を公開したら、その記事が属するテーマの中心となる記事を特定する
  2. 中心記事の本文から、新記事へのリンクを追加する(文脈のある位置に置く)
  3. 新記事からも中心記事へ1本張り、上下の往復を作る
  4. 同じテーマの隣接記事が2本以上あれば、そこからも1本ずつ張る

作業としては地味ですが、登録率に直結します。構造の作り方は内部リンクの設計方法|評価が集まるサイト構造の作り方で扱っています。記事数が増えてから一括で直そうとすると、本文の流れに合わない位置へ機械的に挿入することになり、読みにくくなります。公開のたびに1本ずつ処理するほうが結果的に楽です。

新記事は必ず被リンク0で生まれる。放置すると孤立したまま残る。

公開のたびに解消する。後からまとめて直すと不自然な挿入になる。

新規記事とリライトのどちらに時間を使うか

運用の初期は新規記事しか選択肢がありませんが、ある時点からリライトのほうが効率が高くなります。切り替えの目安は、11位から20位に入っている記事が出てきたときです。

対象 必要な作業量 1ページ目に届く可能性
新規記事 1本まるごと執筆 公開直後は低い。数か月かかる
11位から20位の記事 不足している論点を1つか2つ加筆 高い。既に評価されている
21位から50位の記事 構成から見直しが必要 中程度。加筆だけでは届かないことが多い
51位以下の記事 テーマ選定から疑う 低い。統合か放置を検討する

2行目が最も費用対効果が高い領域です。1本の加筆で1ページ目に届く可能性があり、新規記事1本を書く時間より短く済みます。対象の選び方は記事のリライトはどれから手をつけるか|実データで対象を決める手順で扱っています。

もう1つ、順位はあるのにクリックされていない記事は、本文ではなくタイトルの問題です。ただし直す前に実際の検索結果を見てください。AI Overviewや同名の別企業が上に出ている場合、タイトルを直しても回復しません。判断はタイトルとメタディスクリプションの書き方|順位とクリック率は別の問題を参照してください。

11位から20位の記事への加筆が最も効率が高い。

クリック率が低い記事は、直す前に実際の検索結果を確認する。

続けるか、やめるかの判断基準

撤退の判断を期間で決めると、ほぼ確実に誤ります。半年で成果が出る領域もあれば、1年半かかる領域もあるためです。判断は段階指標の前進で行います。

状態 判断 次にやること
登録率が上がっている 継続 本数を維持しつつ内部リンクを整える
登録は進むが表示回数が伸びない 継続。ただしテーマを見直す 検索需要のあるキーワードを選び直す
表示回数は伸びるが順位が21位以下ばかり 継続。リライトへ配分を移す 上位10本に絞って加筆する
11位から20位が増えている 継続。最も効率の良い時期 新規を減らし、加筆に時間を使う
流入はあるが問い合わせがゼロ 継続。導線を直す 記事の中に次の行動を置く
1年以上、どの段階も前進していない 撤退または全面見直し テーマ選定そのものを疑う

撤退にあたるのは最終行だけです。それ以外はすべて、次にやることが特定できている状態です。段階指標を見ずに「成果が出ない」とまとめてしまうと、この区別ができなくなります。

5行目については、記事の中に次の行動を置く必要があります。読み終えた人が資料を受け取れる導線があるかどうかで、同じ流入量でも取得できるリード数が変わります。設計は資料ダウンロードでリードを獲得する設計|記事の要約を配っても取れない理由を参照してください。

撤退にあたるのは、1年以上どの段階も前進していない場合だけ。

それ以外の状態には、必ず次にやることが特定できている。

運用体制で先に決めること

始める前に決めておかないと途中で止まるものが4つあります。本数の目標より、この4つを先に決めてください。

  1. テーマを決める人(検索需要と自社サービスの両方を判断できる人)
  2. 事実確認の責任者(仕様や法令に触れる記述を止められる人)
  3. 公開後に内部リンクを張る担当(公開と同じ工程に組み込む)
  4. 数字を見る頻度(週次で段階指標、月次で本数と登録率)

止まる原因の多くは書き手不足ではなく、1番目が空席になっていることです。テーマが決まらないと執筆が始まらず、決める人がいないと会議のたびに議論が振り出しに戻ります。テーマの選び方はSEOキーワードの選び方|検索数で選ぶと問い合わせにつながらない理由で扱っています。

止まる原因は書き手不足ではなく、テーマを決める人がいないこと。

内部リンクは公開工程の一部として組み込む。

外注する場合に残る仕事

執筆は外注できます。ただし外注しても自社に残る仕事があり、これを渡そうとすると成果が出ません。

工程 外注できるか 備考
キーワード調査・構成案 できる ただし最終決定は自社。サービスとの接続を判断する
執筆 できる 専門用語の使い方は最初の数本で擦り合わせる
自社の実務に基づく判断や事例 できない 社内にしかない情報。ここが独自性の源になる
仕様・法令の事実確認 できない 誤りの責任は発注側に残る
公開作業と内部リンク できる 誰がやるかを契約時に決める
数字を見て次を決める できない 事業側の判断

3行目が最も重要です。外部の書き手が書けるのは、公開情報を整理した内容までです。自社が実際に手を動かして分かったことは社内にしかなく、そこが競合との差になります。取材の時間を確保できない場合、外注しても記事は他社と似た内容になります。

依頼先の選び方の考え方はデザイン制作会社の選び方|見積り比較で確認すべきポイントの判断軸が流用できます。

外注できるのは構成と執筆まで。事実確認と事業判断は残る。

自社の実務でしか分からない情報が入らなければ、他社と似た記事になる。

よくある失敗

表示回数がゼロの記事を書き直す

原因が未登録の場合、本文をいくら直しても数字は動きません。登録状況を先に確認してください。

公開して終わりにする

新記事は必ず被リンクゼロで生まれます。内部リンクを張らないと、記事数だけが増えて登録率が下がります。

3か月で成果を判定する

立ち上がりに半年から1年かかる施策です。判定するなら期間ではなく、段階指標が前進しているかで見てください。

本数を目標にする

登録が追いつかない速度で公開すると、登録率が下がり、書いた記事が検索結果に出ないまま積み上がります。

上位表示された後に放置する

競合も加筆します。順位は一度取れば維持されるものではなく、11位から20位に落ちた記事の加筆が次の打ち手になります。

外注先に事実確認まで任せる

仕様や法令の誤りは、公開している自社の責任になります。確認の工程を発注側に残してください。

よくある質問

何本くらい公開すれば成果が出ますか

本数では決まりません。同じ10本でも、テーマがばらばらで内部リンクがない状態と、1つの領域にまとまって相互にリンクしている状態では結果が変わります。本数より、領域の絞り込みと構造を優先してください。

更新頻度はどのくらいが適切ですか

公開した記事の登録が追いついている範囲が上限です。登録率が下がり始めたら、その頻度は自社のサイトにとって速すぎます。頻度を落として既存記事の内部リンクを整えるほうが、結果的に登録も順位も進みます。

生成AIで記事を書いてもよいですか

使うこと自体は問題視されていません。判断されるのは作り方ではなく、内容が読者の役に立つかどうかです。ただし、自社の実務でしか分からない情報や事実確認は人が担う必要があり、そこを省くと他社と似た内容になります。

PVを目標にしてはいけませんか

目標に置くと、問い合わせにつながらない集客キーワードへ寄っていきます。段階指標としてPVを見るのは有効ですが、最終目標は問い合わせ数または商談数に置いてください。

記事が増えると、古い記事の順位が下がりませんか

似た検索意図の記事を複数作った場合は起こりえます。同じキーワードを狙う記事が2本あると評価が分散するためです。新規テーマを決める前に、既存記事と検索意図が重ならないかを確認してください。

まとめ

オウンドメディアの判断が難しいのは、動いているのか止まっているのかが見えにくいためです。期間で区切ると、半年で成果が出る領域も1年半かかる領域も同じ基準で切られてしまいます。見るべきは段階です。公開、インデックス登録、表示、順位、クリック、問い合わせ。前の関門を通過していない記事は、後ろの数字が必ずゼロになります。

最初に止まるのは、たいてい順位ではなくインデックス登録です。表示回数がゼロでも、それは内容が悪いという意味ではありません。登録されていない状態と、登録された上で拾われていない状態は、対処がまったく違います。

もう1つ見落とされやすいのが、新しい記事は必ず被リンクゼロで生まれるという点です。公開して終わりにすると孤立したまま残り、記事数だけが増えて登録率が下がります。公開のたびに内部リンクを張る工程を組み込んでください。

11位から20位の記事が出てきたら、新規記事より加筆のほうが効率が高くなります。1本の加筆で1ページ目に届く可能性があり、新規1本を書くより短時間で済みます。撤退にあたるのは、1年以上どの段階も前進していない場合だけです。それ以外の状態には、必ず次にやることが特定できています。

当社ではホームページ制作でメディアの構造設計を、広告代行で立ち上がりまでの流入確保をご相談いただけます。

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