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デザイン制作会社の選び方|見積り比較で確認すべきポイント

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制作会社を比較するとき、3社から見積を取っても判断できないことがあります。原因は各社の力量差ではなく、見積の前提が揃っていないことにあります。片方は構成設計と原稿作成を含み、もう片方は支給前提。この状態で金額を並べても、比較にはなりません。

選定で見るべきは、金額でも実績数でもありません。工程の範囲を明示できるか、公開後の数字をどう扱うかを説明できるか。この2点は、依頼前の質問で判別できます。

この記事では、比較の前提を揃える方法、見積書で確認する項目、提案を見極める質問、そして契約前に決めておくべき条件までを解説します。

この記事でわかること

・相見積もりで比較可能な状態を作る方法

・見積書で確認すべき工程と、含まれないことが多い項目

・提案の質を見極める質問と、回答の判断基準

・制作会社・フリーランス・広告代理店の使い分け

・契約前に決めておくべき権利と納品範囲

結論:金額の前に「範囲」と「公開後」を確認する

確認項目 なぜ重要か 確認方法
工程の範囲 範囲が違う見積を並べても比較にならない 要件定義/構成設計/原稿/デザイン/実装/計測実装/撮影 の粒度で提示を求める
公開後の扱い 納品して終わりだと、成果が出ないまま止まる 「公開後、どの数字を見てどう改善しますか」と聞く

2番目に具体的に答えられる会社は、設計段階から成果を意識します。「まずは作ってから考えましょう」という回答は、公開後の運用が想定されていないサインです。

相見積もりは、金額の前に工程の範囲を揃えてから比べてください。

そして「公開後に何を見るか」を説明できる会社を選んでください。

比較可能な状態を作る

依頼側が先に条件を揃える

各社に自由に提案させると、前提がばらばらになります。次を共通の依頼文として渡してください。

  1. 目的:何を増やしたいか(問い合わせ数、採用応募、認知)
  2. 対象:主な訪問者と、その課題
  3. 必要なページ:現時点で想定している構成
  4. 依頼したい工程:構成設計から実装まで、どこを任せるか
  5. 支給できるもの:写真、原稿、ロゴデータの有無
  6. 予算の範囲と公開希望時期
  7. 公開後の運用体制:誰が更新するか

5番目と7番目を伝えると、提案の精度が変わります。原稿を自社で用意できるかどうかで、見積は数十万円単位で変わります

予算を伝えるべきか

伝えたほうが精度の高い提案が返ってきます。予算を隠すと、各社が想定した規模で提案するため、比較がさらに難しくなります。範囲(例:80〜120万円)で伝えれば十分です。

見積書で確認する項目

工程 含まれているか確認 含まれない場合の影響
要件定義・ヒアリング 目的とターゲットの確認工程があるか デザインの判断基準が好みになる
構成設計(サイトマップ・ワイヤーフレーム) ページ構成と各ページの要素設計 デザイン後に構成の修正が発生する
原稿・コピーライティング 「貴社支給」になっていないか 社内工数が数日〜発生する
デザイン 対応ページ数、修正回数の上限 超過分は追加請求
実装 レスポンシブ、対応ブラウザ、表示速度 スマホ表示の崩れが後から発覚
CMS導入 更新できる範囲 更新のたびに制作会社への依頼が必要になる
計測実装 GA4・GTM・コンバージョン計測 公開後に成果が測れない
撮影 人物・店舗・商品 フリー素材のみになる
公開作業・サーバー設定 ドメイン、SSL、リダイレクト リニューアル時に順位を落とす

特に見落とされやすいのが計測実装です。これが含まれないと、公開後に「成果が出たかどうか」が分かりません。含まれるかどうかを必ず確認してください。

見積に入っていないことが多い5項目

  • 原稿・コピーの作成(「貴社支給」と小さく書かれていることがある)
  • 写真撮影(フリー素材で代替される)
  • 計測タグの実装(GA4・GTM・コンバージョン設定)
  • 公開後の改修(別契約であることが多い)
  • リニューアル時の301リダイレクト設定(既存の順位を引き継ぐために必須)

最後の項目は、リニューアルで最も損失が大きい見落としです。旧URLから新URLへの個別リダイレクトがないと、検索からの流入が大きく落ちます。詳細は情報設計(IA)とは?わかりやすいサイト構成の作り方で解説しています。

提案を見極める質問

質問 良い回答 注意が必要な回答
公開後、どの数字を見てどう改善しますか 見る指標と改善の順序を具体的に示す 「アクセス解析はお任せください」だけ
この構成にした理由は何ですか 訪問者の判断順序から説明する 「一般的にこの並びです」
原稿はどちらが作りますか 範囲と分量を明示する 曖昧なまま進める
スマートフォンでの表示はどう設計しますか 縦順序を先に決める旨を説明する 「レスポンシブ対応します」だけ
公開後に自社で更新できる範囲はどこまでですか CMSの権限設計まで説明する 「更新は都度ご連絡ください」
計測はどこまで実装しますか GA4・GTM・CV設定の範囲を示す 「Googleアナリティクスは入れます」だけ

1番目と6番目の回答で、その会社が「作ること」だけを見ているか、「成果」まで見ているかが分かります。制作は手段であり、目的は問い合わせや応募が増えることです

実績の見方

実績数や有名企業の名前より、次を確認してください。

  • 自社と近い規模・業種の実績があるか(大企業の実績は参考にならないことがある)
  • その実績で何が改善したかを説明できるか
  • 公開後も継続して関わっている案件があるか
  • 実際に公開されているサイトを見て、スマートフォンでの表示速度を確認する

最後は自分で確認できます。制作会社の実績サイトをスマートフォンで開き、表示が遅い、崩れる、といった状態がないかを見てください。

依頼先の使い分け

依頼先 費用感 向いているケース リスク
制作会社 数十万〜数百万円 構成設計から実装まで一貫して任せたい 広告・計測まで見られるかは会社による
フリーランス 数万〜数十万円 デザインまたは実装が中心、予算が限られる 稼働停止リスク。対応範囲が個人の得意領域に依存
広告代理店(制作も対応) 制作費+運用費 広告出稿が前提で、LP改善と一体で回したい 制作専業ほどのデザイン品質は期待しにくい場合がある
制作+マーケティング支援 制作費+支援費 公開後の改善まで任せたい 費用は上がる
自社制作(ノーコード等) ツール利用料 小規模、検証段階 工数と品質のばらつき

判断軸は「公開後に誰が改善するか」です。社内に運用できる人がいないなら、公開後の改善まで含めて依頼できる相手を選ぶほうが、結果的に費用対効果は高くなります。

契約前に決めておくこと

  • 修正回数の上限と、超過時の費用
  • 納品データの範囲:デザインの元データ(Figma、psd、ai)を受け取れるか
  • 著作権と利用範囲:改変・二次利用の可否
  • ドメイン・サーバーの契約名義:自社名義になっているか
  • GA4・GTM・Search Consoleの所有者:自社のGoogleアカウントで作成されるか
  • 公開後の保守範囲:不具合対応、バージョン更新、バックアップ
  • 解約・移管時の対応:データの引き渡し範囲

4番目と5番目は特に重要です。ドメインや計測環境が制作会社の名義になっていると、乗り換え時に移管できない、あるいは過去データを失います。契約前に自社名義で作成するよう指定してください。

よくある失敗

失敗1:金額だけで比較する

工程の範囲が違えば、金額の差は品質の差ではありません。範囲を揃えてから比べてください。

失敗2:予算を伝えない

各社が想定した規模で提案するため、比較がさらに難しくなります。範囲で伝えるだけでも精度が上がります。

失敗3:計測実装を確認しない

公開後に成果を測れない状態でスタートすると、改善の判断ができません。

失敗4:デザインの好みで選ぶ

制作会社の実績サイトが好みかどうかより、自社の目的に対する提案の妥当性で判断してください。

失敗5:公開後の体制を決めずに契約する

誰が更新し、誰が数字を見るかが決まっていないと、公開後にサイトが放置されます。

よくある質問

Q. 何社から見積を取るべきですか?

3社程度が実務的です。多すぎると比較の工数が増え、判断が遅れます。ただし、同じ依頼文と同じ工程範囲で依頼することが前提です。

Q. 安い会社は品質が低いのですか?

必ずしもそうではありません。含まれる工程が少ない、テンプレートを使う、対応範囲が限定的といった理由で安い場合があります。安い理由を特定し、抜けている工程を自社で埋められるかを判断してください。

Q. 制作費の相場はどのくらいですか?

ページ数と工程範囲によって大きく変わります。LP単体であれば工程をすべて含んで30万〜60万円が中心帯です。コーポレートサイトはページ数と機能によります。詳細はLP制作費用の相場は?価格帯別の内訳と成果から逆算する予算の決め方で解説しています。

Q. 提案内容が難しくて判断できません。

専門用語で説明されて理解できない場合、それ自体が判断材料です。発注者が理解できる言葉で説明できる会社を選んでください。公開後もやり取りが続く相手です。

Q. 制作後の運用も同じ会社に頼むべきですか?

設計意図を理解している分、改善は早くなります。ただし、運用の対応範囲と費用を契約時に確認してください。「保守」の内容が、不具合対応だけなのか、改善提案まで含むのかで意味が変わります。

まとめ

制作会社の選定では、金額の前に工程の範囲を揃えてください。要件定義、構成設計、原稿、デザイン、実装、計測実装、撮影。この粒度で提示を求め、同じ条件で比較します。

そして「公開後、どの数字を見てどう改善しますか」と聞いてください。この質問に具体的に答えられる会社は、設計段階から成果を意識しています。

契約前には、修正回数の上限、納品データの範囲、著作権、ドメインとサーバーの名義、そしてGA4・GTMの所有者を確認してください。特に計測環境が制作会社名義だと、乗り換え時に過去データを失います。

「見積の金額差が何によるものか判断できない」「サイトを作ったが成果が測れない」「更新のたびに依頼が必要で運用が止まっている」といった状態にある場合は、制作会社の比較だけでなく、依頼範囲と公開後の体制を合わせて設計する必要があります。

当社ではホームページ制作からデザイン制作、広告運用、計測設計までを横断して支援しています。資料では制作の進め方と公開後の改善設計をまとめていますので、自社の課題を整理したい方はぜひダウンロードしてご活用ください。

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