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ダイレクトメール(DM)は今も効くのか|1通あたりの原価から必要な反応率を逆算する

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郵送のダイレクトメール(DM)を検討するとき、多くの場合「反応率の相場は何%か」から調べ始めます。しかし相場の数字を集めても、自社で成立するかどうかは判断できません。同じ反応率0.5%でも、1通あたりの原価が80円の商材と300円の商材では意味がまったく違い、粗利1万円の商材と50万円の商材でも違います。

判断の順序は逆です。先に必要な件数と1通あたりの原価を置き、そこから必要反応率を逆算します。そのうえで、その水準が現実的かどうかを見ます。この順序で計算すると、送る前に「そもそも成立しない企画」を落とせます。

もう一つ、郵送DMには内容以前の関門があります。リストです。誰に送るかが決まらなければ通数も決まらず、しかもリストの出どころによっては、個人情報保護法上そのまま使えない場合があります。ここは制作会社ではなく、発注する側が確認しなければならない部分です。

この記事では、郵送DMを企画の段階で判断するための計算と確認事項を整理します。販促物全体をどう選ぶかは販促物は何を作るべきか|種類ごとの使い分けと、品目より先に決める4つの条件で扱っています。

この記事でわかること

・反応率の相場から入らない。必要件数と原価から必要反応率を逆算する

・郵便料金は定形110円、はがき85円。1通あたりの原価はここに印刷と宛名が乗る

・広告郵便物の割引は2,000通以上から。数百通の企画では届かない

・リストの出どころで、確認すべきことと使える範囲が変わる

・特定電子メール法は電子メールの法律で、郵送DMは対象外。ただし個人情報保護法はかかる

・固有URLと専用の電話番号を用意しないと、反応は測れない

・送る相手の温度が違えば、同じ内容を送っても結果は比べられない

郵送DMで決める順序
郵送DMで決める順序

「効くかどうか」ではなく「何通で、いくらで、何件必要か」で判断する

郵送DMは、費用の構造が広告と大きく違います。クリック単価のように結果に応じて費用が動くのではなく、送った時点で全額が確定します。反応がゼロでも、通数ぶんの費用は出ていきます。

したがって、判断の入口は次の1本の式です。

  • 必要反応率 = 必要な件数 ÷ 発送する通数
  • 回収に必要な件数 = 総費用 ÷ 1件あたりの粗利

順に埋めていきます。まず1通あたりの原価を出します。内訳は次のとおりです。

費目 内容 性質
郵便料金 定形郵便物、はがき、定形外のいずれか 通数に比例する
印刷費 紙代と刷り代。部数が増えるほど単価は下がる 通数に比例する(逓減あり)
封入・宛名 封入封緘、宛名の印字、発送代行の手数料 通数に比例する
リスト 購入する場合の名簿費用 通数に比例する場合が多い
デザイン費 原稿と制作。1回きりの費用 通数に関係なく発生する

ここで見落とされやすいのが最下行です。デザイン費は通数で割るため、少部数ほど1通あたりが跳ね上がります。500通の企画にデザイン費が10万円かかれば、それだけで1通200円が乗ります。少部数で試すつもりが、1通あたりで見ると最も高い企画になっていた、という事態はここで起きます。

数字を入れて確かめます。仮に定形郵便で送り、郵便料金110円、印刷と封入で40円、宛名とリストで20円とすると1通170円です。1,000通なら17万円、これにデザイン費10万円を足して総額27万円になります。1件あたりの粗利が5万円の商材であれば、回収に必要なのは6件です。必要反応率は6÷1,000で0.6%になります。

この0.6%という数字が出て、はじめて相場との比較に意味が出ます。先に相場を見ても、自社が超えるべき水準が分からないため判断材料になりません。逆算した必要反応率が数%に達する場合は、通数を増やすか、原価を下げるか、送る相手を絞るかのいずれかを企画の段階で決め直します。

なお、ここで使う粗利は売上ではありません。広告や販促の投資判断を売上比率で行うと、粗利率の低い商材で必ず合わなくなります。この考え方は広告予算はいくらが適正?売上比率ではなく粗利から決める方法で詳しく扱っています。

郵便料金と、割引が届く条件

原価の計算に使う郵便料金は、日本郵便が公表している実額で押さえます。2024年10月の改定以降、定形郵便物は重量区分が統合され、50g以内は一律110円です。

種類 重量など 料金
通常はがき 85円
往復はがき 170円
定形郵便物 50g以内 110円
定形外(規格内) 50g以内 140円
定形外(規格内) 100g以内 180円
定形外(規格内) 150g以内 270円

定形郵便物には、長辺23.5cm・短辺12cm・厚さ1cm以内という規格があります。この枠を超えると定形外になり、料金は一段上がります。厚みのある同封物を入れるかどうかは、デザインの問題ではなく原価の問題として先に決めてください。

費用を下げる手段としてよく挙がるのが広告郵便物の割引です。ただし、この割引は同時に2,000通以上を差し出すことが条件で、数百通の企画には届きません。あわせて次の条件がかかります。

  • あらかじめ承認請求書に印刷物の見本を添えて、取扱郵便局の承認を受ける
  • 受取人の郵便区番号ごとに区分して差し出す
  • 通常より3日程度、または7日程度の余裕をみた送達になることを了承する
  • 料金別納、料金後納、料金計器別納のいずれかで支払う

割引率は通数によって段階的に上がり、定形郵便物では2,000通からで12%、1万通からで21%です。つまり2,000通の企画で下がるのは1通あたり13円程度で、この割引を目当てに通数を水増しすると、増やした分の原価のほうが上回ります。割引は通数が先にあって使うものであり、通数を決める理由にはなりません。

配達日に3日から7日の余裕が必要な点も、企画に影響します。期限のあるキャンペーンでは、到着日の幅を織り込んだ締切設定が必要です。セール初日に届くはずが数日ずれる前提で、告知の内容を組み立ててください。

リストの出どころで、できることが変わる

郵送DMで最初に詰まるのは、内容ではなくリストです。そして出どころによって、確認すべきことと使える範囲が変わります。ここは制作を頼む前に、発注側で整理しておく部分です。

リストの出どころ 確認すること 注意点
既存顧客・取引先 取得時に伝えた利用目的の範囲に入るか 範囲外の用途なら本人の同意が要る
名刺交換 社内で共有して発送に使う状態か 共有して使う時点で個人情報データベース等にあたる
資料請求・カタログ請求 請求時の記載に、送付の案内が含まれているか 請求した資料と無関係な販促が続くと苦情になる
購入した名簿 提供元がオプトアウトの届出をしているか 取得後は速やかに利用目的を通知または公表する
公開情報から作成 法人の情報か、個人が特定される情報か 担当者名が入れば個人情報として扱う

個人情報保護委員会は、法人等の団体そのものに関する情報は個人情報に該当しないという考え方を示しています。会社名と代表電話、部署宛の住所だけで構成されたリストであれば、個人を特定する情報を含みません。BtoBのDMで「部署宛」に送る運用が実務で選ばれるのは、この違いがあるためです。ただし担当者の氏名が入った時点で、個人情報として扱う必要が出てきます。

名刺についても整理されています。一定の規則で整理された名刺であっても、従業者本人しか使用できない状態であれば、企業の個人情報データベース等には該当しないとされています。裏を返せば、名刺を社内で共有し、宛名データとして発送に使う時点で、その状態からは外れます。展示会で集めた名刺を発送に使うなら、ここを前提に運用を決めてください。

購入した名簿を使う場合の確認点は2つあります。1つは、提供元がオプトアウト規定による第三者提供の届出を個人情報保護委員会に行っているかです。この仕組みは法第27条第2項に基づくもので、届け出た事業者は自らも当該事項を公表することとされています。不正な手段で取得したデータや、他の事業者から受け取ったデータを、オプトアウトで再提供することはできません。要配慮個人情報も対象外です。

もう1つは、受け取った側の義務です。個人情報保護委員会のQ&Aでは、市販の人名録を使ってDMを送る場合について、そのDMに利用目的を記載して送付する方法が想定されています。取得後「速やかに」利用目的を通知または公表する必要があり、通常の業務上必要な準備期間の範囲であればこれに該当すると説明されています。買ったリストを寝かせてから使う運用は、この点で説明が難しくなります。

自社で集めたリストについても、原則は同じです。取得のときに伝えた利用目的の範囲で使います。問い合わせ対応のために取得した情報を、後から販促の送付に使うのであれば、利用目的の変更が認められる範囲かどうかを確認してください。個人情報保護委員会は、変更が許されるのは変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲だとしています。

メールDMと郵送DMは、かかる法律が違う

実務でよく見る誤解に、「同意を取っていない相手には送れない」というものがあります。これは電子メールの話で、郵送のDMには当てはまりません。

特定電子メール法は、その名のとおり電子メールの送信を規制する法律です。広告宣伝のメールを送るには原則として事前の同意が必要で(オプトイン)、送信者の氏名や住所などの表示義務もかかります。一方、郵便物として送るDMは、この法律の対象ではありません。

メールDM 郵送DM
特定電子メール法 対象。原則としてオプトインが必要 対象外
個人情報保護法 対象 対象(同じくかかる)
1通あたりの原価 ほぼ配信システムの費用のみ 郵便料金と印刷が通数ぶん発生する
送る前の確認 配信停止の導線、送信者情報の表示 リストの出どころ、宛先の鮮度
止める手段 配信停止で即時 印刷後は止められない

整理すると、郵送DMで同意が必須なのではなく、個人情報保護法の枠内で利用目的の範囲を守る、という条件がかかっているということです。この違いを知らないまま「同意がないから送れない」と判断して、有効な手段を最初から外している例は少なくありません。

逆に、郵送だからといって何を送ってもよいわけでもありません。印刷して送った表現は回収できません。効能や優位性の書き方には景品表示法などの制約がかかります。表現の線引きは広告表現で問題になりやすい言い方|景表法・薬機法と媒体ポリシーの整理で扱っています。

メール施策そのものの組み立て方はメール施策の始め方|配信して終わりにしないための設計で整理しています。両方を持っているなら、郵送は「メールでは届かない相手」に絞るのが基本の考え方です。メールアドレスを持っていない既存顧客、配信を開封しなくなった休眠層、担当者名が分からない企業などが該当します。

展示会で集めた名刺をメールで追う場合の扱いは展示会で集めた名刺を商談につなげる方法|フォローの順序と、追わない基準で扱っています。同じ名刺でも、メールで追うか郵送で追うかで、確認すべき法律が変わります。

反応を測る仕組みは、送る前に作る

郵送DMで最も多い失敗は、送った後に「効果があったのか分からない」状態になることです。紙は、それ自体がクリックを記録しません。測れる状態は、送る前に作っておくしかありません。

測る対象 用意するもの 分かること
Webへの反応 DM専用のURLとQRコード 何人がアクセスし、どこまで進んだか
電話での反応 DM専用の電話番号 何件の着信が、DM経由で発生したか
来店・持参 クーポン番号や差し替えの記載 実際に持参された件数
宛先の精度 宛先不明で返送された数 リストの鮮度。次回に持ち越す指標
時間の分布 到着予定日からの日別の反応 反応が続く期間。次回の締切設定に使う

専用URLは、トップページではなくDM専用のページを1枚用意し、そこに固有のパラメータを付けます。パラメータの命名を場当たりで決めると、後から他の施策と区別できなくなります。命名規則の作り方はUTMパラメータの設計と命名規則|流入元を正しく計測する方法で扱っています。

電話については、代表番号をそのまま載せると媒体別に切り分けられません。DMに載せる番号を分けることで、はじめて「DMから何件鳴ったか」が分かります。導入の判断基準は電話の問い合わせを媒体別に把握する方法|コールトラッキング導入の判断基準で整理しています。

宛先不明で戻ってきた郵便物は、失敗ではなくリストの鮮度を測る唯一の実測値です。返送された件数と宛先を記録し、次回の発送前にリストから外してください。ここを放置すると、同じ費用を毎回捨て続けることになります。

そして、DMで発生した反応をどう扱うかも先に決めます。届いた問い合わせを誰が、何日以内に、どう追うのかが決まっていなければ、反応が出ても売上には変わりません。獲得の後で止まる構造は問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方で扱っています。

形態は、情報量と単価の釣り合いで決める

はがきにするか封書にするかは、好みではなく載せたい情報量と、1通あたりの原価の釣り合いで決めます。

形態 情報量 原価の傾向 向く用途
はがき 少ない。表裏のみ 最も安い 再来店の促し、期日の告知、既存客への一報
圧着はがき はがきより多い 加工費が乗る 内容を隠したい案内、複数の情報を載せる場合
封書 多い。同封物を入れられる 郵便料金と封入費が乗る 新規への提案、カタログや申込書の同封

はがきは開封という段階が無いため、受け取った瞬間に本文が目に入ります。期日の告知や再来店の促しのように、伝えたいことが1つに絞れる場合は、はがきのほうが到達の確実性が高くなります。一方、内容を他人に見られたくない案内には向きません。

圧着はがきは、はがきの形態を保ったまま情報量を増やせる方法です。ただし加工の仕様によって第二種郵便物として扱えるかどうかが変わるため、料金の前提は印刷会社と郵便局に確認してください。刷ってから料金区分が変わると、企画の原価計算が崩れます。

封書は同封物を入れられる点が強みです。ただし厚みと重さで定形の枠を超えると、料金が一段上がります。カタログを同封する場合は、この段階で1通あたりが200円を超えることも珍しくありません。商品カタログ側の構成は商品カタログの作り方|商品順ではなく、買い手が絞り込む順に並べるで扱っています。

紙面の作り方そのものは、チラシと共通する部分が多くあります。受け取った相手が数秒で判断する点は同じです。情報の優先順位の付け方は反響が出るチラシデザインの作り方|捨てられる前の2秒で決まることで整理しています。ただしDMには宛名があります。不特定多数に配るチラシと違い、相手が分かっている前提で書けるため、同じ文面を流用すると強みを捨てることになります。

送る相手の温度が違えば、結果は比べられない

同じDMでも、送る相手によって期待できる反応率は桁で変わります。これを分けずに1つの反応率として集計すると、次に打つ手が決まりません。

送る相手 関係の状態 DMの役割 期待できること
既存顧客 取引がある 追加購入、再来店、案内 最も高い。実測の基準になる
休眠顧客 以前は取引があった 思い出してもらう 中程度。反応した層の抽出に使える
請求・接触があった相手 問い合わせや資料請求のみ 検討の再開 中程度。時期の見極めが要る
名刺交換した相手 面識はある 接点の維持 低い。回数と間隔で効く
購入リスト 接点が無い 認知の獲得 最も低い。原価を回収しにくい

最下行を最初に試すのは、最も費用対効果が悪い順序です。接点が無い相手に送るDMは、認知を作る施策であって、直接の受注を期待するものではありません。ここから始めて反応が出ず、「DMは効かない」と結論づけるのが、最もよくある失敗の形です。

順序としては、既存顧客への1回目で自社の基準値を作り、そこから外側へ広げます。既存顧客の反応率が想定を下回るなら、内容か形態に問題があると分かります。既存で成立しない内容が、接点の無い相手で成立することはありません。

BtoBの場合、DMは複数ある手段の1つです。獲得単価だけでなく、商談化率まで含めて他の手段と比べてください。手段ごとの温度と商談化率の違いはBtoBのリード獲得手段はどう選ぶか|獲得単価ではなく商談化率から逆算するで整理しています。

よくある失敗

反応率の相場を探してから企画する

相場の数字は、商材も原価も送る相手も違う条件のもとで出たものです。自社が超えるべき水準は、必要な件数と1通あたりの原価から逆算しないと出てきません。先に必要反応率を計算し、それが現実的かどうかで判断してください。逆算した数字が数%になる企画は、送る前に組み直す対象です。

少部数で試して、1通あたりを高くしてしまう

デザイン費は通数に関係なく発生するため、少部数ほど1通あたりに乗る額が大きくなります。500通の試験発送が、実は最も割高な企画だったという事態はここで起きます。試すのであれば、デザイン費を抑えた形態を選ぶか、既存顧客に絞って原価を回収できる条件にしてください。

測る仕組みを作らずに送る

紙は反応を記録しません。専用URL、QRコード、専用の電話番号、クーポン番号のいずれも用意せずに送ると、届いた問い合わせがDM経由かどうかを判別できません。結果として「なんとなく効いた気がする」で終わり、次回の判断材料が残りません。測る仕組みは、内容を考えるより前に決めてください。

購入した名簿の出どころを確認しない

名簿を購入する場合、提供元がオプトアウト規定による届出を行っているかを確認してください。あわせて、受け取った側にも取得後速やかに利用目的を通知または公表する義務があります。安い名簿には理由がある場合があり、確認せずに送ると、苦情の窓口になるのは送った自社です。

宛先不明の返送を記録せずに捨てる

戻ってきた郵便物は、リストの鮮度を測れる唯一の実測値です。件数と宛先を記録せずに処分すると、次回も同じ相手に送り、同じ費用を捨てることになります。返送率が高い場合は、内容より先にリストの更新に手を付けてください。

接点の無い相手への発送から始める

購入リストへの発送は、最も反応率が低く、原価を回収しにくい使い方です。ここから始めて成果が出ず、DMという手段そのものを外してしまう判断は、順序の問題です。まず既存顧客に送って自社の基準値を作り、内容が成立することを確認してから外側へ広げてください。

よくある質問

郵送DMの反応率はどれくらいが目安ですか

目安の数字を先に置く進め方をおすすめしません。同じ反応率でも、1通あたりの原価と1件あたりの粗利によって、成立するかどうかが変わるためです。判断に使うのは、必要な件数を発送通数で割った必要反応率です。総費用を1件あたりの粗利で割ると必要件数が出るので、それを通数で割ってください。この数字が出た後であれば、他社の事例と比べる意味が生まれます。

DMを送るのに、相手の同意は必要ですか

郵送のDMは、電子メールを対象とする特定電子メール法の規制対象ではないため、メールのようなオプトインの取得は求められません。ただし個人情報保護法はかかります。取得のときに伝えた利用目的の範囲で使うこと、購入した名簿であれば提供元の届出の有無を確認し、取得後速やかに利用目的を通知または公表することが必要です。同意の要否ではなく、利用目的の範囲で判断してください。

BtoBで担当者名が分からない場合はどうすればよいですか

部署宛で送る方法があります。個人情報保護委員会は、法人等の団体そのものに関する情報は個人情報に該当しないという考え方を示しており、会社名と部署名だけで構成されたリストであれば個人を特定する情報を含みません。ただし届いた後に誰が開けるかは相手の社内次第です。開封される確率は担当者名がある場合より下がるため、封筒の表面に「誰宛か」が分かる記載を入れてください。

はがきと封書のどちらが反応率は高いですか

形態だけでは決まりません。はがきは開封という段階が無いぶん、内容が目に入る確率は高くなりますが、載せられる情報量が限られます。封書は情報量を確保できますが、開封されなければゼロです。判断の基準は、伝えたいことが1つに絞れるかどうかです。絞れるならはがき、複数の情報や申込書が必要なら封書を選んでください。

何通から始めるのが適切ですか

通数は「試したい数」ではなく、必要反応率が現実的になる数から決めます。必要件数を必要反応率で割ると、必要な通数が出ます。加えて、1件でも反応が出れば偶然かどうかを判断できない、という点も考慮してください。数十通の発送では、反応が0件でも1件でも、そこから読み取れることはほとんどありません。既存顧客に対して数百通を送り、基準値を作ることから始めるのが現実的です。

広告郵便物の割引は使えますか

同時に2,000通以上を差し出すことが条件のため、数百通の企画では使えません。加えて、事前に取扱郵便局の承認を受けること、郵便区番号ごとに区分すること、通常より3日程度または7日程度の余裕をみた送達になることを了承することが必要です。割引率は定形郵便物で2,000通からが12%です。割引のために通数を増やすと、増やした分の原価のほうが上回るため、通数が先にある場合の手段として考えてください。

同じ内容を何回まで送ってよいですか

回数の上限を決める規定はありませんが、相手からの申し出があれば送付を止める仕組みを持っておいてください。購入した名簿の場合、提供元のオプトアウトとは別に、自社への停止の申し出を受け付ける窓口が必要です。実務的には、DMの紙面に停止の連絡先を記載し、申し出を受けたリストを次回の発送前に除外する運用にします。ここを整えずに回数を重ねると、苦情として返ってきます。

まとめ

郵送DMを検討するときに最初に決めるのは、内容でも形態でもありません。必要な件数と1通あたりの原価から、必要反応率を逆算することです。総費用を1件あたりの粗利で割れば必要件数が出て、それを通数で割れば超えるべき水準が出ます。相場の数字と比べるのは、その後です。

原価の計算では、通数に比例しない費用に注意してください。デザイン費は通数で割るため、少部数ほど1通あたりが高くなります。郵便料金は定形110円、はがき85円が現在の水準で、広告郵便物の割引は2,000通以上からです。数百通の企画に、この割引は届きません。

内容より先に固めるのがリストです。出どころによって、確認すべきことと使える範囲が変わります。既存顧客なら取得時の利用目的の範囲か、名刺なら社内で共有して使う状態か、購入した名簿なら提供元が届出をしているかを見てください。法人そのものの情報は個人情報に当たらないため、部署宛という選択肢もあります。

郵送DMは特定電子メール法の対象ではありません。「同意がないから送れない」はメールの話であり、郵送に当てはめて有効な手段を外してしまわないでください。ただし個人情報保護法は同じくかかります。

そして、測る仕組みは送る前に作ります。専用URL、QRコード、専用の電話番号、クーポン番号のいずれも無ければ、反応があっても記録に残りません。宛先不明で戻ってきた郵便物も、リストの鮮度を測る実測値として記録してください。

送る相手は、既存顧客から始めて外側へ広げます。接点の無い相手への発送から始めて反応が出ず、DMという手段ごと外してしまうのは、順序の問題です。既存顧客で成立しない内容が、面識の無い相手で成立することはありません。

DMやチラシなど販促物の企画・制作については販促・広告デザインでご相談を承っています。これまでの制作事例は制作実績、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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