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電話の問い合わせを媒体別に把握する方法|コールトラッキング導入の判断基準

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リフォーム、整体、車検、飲食、士業。問い合わせの多くが電話で入る業種では、広告の評価が難しくなります。フォーム送信はすべて記録に残る一方で、電話は「どこを見てかけてきたか」が残らないためです。

この課題への対応は3段階あり、費用も分かることも大きく違います。サイト上の電話番号タップを計測する方法、Google広告の転送電話番号を使う方法、専用のコールトラッキングツールを導入する方法です。いきなり3段階目から検討して、費用に見合わずに止まる例が多いため、まず自社がどの段階で足りるかを判断してください。

この記事では、3つの方法で何が分かり何が分からないか、日本固有の制約、導入すべき条件と不要な条件、そしてGoogleビジネスプロフィールに転送番号を載せる際の注意点を整理します。

この記事でわかること

・「タップ数」と「通話」は別の指標であること

・3つの計測方法の比較(費用・分かること・導入の手間)

・Google広告の転送電話番号でどこまで分かるか

・日本では通話コンバージョンのインポートが利用できないという制約

・コールトラッキングツールを導入すべき条件と、不要な条件

・Googleビジネスプロフィールに転送番号を掲載する際の注意点

・番号を分ける前に決めておくこと

計測しているのは「かけた数」であって「話した数」ではない

電話計測の相談で最初に確認すべきなのは、いま何を数えているかです。多くのサイトで実装されているのは、スマートフォンの電話番号リンクをタップした回数です。これは発信画面を開いた回数であって、通話が成立した回数ではありません

誤タップ、かけ直しの重複、営業時間外で切れた通話がすべて含まれます。タップ数を成果として広告の自動入札に渡すと、実際には話せていない行動を最適化の目標にしてしまいます。

電話の計測は「タップ数」「通話の成立」「通話の内容」の3層に分かれる。

層が上がるほど費用と手間が増える。自社の判断に必要な層はどこかを先に決める。

3つの計測方法の比較

上から順に、費用と分かることが増えます。多くの店舗ビジネスは2段階目までで判断できます。

方法 費用の目安 分かること 分からないこと
サイト上の電話タップ計測(GA4・GTM) 無料(実装工数のみ) どのページで発信操作をしたか、流入元 通話が成立したか、通話の内容
Google広告の転送電話番号 無料(Google広告の機能) 広告経由の通話数、通話時間、キャンペーン・広告グループ単位 広告以外からの通話、成約したかどうか
コールトラッキングツール 月額の利用料と番号料 媒体・キーワード単位の通話、録音、応答状況 ツールと事業側のデータを結ばなければ成約は不明

1段階目の実装手順は電話問い合わせをコンバージョンとして計測する方法にまとめています。GA4の拡張計測機能では電話番号リンクのタップは自動で計測されないため、GTMでのトリガー設定が必要です。

Google広告の転送電話番号でどこまで分かるか

Google広告には、広告に表示する電話番号を専用の転送番号に置き換える機能があります。Google広告ヘルプによれば、この機能は日本でも利用でき、フリーダイヤルと市内番号の両方が対象です。通話が発生した時間、通話の長さ、キャンペーンや広告グループなどの情報を記録できます。

  • 設定した秒数を超えた通話だけをコンバージョンとして数えられるため、誤発信や短時間の切断を除外できる
  • 広告の電話番号アセットからの通話に加え、広告クリック後にサイトへ来た人がサイト上の番号にかけた通話も計測対象にできる
  • 転送番号はGoogleが所有するため、変更や再割り当てが発生する場合がある。名刺やチラシに印刷する用途には使えない
  • Google広告以外の用途で使用することは認められていない

日本では、通話の成約データを広告に戻せない

見落とされやすい制約があります。Google広告ヘルプには、日本では通話コンバージョンデータのインポートがサポートされていないと明記されています。転送電話番号自体は日本で利用できますが、「この通話は成約した」という結果を後から広告へ取り込む機能は使えません。

つまり日本では、電話を「通話時間で判定する」ところまでが広告側で完結できる範囲です。通話の中身まで含めて評価したい場合は、ツール側または自社の台帳側でひも付ける必要があります。フォーム経由の成約データを戻す方法はオフラインコンバージョンとは?来店・成約データを広告に反映する方法で解説していますが、電話については同じようには扱えません。

仕様は変更される可能性があるため、導入前にGoogle広告ヘルプの最新の記載を確認してください。

コールトラッキングツールを導入すべき条件

専用ツールは、媒体ごとに異なる番号を出し分け、どの経路からの通話かを記録します。録音や応答状況の確認ができる製品もあります。ただしツールを入れても電話の件数は増えません。増えるのは判断の精度です。したがって、判断が変わる規模かどうかで決めます。

確認すること 導入を検討してよい水準 不要と判断してよい水準
月間の電話問い合わせ件数 30件以上 10件未満(1件ずつ聞き取れる)
出稿している媒体数 2媒体以上 1媒体のみ(分ける必要がない)
電話とフォームの比率 電話が半分以上 電話が2割以下
1件あたりの粗利 数万円以上 数千円(判定コストが見合わない)
受電時に聞き取れているか 聞けていない・記録がない 全件で流入元を記録できている

回収できるかを式で確認する

導入判断は、次の式で確認できます。ツールは件数を増やさないため、「判断を変えることで防げる無駄」と費用を比べます。

月額費用 ÷ CV1件あたりの粗利 = 何件分の利益で費用を賄えるか

例として、月額2万円のツールで粗利が1件3万円なら、1件に満たない差で回収できます(説明のための例です)。

ただし回収の源泉は「成果の出ていない媒体への支出を止められること」。止める判断ができない体制なら、導入しても回収できません。

受電時の聞き取りで足りる規模であれば、無料で始められます。「どちらでお知りになりましたか」を全件記録し、月末に集計するだけでも媒体別の傾向は見えます。ただし件数が増えると記録漏れが発生するため、そこがツール導入の実質的な分岐点になります。

Googleビジネスプロフィールに転送番号を載せるときの注意

地図検索からの通話も分けたい場合、Googleビジネスプロフィール(GBP)に別の番号を載せたくなります。ここにはガイドライン上の制約があります。

  • GBPには、メインの電話番号に加えて最大2件の追加の電話番号を登録できる
  • 実際のビジネス拠点とは異なる場所、または実際のウェブサイトとは異なるページへ利用者をリダイレクトする電話番号やURLは指定できない
  • 発信者に請求される料金の有無にかかわらず、追加料金のかかる電話番号は使用できない
  • 可能であれば、コールセンターではなく個々の拠点に直接つながる番号を指定する

実務上は、メインの番号を実際の店舗番号のままにしておくことが基本です。地図検索からの通話数はGBPのパフォーマンス指標でも確認できるため、GBP側の通話は追加番号を使わずに把握するほうが安全です。GBPの運用はMEO対策とは?Googleビジネスプロフィールで来店数を増やす具体的手順を参照してください。

ガイドラインは更新されることがあるため、番号を差し替える前にGoogleビジネスプロフィールヘルプの最新の記載を確認してください。

番号を分ける前に決めておくこと

計測手段より先に決めておかないと、導入後に数字が使えません。

  1. 何秒以上の通話を成果とみなすか。業種によって適切な秒数は違います。予約なら30秒前後、相談なら60秒以上が目安になります
  2. 営業時間外の着信をどう扱うか。取れなかった通話は成果ではありませんが、機会損失としては記録すべき数字です
  3. 誰が記録するか。受電した人が入力する運用にすると、繁忙時に必ず抜けます。自動記録できる範囲を先に決めます
  4. 成約まで結ぶか。結ぶなら、通話記録と顧客台帳を突き合わせる担当と頻度を決めます
  5. 広告の最適化に渡すか。渡す場合、価値の低い通話が混ざると自動入札がそちらへ寄ります

5つ目は特に重要です。CV数だけを目標にすると、獲得しやすい行動が増えます。10秒で切れた通話も1件として渡せば、配信はその方向へ寄ります。渡すのは、通話時間で絞り込んだあとの数字にしてください。

計測より先に確認すべき「取り逃し」

電話計測の相談を受けたときに、実際に効果が大きいのは計測の高度化ではなく応答の改善であることが少なくありません。かかってきた電話に出られていなければ、どの媒体から来たかを知っても成果は増えません。

確認項目 確認方法 改善の打ち手
応答率 着信数と応答数を1週間記録する 受電の担当を決める。転送先を追加する
営業時間外の着信 時間帯別の着信を集計する 留守番電話の案内文を変える。フォームへ誘導する
昼休みの着信 同上 時間帯だけ転送先を変える
初回で用件を聞けているか 受電メモの有無 聞き取り項目を3つに固定する

着信の1割を取り逃している状態は、広告費の1割を捨てているのと同じです。獲得後の歩留まりについては問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方にまとめています。

計測全体の設定

個別の計測は、全体の実装が動いていることが前提になります。設定の全体像は店舗ビジネスのためのGA4×GTM計測設定ガイドを参照してください。

よくある失敗

タップ数をそのままコンバージョンにする

誤タップと重複が含まれます。自動入札の目標にすると、通話に至らない行動を増やす方向へ最適化されます。件数が多い場合は、通話時間で判定できる方法へ切り替えてください。

チラシや看板に転送番号を印刷する

Google広告の転送電話番号は変更や再割り当てが発生します。印刷物には自社の番号を使ってください。オフライン媒体の効果を分けたい場合は、専用ツールで固定番号を取得します。

媒体別に番号を分けたが、記録を誰も見ていない

計測は判断に使われて初めて費用の意味を持ちます。月次で誰がどの数字を見て、何を決めるのかを先に決めてください。決まっていない場合、導入しても運用が止まります。

サイト全体の番号を一括で置き換える

採用ページや取引先向けのページまで転送番号に変わると、広告と無関係な通話が混ざります。置き換える範囲をページ単位で決めてください。

録音を運用ルールなしで始める

通話の録音は、事前の案内など運用上の配慮が必要です。導入前に、案内方法と保存期間、閲覧できる担当者の範囲を社内で決めてください。取り扱いの要件は関係する法令やガイドラインの最新情報を確認してください。

よくある質問

無料で始められる範囲はどこまでですか

サイト上の電話タップ計測と、Google広告の転送電話番号までは追加費用なしで実施できます。多くの店舗ビジネスは、この2つで媒体別の傾向まで把握できます。

転送番号にすると着信が減ることはありませんか

表示される番号が変わるため、番号で検索して調べる人がいる業種では影響を確認したほうが安全です。導入前後で着信総数を比較してください。

Meta広告やTikTok広告からの電話も分けられますか

媒体側に転送番号の機能がないため、専用ツールで媒体ごとの番号を出し分けるか、遷移先のページを分けて計測します。ページを分ける方法なら追加費用なしで実施できます。

固定電話がなく携帯電話で受けています。計測できますか

転送先として携帯電話を指定できるため、計測は可能です。ただし、受電時に発信者番号が転送元になる製品もあるため、折り返しの運用を確認してください。

通話の録音は必要ですか

媒体別の判断だけなら不要です。録音が効くのは、受電対応の品質を改善したい場合や、問い合わせ内容の傾向を訴求に反映したい場合です。目的が決まっていないなら、まず件数の計測から始めてください。

まとめ

電話の計測は、タップ数、通話の成立、通話の内容という3層に分かれます。多くの店舗ビジネスは、GA4とGTMでのタップ計測と、Google広告の転送電話番号までで媒体別の判断ができます。

日本では通話コンバージョンデータのインポートがサポートされていないため、成約までを広告に戻したい場合はツール側または自社の台帳で結ぶ必要があります。この制約を知らずに「電話の成約まで自動で追える」前提で設計すると、途中で止まります。

そして、計測を高度にする前に確認すべきは応答率です。着信を取り逃している状態では、流入元が分かっても成果は増えません。

当社では広告運用代行において、電話が主要な問い合わせ経路となる業種の計測設計から対応しています。自社に必要な計測の水準を整理したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

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