コーポレートサイトのリニューアルで、流行のデザインを取り入れたいという要望はよく出ます。しかし企業サイトで信頼を判断する要素は、見た目より情報の側にあります。
訪問者が確認するのは、どこにある会社か、何をしているか、誰がやっているか、実績があるかです。これらが分からないサイトは、どれだけ洗練されていても判断材料になりません。
この記事では、信頼が判断される要素、流行を採用してよい範囲、寿命の長い判断、そして数年間更新できる設計にする方法を整理します。
この記事でわかること
・信頼は見た目ではなく情報で判断される
・流行には寿命があり、更新の負担になる
・採用してよいのは実装の手法、避けるべきは表現の様式
・寿命の長い判断を先に固める
・更新できない設計は数年で古びる
・評価は印象ではなく問い合わせで行う

信頼は見た目ではなく情報で判断される
企業サイトを訪れた人が確認する項目は、おおむね決まっています。
| 確認される項目 | 理由 | 不足すると |
|---|---|---|
| 所在地と連絡先 | 実体があるかの確認 | 実在性を疑われる |
| 事業内容 | 何をする会社か | 依頼できるか判断できない |
| 実績や取引先 | 経験の裏付け | 任せてよいか分からない |
| 代表者と沿革 | 組織の性格 | 規模感がつかめない |
| 採用情報 | 組織の状態 | 成長性が読めない |
これらが揃っていないサイトは、デザインの質に関わらず判断材料になりません。逆に情報が揃っていれば、装飾が控えめでも判断できます。
何を載せるかの整理は会社案内サイトで信頼感を作る方法|見た目より先に埋めるべき情報を参照してください。
訪問者が確認するのは、実体・事業内容・実績・組織。
情報が揃っていれば、装飾が控えめでも判断できる。
流行には寿命があり更新の負担になる
デザインの流行は数年で入れ替わります。強く特徴づけた表現ほど、古びたときの印象が強くなります。
| 採用したもの | 寿命 | 古びたときの影響 |
|---|---|---|
| 特徴的な装飾表現 | 短い | 時代が特定される |
| 過度な動き | 短い | 重く古い印象になる |
| 読みやすい書体と余白 | 長い | 古びにくい |
| 情報の構造 | 長い | 内容次第で維持できる |
| 色の設計 | 中程度 | ブランドに紐づけば長い |
コーポレートサイトは数年単位で使うものです。短い寿命の表現を全面に使うと、次のリニューアルまでの後半は古びた状態で運用することになります。
特徴的な表現ほど、古びたときに時代が特定される。
数年使う前提なら、寿命の長い判断を優先する。
採用してよいのは実装の手法
流行と呼ばれるものには、表現の様式と実装の手法が混在しています。後者は取り入れる価値があります。
- 画面幅に応じた最適化は、手法として定着している
- 画像の読み込みを遅らせる実装は、表示速度に効く
- 配色の切り替えに対応する実装は、閲覧環境への配慮
- 一方、特定の装飾表現は数年で入れ替わる
- 動きの多用も、流行によって評価が変わる
利用者の環境や体験に関わる手法は、流行ではなく改善です。これらは積極的に取り入れてよい領域です。表示速度の改善はサイトの表示速度を改善する優先順位|何から手をつけるかを参照してください。
利用者の体験に関わる手法は、流行ではなく改善。
装飾の様式は入れ替わる。全面に使わない。
寿命の長い判断を先に固める
デザインの検討に入る前に、次の項目を決めてください。これらは数年変わりません。
- 誰に向けたサイトか(顧客、採用、投資家、取引先)
- その人が最初に確認したい情報は何か
- サイトで達成したいことは何か(問い合わせ、認知、採用)
- 更新する人は誰で、どの頻度で更新するか
- ブランドとして守るべき表現の規定はあるか
特に4つ目を決めないと、更新されないサイトになります。凝った構成にすると更新に専門知識が必要になり、結果として情報が古いまま放置されます。
運用設計は更新しやすい企業サイトの作り方|CMS選定と運用設計のポイントを参照してください。
対象、目的、更新体制を先に決める。
更新できない構成にすると、情報が古いまま残る。
更新できない設計は数年で古びる
サイトが古く見える原因は、デザインより情報の古さであることが多くなります。
| 古びる箇所 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| お知らせが数年前で止まる | 更新の体制がない | 更新頻度を決めて運用に組み込む |
| 実績が更新されない | 追加の手順が複雑 | 追加しやすい構成にする |
| 社員の写真が入れ替わる | 撮り直しが必要 | 個人に依存しない構成にする |
| 制度や表記が古い | 確認の機会がない | 定期的な点検を予定に入れる |
最も印象に影響するのは、お知らせの最終更新日です。数年前で止まっていると、事業が動いていない印象を与えます。更新できないなら、日付を表示しない構成にする判断もあります。
古く見える原因は、デザインより情報の古さ。
更新できないなら、日付を出さない構成も選択肢。
競合との差別化は表現ではなく内容で
同業のサイトが似た構成になるのは、訪問者が確認する項目が同じだからです。
| 差別化の方法 | 有効性 | 理由 |
|---|---|---|
| 装飾で目立たせる | 低い | 情報が同じなら判断は変わらない |
| 独自の実績を示す | 高い | 他社にない事実 |
| 対応範囲を明確にする | 高い | できないことも書く |
| 進め方を具体的に書く | 高い | 依頼後が想像できる |
| 担当者の考え方を示す | 中程度 | 相性の判断材料になる |
できないことを書くのは、有効な差別化です。対応範囲を明示すると、合わない依頼が減り、合う依頼の質が上がります。競合の調べ方は競合サイト分析のやり方|何を見て、どう自社の判断に変えるかを参照してください。
同業のサイトが似るのは、確認される項目が同じだから。
できないことを書くのは、有効な差別化になる。
評価は印象ではなく問い合わせで行う
リニューアルの成否は社内の印象ではなく、行動の変化で判断してください。
| 見る指標 | 分かること | 比較の方法 |
|---|---|---|
| 問い合わせ数 | 成果 | リニューアル前後で比較 |
| 問い合わせの質 | 対象との一致 | 商談化率で見る |
| 採用応募数 | 採用面の成果 | 同上 |
| 会社名での検索数 | 認知の変化 | 期間で比較 |
| 社内の評価 | 印象 | 成果とは別に扱う |
問い合わせ数が変わらなくても、質が上がっていれば成功です。対応範囲を明示した結果、合わない依頼が減ることがあります。数だけで判断しないでください。
数が変わらなくても、質が上がっていれば成功。
社内の印象評価は、成果とは分けて扱う。
よくある失敗
流行の表現を全面に使う
数年で古びます。コーポレートサイトは長く使うものです。
情報を揃えずにデザインを検討する
訪問者が確認する項目が欠けていると、装飾では補えません。
更新体制を決めずに凝った構成にする
更新に専門知識が必要になり、情報が古いまま放置されます。
装飾で競合と差別化しようとする
情報が同じなら判断は変わりません。内容で差をつけてください。
社内の印象だけで評価する
問い合わせ数と質の変化で判断してください。
よくある質問
デザイン性は不要ということですか
不要ではありません。読みにくい、探しにくい状態は判断の妨げになります。ただし装飾を加えることと、判断しやすくすることは別です。優先順位として、情報の整理が先になります。
どのくらいの周期でリニューアルすべきですか
周期で決めるより、目的との乖離で判断してください。事業内容が変わった、対象が変わった、更新できず情報が古い。こうした状態が該当します。進め方はコーポレートサイトリニューアルの進め方|失敗しない依頼手順を参照してください。
動きは入れないほうがよいですか
状態の変化を伝える動きは有効です。装飾としての動きは、流行の影響を受けやすく、表示速度にも影響します。目的のある動きに限定してください。
写真は必ず必要ですか
実体を示す意味で有効です。ただし質の低い写真や、実態と異なる写真は逆効果になります。撮影が難しい場合、無理に人物写真を使うより、事業内容が伝わる情報を充実させるほうが判断につながります。
採用も兼ねる場合はどう設計すべきですか
求職者と顧客では確認したい情報が違います。同じサイト内で導線を分け、それぞれに必要な情報を配置してください。構成は採用サイトに入れるべきコンテンツ|応募につながる情報の順序を参照してください。
まとめ
コーポレートサイトで信頼を判断する要素は、見た目より情報の側にあります。訪問者が確認するのは、どこにある会社か、何をしているか、実績があるか、誰がやっているかです。これらが揃っていないサイトは、どれだけ洗練されていても判断材料になりません。逆に情報が揃っていれば、装飾が控えめでも判断できます。
デザインの流行には寿命があります。コーポレートサイトは数年単位で使うものであり、特徴的な表現を全面に使うと、次のリニューアルまでの後半は古びた状態で運用することになります。ただし流行と呼ばれるものには、表現の様式と実装の手法が混在しています。画面幅への対応や表示速度の改善といった、利用者の体験に関わる手法は流行ではなく改善であり、取り入れる価値があります。
そしてサイトが古く見える原因は、デザインより情報の古さであることが多くなります。お知らせが数年前で止まっている、実績が更新されていない。こうした状態は、事業が動いていない印象を与えます。デザインの検討に入る前に、誰が、どの頻度で更新するかを決めてください。凝った構成にすると更新に専門知識が必要になり、結果として情報が古いまま放置されます。
当社ではホームページ制作において、情報設計から更新体制までを含めてご相談いただけます。デザイン面の検討はデザイン制作とあわせてご相談ください。