「地域名+サービス名」で検索されるキーワードは、地域ビジネスにとって最も成果に近い領域です。検索している人は、すでにその地域で依頼先を探しています。
一方で、この領域には固有の落とし穴があります。地域名だけを差し替えたページを量産する手法です。短期的に見えることがあっても、検索エンジンからは低品質と判断される可能性が高く、事業の資産になりません。
この記事では、地域キーワードのコンテンツをどう設計するか、量産と何が違うのかを整理します。
この記事でわかること
・地域キーワードの3つの型
・地域名の差し替え量産が機能しない理由
・地域ページに何を書けば意味を持つか
・MEO・GBPとの役割分担
・優先順位の決め方
地域キーワードの3つの型
| 型 | 例 | 検索意図 | 対応方法 |
|---|---|---|---|
| 地域+サービス | 千葉市 外壁塗装 | 依頼先を探している | サービスページ、MEO |
| 地域+条件 | 千葉市 外壁塗装 安い/評判 | 比較している | 比較・料金・事例ページ |
| 地域+情報 | 千葉 外壁塗装 助成金/塩害 | 地域固有の情報が必要 | 記事コンテンツ |
3番目の型が、記事コンテンツで最も価値を出せる領域です。1番目と2番目は、サービスページとGoogleビジネスプロフィールで受けるほうが効率的です。
地域キーワードのすべてを記事で取ろうとしないでください。
記事が有効なのは、その地域固有の情報がある場合だけです。
地域名の差し替え量産が機能しない理由
「千葉市の外壁塗装」「船橋市の外壁塗装」「市川市の外壁塗装」——本文がほぼ同じで地域名だけが違うページを大量に作る手法があります。
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 独自の価値がない | どの地域のページも同じ内容。読者が得るものがない |
| 重複と判断される可能性 | 同一内容のページが多数存在する |
| カニバリゼーション | 自社のページ同士で評価が分散する |
| 更新が不可能 | 数十〜数百ページを維持できない |
| 実態と乖離する | 対応していない地域のページを作ると信頼を損なう |
5番目は事業上の実害になります。実際には対応していない地域のページを作ると、問い合わせを受けても断ることになり、評価の低下につながります。
また、検索エンジンの品質評価に関する考え方は更新されます。手法の可否ではなく、「読者にとって価値があるか」を基準に判断してください。
地域ページに書くべきこと
地域ごとのページが意味を持つのは、その地域でしか書けない情報がある場合です。
| 書けること | 例 |
|---|---|
| その地域の施工事例 | 実際に対応した物件(許諾を得たもの) |
| 地域固有の環境条件 | 海沿いの塩害、積雪、風の強さ、日照 |
| 自治体の制度 | 補助金、助成金、申請窓口、条件 |
| 地域の建物の特性 | 築年数の分布、多い工法、住宅の種類 |
| アクセス・対応範囲 | 拠点からの距離、対応可能な時間帯 |
| 地域の担当者 | その地域を担当するスタッフ |
1番目と3番目が最も実用的です。施工事例はその地域でしか作れない情報であり、自治体の制度は地域ごとに異なります。
自治体の制度を扱う際の注意
- 必ず自治体の公式ページを一次情報として確認する
- 年度・受付期間・予算上限を明記する:制度は毎年変わる
- 公式ページへのリンクを置く:最新情報は自治体で確認してもらう
- 更新日を明記する:いつ時点の情報か分かるように
- 年度替わりに見直す:古い情報を放置しない
制度情報は古くなると実害があります。終了した制度を掲載したまま問い合わせを受けると、期待を裏切ることになります。更新できる範囲の地域に絞ってください。
広告での補助金訴求については、審査上の注意があります。Google広告で「補助金」表記が審査落ちする理由と正しい訴求方法を参照してください。
MEO・GBPとの役割分担
地域検索では、通常の検索結果とは別に地図の枠が表示されます。ここはコンテンツではなく、Googleビジネスプロフィールの領域です。
| 検索の型 | 主に効くもの | コンテンツの役割 |
|---|---|---|
| 地域+サービス(今すぐ) | GBP、サービスページ | 補助的 |
| 地域+近くの | GBP | ほぼ関与しない |
| 地域+比較・評判 | サイトのページ、口コミ | 大きい |
| 地域+固有情報 | 記事コンテンツ | 最も大きい |
「地域+サービス」で上位を狙う場合、まずGoogleビジネスプロフィールの整備が優先です。記事を増やしても、地図枠の順位には直接影響しません。
GBPの整備方法はMEO対策とは?Googleビジネスプロフィールで来店数を増やす具体的手順を参照してください。複数拠点がある場合は複数店舗のGoogleビジネスプロフィールを一元管理する方法も参照してください。
優先順位の決め方
対応可能な地域が複数ある場合、すべてに同じ労力をかけるべきではありません。
- 拠点のある地域:GBPが機能し、施工事例も貯まる。最優先
- 実績が多い地域:事例を書ける。次に優先
- 受注単価が高い地域:事業インパクトが大きい
- 競合が少ない地域:上位を取りやすい
- 実績のない地域:後回し。書ける情報がない
2番目が実務的な判断基準です。施工事例が5件ある地域と、0件の地域では、書ける内容の量がまったく違います。事例が貯まった地域から順に作るほうが、質を保てます。
作る順序
| 段階 | やること |
|---|---|
| 第1段階 | GBPを整備する。サービスページを地域名込みで最適化 |
| 第2段階 | 施工事例を地域別に整理する |
| 第3段階 | 実績の多い地域から、地域ページを作る |
| 第4段階 | 地域固有の情報(制度、環境条件)の記事を作る |
| 第5段階 | 対応範囲を広げるタイミングで、対象地域を追加 |
第2段階を飛ばさないでください。施工事例が整理されていれば、地域ページの内容は自動的に埋まります。事例がない状態で地域ページを作ろうとすると、書くことがなく、結果として量産型のページになります。
内部リンクの設計
地域ページを複数作る場合、構造の設計が必要です。
- サービスページを中心に置く:各地域ページからリンクを張る
- 地域ページ同士は無闇に繋がない:関連が薄い
- 施工事例から該当地域のページへ張る
- 対応エリア一覧ページを作る:各地域ページへの入口
- 地域ページからGBPへの導線を置く:地図、電話
構造の考え方は内部リンクの設計方法|評価が集まるサイト構造の作り方で解説しています。
よくある失敗
失敗1:地域名だけを差し替えて量産する
独自の価値がなく、自社ページ同士で評価が分散します。
失敗2:対応していない地域のページを作る
問い合わせを断ることになり、信頼を損ないます。
失敗3:GBPを整備せずに記事を増やす
地図枠の順位には直接影響しません。順序が逆です。
失敗4:施工事例を整理せずに地域ページを作る
書く内容がなく、量産型のページになります。
失敗5:自治体の制度情報を更新しない
終了した制度を掲載したままでは、期待を裏切ることになります。
よくある質問
Q. 地域ページは何ページくらい作るべきですか?
ページ数ではなく、書ける内容がある地域の数で決めてください。施工事例や地域固有の情報がない地域のページは、作っても機能しません。
Q. 市区町村単位と、より細かい地名のどちらがよいですか?
まず市区町村単位から始めてください。より細かい地名は検索数が少なく、ページ数だけが増えます。ただし、その地名で書ける固有の情報(特定の地区の建物特性など)があれば有効です。
Q. 隣接する市のページも作るべきですか?
実際に対応しており、実績があるなら作る価値があります。対応していない地域や、実績がゼロの地域は後回しにしてください。
Q. サービスページに地域名を入れるだけでは足りませんか?
対応地域が1〜2か所であれば、それで十分な場合があります。複数地域に展開しており、地域ごとに書ける情報がある場合に、ページを分ける価値が出ます。
Q. すでに量産型のページがある場合はどうしますか?
内容のあるページに統合するか、削除を検討してください。統合する場合はリダイレクトを設定します。残す判断をする場合は、各ページに固有の情報を追加してください。
まとめ
地域キーワードは地域ビジネスにとって最も成果に近い領域ですが、すべてを記事で取ろうとしないでください。「地域+サービス」はGoogleビジネスプロフィールとサービスページ、「地域+固有情報」は記事コンテンツ、という役割分担が効率的です。
地域名だけを差し替えたページの量産は、独自の価値がなく、自社のページ同士で評価が分散します。さらに、対応していない地域のページは事業上の実害を生みます。
地域ページが意味を持つのは、施工事例、自治体の制度、地域固有の環境条件など、その地域でしか書けない情報がある場合です。
作る順序は、GBPの整備、施工事例の地域別整理、実績の多い地域からのページ作成、という順番です。事例の整理を飛ばすと、書く内容がなく量産型のページになります。
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