Google広告の構成は、キャンペーン・広告グループ・キーワードの3階層です。設定の多くはキャンペーン単位で決まります。予算、配信地域、入札戦略、配信スケジュールなどです。
そのため「分けたい理由」が設定と結びついていない場合、分ける必要はありません。細かく分けるほど管理はしやすく見えますが、1つあたりのデータ量が減り、自動入札が学習に必要な件数に届かなくなります。
この記事では、分ける基準と、分けてはいけない条件を整理します。
この記事でわかること
・予算・地域・入札戦略はキャンペーン単位で決まる
・分ける理由がこの3つに関わらないなら、分けない
・キーワードの整理は広告グループで足りる
・分けすぎると自動入札が機能しなくなる
・レポートを見やすくするためだけに分けない
・迷ったら分けない。後から分けるほうが簡単

何がキャンペーン単位で決まるか
分ける判断は、設定項目がどの階層に属するかで決まります。
| 設定項目 | 決まる階層 |
|---|---|
| 1日の予算 | キャンペーン |
| 配信地域・言語 | キャンペーン |
| 入札戦略 | キャンペーン |
| 配信スケジュール | キャンペーン |
| キャンペーンタイプ | キャンペーン |
| 広告文とアセット | 広告グループ |
| キーワード | 広告グループ |
| 遷移先ページ | 広告・キーワード |
下2つを理由にキャンペーンを分ける必要はありません。広告グループで足ります。
予算・地域・入札戦略・スケジュールはキャンペーン単位。
広告文とキーワードは広告グループ単位。
分けるべき場合
次のいずれかに当てはまるなら、分ける理由があります。
- 予算を別々に管理したい(一方が使い切っても他方に影響させない)
- 配信する地域が違う(商圏が別、対応エリアが別)
- 目的が違い、同じ指標で評価できない(獲得目的と認知目的)
- 入札戦略を変えたい(一方は自動、一方は手動で検証する)
- 配信する時間帯が違う(受電体制に合わせる)
特に3番目は重要です。目的の違うものを同じキャンペーンに入れると、評価指標が混ざって判断できなくなります。目的と指標の対応は広告運用は何から決めるか|媒体選定から評価までの順序と、飛ばすと起きることで整理しています。
予算・地域・目的・入札戦略・スケジュールが違うなら分ける。
それ以外の理由なら、分けない。
分けすぎると起きること
細かく分けるほど、1つあたりのデータ量が減ります。これが自動入札に影響します。
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 自動入札が学習できない | 件数が足りず、配信が安定しない |
| 予算が分散する | どのキャンペーンも判断できる件数に届かない |
| 管理の手間が増える | 変更のたびに全てへ反映が必要になる |
| 同一の語句で競合する | 自社のキャンペーン同士が同じ検索に出る |
| 判断が遅れる | 件数が貯まるまで待つ期間が長くなる |
自動入札は一定の件数がなければ機能しません。切り替えの条件は自動入札の選び方と切り替えるタイミング|機能しない条件も解説を参照してください。
分けるほど1つあたりのデータが薄まる。
自動入札は件数が足りないと機能しない。
広告グループの分け方
キャンペーンを分けずに整理したい場合、広告グループで分けます。基準は「同じ広告文で違和感がないか」です。
- 検索意図が同じキーワードをまとめる
- その意図に合った広告文と遷移先を用意する
- 意図がずれる語句が混ざったら、別の広告グループに切り出す
- 1グループに大量のキーワードを入れない
広告文がどのキーワードにも当てはまらなくなったら、分ける合図です。広告文の作り方は検索広告の訴求文の作り方|見出しと説明文に入れるべき情報を参照してください。
広告グループは「同じ広告文で成立するか」で分ける。
広告文が当てはまらなくなったら切り出す。
自社のキャンペーン同士が競合する場合
同じ検索語句に複数のキャンペーンが該当すると、広告ランクの高いほうだけが表示されます。意図しない側が出ることがあります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 別キャンペーンに同じ語句がある | 一方から除外する |
| 部分一致で他方の語句を拾っている | 検索語句レポートで確認し除外する |
| 意図と違うキャンペーンが表示される | 除外設定で配信先を固定する |
放置すると、どちらの成果か分からなくなります。確認の手順は検索語句レポートの見方と除外キーワードの決め方を参照してください。
同じ語句を複数のキャンペーンで持つと、評価が分かれる。
除外設定で配信先を固定する。
最初に作る構成
立ち上げ時は、できるだけ少ない数から始めてください。
- 獲得目的の検索キャンペーンを1つ作る
- 検索意図ごとに広告グループを分ける(3〜5程度)
- 件数が貯まってから、分ける必要があるかを判断する
- 地域や予算を分ける理由が出たときに、初めて分割する
後から分けるのは簡単ですが、統合するのは手間がかかります。実績も分断されます。迷ったら分けないでください。立ち上げ期の予算は新規開業時のWeb広告費用の目安|業種別の立ち上げ期予算プランを参照してください。
少ない数から始める。分けるのは理由が出てから。
統合は手間がかかり、実績も分断される。
よくある失敗
レポートを見やすくするために分ける
管理画面の絞り込みで足ります。データを薄めてまで分ける理由になりません。
キーワードの種類ごとにキャンペーンを作る
広告グループで足ります。キャンペーンを分けると予算も分散します。
立ち上げからキャンペーンを大量に作る
どれも判断できる件数に届きません。少数から始めてください。
同じ語句を複数のキャンペーンに入れる
自社同士で競合し、どちらの成果か分からなくなります。除外で固定してください。
一度作った構成を見直さない
予算や商圏が変われば、分ける理由も変わります。定期的に確認してください。
よくある質問
キャンペーンはいくつが適切ですか
数の目安はありません。予算・地域・目的・入札戦略・スケジュールのいずれかが違うかで決めます。違いがなければ1つで構いません。
商材ごとに分けるべきですか
予算を分けて管理する必要があるなら分けます。必要がなければ広告グループで分けて構いません。商材が違うこと自体は、分ける理由になりません。
指名検索は分けるべきですか
分ける理由になります。獲得単価が大きく異なり、混ぜると全体の数値が実態より良く見えます。予算も別に管理できます。
P-MAXと検索を併用する場合はどうしますか
別のキャンペーンになります。掲載面が重なるため、検索語句の重複を確認してください。構成はP-MAXのアセットグループはどう作る?成果を左右する設計のコツを参照してください。
後から分けても大丈夫ですか
分けるのは比較的簡単です。逆に統合は手間がかかり、蓄積した実績も分断されます。迷った時点では分けないほうが安全です。
まとめ
Google広告の構成はキャンペーン・広告グループ・キーワードの3階層で、予算、配信地域、入札戦略、配信スケジュールといった主要な設定はキャンペーン単位で決まります。したがって分けるかどうかは、分けたい理由がこれらの設定に関わるかで判断できます。関わらないなら、分ける必要はありません。
細かく分けるほど管理はしやすく見えますが、1つあたりのデータ量が減ります。自動入札は一定の件数がなければ機能せず、予算も分散して、どのキャンペーンも判断できる件数に届かなくなります。さらに同じ語句を複数のキャンペーンで持つと自社同士が競合し、どちらの成果か分からなくなります。
キーワードの整理が目的であれば、広告グループで足ります。基準は「同じ広告文で違和感がないか」です。広告文がどのキーワードにも当てはまらなくなったら、そこが分ける合図になります。立ち上げ時は少数から始め、分ける理由が出た時点で分割してください。後から分けるのは簡単ですが、統合は手間がかかり、蓄積した実績も分断されます。