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口コミ・予約ポータルサイトは使い続けるべきか|費用の測り方と依存度の下げ方

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ポータルサイトの費用が重いという相談の多くは、「やめるべきか」という形で持ち込まれます。しかし、いきなりやめる判断が正しいケースはほとんどありません。決めるべきは掲載を続けるかどうかではなく、売上のうち何割をポータル経由にしておくかです。

判断が難しくなるのは、費用の性質が2つ混ざっているためです。掲載料は固定費で、予約手数料は変動費です。さらに、一度ポータル経由で来た客が次回も同じ経路で予約すると、新規獲得の費用だったはずのものが、既存客に対しても発生し続けます。この構造を分けずに「費用対効果が悪い」と評価すると、判断を誤ります。

この記事では、ポータル経由の費用を正しく測り直す計算式、業種によって依存度の適正値が変わる理由、口コミの依頼で越えてはいけない線、そして依存度を下げる順序を整理します。

この記事でわかること

・掲載料と予約手数料を分けて、実質の新規獲得コストを出す計算式

・リピート客の予約にも手数料が乗り続ける構造と、その影響額

・並列比較される業種と、指名で選ばれる業種で変わる適正な依存度

・口コミの依頼で越えてはいけない線(2023年10月施行の規制)

・依存度を下げる順序と、やってはいけない下げ方

・掲載プランを下げる、または撤退を判断する条件

費用は「予約1件あたり」ではなく「新規1人あたり」で測る

ポータルの費用対効果は、予約件数で割ると実態より良く見えます。予約の中にはリピート客が含まれており、その客はポータルがなくても来店した可能性があるためです。測り直すには、新規客だけで割ります。

項目 計算 記入欄
月額の掲載料 契約しているプランの固定費 (   )円
月間の予約手数料 ポータル経由の予約に対する従量課金 (   )円
月間の総支払額 掲載料 + 予約手数料 (   )円
ポータル経由の新規客数 初回来店の人数のみ (   )人
実質の新規獲得コスト 総支払額 ÷ 新規客数 (   )円
新規客の初回粗利 客単価 × 粗利率 (   )円
初回で回収できるか 初回粗利 − 新規獲得コスト (   )円

初回で回収できていない場合でも、それ自体は問題ではありません。判断の基準は何回目の来店で回収できるかです。2回目までに回収できるなら継続の判断がしやすく、3回以上かかるなら再来店の仕組みが先に必要になります。

ここで多くの店舗が見落とすのが、4行目の「新規客数」を実測していないことです。ポータルの管理画面では新規と再来店が区別されない場合があり、区別されていてもポータル上での初回であって、店舗にとっての初回とは限りません。来店時に確認する運用を作らないと、この数字は出ません。

ポータルの費用は、予約件数ではなく新規客数で割る。

判断は「初回で回収できるか」ではなく「何回目で回収できるか」で行う。

リピート客の予約にも手数料が乗り続ける

ポータル経由で来店した客が、次回も同じアプリから予約する。この行動は自然で、店舗側から見ると本来かからないはずの費用が既存客に対して発生し続ける状態になります。

影響額は次のように概算できます。ポータル経由の予約のうち再来店の割合を出し、その件数に手数料を掛けます。この金額は、集客のための費用ではなく既存客を維持するために払っている費用です。

確認する数値 求め方 分かること
ポータル経由の再来店率 ポータル経由予約のうち再来店の割合 手数料の何割が既存客に対するものか
再来店分の手数料額 再来店の件数 × 手数料 削減余地の上限
自社経路の予約比率 電話・自社サイト・LINEからの予約の割合 依存度の現在値
指名検索の件数 店名での検索数の推移 自社で集客できている度合い

1行目の数字が高いほど、削減の余地は大きくなります。ただし、ここを減らす方法は2回目以降の予約経路を移すことであって、ポータルをやめることではありません。新規の入口としては機能し続けている可能性が高いからです。

予約経路を移す手段として現実的なのは2つです。来店時にその場で次回の予約を取ること、そしてLINE公式アカウントのように、店舗から直接連絡できる経路を持つことです。どちらも新規の入口を減らさずに、既存客の分だけを移せます。

業種によって、適正な依存度は変わる

同じ「ポータル依存」でも、業種によって危険度が違います。分ける軸は、ポータル上で他店と並べて比較されるかどうかです。

タイプ 特徴 起きること 適正な依存度の考え方
並列比較が強い エリアと価格で横並びに表示される クーポンを出し続けないと予約が入らない 低めに保つ。値引き前提の構造から抜ける必要がある
情報の網羅性で選ばれる 在庫や条件の一覧性が価値になる 掲載をやめると検討の土俵から外れる 高くても許容。ただし自社サイトでの再訪導線は必須
指名で選ばれる 担当者や店舗を指定して来店する 初回だけポータル、以降は直接という流れを作りやすい 新規の入口に限定する
緊急性が高い その場で検索し、すぐ依頼する 検索結果と地図の順位が決定的になる ポータルより地図検索の整備が優先

最も注意が必要なのは1行目です。価格で横並びに比較される構造では、掲載順位を上げるためのプラン変更と、予約を取るためのクーポン発行が同時に効いてきます。売上は増えても粗利が減る状態になりやすく、客数の増加が利益の増加につながらない局面に入ります。この状態に気づく指標は、月商ではなく1件あたりの粗利です。

2行目は在庫型の商材で起きます。中古車のように、在庫の一覧を見て比較する行動が定着している領域では、掲載をやめると検討対象から外れます。この場合は依存度そのものより、ポータルで見つけた人が自社サイトへ来た後に何を見せるかが勝負になります。業種別の設計は中古車販売店の集客に効くWeb広告戦略とは?媒体別の使い分け方を参照してください。

4行目は、ポータルより先に地図検索の整備を進めるほうが効率的です。手順はMEO対策とは?Googleビジネスプロフィールで来店数を増やす具体的手順にまとめています。

口コミの依頼で越えてはいけない線

ポータル上の評価を上げようとして、口コミの集め方で問題になる例が増えています。2023年10月1日に施行された規制により、事業者の表示であることが一般消費者に分かりにくい表示は景品表示法上の不当表示にあたるとされています(消費者庁の告示および運用基準)。

判断の分かれ目は、事業者が表示の内容の決定に関与しているかどうかです。関与しているにもかかわらず、第三者が自主的に書いたように見える場合が問題になります。

やり方 扱い 理由
来店した客に口コミの投稿をお願いする 通常は問題にならない 内容を指定しておらず、投稿するかも本人の判断
投稿する内容や評価点を指定して依頼する 問題になりうる 事業者が表示内容の決定に関与している
高評価を条件に割引や特典を渡す 問題になりうる 内容への関与とみなされる可能性がある
従業員や関係者に一般客として投稿させる 問題になる 事業者の表示であることが判別できない
依頼して書いてもらい、その旨を明示する 明示があれば別の扱いになる 事業者の表示であることが分かる
低評価の投稿だけ削除を依頼する 削除の可否は媒体の基準による 内容が規約違反でなければ通らない

実務では、1行目の範囲に収めるのが最も安全です。投稿を依頼すること自体は禁止されていません。内容や評価点に注文を付けた時点で線を越えます。運用基準の詳細は消費者庁の公表資料を直接確認してください。

低評価が付いた場合の対応は、削除の依頼より返信の内容で決まります。返信を読むのは投稿者ではなく、検討中の別の人だからです。事実関係の確認と、改善した点の記載。この2つが入っていれば、低評価そのものが不利に働く度合いは下がります。

口コミの投稿をお願いすること自体は問題にならない。

内容や評価点を指定した時点で、事業者の表示とみなされる可能性が出る。

依存度を下げる順序

依存度は、一度に下げようとすると売上が落ちます。次の順序で進めると、新規の流入を保ったまま手数料だけを減らせます。

  1. 現在値を測る:予約経路別の件数と、ポータル経由の再来店率を3か月分集計する
  2. 2回目以降の導線を作る:来店時の次回予約、LINE、自社サイトの予約フォームを整える
  3. 指名で見つかる状態を作る:地図検索と自社サイトを整備し、店名で検索した人が予約まで進めるようにする
  4. 再来店をポータル外へ移す:次回予約の案内を来店時の標準の流れに組み込む
  5. プランを見直す:新規の流入が保てているか確認したうえで、掲載プランを1段階下げて影響を測る
  6. 撤退を判断する:新規客数が想定の範囲に収まるなら、次の更新のタイミングで判断する

3番目を飛ばして4番目に進むのが最も多い失敗です。ポータルで店を知った人が店名で検索したとき、自社サイトが出てこない、あるいは予約方法が分からなければ、結局ポータルに戻ります。受け皿を作る前に導線を切ると、予約そのものが減ります。

5番目のプラン変更は、繁忙期を避けて実施してください。閑散期に1段階下げて新規客数の変化を測れば、影響を小さく確認できます。掲載順位が下がることで減る分と、削減できる固定費を比べます。

自社サイト側では、実際の利用者の声を掲載しておくと、ポータルの評価に頼らずに判断材料を提供できます。集め方と見せ方は「お客様の声」の効果的な掲載方法|信頼につながる集め方と見せ方にまとめています。

プランを下げる、または撤退を検討する条件

次に該当する場合は、契約内容の見直しを具体的に検討する段階です。

  • ポータル経由の予約のうち、再来店の割合が半数を超えている
  • 新規客の獲得コストが、2回目の来店までの粗利を上回っている
  • クーポンの割引率を上げないと予約が入らない状態が3か月以上続いている
  • 指名検索の件数が増えており、自社サイトからの予約が伸びている
  • 掲載プランを上げた月と上げていない月で、新規客数に差が出ていない

逆に、次の場合は継続してください。新規客数が事業計画に対して不足している、自社サイトからの予約導線が整っていない、地図検索での露出が競合に劣っている。受け皿がない状態での撤退は、費用は減っても客数がそれ以上に減ります。

よくある失敗

費用だけを見て契約を切る

削減額は確定しますが、減る新規客数は事前に分かりません。先に1段階下げて影響を測る手順を挟んでください。

複数のポータルに同時に掲載する

固定費が積み上がる一方、同じ商圏の同じ客層に重複して届いていることが多くあります。まず経路別の新規客数を測り、重複が大きい媒体から整理してください。

クーポンで順位を維持しようとする

客数は戻りますが、1件あたりの粗利が下がります。判断の基準を月商から粗利に変えないと、忙しくなるほど利益が減る状態に気づけません。

口コミの内容を指定して依頼する

評価は上がっても、規制上の問題を抱えます。依頼するなら内容には関与せず、投稿するかどうかも相手の判断に委ねてください。

自社サイトの予約導線を後回しにする

ポータルで見つけた人の一定数は、店名で検索し直します。そこで予約できなければ、その客は再びポータル経由になります。受け皿の整備が依存度を下げる前提条件です。

よくある質問

ポータルと広告のどちらを優先すべきですか

必要な期間と、比較のされ方で決まります。すぐに新規客が必要で、かつ商品やサービスが横並びで比較されにくいなら、広告のほうが条件を自分で決められます。ポータルは掲載順位とプランに左右されるため、費用の調整幅が小さくなります。

ポータル経由の新規客数はどう数えればよいですか

来店時のカルテや受付で、初回かどうかと予約経路を記録するのが最も確実です。ポータル側の集計では、店舗にとっての初回かどうかまでは分かりません。

口コミの評価点を上げる方法はありますか

投稿の依頼を来店時の標準の流れに組み込むことが基本です。満足している客ほど投稿しないため、依頼がないと不満を持った人の投稿だけが集まります。依頼の仕方はGoogleマップの口コミを増やす方法|依頼の仕方と返信のコツを参照してください。

掲載をやめたら検索結果からも消えますか

ポータルのページは消えますが、自社サイトやGoogleビジネスプロフィールが整備されていれば、店名での検索やエリア名を含む地図検索には表示され続けます。撤退前にこの2つを整えておくことが条件になります。

依存度は何割まで下げるべきですか

一律の目標値はありません。判断の基準は割合そのものではなく、ポータルの契約条件が変わったときに事業が続けられるかどうかです。掲載料が上がる、手数料の率が変わるといった変更に耐えられない水準なら、下げる必要があります。

まとめ

ポータルサイトの費用対効果は、予約件数ではなく新規客数で割って初めて実態が見えます。そのうえで、初回で回収できるかではなく、何回目の来店で回収できるかを基準にしてください。2回目までに回収できるなら継続の判断がしやすく、3回以上かかるなら再来店の仕組みのほうが先です。

見落とされやすいのは、ポータル経由で来た客が次回も同じ経路で予約することにより、既存客に対しても手数料が発生し続ける構造です。ここを減らす方法は撤退ではなく、2回目以降の予約経路を移すことです。

依存度を下げる順序は、現在値の測定、再来店の導線づくり、指名で見つかる状態の整備、経路の移行、プランの見直し、という流れになります。受け皿を作る前に契約を切ると、費用は減っても客数がそれ以上に減ります。あわせて、口コミの依頼は投稿をお願いする範囲に留め、内容や評価点を指定しないでください。

当社ではホームページ制作において、自社経由の予約導線の設計からご相談を承っています。集客経路の整理を進めたい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

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