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WordPressのバックアップはどう取り、どう戻すか|プラグインの比較より先に、何日前まで戻せるかと、誰が戻すかを決める

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WordPressのバックアップは、ファイルとデータベースの2つで1組です。取り方はプラグイン、サーバーの自動バックアップ、手作業の3通りがあり、多くの解説はプラグインの使い方から始まります。ただ、企業サイトで実際に困るのは、バックアップが無いことより、気づいたときには保存期間が過ぎていた、同じサーバーにしか置いていなかった、戻したことが無く誰も手順を知らなかった、という状態です。

改ざんは、外国語のページが増えていた、スマホだけ別のサイトに飛ばされる、といった形で、数週間たってから気づくことがあります。2週間分しか残らない設定なら、その時点で改ざん前のバックアップは残っていません。

この記事では、何を取るか、取り方3通りの使い分け、保存期間の決め方、戻すときに失うもの、年1回の復元テストの手順を整理します。WordPressで企業サイトを運用している会社、保守を制作会社に任せている会社を想定しています。

この記事でわかること

・バックアップはファイル(本体・テーマ・プラグイン・画像・wp-config.php など)とデータベース(記事・設定・ユーザーなど)の2つ。片方だけでは戻らない

・管理画面の「ツール」→「エクスポート」は、投稿や固定ページなどの書き出しで、サイト全体のバックアップではない

・保存期間は「異常に気づくまでにかかる日数」より長くする。毎日取っていても、14日分しか残らなければ15日前には戻れない

・同じサーバーの中だけに置いたバックアップは、サーバーの障害や契約切れ、乗っ取りと一緒に失う。少なくとも1つはサーバーの外に置く

・戻すと、バックアップの後に公開した記事やフォームの記録も消える。戻す前に、何を失うかを確かめる

WordPressのバックアップで決める順序
WordPressのバックアップで決める順序

WordPressのバックアップは、ファイルとデータベースの2つで1組

最初に結論を示します。WordPressのサイトは、サーバー上のファイルと、データベースの2か所に分かれて保存されています。どちらか一方だけを取っても、サイトは元に戻りません。

WordPressの公式の資料は、バックアップの対象を次の2つとしています。

対象 中身 これが無いと
ファイル WordPress本体、テーマ、プラグイン、アップロードした画像やPDF(uploads)、wp-config.php、.htaccess など 画像が表示されない。テーマやプラグインの独自の改修が戻らない
データベース 投稿・固定ページの本文、カテゴリー、コメント、ユーザー、サイトやプラグインの設定 記事も設定も無い、空のサイトになる

本体とテーマ、プラグインは公式の配布元から入れ直せますが、独自に作ったテーマ、改修したファイル、アップロードした画像、データベースは、バックアップからしか戻せません。最低限守るべきなのは、この部分です。

「エクスポート」はバックアップの代わりにならない

管理画面の「ツール」→「エクスポート」で書き出せるのは、投稿、固定ページ、カスタム投稿、コメント、カスタムフィールド、カテゴリー、タグ、ユーザーなどを収めたXMLファイルです。別のWordPressへ記事を移すための機能で、テーマ、プラグイン、サイトの設定は含まれません。

「エクスポートしてあるから大丈夫」と考えていると、いざ戻すときに見た目も機能も無い状態から作り直すことになります。

取り方は3通り|サーバー・プラグイン・手作業の使い分け

結論として、企業サイトでは、サーバーの自動バックアップを土台にし、サーバーの外に置く仕組みを1つ足すのが基本です。手作業は、更新の直前や引き継ぎのときに使います。

取り方 向いている使い方 注意すること
サーバーの自動バックアップ 毎日の自動の取得。設定の手間が少ない 保存期間がサーバーごとに決まっている。置き場所が同じ事業者の中になる
バックアップのプラグイン サーバーの外(クラウドの保存先など)へ自動で送る プラグイン自体の更新が要る。保存先をサーバー内のままにすると意味が薄い
手作業(ファイルの取得とデータベースの書き出し) 本体の大きな更新の直前、制作会社の変更、サーバーの移転 手順を知る人がいないと続かない。定期の取得には向かない

サーバーの自動バックアップは「何日分」と「戻す費用」を確かめる

多くのレンタルサーバーには、自動でバックアップを取る機能があります。たとえばエックスサーバーは、Web・メールのデータとデータベースを過去14日分保持し、管理画面から復元できるとしています。

確かめるのは、付いているかどうかではなく、何日前まで戻せるか、自分で戻せるか(依頼が要るか、有料か)、ファイルとデータベースの両方が対象かの3点です。サーバーを選ぶときの確認項目は企業サイトのサーバーはどう選ぶか|性能の比較より先に、契約の名義と、更新・バックアップを誰が持つかを決めるで扱っています。

プラグインは「サーバーの外に送る」ために使う

サーバーの自動バックアップがあるなら、プラグインで同じサーバーの中にもう1つ取っても、守れる範囲はほとんど変わりません。プラグインを入れる意味は、クラウドの保存先など、サーバーの外へ自動で送れることです。

バックアップのプラグインは、サーバーの機能と重なりやすい種類の1つです。入れる前に確かめる点はWordPressのプラグインはどう選び、どう減らすか|数の目安より先に、誰が更新し、止まったら何が壊れるかを見るで扱っています。

保存期間は「気づくまでの日数」から決める

保存期間は、異常に気づくまでにかかる日数より長くします。毎日取っていても、14日分しか残らない設定では、15日前に入られていた場合に改ざん前の状態へ戻れません。

WordPressの公式の資料は、小規模なサイトは週1回、更新の多いサイトは毎日を目安とし、直近のバックアップを3〜5つ、異なる場所に保管するよう勧めています。企業サイトでは、これを次のように置き換えると決めやすくなります。

サイトの状態 取る頻度 残す期間の目安
お知らせを月に数回更新する程度 週1回+更新の直前 1〜3か月。サーバーの14日分に、サーバー外の月1回分を足す
記事や実績を毎週更新する 毎日 少なくとも1か月。サーバー外に週1回分を足す
会員情報・予約・フォームの記録をサイト内に持つ 毎日(データベースは1日数回も検討) 1か月以上。戻すと失う記録の扱いを先に決める

毎日でなくてよいサイトでも、本体・プラグイン・テーマを更新する直前の1回は欠かせません。公式の資料も、データベースは定期的に、更新の前には必ず取るよう求めています。更新を誰がいつ行うかはホームページの保守運用とは?何を、どの頻度でやるのかで扱っています。

置き場所は最低2か所

サーバーの中だけに置いたバックアップは、サーバーと一緒に失います。契約の更新切れ、事業者側の障害、管理画面の乗っ取りのどれでも、サイトとバックアップが同時に使えなくなります。

サーバーの自動バックアップに加えて、クラウドの保存先か社内の保管場所に、月1回以上は複製を置きます。その保存先のアカウントを、制作会社の個人の名義にしないことも同時に決めます。委託先が変わると、バックアップごと取り出せなくなるためです。

戻すと失うもの|戻す前に確かめる3つ

バックアップから戻すと、サイトはバックアップを取った時点の状態になります。その後に起きた変更は、良いものも含めて消えます。戻す前に、次の3つを確かめます。

失うもの 例 戻す前にすること
バックアップの後に公開・修正した記事 昨日公開したお知らせ、料金ページの修正 公開した記事の一覧と本文を控え、戻した後に入れ直す
サイト内に保存されたフォームの記録・会員情報 問い合わせの記録をデータベースに残すプラグイン、予約の記録 管理画面から書き出してから戻す。メール通知で届いた分と照合する
バックアップの後に追加したユーザー・変えた設定 新しく作った担当者のアカウント、変えたパスワード 戻した後に、ユーザーとパスワードをもう一度確かめる

ファイルとデータベースは同じ日のものを戻す

ファイルとデータベースは、同じ日に取ったものを組で戻します。データベースだけ新しい日付のものを戻すと、記事が参照している画像がファイル側に無い、プラグインの設定とファイルの版が合わない、といったずれが起きます。

改ざんから戻す場合は、改ざんより前の日付を選ぶだけでは足りません。入口を塞がないまま戻すと、同じ経路でまた入られます。順序はホームページが改ざんされたときの対応|直す前に止めて記録し、戻したあとに入口を塞ぐで扱っています。

年1回の復元テスト|戻せることを確かめる手順

バックアップは、一度戻してみるまで、戻せるかどうか分かりません。ファイルが壊れていた、データベースだけ取れていなかった、戻す手順を誰も知らなかった、という失敗は、実際に戻すまで表に出ません。

年1回、本番とは別の場所に戻して確かめます。

手順 すること 確かめること
1. 戻す先を用意する 本番とは別の確認用の環境(サーバーのテスト用の領域や、確認用のサブドメイン) 本番のサイトに上書きしないこと
2. 最新とひと月前の2つを戻す ファイルとデータベースの同じ日の組を戻す 古いバックアップも取り出せるか
3. 画面を確かめる トップ、主要なサービスのページ、お知らせ、問い合わせフォーム 画像の欠け、表示の崩れ、管理画面に入れるか
4. 時間と手順を記録する 誰が、どの画面で、何分かかったか 担当者が変わっても同じ手順で戻せるか
5. 確認用の環境を消す テストが終わったら削除するか、検索エンジンに出ない設定にする 本番と同じ内容が別のURLで検索に出ないこと

確認用の環境を残したまま公開状態にすると、本番と同じ内容が別のURLで検索結果に出ることがあります。テストが終わったら消すか、ログインしないと見られない状態にします。

誰が戻すかを決める|保守の委託先と自社の分担

バックアップの設定よりも先に、緊急時に誰が戻すかを決めておきます。改ざんや更新の失敗は、担当者の休みや夜間にも起きます。

決めること 自社で持つもの 委託先に任せるもの
サーバーの管理画面 法人名義の契約と、ログインできる担当者を1人 バックアップの設定と、日々の確認
サーバー外の保存先 保存先のアカウント(会社の名義) 保存の設定と、正しく送られているかの確認
戻す判断 戻すかどうか、いつの時点に戻すかの決定 戻す作業と、戻した後の確認
復元テスト 結果の記録の受け取り 年1回の実施

制作会社がバックアップを持っている場合は、どこに、何日分、誰の名義で置いているかを書面で受け取ります。委託先を変えるときに、バックアップが引き継げずに残ることがあるためです。引き継ぎの手順はホームページの制作会社を変更する手順|引き継げるものと、作り直しになるもので扱っています。

管理画面のアカウントを誰に渡すかはWordPressのユーザー権限はどう分けるか|管理者を配らず、人ごとにアカウントを作り、辞めた人の分を消す手順を決めるで扱っています。

自社で整えられる会社と、制作会社に任せたほうがよい会社

自社で整えられる会社

  • サーバーの管理画面に自社でログインでき、自動バックアップの保存期間を確かめられる会社
  • お知らせの更新が中心で、フォームの記録や会員情報をサイト内に持っていない会社。戻しても失うものが少ない

制作会社に任せたほうがよい会社

  • 独自のテーマや改修が多く、どのファイルが手作りか社内で把握していない会社
  • 予約・会員・問い合わせの記録をサイト内に持っている会社。戻すときに記録を失わない手順が要る
  • 一度も戻したことが無く、戻す手順を説明できる人が社内にいない会社。まず復元テストを1回依頼する

バックアップを取った後の、本体とPHPの更新

この記事では、更新の直前にバックアップを取ることを扱いました。取った後に行う本体の大きな更新とPHPの更新は、上げる前に対応を確かめ、上げた後に見る画面を決めておくと、戻す場面そのものが減ります。

確認すること 判断の基準 詳しくは
本体とPHPを上げる前の準備と、上げた後に確かめる画面 テーマ・プラグインの対応と独自の改修を確かめ、本体とPHPは同じ日に上げない。上げた後はフォームの送信と通知まで確かめる WordPress本体とPHPの更新はいつ行うか|不具合を恐れて止めるより先に、サポートの期限と、上げる前後に確かめる画面を決める

よくある失敗

同じサーバーの中にしか置いていない

サーバーの障害や契約切れ、乗っ取りで、サイトとバックアップを同時に失います。

保存期間が短く、改ざん前の状態が残っていない

毎日取っていても、気づくまでに保存期間を過ぎていれば戻れません。月1回分をサーバーの外に残します。

データベースだけ、またはファイルだけを取っている

データベースだけなら画像と独自のテーマが、ファイルだけなら記事と設定が戻りません。

エクスポートのXMLをバックアップだと思っている

記事は移せますが、テーマ、プラグイン、設定は含まれません。

戻したことが無い

ファイルの破損や取得漏れは、戻すまで分かりません。年1回、本番とは別の場所で戻してみます。

よくある質問

サーバーの自動バックアップがあれば、プラグインは要りませんか

サーバーの外にも複製を置く手段が別にあるなら、要らないこともあります。プラグインを入れるのは、クラウドの保存先などサーバーの外へ自動で送るためです。同じサーバーの中に重ねて取るだけなら、守れる範囲はほとんど変わりません。

バックアップはどのくらいの頻度で取ればよいですか

更新が月に数回なら週1回、毎週更新するなら毎日が目安です。どちらの場合も、本体・プラグイン・テーマを更新する直前に1回取ります。

何日分残せばよいですか

異常に気づくまでの日数より長くします。サーバーの自動バックアップが14日分なら、サーバーの外に月1回分を1〜3か月残すと、気づくのが遅れた場合にも戻れます。

バックアップから戻すと、問い合わせの記録はどうなりますか

問い合わせの記録をサイト内のデータベースに保存している場合、バックアップの後に届いた分は消えます。戻す前に管理画面から書き出し、メールで届いた通知と照合します。

制作会社がバックアップを取っていると言っています。確かめることは

どこに置いているか、何日分残るか、保存先の名義は誰か、最後に戻してみたのはいつか、の4点です。答えが書面で返ってこない場合は、復元テストを1回依頼します。

まとめ

WordPressのバックアップで決めることは、どのプラグインを使うかより、何日前まで戻せるようにするか、サーバーの外にも置くか、誰が戻すかです。

ファイルとデータベースを組で取り、保存期間は気づくまでの日数より長くし、更新の直前には必ず1回取ります。戻す前には失う記事や記録を控え、年1回は本番とは別の場所で実際に戻して確かめます。

バックアップの設定の確認や復元テスト、保守の体制づくりまではWEB制作・ホームページ制作で承っています。これまでの制作物は制作実績、会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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