「店舗の集客にGoogle広告を使いたいが、月にいくら用意すればいいのか分からない」という相談は非常に多く寄せられます。検索すると「月20万〜30万円が相場」「月5万円から可能」といった数字が並びますが、これらをそのまま自社に当てはめると、多くの場合は判断を誤ります。
店舗ビジネスのGoogle広告費は、業種の相場ではなく「粗利から逆算した許容CPA」と「自社商圏の検索需要」の2つで上限が決まるためです。商圏が狭い店舗では、予算を増やしても使い切れない(クリックが存在しない)という状態が普通に起こります。
この記事では、費用の仕組みと相場の正しい読み方を整理したうえで、自社の適正予算を計算する手順、商圏の実額をGoogleの公式ツールで確認する方法、予算規模ごとに「できること・できないこと」、そして増額・減額を判断する指標までを解説します。
この記事でわかること
・Google広告の費用が決まる仕組みと、月額上限の計算ルール(公式仕様)
・「月20万〜30万円が相場」という数字を自社に当てはめてはいけない理由
・粗利から許容CPAと月額予算を逆算する4ステップの計算式
・自社商圏で使える広告費の上限(需要天井)を30分で調べる手順
・月5万/10万/30万/50万円で何ができて何ができないかの判断表
・予算を増やすべきか減らすべきかを判定する3つの指標
結論:店舗のGoogle広告費は「相場」ではなく2つの天井で決まる
先に結論を示します。店舗ビジネスの適正な広告予算は、次の2つを計算し、小さいほうを採用します。
| 天井 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| 経済性の天井 | これ以上払うと利益が残らない上限 | 目標CV数 × 許容CPA |
| 需要の天井 | 商圏内にそもそも存在するクリック量の上限 | 月間検索ボリューム × 想定CTR × 想定CPC |
大手ECや全国展開のサービスでは、需要の天井が十分に高いため、経済性の天井だけを見て予算を決められます。一方、商圏が半径5〜10km程度に限られる店舗ビジネスでは、需要の天井のほうが低くなることが珍しくありません。
この状態で「相場は月30万円だから」と予算を積んでも、広告費は消化されず、無理に消化しようとすれば関連性の低いキーワードへ配信が広がってCPAが悪化します。予算を増やしたのに成果が悪化するという現象の多くは、ここに原因があります。
店舗の適正予算=「目標CV数 × 許容CPA」と「商圏の需要天井」の小さいほう。
相場の月額を先に決めてから配信設計を考える順序は、店舗ビジネスでは成立しません。
Google広告の費用の仕組み|掲載料は発生しない
課金はクリック単位、掲載自体は無料
Google検索広告は、広告が表示されただけでは費用が発生しません。ユーザーが広告をクリックした時点で費用が発生するクリック課金(CPC)方式です。掲載枠を買い取る形式ではないため、雑誌広告やチラシのような「掲載料」は存在せず、最低出稿金額の定めもありません。
そのため、理屈のうえでは月1万円でも配信できます。問題は、その金額で判断に足るデータが貯まるかどうかです。この点は後述の「予算階段」で整理します。
月額の上限は「1日の平均予算 × 30.4」で決まる
Google広告の予算はキャンペーン単位で「1日の平均予算」として設定します。ここで理解しておくべき仕様が2つあります。
- 1か月の費用の上限は、ほとんどのキャンペーンで1日の平均予算の30.4倍(365日÷12か月の平均日数)
- 1日単位では平均予算を超えて配信されることがあるが、その日の上限は1日の平均予算の2倍まで
(出典:Google広告ヘルプ「1日の平均予算について」)
つまり「月20万円まで」と決めているなら、1日の平均予算は 200,000 ÷ 30.4 ≒ 6,578円 と設定します。30で割って6,667円としても月額上限は約20.3万円に収まるため実務上の差は小さいですが、複数キャンペーンを持つ場合は積み上がるため、30.4で計算する習慣をつけると請求額の想定がぶれません。
なお、日次で予算超過が発生しても月額上限を超えることはないため、「昨日だけ予算の1.8倍使われている」という表示を見て慌てて予算を下げる必要はありません。予算変更は学習をリセットする側面があるため、日次の変動で触らないことが原則です。
実際に出ていくお金は広告費だけではない
予算を検討する際、広告費だけを見て「月10万円で足りる」と判断すると、後から資金計画が崩れます。店舗がGoogle広告を始める際に実際に発生する費用は次のとおりです。
| 費目 | 発生タイミング | 見落とされやすい点 |
|---|---|---|
| 広告費(媒体費) | 毎月 | Googleへ直接支払う。クレジットカード払いが基本 |
| 運用代行手数料 | 毎月 | 広告費に対する定率型と、金額固定の定額型がある。少額運用では定額型のほうが割高になりやすい |
| 初期設定・計測実装 | 初回のみ | 電話タップ計測やフォーム完了計測の実装は、広告アカウントの設定とは別作業 |
| 着地ページ(LP)制作・改修 | 初回+改善時 | 既存サイトのトップページに流すと、広告費が同じでもCVRが大きく下がる |
広告費と手数料を合わせた金額が、事業側から見た実質的な「顧客獲得への投資額」です。CPAを評価するときも、媒体管理画面のCPAではなく、手数料込みで計算した実質CPAで判断してください。手数料20%の代理店に月20万円の広告費で運用を依頼した場合、管理画面のCPA1万円は、実質CPA1.2万円です。
「費用相場」の正しい読み方|そのまま当てはめてはいけない
クリック単価は業種とキーワードで10倍以上開く
Google広告のクリック単価は、業種・キーワード・地域・競合数によって大きく変動します。地域名を含む一般的な店舗系キーワードでは数十円〜数百円で収まることもあれば、単価の高い商材や競合の多い商圏では1クリックが1,000円を超えることもあります。
この幅の広さが意味するのは、「相場」という言葉は自社の予算算定にほぼ使えないということです。同じ「整体院」でも、都心の駅前と地方都市では競合数が違うため、必要な入札額が変わります。
店舗ビジネスでは「商圏」が相場を決める
店舗ビジネス特有の事情として、配信対象が商圏に限定されます。全国配信のサービスであれば、キーワードの検索ボリュームは全国分を使えますが、店舗の場合は商圏内で発生した検索しか対象になりません。
たとえば「車検」の全国検索ボリュームが月10万回あったとしても、自社の商圏に該当するのはそのうちのごく一部です。この構造を無視して全国の相場記事の数字を持ち込むと、実態の10倍以上の予算を想定してしまいます。
相場記事の「月20万〜30万円」が示しているもの
相場として提示される金額の多くは、代理店が扱う案件の平均や、運用を委託する場合の最低ラインを示しています。つまり「他社がいくら使っているか」であって、「自社がいくら使うべきか」ではありません。
参考として使えるのは次の2点だけです。
- 運用代行を依頼する場合、月10万円未満の広告費では手数料比率が高くなり、費用対効果が合いにくい
- スマート自動入札を機能させるには、一定量のコンバージョンデータが必要になる
この2点以外は、自社の数字で計算する以外にありません。次章から実際に計算します。
適正予算の求め方①|粗利から許容CPAを逆算する4ステップ
経済性の天井を求めます。ここで重要なのは、売上ではなく粗利から計算することです。売上ベースで許容CPAを決めると、原価率の高い業態では赤字の獲得を「成功」と評価してしまいます。
STEP1:顧客1人あたりの年間粗利を出す
1回の来店で残る粗利に、年間の平均来店回数を掛けます。単発利用が中心の業態(車検、リフォームなど)は来店回数を1回として計算し、代わりに次回車検・追加工事などのリピートを別途加味します。
STEP2:投下できる比率を決めて許容CACを出す
年間粗利のうち、新規顧客獲得にいくらまで使えるかを決めます。ここは経営判断です。既存顧客からの利益で固定費が賄えている事業は比率を高く、そうでない場合は低く設定します。
STEP3:CVから顧客までの転換率を掛ける
広告のコンバージョン(問い合わせ・予約)がすべて売上になるわけではありません。店舗ビジネスでは、問い合わせ→来店→成約という2段階の減衰が入ります。
STEP4:目標CV数を掛けて月額予算を出す
許容CPAが出たら、月単位で必要なCV数を掛けます。必要CV数は「増やしたい新規顧客数 ÷ CVから顧客への転換率」で求めます。
計算例(すべて仮の数値です)
| 項目 | 数値 | 計算 |
|---|---|---|
| 平均客単価 | 60,000円 | — |
| 粗利率 | 40% | 1回あたり粗利 24,000円 |
| 年間平均利用回数 | 1.5回 | 年間粗利 36,000円 |
| 獲得への投下比率 | 30% | 許容CAC 10,800円 |
| 問い合わせ→来店率 | 60% | — |
| 来店→成約率 | 50% | CV→顧客 30% |
| 許容CPA | 3,240円 | 10,800円 × 30% |
| 月の目標新規顧客数 | 15人 | 必要CV数 50件(15 ÷ 30%) |
| 月額予算(経済性の天井) | 162,000円 | 50件 × 3,240円 |
この計算の価値は、金額そのものよりどの数字を動かせば予算を増やせるかが見える点にあります。上の例では、来店→成約率を50%から60%に上げるだけで許容CPAは3,888円になり、同じ利益水準で月額予算を約19万円まで引き上げられます。広告の改善より、来店後の接客・見積提示の改善のほうが効くケースは珍しくありません。
適正予算の求め方②|商圏の需要天井を検算する
経済性の天井が出たら、次はその金額を商圏で使い切れるかを確認します。ここを飛ばすと、予算だけ確保して消化できないという結果になります。
キーワードプランナーで自社商圏の実額を調べる手順
Google広告の管理画面にあるキーワードプランナーを使えば、地域を指定した検索ボリュームとクリック単価の予測を無料で確認できます。アカウント開設だけ済ませれば、広告を配信していなくても利用できます。
- Google広告の「ツールと設定」→「キーワードプランナー」を開く
- 「新しいキーワードを見つける」で、主要キーワードを5〜10個入力する(例:「車検 安い」「車検 予約」)
- 地域設定を全国から自社の商圏(市区町村または半径指定)に変更する
- 表示された月間平均検索ボリュームと「ページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯)」を控える
- キーワードを選択して「予測を確認する」に進み、想定クリック数・費用を確認する
手順3を忘れると全国のボリュームを見ることになり、判断を大きく誤ります。ここが最重要です。
需要天井の計算式
キーワードプランナーの予測をそのまま使ってもよいのですが、次の式で自分でも検算しておくと、予測値の妥当性を判断できます。
- 月間の獲得可能クリック数 = 商圏内の月間検索ボリューム合計 × 想定CTR
- 需要天井(月額)= 獲得可能クリック数 × 想定CPC
想定CTRは、地域名を含む顕在キーワードで上位掲載できている場合を想定し、まずは5〜10%程度で置いて幅を見ます。想定CPCはキーワードプランナーの「高額帯」の値を使い、保守的に見積もります。
需要天井のほうが小さいときの打ち手
経済性の天井が月16万円でも、需要天井が月6万円しかないという結果はよく起こります。この場合、残りの10万円を検索広告に積んではいけません。選択肢は次のとおりです。
| 打ち手 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 商圏を広げる | 来店可能距離に余裕がある業態 | 距離が延びるほど来店率が落ちるため、エリア別にCPAを分けて見る |
| 周辺・比較検討キーワードへ広げる | 検討期間が長い高単価商材 | CVRが下がるため、許容CPAを別に設定する |
| SNS広告など需要創出型へ配分 | 認知が低く、検索されていない商材 | 検索広告と同じCPAを期待しない。役割を分けて評価する |
| 広告以外(MEO・サイト改善)に回す | Googleビジネスプロフィールが未整備 | 効果が出るまで時間がかかるため、広告と並行する |
商圏を指定したキーワードプランナーの予測が、店舗にとって最も信頼できる「相場」です。
全国のCPC相場ではなく、自社商圏の実測値で予算を組んでください。
予算階段別|何ができて、何ができないか
金額の妥当性は「その予算で何を判断できるか」で決まります。想定CPC300円、CVR5%というケースを仮に置くと、次のように整理できます。
| 月額広告費 | 想定クリック/CV | できること | できないこと |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 約167クリック/約8件 | 指名+主要キーワード1〜2個の刈り取り。需要の有無の確認 | キーワード単位の良し悪し判断。自動入札の学習。広告文のA/B検証 |
| 10万円 | 約333クリック/約17件 | 主要キーワード群の刈り取り。除外キーワードの整理。CPAの傾向把握 | 複数キャンペーンの並行検証。安定した自動入札運用 |
| 30万円 | 約1,000クリック/約50件 | 目標CPA入札の運用。キーワード単位の取捨選択。エリア別の評価 | 短期間での媒体横断の増分検証 |
| 50万円以上 | 約1,667クリック/約83件 | 検索広告に加えP-MAX等の併用検証。LPのA/Bテスト | 商圏が狭い場合、そもそも消化できない |
境目になるのが自動入札です。Google広告ヘルプでは、目標コンバージョン単価の評価にあたって過去30日間で少なくとも30件のコンバージョンを含めることが推奨されています。逆に言えば、月のCV数が10件に届かない規模では、自動入札に最適化を任せる前提が成立していません。この規模では、手動での入札管理と除外キーワードの精度で戦うほうが結果は安定します。
なお、広告の始め方そのものについては、店舗集客のためのGoogle検索広告の始め方で、アカウント開設から入稿までの手順を解説しています。
予算が適正かを判定する3つの指標
配信を始めたあとは、次の3つを見て増額・維持・減額を判断します。感覚で予算を触らないための基準です。
指標1:インプレッションシェア損失率(予算)
予算不足が原因で広告が表示されなかった割合を示す指標で、Google広告の管理画面にキャンペーン単位で表示できます(出典:Google広告ヘルプ「インプレッションシェアのデータを取得する」)。
この数値が高い場合、需要はあるのに予算で機会を逃している状態です。ただし、CPAが許容範囲内であることが増額の前提になります。CPAが目標を超えているのに予算だけ増やすと、赤字の獲得が増えるだけです。
指標2:実質CPAと許容CPAの差
管理画面のCPAではなく、代理店手数料を含めた実質CPAで比較します。許容CPAを下回っていれば増額の余地があり、上回っていれば予算ではなく設定を見直す局面です。
指標3:検索語句レポートの無駄クリック比率
直近30日の検索語句を確認し、明らかに意図と異なるクリックが何%を占めるかを見ます。ここが20%を超えているなら、予算の問題ではなくキーワード設計の問題です。
判断表
| 状況 | とるべき行動 |
|---|---|
| CPAが許容内/予算による損失が大きい | 増額する。ただし一度に倍にせず、20〜30%ずつ上げて反応を見る |
| CPAが許容内/予算による損失がほぼゼロ | 需要天井に達している。増額せず、商圏拡張かキーワード拡張を検討 |
| CPAが許容超過/無駄クリック比率が高い | 除外キーワードとマッチタイプを整理する。予算は据え置き |
| CPAが許容超過/無駄クリックは少ない | 着地ページのCVRを疑う。広告費より先にLPを直す |
| CV数が月5件未満で判断できない | 対象キーワードと商圏を絞り、単価の低い1テーマに集中させる |
広告費を増やす前に確認すべきこと
広告費の増額が最も費用対効果の高い選択とは限りません。同じ金額を投じるなら、次の順序で確認してください。上から順に、投資額に対する改善幅が大きい項目です。
- コンバージョン計測が正しく動いているか:電話タップ・フォーム送信・LINE追加が計測されていない状態では、CPAの議論自体が成立しません
- Googleビジネスプロフィールが整備されているか:地図検索からの流入は広告費がかかりません。無料で取れる導線を取り切ってから広告を足します
- 着地ページが広告文と一致しているか:サイトのトップページに流している場合、LPを用意するだけでCVRが変わります
- 除外キーワードが整理されているか:無駄クリックを削るのは、増額せずにCV数を増やす行為と同じです
- それでも機会損失が残るか:ここまで済ませてインプレッションシェア損失率(予算)が高いなら、増額の効果が期待できます
広告を出さないという判断も選択肢です。商圏の検索需要が小さく、Googleビジネスプロフィールの整備と口コミ獲得で来店が確保できている店舗では、広告費を投じるより店舗運営や接客の改善に回したほうが利益が残ることがあります。「相場だから月20万円」という理由で始める必要はありません。
店舗のKPI|CPAだけで良し悪しを判断しない
広告予算の議論はCPAに集中しがちですが、店舗ビジネスでは以下の連鎖まで見ないと、予算判断を誤ります。
クリック → コンバージョン(問い合わせ・予約) → 来店 → 成約 → 粗利 → 再来店
CPAが下がっても来店率が落ちていれば、獲得しているのは冷やかしに近い問い合わせです。逆にCPAが上がっても成約率と客単価が上がっていれば、事業としては改善しています。
来店率を計測できていない場合の簡易な方法
本格的なオフラインコンバージョン連携を組む前に、次の方法でも把握できます。
- 予約管理表に「流入経路」の列を追加し、来店時に確認して記録する
- 広告用の電話番号を分けて、着信数を媒体別に把握する
- フォームに「当店を知ったきっかけ」の選択肢を1問だけ設ける
精度は完璧でなくても構いません。CPA1万円の問い合わせが5件中4件来店するのか、1件しか来ないのかが分かるだけで、予算判断の質は大きく変わります。
店舗のGoogle広告予算でよくある失敗
失敗1:全国のCPC相場で予算を組む
商圏を絞った実測値を確認しないまま予算を決めると、過大にも過小にもなります。キーワードプランナーの地域設定は必ず商圏に変更してください。
失敗2:売上ベースで許容CPAを決める
原価率の高い業態では、売上ベースの許容CPAは実態より大きく出ます。粗利ベースで計算しないと、CVは増えているのに利益が減るという結果になります。
失敗3:成果が出ない月に予算を半減させる
予算の急な増減は配信量を変動させ、自動入札を使っている場合は学習に影響します。減額する場合も一度に大きく動かさず、原因(計測・キーワード・LP)を特定してから調整してください。
失敗4:手数料込みで採算を見ていない
広告費20万円・手数料20%であれば、事業側の負担は24万円です。管理画面のCPAだけで「目標達成」と判断すると、実際には目標未達というケースが起こります。
失敗5:予算を増やすことで需要が増えると考える
検索広告は既に発生している需要を刈り取る手段です。商圏内の検索数が増えるわけではありません。需要そのものを増やしたい場合は、SNS広告やコンテンツ、店舗施策など別の手段が必要です。
よくある質問
Q. 結局、店舗のGoogle広告は月いくらから始めるべきですか?
金額の下限はありませんが、判断材料が得られる規模かどうかで考えます。商圏を絞った実測CPCが300円程度であれば、月10万円で約330クリックとなり、キーワードの取捨選択と除外の判断ができます。CPCが高い業種では、同じ判断をするためにより多くの予算が必要です。まずキーワードプランナーで自社商圏のCPCを確認してから金額を決めてください。
Q. 予算を増やせばコンバージョンは比例して増えますか?
比例はしません。商圏内の検索数には上限があるため、需要を取り切った時点で増額してもクリックは増えません。その状態でさらに増額すると、関連性の低いキーワードや広いエリアへ配信が広がり、CPAが悪化します。増額の前にインプレッションシェア損失率(予算)を確認してください。
Q. 代理店に依頼する場合、広告費はいくらから見てもらえますか?
代理店により異なりますが、定率型の手数料では広告費が小さいほど代理店側の収益が小さくなるため、最低手数料額を設けている場合が一般的です。少額運用では定額型のほうが結果的に割高になることもあります。依頼前に「広告費に対する手数料率」と「最低手数料額」の両方を確認してください。
Q. 予算内に収まらず請求が上振れすることはありますか?
1日単位では1日の平均予算を超えて配信されることがありますが、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍を超えません(出典:Google広告ヘルプ)。月中に予算設定を変更した場合は上限も変わるため、月内の変更履歴は記録しておくと請求額の確認が容易になります。
Q. Google広告とGoogleビジネスプロフィール(MEO)はどちらを優先すべきですか?
費用が発生しないGoogleビジネスプロフィールの整備が先です。店舗情報・営業時間・写真・口コミ返信を整えたうえで、それでも露出が足りない、あるいは競合が多く地図検索で上位に入れない場合に広告を足します。両者は代替関係ではなく、無料で取れる導線を取り切ってから有料枠を買う順序が効率的です。
まとめ
店舗集客におけるGoogle広告の費用は、業種の相場ではなく自社の数字で決まります。粗利から許容CPAを逆算して経済性の天井を出し、商圏を指定したキーワードプランナーで需要の天井を検算し、小さいほうを月額予算に設定してください。
配信後は、インプレッションシェア損失率(予算)・実質CPA・検索語句の無駄率の3つで、増額・維持・設定見直しを判断します。CPAが目標を超えているときに予算を増やしても、赤字の獲得が増えるだけです。
そして、広告費を増やす前に確認すべきは、コンバージョン計測が正しく動いているか、Googleビジネスプロフィールが整備されているか、着地ページが広告と噛み合っているかの3点です。多くの店舗では、この3つの改善のほうが増額より費用対効果が高いのが実情です。
「広告費をいくらにすべきか判断できない」「電話やLINEでの問い合わせが計測できておらずCPAが分からない」「クリックは来ているが来店につながっていない」といった状態にある場合は、予算額単体ではなく、計測設計・キーワード設計・着地ページを合わせて確認する必要があります。
当社の資料では、店舗集客におけるGoogle広告の予算設計、計測環境の整え方、着地ページ改善の考え方をまとめています。自社の課題を整理したい方は、ぜひ資料をダウンロードしてご活用ください。