デジタルマーケティング

KNOWLEDGE

デマンドジェネレーションキャンペーンは店舗集客に使えるか|向く条件と評価の仕方

  • #デジタルマーケティング

SHARE

デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTube(ショート動画を含む)、Discover、Gmail、Googleディスプレイネットワークなどに配信するキャンペーンです。Google広告ヘルプでは、視覚的なマルチフォーマット広告を配信し、エンゲージメントやアクションの獲得を促進するものとして説明されています。

検索広告との決定的な違いは、相手がまだ探していないことです。検索広告は「探している人」に当てますが、この配信は「まだ探していない人」に当てます。したがって、同じ獲得単価の基準で評価すると、ほぼ確実に「効果がない」という結論になります。

この記事では、この配信を評価するための物差しを先に決め、店舗集客で向く条件と向かない条件、そして検索広告との予算の分け方を整理します。

この記事でわかること

・検索広告との前提の違いと、評価の物差し

・店舗集客で向く条件と、向かない条件

・必要なクリエイティブの量と質

・検索広告との予算の分け方

・効果を判定する期間と、見るべき指標

・始めるべきでない状況

検索と同じ物差しでは測れない

検索広告 デマンドジェネレーション
相手の状態 課題を認識し、探している まだ探していない
きっかけ ユーザーの検索 配信側からの提示
必要なもの キーワードと広告文 画像や動画のクリエイティブ
成果までの距離 近い。当日〜数日 遠い。数週間〜数か月
主に見る指標 獲得単価、コンバージョン数 指名検索の増加、サイト再訪、最終的な獲得数
向いている目的 既にある需要を取る 需要を作る、認知を広げる

5行目が実務上の要点です。この配信を「その広告経由で何件取れたか」だけで判断すると、貢献を見落とします。動画を見た人が後日、店名で検索して来店する。この流れは広告のレポート上では別々の数字になります。

したがって評価には、指名検索の件数の推移を並べてください。配信を始めてから店名での検索が増えているなら、機能しています。増えていないなら、届いている相手か訴求が合っていません。

獲得単価だけで判断すると、需要を作る配信は必ず「効果なし」になる。

指名検索の推移を並べて見る。ここが動いていなければ止める。

店舗集客で向く条件

条件 向くか 理由
新規開業・新店舗のオープン 向く そもそも存在が知られていない
検索需要そのものが少ない商材 向く 検索広告では母数が取れない
視覚で価値が伝わる(飲食、美容、施工) 向く 写真と動画の情報量が効く
商圏が広い(広域から集客する) 向く エリア指定で届けられる
緊急性が高い(水漏れ、鍵、修理) 向かない 探している人に当てるほうが確実
検索需要が十分にある 後回し 先に検索広告で取り切るほうが効率的
予算が月数万円 向かない 認知の配信は一定量に達しないと効かない

6行目は判断の順序の話です。検索広告で取り切れていない需要が残っているうちは、そちらを先に埋めてください。探している人を取りこぼしながら、探していない人に予算を使うのは順序として不利です。まず表示回数の損失を確認してから検討します。

7行目については、少額では判断できる水準に届きません。認知を目的とした配信は、一定のリーチに達して初めて指名検索が動き始めます。届く母数を確保できない予算なら、検索広告に集中させるほうが確実です。

必要なクリエイティブの量

この配信はクリエイティブが成果を決めます。キーワードで絞れないぶん、届く相手を決めるのは素材そのものです。

  • 複数の縦横比を用意する:配信面ごとに表示される比率が違う
  • 訴求の型を3つ以上:1つの切り口だけでは届く層が限られる
  • 動画がなければ静止画から始める:まず型を検証し、勝った型だけ動画にする
  • 最初の1〜2秒で何の広告か分かる:説明から入ると流れる

縦型の面に配信する場合の構成は縦型クリエイティブの作り方|動画がなくても成果を出す構成にまとめています。動画がなくても成立させる方法があります。

YouTubeでの動画配信そのものの判断はYouTube広告で店舗集客はできるのか|向いているケースと評価の仕方で別に整理しています。

検索広告との予算の分け方

同じ財布から出す以上、配分の順序を決めておかないと、検索側が痩せます。

  1. 検索広告で取り切れているかを確認する:表示回数の損失が大きいなら、まずそちらへ
  2. 残った予算の範囲で始める:検索を削って回さない
  3. 判断できる最低額を確保する:分散させると両方が中途半端になる
  4. 期間を決める:最低でも1〜2か月は動かさない
  5. 評価の指標を先に決める:指名検索、サイト再訪、最終的な獲得数

2番目が重要です。検索広告の予算を削ってこの配信に回すと、確実に取れていた需要を落とします。需要を作る配信は、既にある需要を取り切った先の投資として位置づけてください。

再訪の計測ができていないと5番目が成立しません。設定の考え方はリターゲティング広告の設定手順と、効果を正しく見極める方法を参照してください。

効果を判定する期間と指標

時期 見るもの 判断
1週目 配信が出ているか、費用の消化 配信設定の異常だけを確認する
2〜4週目 リーチ、視聴の完了率、サイト流入 クリエイティブの型ごとに比較する
1〜2か月 指名検索の件数、サイト再訪の数 認知が広がっているかを判断する
2〜3か月 最終的な獲得数と全体の獲得単価 継続の可否を判断する

1か月未満で獲得単価を見て判断するのは早すぎます。需要を作る配信は、成果が出るまでの距離が構造的に遠いためです。ただし、指名検索とサイト流入がまったく動いていない場合は、1か月で止める判断をしてかまいません。届いていないか、訴求が合っていません。

1か月で見るのは獲得数ではなく、指名検索とサイト流入。

そこが動いていなければ、続けても獲得にはつながらない。

全体の中での位置づけ

この工程は広告運用の一部です。前後に決めるべきことがあり、順序を飛ばすと後から戻れなくなります。全体の流れは広告運用は何から決めるかを参照してください。

よくある失敗

検索広告と同じ獲得単価で評価する

相手の状態が違うため、同じ物差しでは必ず劣ります。評価の指標を先に分けてください。

検索広告の予算を削って始める

確実に取れていた需要を落とします。取り切った先の投資として位置づけてください。

クリエイティブを1本だけで始める

キーワードで絞れないため、届く相手を決めるのは素材です。型を3つ以上用意してください。

2週間で判断する

成果までの距離が遠いため、短期では評価できません。ただし流入がゼロなら早期に止めて構いません。

エリア設定を確認しない

商圏外へ配信すると、届いても来店につながりません。設定を先に確認してください。

よくある質問

P-MAXとどう使い分けますか

P-MAXは検索を含む複数の面へ配信し、獲得の最大化を狙います。デマンドジェネレーションは需要を作る側に寄っています。両方を同時に始めると、どちらの貢献か分からなくなるため、順序を決めてください。P-MAXの設計はP-MAXのアセットグループ設計を参照してください。

動画は必須ですか

必須ではありません。静止画でも配信できます。まず静止画で訴求の型を検証し、勝った型だけを動画にすると制作費が無駄になりません。

どのくらいの予算から始められますか

金額の目安より、判断できる量に届くかで考えてください。リーチと流入の変化が読み取れない規模では、続けても判断ができません。

小さい商圏でも使えますか

エリアを絞れば配信できますが、商圏が狭いほど届く母数が限られます。同じ人に繰り返し表示されるようになったら、表示頻度を確認してください。

成果が出たかどうかを社内にどう説明しますか

開始前に指標を決めて共有しておくことが唯一の方法です。後から説明しようとすると、獲得単価の話に戻ります。指名検索の件数とサイト流入を、開始前の水準とあわせて記録してください。

まとめ

デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTubeやDiscover、Gmailなどに配信し、まだ探していない層へ届ける配信です。検索広告が既にある需要を取るのに対し、こちらは需要を作る側にあります。したがって、同じ獲得単価の基準で評価すると必ず劣って見えます。

評価には指名検索の件数とサイト再訪を並べてください。動画を見た人が後日、店名で検索して来店する流れは、広告のレポート上では別々の数字になります。この2つが動いていれば機能しており、1か月経っても動かないなら、届いている相手か訴求が合っていません。

始める順序も重要です。検索広告で取り切れていない需要が残っているうちは、そちらを先に埋めてください。検索の予算を削って回すと、確実に取れていた需要を落とします。需要を作る配信は、取り切った先の投資として位置づけるのが順序として合理的です。

当社では広告運用代行において、認知から獲得までの配信設計をご相談いただけます。媒体の優先順位を整理したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

SHARE