同じ内容のページがサイト内に複数あると「重複コンテンツで順位が下がる」と説明されることがありますが、これは正確ではありません。意図せず生じた重複に対して罰則が科されるわけではありません。
実際に起きるのは評価の分散です。外部からのリンクやサイト内のリンクが複数の URL に分かれると、そのどれもが本来の評価に届きません。加えて、検索結果に表示される URL が想定と違うものになり、アクセス解析の数値も分かれます。
この記事では、意図せず重複が生まれる仕組み、正規 URL を伝える方法とその効果の強さ、指定しても無視される条件、そして統合すべきか残すべきかの判断を整理します。
この記事でわかること
・重複そのものに罰則はない。分散が問題
・URLの揺れで意図せず重複が生まれる
・正規URLを伝える3つの方法と効果の強さ
・指定しても無視される条件
・統合するか、残すかの判断
・やってはいけない扱い方
重複そのものではなく、分散が問題になる
Google は、重複または類似するページがある場合に正規 URL を指定する理由として、検索結果に表示したい URL を指定できること、類似ページのシグナルを統合できること、指標を集約できること、クロールの時間を節約できることを挙げています。
つまり正規 URL の指定は、順位を上げるための操作ではなく、本来1つに集まるべき評価が分かれている状態を直す作業です。
| 起きること | 具体的な影響 |
|---|---|
| 外部リンクの評価が分かれる | 被リンクを受けた URL と、表示させたい URL が違う |
| サイト内リンクの評価が分かれる | 同じページを指すリンクが複数の URL に散る |
| 表示される URL が想定と違う | パラメータ付きの URL が検索結果に出る |
| 解析の数値が分かれる | 同じページのアクセス数が複数行に分割される |
| クロールの時間が浪費される | 新しいページの発見が遅くなる |
なお Google は、正規 URL の指定は推奨であって必須ではないとしています。指定がなくても、Google が客観的に最適な URL を判断します。小規模なサイトでは、そもそも対応が不要なことも多くあります。
重複に罰則はない。評価とアクセス数が複数URLに分散することが問題。
正規URLの指定は推奨であって必須ではない。規模によっては不要。
意図せず重複が生まれる典型パターン
多くの重複は、記事を二重に書いたことではなくURLの揺れから生まれます。同じページに複数の入口ができている状態です。
| パターン | 例 | 対処 |
|---|---|---|
| 末尾のスラッシュの有無 | /page と /page/ | どちらかに転送する |
| wwwの有無 | example.com と www.example.com | どちらかに転送する |
| httpとhttps | http:// と https:// | httpsへ転送する |
| 広告等のパラメータ | ?gclid= や ?utm_source= | 正規URLを指定する |
| 並び替え・絞り込み | ?sort=price など | 正規URLを指定する |
| 印刷用ページ | /print/ など | 正規URLを指定する |
| 同じ商品の色違いページ | 内容がほぼ同じ | 統合するか正規URLを指定する |
上から3つは転送で解決すべきもので、正規 URL の指定より確実です。4行目以降は、そのページ自体に存在意義があるため、転送せず正規 URL を指定します。
計測用のパラメータ設計はUTMパラメータの設計と命名規則|流入元を正しく計測する方法を参照してください。
正規URLを伝える3つの方法
Google は、正規化に対する効果が高い順に3つの方法を挙げています。順序に意味があります。
- リダイレクト:転送先が正規ページであるという強いシグナル。重複ページを廃止するときに使う
- rel=”canonical” の指定:指定した URL が正規であるという強いシグナル。ページを残したまま使える
- サイトマップに含める:正規であることを示すが、シグナルとしては弱い
複数を組み合わせると、希望する URL が表示される可能性が高くなります。ただし、方法ごとに違う URL を正規として指定してはいけません。サイトマップで A を、canonical で B を指定するような状態は避けてください。
また、正規ページ自身にも自分を指す canonical を入れることが推奨されています。自己参照と呼ばれる設定で、多くの CMS では標準で出力されます。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| リダイレクト | 重複ページを残す必要がない | 残したいページには使えない |
| canonical(HTML) | ページを残したまま統合したい | HTMLページにしか使えない |
| canonical(HTTPヘッダー) | PDFなどHTML以外のファイル | 設定にサーバー側の作業が必要 |
| サイトマップ | 大規模サイトで一括管理したい | シグナルとしては弱い |
指定しても無視される条件
canonical は指示ではなくシグナルです。次の条件では、指定しても正規化に使われません。
- hreflang、lang、media、type 属性を持つ canonical:代替バージョンを示す用途とみなされ、正規化には使われない
- URLフラグメント(#以降)を含む指定:Google は通常フラグメントをサポートしていない
- HTTPヘッダーとHTML要素で違うURLを指定している:矛盾するため、どちらが採用されるか分からない
- JavaScriptで canonical を書き換えている:HTMLソースの記述と食い違うと判定が不安定になる
- 指定先の内容が大きく違う:内容が異なるページを正規として指定しても採用されにくい
4番目は実務で起きやすい問題です。クライアントサイドで描画しているサイトでは、canonical を HTML ソースコードに書き、JavaScript で変更しないことが推奨されています。HTML で設定できない場合は、HTML からは外して JavaScript でのみ設定するほうが、情報が明確になります。
指定と違うページが正規として選ばれた場合、Search Console のページレポートに「重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」と表示されます。この表示が出たら、内容の重複そのものを解消する必要があります。
canonical は指示ではなくシグナル。無視されることがある。
指定と違うページが選ばれたら、内容の重複そのものを解消する。
統合するか、残すかの判断
記事やサービスページが似ている場合は、正規 URL の指定より前に統合すべきかどうかを判断してください。
| 状態 | 判断 | 手順 |
|---|---|---|
| 検索意図が同じ。内容も重なる | 統合する | 残す側に内容を寄せ、片方から転送する |
| 検索意図は同じだが、対象読者が違う | 角度を変えて残す | 見出しと導入を書き分け、相互にリンクする |
| 語は違うが検索結果の顔ぶれが重なる | 統合する | 同上 |
| 語も検索結果も違う | 両方残す | 相互にリンクする |
| どちらも順位がついていない | 統合する | 1本に集約したほうが上がりやすい |
| 片方が上位、片方が圏外 | 統合する | 上位側に寄せ、圏外側から転送する |
判断に迷ったら、2つの語で実際に検索し、上位10件の顔ぶれが半分以上重なるかを見てください。重なるなら、検索エンジンは同じ質問として扱っています。同じ記事にすべきです。
統合する場合は、必ず転送を設定してください。ページを削除するだけにすると、それまでの評価と外部リンクが失われます。手順はURLを変えるときのリダイレクト|評価を落とさない手順と、やってはいけない転送を参照してください。
やってはいけない扱い方
Google が明確に推奨していない方法があります。いずれも実務でよく見かけます。
| やってしまいがちな対処 | 何が起きるか |
|---|---|
| robots.txt でブロックする | 許可されていない URL でも、内容なしで登録される場合がある。重複の判定もできなくなる |
| URL削除ツールを使う | その URL のすべてのバージョンが検索で非表示になる |
| noindex で正規ページの選択を妨げる | そのページが検索から完全にブロックされる |
| 方法ごとに違う URL を正規指定する | どれが採用されるか分からなくなる |
| 重複 URL のほうにサイト内リンクを張る | 希望する正規 URL が伝わりにくくなる |
5行目は見落とされがちです。サイト内でリンクするときは、重複 URL ではなく正規 URL に一貫してリンクしてください。正規版にしたい URL へ一貫してリンクすることで、希望が伝わりやすくなります。
多言語のページを持つ場合は、hreflang を使うときに同じ言語の正規ページを指定してください。同じ言語のページがない場合は、最適な代替言語のページを指定します。
確認する手順
重複の状態は、次の順で点検できます。
- Search Console のページレポートを開く:登録されていない理由の一覧を見る
- 「代替ページ(適切な canonical タグあり)」の件数を見る:意図した設定なら正常
- 「重複しています」の項目を開く:指定と違うページが選ばれているものを抽出する
- URL 検査で個別に確認する:ユーザーが指定した正規 URL と、Google が選択した正規 URL を突き合わせる
- 食い違っているものだけ対処する:内容の統合か、canonical の修正
4番目の画面では、こちらが指定した URL と、Google が実際に選んだ URL の両方が表示されます。ここが一致していれば対処は不要です。登録状況の切り分け全般はページがインデックスされない原因と確認の順序|検索に出ない状態を切り分けるを参照してください。
よくある失敗
重複を罰則だと思って慌てる
意図せず生じた重複に罰則はありません。起きるのは評価と数値の分散です。落ち着いて優先順位をつけてください。
robots.txt で重複ページを隠す
ブロックしても登録される場合があり、重複の判定もできなくなります。canonical を使ってください。
すべての重複に対処しようとする
小規模なサイトでは、指定がなくても適切な URL が選ばれます。Search Console で実際に食い違っているものだけを直してください。
統合せずに canonical だけで済ませる
検索意図が同じ記事が2本ある状態は、canonical では解決しません。内容を1本に寄せてください。
削除だけして転送しない
それまでの評価と外部リンクが失われます。統合時は必ず転送を設定してください。
よくある質問
他社サイトに自社の記事を転載された場合はどうなりますか
転載元と転載先のどちらが正規として扱われるかは、Google の判断になります。自社側の対策としては、公開日が明確であること、サイト内から一貫してリンクされていること、独自の情報が含まれていることが有効です。悪質な場合は削除の申し立てという手段もあります。
同じ商品を色違いでページ分けしています。統合すべきですか
色ごとに検索されているなら残す価値があります。検索されていないなら1ページにまとめ、色は選択肢として持たせるほうが管理しやすくなります。商品ページの設計は商品ページのデザインで購入率は変わるのか|見せる順序と、離脱を生む要素を参照してください。
パラメータ付きのURLは全部対処が必要ですか
必須ではありません。ただし広告用のパラメータが検索結果に表示されている、解析で数値が分かれているといった実害があるなら、canonical で正規 URL を指定してください。
canonical を設定してからどのくらいで反映されますか
再度クロールされるまで反映されません。数日から数週間かかります。URL 検査で登録をリクエストすると早まる場合がありますが、確実ではありません。
CMSを使っていてHTMLを編集できません
多くの CMS には、検索エンジン向けの設定画面から正規 URL を指定する仕組みが用意されています。WordPress であれば SEO 関連のプラグインで設定できることが一般的です。CMS の選定と運用設計は更新しやすい企業サイトの作り方|CMS選定と運用設計のポイントを参照してください。
まとめ
似た内容のページが複数あること自体に、罰則はありません。実際に起きるのは、外部リンクとサイト内リンクの評価が複数の URL に分かれること、検索結果に想定と違う URL が表示されること、解析の数値が分割されることです。直すべきなのはこの分散であって、重複という状態そのものではありません。
対処の順序は明確です。末尾スラッシュ、www、https のような URL の揺れは転送で解決します。パラメータや絞り込みのように、ページ自体に存在意義があるものは canonical で正規 URL を指定します。そして記事やサービスページの内容が重なっている場合は、canonical ではなく統合を検討してください。canonical は URL の重複を解決する手段であって、同じ質問に答える記事が2本ある状態は解決しません。
最後に、対処する範囲を広げすぎないでください。Google は正規 URL の指定を推奨としていますが、必須とはしていません。小規模なサイトであれば、指定がなくても適切な URL が選ばれます。Search Console のページレポートで、指定と実際の選択が食い違っているものだけを抽出し、そこに絞って直すのが最も費用対効果の高い進め方です。
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