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UGCを集客に活用する方法|二次利用の許諾と、依頼が「広告」になる線引き

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利用者が投稿した写真やコメント(UGC)は、自社が言えないことを伝えられます。「おいしい」と店が言うより、来店した人が書いたほうが読まれる。この効果自体は明らかです。

止まるのは集める段階ではなく使う段階です。投稿を見つけて自社サイトに載せようとした時点で、著作権と肖像権の確認が必要になります。さらに、投稿を依頼していた場合は、それが事業者の表示にあたるかどうかという別の論点が出てきます。

この記事では、二次利用に必要な許諾、依頼が広告として扱われる線引き、掲載場所ごとの向き不向きを整理し、そのうえで自然発生を待たずに集める設計を扱います。

この記事でわかること

・UGCが効く理由と、効かない場面

・二次利用に必要な2つの許諾(誰に取るか)

・投稿を依頼したときに越えてはいけない線

・掲載場所ごとの向き不向き(SNS・自社サイト・広告)

・自然発生を待たずに集める設計

・UGCが集まらない業種での代替手段

効くのは、自社が言えないことを言えるから

UGCの価値は「量」ではなく「発信者が自社ではないこと」にあります。したがって、次のような情報ほど効果が出ます。

情報の種類 自社が言った場合 利用者が言った場合
品質・味・仕上がり 主観として読まれる 判断材料になる
混雑状況・待ち時間 書きにくい 実際の様子が伝わる
向いている人・向かない人 客を選ぶ表現になりやすい 自然に伝わる
使い方・組み合わせ 想定した使い方に限られる 想定外の用途が出てくる
価格の妥当性 自社では言えない 納得感として伝わる

逆に、営業時間、料金、対応エリアといった事実情報はUGCに任せてはいけません。投稿時点の情報が古くなり、誤った情報が拡散します。事実は自社が発信し、印象や体験を利用者に委ねる、という分担になります。

UGCに任せるのは体験と印象。事実情報は自社が発信する。

投稿された事実情報は古くなる。古い価格や営業時間が独り歩きする。

二次利用には2つの許諾が要る

他人の投稿を自社の媒体に転載する場合、確認すべき権利は1つではありません。

権利 誰に対して 必要になる場面
著作権 撮影した人・書いた人 写真や文章を自社サイト、チラシ、広告に転載するとき
肖像権・パブリシティ権 写っている人 人物が写り込んでいるとき
プラットフォームの規約 投稿先のサービス 埋め込み表示や転載の方法に条件がある場合

実務で漏れやすいのは2行目です。投稿者本人の許可を取っても、一緒に写っている人の許可は別です。複数人が写った写真を広告に使う場合は特に注意してください。

許諾を取るときは、口頭やコメントでのやり取りではなく、次の4点を明示した文面で残します。

  • 使う場所:自社サイト、SNS、広告、店頭、印刷物のどれか(「当社の販促物」のような包括表現にしない)
  • 使う期間:無期限か、期間を区切るか
  • 加工の可否:トリミング、色調整、文字の重ね合わせをしてよいか
  • 取り下げの方法:後から使用の停止を求めたい場合の連絡先

4番目を用意しておくと、依頼する側も応じやすくなります。取り消せない許諾は、相手にとって判断が重くなります。

依頼した時点で「事業者の表示」になる線

投稿を依頼する場合、内容にどこまで関与するかで扱いが変わります。2023年10月1日に施行された規制により、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示は景品表示法上の不当表示にあたるとされています(消費者庁の告示および運用基準)。

判断の分かれ目は、事業者が表示内容の決定に関与しているかどうかです。

やり方 扱い 理由
来店客に投稿をお願いする(内容は指定しない) 通常は問題にならない 内容に関与しておらず、投稿するかも本人の判断
ハッシュタグだけ指定して投稿を募る 内容の指定にあたらない範囲なら問題になりにくい 表示内容そのものを決めていない
書く内容や評価を指定して依頼する 問題になりうる 事業者が表示内容の決定に関与している
商品を無償提供して投稿を依頼する 関係の明示が必要になりうる 事業者の表示と判別できる状態にする
報酬を払って投稿してもらう 関係の明示が必要 広告であることが分かる形にする
従業員が一般客として投稿する 問題になる 事業者の表示であることが判別できない

4行目と5行目は、やってはいけないのではなく、事業者の関与が分かる形にすれば実施できるという整理です。投稿内に関係が明示されていれば、消費者は広告として判断できます。

運用基準の詳細と、明示の具体的な方法は消費者庁の公表資料を直接確認してください。判断に迷う場合は、1行目の範囲に収めるのが最も安全です。

自社サイトに掲載する「お客様の声」も同じ考え方が必要です。集め方と見せ方は「お客様の声」の効果的な掲載方法|信頼につながる集め方と見せ方にまとめています。

投稿をお願いすること自体は問題にならない。

内容や評価を指定した時点、対価が発生した時点で、扱いが変わる。

掲載場所ごとの向き不向き

掲載場所 向いているUGC 必要な許諾 注意点
自社SNSでの紹介 写真、短いコメント 投稿者と写っている人 プラットフォームの規約を確認する
自社サイトへの掲載 体験の文章、施工前後の写真 同上。用途を明示した書面 事実情報が古くなる。掲載日を入れる
広告クリエイティブ 実際の利用シーン 同上。広告利用を明記した許諾 表現の審査対象になる
店頭・印刷物 写真 同上。期間の取り決め 取り下げに対応しにくい
営業資料 利用者の言葉 同上 社名や個人が特定されない配慮

広告クリエイティブに使う場合は、許諾に加えて表現そのものが審査と法令の対象になります。利用者の言葉であっても、効果を断定する表現が含まれていれば問題になります。線引きは広告表現で問題になりやすい言い方|景表法・薬機法と媒体ポリシーの整理で整理しています。

印刷物と店頭は、後から取り下げにくい点に注意してください。刷ってしまったものは回収が必要になります。取り下げの可能性がある素材は、差し替えが容易な媒体に限定するのが現実的です。

自然発生を待たない設計

UGCが集まらない店舗の多くは、投稿してもらう理由と機会を用意していません。次の順序で設計します。

  1. 撮りたくなる場面を作る:商品や店内に、写真として成立する一点を用意する
  2. 撮ってよいことを伝える:撮影可の掲示がないと、撮ってよいか分からない
  3. 投稿先を1つに絞る:複数を案内すると分散し、後から探せなくなる
  4. 見つけられる状態にする:店舗名の表記を統一し、位置情報の登録名を揃える
  5. 反応する:投稿に返信や紹介をすると、次の投稿が生まれやすくなる
  6. 使える形で残す:許諾を取ったものを一覧にして、使用範囲と期限を記録する

4番目は見落とされがちです。店舗名の表記がばらついていると、投稿されても見つけられません。正式名称、略称、位置情報の登録名を揃えてください。地図上の情報の整備はMEO対策とは?Googleビジネスプロフィールで来店数を増やす具体的手順で扱っています。

6番目まで用意して、初めてUGCは資産になります。許諾を取っていない投稿は、見つけても使えません。

UGCが集まりにくい業種の代替手段

投稿しづらい業種があります。金額が大きい、人に知られたくない、写真として成立しないといった条件では、待っても集まりません。

業種の特徴 UGCが出にくい理由 代替手段
高額・低頻度(住宅、車、リフォーム) 購入回数が少なく、投稿の習慣がない 許諾を得た施工事例、アンケートの回答
医療・美容・法律 利用していることを知られたくない 匿名の体験談、掲載可否を確認したうえでの声
BtoB SNSでの発信習慣がない 導入企業の許諾を得た紹介、担当者インタビュー
写真になりにくいサービス 視覚的な成果物がない 利用前後の変化を数値や図で示す

いずれも、UGCの代わりに自社が許諾を取って集める形になります。自然発生を待つより確実で、内容も確認できます。ただしこの場合は事業者が関与しているため、事業者の発信であることが分かる形にしてください。

口コミサイトやポータルの評価をどう扱うかは口コミ・予約ポータルサイトは使い続けるべきか|費用の測り方と依存度の下げ方で別に整理しています。

よくある失敗

見つけた投稿を許諾なく転載する

著作権と肖像権の確認が必要です。SNS上での正規の共有機能を使う場合と、自社サイトへ画像を転載する場合では、扱いが変わります。

包括的な許諾で済ませる

「当社の販促活動に使用します」だけでは、どこまで使ってよいか双方が判断できません。場所、期間、加工の可否、取り下げ方法を明示してください。

投稿内容を指定して依頼する

評価は上がっても、事業者の表示として扱われる可能性が出ます。依頼するなら内容には関与せず、投稿するかどうかも相手の判断に委ねてください。

事実情報をUGCに任せる

営業時間や価格は変わります。投稿された時点の情報が残り続けるため、事実は自社の発信で更新してください。

集めたあと、使う形にしないまま放置する

許諾と使用範囲を記録していない投稿は、必要になったときに使えません。集める設計と同時に、記録の形式を決めてください。

よくある質問

SNSの共有機能で紹介するだけなら許諾は不要ですか

プラットフォームが用意している共有や埋め込みの機能を、その規約に沿って使う場合と、画像を保存して自社サイトへ転載する場合では扱いが異なります。転載にあたる場合は許諾が必要です。判断に迷う場合は投稿者に確認してください。

投稿してくれた人に割引を渡してもよいですか

投稿すること自体への謝礼と、内容を指定した対価は別です。ただし対価が発生する場合、事業者の関与が分かる形にする必要が生じます。運用としては、内容を指定せず、対価も伴わない依頼に留めるのが安全です。

低評価の投稿もUGCとして扱うべきですか

転載する必要はありませんが、返信の対象にはなります。返信を読むのは投稿者ではなく検討中の人なので、事実関係の確認と改善点を書けば、判断材料として機能します。

UGCの効果はどう測ればよいですか

投稿数を目標にしないでください。見るべきは、UGCを掲載したページの滞在時間と、そのページを経由した問い合わせ率です。掲載前後で比較できる形にしてから始めてください。

従業員に投稿してもらうのは問題ですか

従業員であることを明かさず一般客のように投稿すると、事業者の表示であることが判別できない状態になります。所属を明示したうえで、店舗の発信として行う分には問題になりません。アカウントのプロフィールに店舗名を入れておけば、この点は自然に満たせます。

まとめ

UGCの価値は、発信者が自社ではないことにあります。体験や印象は利用者に委ね、営業時間や価格といった事実情報は自社が発信する。この分担を先に決めてください。事実をUGCに任せると、古い情報が残り続けます。

使う段階では、著作権と肖像権の2つを確認します。投稿者本人の許可を取っても、一緒に写っている人の許可は別です。許諾は口頭で済ませず、使う場所、期間、加工の可否、取り下げの方法を明示した文面で残してください。取り下げの手段があると、相手も応じやすくなります。

投稿を依頼する場合は、内容に関与した時点で扱いが変わります。お願いすること自体は問題になりませんが、書く内容や評価を指定した時点、対価が発生した時点で、事業者の表示として判別できる形にする必要が出ます。判断に迷うなら、内容を指定しない範囲に収めるのが安全です。

当社では広告運用代行において、掲載の設計や表現の確認を含めたご相談を承っています。集客の導線を整理したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

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