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LPと通常サイト、広告の遷移先はどちらにすべきか

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広告の遷移先を、専用のランディングページ(LP)にするか、既存サイトのページにするか。この判断は制作費だけの問題ではなく、成果と運用負荷の両方に影響します

「広告を出すならLPが必要」と説明されることがありますが、常に正しいわけではありません。広告費の規模と検索意図によっては、既存サイトのほうが効率的です

この記事では、どちらを選ぶかの判断基準を、費用の回収という観点から整理します。

この記事でわかること

・LPと通常サイトの構造上の違い

・LPを作るべきかの判断(損益分岐点の考え方)

・検索意図によって遷移先を変える設計

・LPを作る場合の注意点

・SEOとの関係

構造上の違い

ランディングページ 通常サイトのページ
目的 1つのCVに集中 複数の目的(情報提供、回遊、CV)
出口 CTA以外を減らす ナビゲーション、関連ページへ
長さ 長い(1ページで完結) 短い(複数ページに分散)
SEO 評価されにくい 評価される
更新 ページ単位で差し替え サイト全体と連動
制作費 1ページで発生 既存資産を使える

4行目が重要です。LPは1ページに情報を詰め込み、他ページへのリンクを減らす構造のため、検索評価の観点では不利になります。広告専用の資産であり、検索流入は別に確保する必要があります

LPは広告費を効率化する道具であり、検索流入を増やす道具ではありません。

両方が必要なら、両方作る前提で予算を考えてください。

作るべきかの判断

判断は感覚ではなく、制作費を何か月で回収できるかで決められます。

計算の考え方

  1. 現在のCVRを確認する:既存ページに広告を送っている場合の数値
  2. 改善の見込みを置く:仮に1.5倍と想定する(保証はできない)
  3. 増えるCV数を計算する:月間クリック数 × CVRの差分
  4. 増えるCV数 × 1件あたりの粗利 = 月間の増加分
  5. 制作費 ÷ 月間の増加分 = 回収月数

回収月数が6か月以内であれば、投資として検討する価値があります。24か月かかる場合は、その予算を広告費や既存ページの改善に回したほうが早く成果が出ます。

※改善倍率は保証できるものではありません。試算はあくまで判断のための目安として扱ってください。

判断の目安

状況 判断
月間の広告費が大きく、CV数も多い LPを作る価値が高い
広告費が小さい 既存ページで運用し、広告費に回す
特定の商材・キャンペーンに集中している その商材専用のLPが有効
扱う商材が多く分散している LPを都度作ると費用が膨らむ
既存サイトのCVRが極端に低い 原因を特定してから判断
サイト自体がない・古い 先にサイトを整える

5番目に注意してください。既存ページのCVRが低い原因が、送料の未記載や表示速度といった単純な問題であれば、LPを作らずに解決します。原因を特定せずにLPを作ると、同じ問題を新しいページで再現します。

制作費の相場感はLP制作費用の相場は?価格帯別の内訳と成果から逆算する予算の決め方で解説しています。

検索意図で遷移先を変える

「すべての広告をLPに送る」という運用は、多くの場合で最適ではありません。検索している人の段階によって、必要な情報が違うためです

検索の段階 検索語の例 適した遷移先
今すぐ依頼したい 外壁塗装 千葉市 見積もり LPまたは問い合わせページ
比較検討中 外壁塗装 業者 比較 比較・料金ページ
価格を知りたい 外壁塗装 費用 相場 料金ページ
実績を見たい 外壁塗装 施工事例 事例ページ
情報収集 外壁塗装 とは 記事コンテンツ(または広告対象外)

比較検討中の人をLPに送ると、他社と比べるための情報が得られず離脱します。この段階では、料金の内訳や他社との違いが載ったページのほうが機能します。

キャンペーン・広告グループごとに遷移先を変えてください。広告文とページ内容の一致は、CVRにも広告の評価にも影響します

LPを作る場合の注意点

項目 注意点
出口を減らしすぎない ナビゲーションを完全に消すと、判断材料を探せず離脱する
長さは情報量で決める 長いから良いわけではない。不要な情報は削る
CTAを複数配置する 1画面分スクロールするごとに1つが目安
スマートフォンで設計する 流入の多くはモバイル
計測を必ず入れる 改善できない状態で公開しない
更新できる形で作る 画像だけのLPは文言1つ変えられない

最後の項目が後から効いてきます。ページ全体を1枚の画像で作ったLPは、価格や文言の修正のたびに制作会社への依頼が必要です。テキストで作られていれば、自社で修正できます

また、画像だけのLPは表示速度でも不利になり、読み上げにも対応できません。設計段階で確認してください。

1番目の補足

「LPは出口を減らす」という原則は、即決型の商材では有効ですが、検討型では逆効果になることがあります

  • 会社情報へのリンク:どんな会社か確認したい
  • 施工事例へのリンク:実績を見たい
  • 料金の詳細:総額を知りたい
  • よくある質問:不安を解消したい

高額な商材ほど、「調べさせない」ことが不信につながります。すべてをLP内に含めるか、リンクを残すかを、商材の性質から判断してください。

長いLPの構成については縦長LPのデザイン設計|情報量と離脱率のバランスで解説しています。

SEOとの関係

LP 通常サイトのページ
検索流入 期待しにくい 狙える
内部リンク 孤立しやすい サイト構造に組み込める
更新性 低い 高い
資産性 広告を止めると価値が下がる 継続的に流入を生む

LPは広告を止めた時点で、ほぼ機能しなくなります。一方、検索評価を得たページは広告費なしで流入を生み続けます。

この違いは、予算配分の判断に影響します。短期の獲得効率を上げるならLP、中長期の資産を作るならコンテンツという整理になります。どちらか一方ではなく、事業の段階に応じた配分を考えてください。

コンテンツ側の設計は内部リンクの設計方法|評価が集まるサイト構造の作り方を参照してください。

既存ページを改善するという選択

LPを作る前に、既存ページの改善で解決しないかを確認してください。費用が桁違いに小さく、着手も早くできます

  1. ファーストビューを検索意図に合わせる:広告文と同じ内容を最初に出す
  2. CTAを増やす・位置を変える:到達率を確認して配置する
  3. 不安を消す一文を追加する:営業されない、費用がかからない等
  4. フォームの項目を減らす:入力の手間を下げる
  5. 表示速度を改善する:特にモバイル

この5つで改善しなければ、LPを検討する段階です。逆に、これらを試さずにLPを作ると、同じ問題を新しいページで繰り返します。改善の具体はマイクロコピーとは?CVRを動かす短い文章の書き方を参照してください。

よくある失敗

失敗1:広告を出すなら必ずLPが必要だと考える

広告費の規模によっては、既存ページのほうが効率的です。回収月数で判断してください。

失敗2:すべての広告を1つのLPに送る

検索の段階によって必要な情報が違います。遷移先を分けてください。

失敗3:既存ページの問題を特定せずにLPを作る

同じ問題を新しいページで再現します。

失敗4:ページ全体を画像で作る

文言1つ変えられず、表示速度でも不利になります。

失敗5:LPにSEO効果を期待する

構造上、検索評価は得にくい形式です。検索流入は別に確保してください。

よくある質問

Q. LPと通常サイト、どちらがCVRは高いですか?

一律には言えません。即決型の商材ではLPが有利な傾向がありますが、検討期間が長く比較される商材では、情報を探せる通常サイトのほうが機能する場合があります。

Q. LPは1ページにすべて詰め込むべきですか?

商材によります。高額で検討期間が長い商材では、会社情報や事例へのリンクを残したほうが信頼につながります。「調べさせない」構造は、不信を生むことがあります。

Q. LPを作れば広告費は下がりますか?

CVRが上がればCPAは下がりますが、クリック単価そのものが下がるわけではありません。また、CVRが上がる保証はありません。試算は目安として扱ってください。

Q. LPは既存サイトと同じドメインに置くべきですか?

同一ドメイン内に置くことが一般的です。別ドメインにすると、ドメインの評価が分散し、計測の設定も複雑になります。

Q. LPは何ページ作るべきですか?

商材やキャンペーンの数ではなく、広告費の規模で判断してください。1つのLPあたりに十分な広告費を投じられなければ、改善のためのデータも貯まりません。

まとめ

広告の遷移先をLPにするか既存ページにするかは、「広告を出すならLP」という前提ではなく、制作費の回収月数で判断してください。回収に24か月かかるなら、その予算を広告費や既存ページの改善に回すほうが早く成果が出ます。

また、すべての広告を1つのLPに送る運用は最適ではありません。検索の段階によって必要な情報が違うため、キャンペーンごとに遷移先を変えてください。

LPを作る前に、既存ページの改善——ファーストビュー、CTAの位置、不安を消す一文、フォーム項目、表示速度——を試してください。費用が桁違いに小さく、着手も早くできます。

そして、LPは広告を止めれば機能しなくなる資産です。中長期の流入を作るには、検索評価を得られるコンテンツが別に必要です。事業の段階に応じて、両方の配分を考えてください。

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