縦長のランディングページは、スクロールするほど離脱が積み上がる構造です。上から順に読ませる設計である以上、途中で1回でも「自分には関係ない」と判断されると、そこで終わります。
そのため縦長LPでは、ブロックの内容そのものより並び順が成果を左右します。会社が伝えたい順序ではなく、訪問者が判断する順序に並べる。これだけで、同じ素材でも到達率が変わります。
この記事では、離脱が起きる構造を整理したうえで、ブロックの標準的な並び順、長さの決め方、スマートフォンでの設計、そして離脱箇所の特定方法までを解説します。
この記事でわかること
・縦長LPで離脱が積み上がる構造と、対処の考え方
・訪問者の判断順に並べたブロック構成
・LPの長さをどう決めるか
・スマートフォンでの1画面設計とCTAの置き方
・どのブロックで落ちているかを特定する方法
離脱は掛け算で積み上がる
各ブロックの通過率が90%でも、10ブロックあれば最後まで到達するのは35%程度です。1ブロックあたりの通過率を数ポイント上げることが、最終的に大きな差になります。
| ブロック数 | 各ブロックの通過率90% | 通過率95% |
|---|---|---|
| 5ブロック | 約59% | 約77% |
| 8ブロック | 約43% | 約66% |
| 12ブロック | 約28% | 約54% |
この表から2つのことが分かります。ブロックを減らすことと、各ブロックの通過率を上げること、どちらも効きます。「情報を足す」判断をするときは、その分だけ到達率が下がることを前提にしてください。
縦長LPの成果は、ブロックの内容より並び順と数で決まります。
情報を足すたびに到達率が下がる。足す前に、そのブロックの目的を1行で書けるか確認してください。
訪問者の判断順に並べる
標準的な並び順です。業種が変わっても、この順序は大きく変わりません。
| # | ブロック | 役割 | ここで落ちる原因 |
|---|---|---|---|
| 1 | ファーストビュー | 誰向けの何かを3秒で伝える | 広告文と内容が一致していない。表示が遅い |
| 2 | 課題提起 | 自分ごと化させる | 課題が抽象的で誰にでも当てはまる |
| 3 | 解決策の提示 | どう解決するかを具体化 | 機能の羅列で便益が伝わらない |
| 4 | 証拠(実績・お客様の声) | 言っていることが本当だと示す | 抽象的な賞賛だけ |
| 5 | 差別化 | 他社ではなく自社を選ぶ理由 | 「丁寧」「安心」など他社も言える表現 |
| 6 | 料金・プラン | 検討の最大のハードルを解消 | 料金がなく問い合わせに誘導している |
| 7 | 流れ・サポート | 申込後の不安を消す | 記載がない |
| 8 | よくある質問 | 残った不安を潰す | 商品説明の繰り返し |
| 9 | CTA | 行動を1つに絞る | 複数の異なるCTAが並ぶ |
順序を入れ替える場合は、理由を説明できることが条件です。特に6番の料金を後ろに下げすぎると、そこまで読まずに離脱されます。
会社の情報は下に置く
沿革、理念、代表挨拶は、訪問者が判断に使う情報ではありません。上部に置くと、その分だけ本題への到達が遅れます。信頼要素として必要な場合は、実績数や資格といった判断に使える形に変えて4番に入れてください。
長さをどう決めるか
「長いほうがよい」「短いほうがよい」という一般則はありません。判断軸は検討期間と単価です。
| 商材の性質 | LPの長さ | 理由 |
|---|---|---|
| 単価が低く、即決される(予約、体験申込) | 短い(5〜7ブロック) | 判断材料が少なくて済む |
| 単価が高く、検討期間が長い(リフォーム、BtoB) | 長い(9〜12ブロック) | 不安の解消に情報量が必要 |
| 既に認知がある(指名検索からの流入) | 短い | 説得より案内が中心 |
| 認知がない(SNS広告からの流入) | 長い | 課題提起から始める必要がある |
流入経路によっても変わります。指名検索から来た人に長い説得は不要で、逆にSNS広告から来た人には課題提起が必要です。予算があるなら、経路別にLPを分けるほうが成果は上がります。
ブロックを足すかどうかの判断
追加を検討するときは、次を確認してください。
- そのブロックの目的を1行で書けるか(書けないなら不要)
- 問い合わせで実際に聞かれている内容か
- 既にあるブロックと内容が重複していないか
- 足すことで下部への到達率が下がるが、それを上回る効果があるか
スマートフォンでの設計
縦長LPの閲覧は、ほぼスマートフォンです。設計の起点をこちらに置いてください。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 1画面に入る情報量 | 見出し+短い本文+画像1点程度。詰め込まない |
| ファーストビューの高さ | 画面いっぱいの画像で埋めない。CTAが画面外に出ないか実機で確認 |
| 画像の縦幅 | 大きすぎると、それだけで1画面を消費する |
| 文字サイズ | 本文16px前後。小さくして情報を詰めない |
| CTAの配置 | ファーストビュー内に1つ、中間に1〜2つ、最下部に1つ |
| 固定CTA | 画面下部に固定表示する場合、高さを抑えて可読性を損なわない |
2番目は特に多い失敗です。PCでは1画面に収まっていた「見出し+画像+CTA」が、スマートフォンでは画像だけで画面が埋まることがあります。ファーストビューの設計はファーストビュー設計の重要性|離脱を防ぐ最初の3秒の作り方で解説しています。
中間CTAを置く
最下部だけにCTAを置くと、途中で判断が固まった人を取りこぼします。証拠ブロックの直後と、料金ブロックの直後に置くのが基本です。ただし主CTAは1種類に統一し、複数の異なる行動を並べないでください。
どこで落ちているかを特定する
感覚で並べ替えず、数値で確認してください。
| 方法 | 分かること | 導入コスト |
|---|---|---|
| GA4のスクロール率 | どの深さまで読まれているか | 無料。拡張計測機能で取得できる |
| ヒートマップツール | どのブロックで止まり、どこで離脱するか | 無料〜月数千円 |
| GTMで各ブロックの表示を計測 | ブロック単位の到達率 | 無料。要素の表示トリガーで実装 |
| ユーザビリティテスト | なぜそこで離脱したか | ほぼ無料(5人) |
3番目が最も精度が高い方法です。各ブロックに要素の表示トリガーを設定すると、「証拠ブロックまで60%、料金ブロックまで35%」といった通過率が取れます。落ちている箇所が特定できれば、直す場所が決まります。実装はGA4×GTM計測設定ガイドを参照してください。
よくある失敗
失敗1:会社の情報を上部に置く
沿革や理念は判断材料になりません。本題への到達が遅れるだけです。
失敗2:料金を最後まで出さない
そこまで読まれません。範囲でも構わないので、検討の中盤で提示してください。
失敗3:情報を足し続ける
ブロックが増えるほど、最下部への到達率は掛け算で下がります。足す前に目的を1行で書けるか確認してください。
失敗4:CTAが最下部にしかない
途中で判断が固まった人を取りこぼします。中間にも置いてください。
失敗5:PCで設計してスマホに落とす
順序と1画面の情報量が破綻します。起点をスマートフォンに置いてください。
よくある質問
Q. LPは何ブロックが適切ですか?
商材の単価と検討期間で変わります。即決される商材なら5〜7、高単価で検討期間が長いなら9〜12が目安です。数を決めてから内容を埋めるのではなく、必要な情報を並べた結果として決まります。
Q. 長いLPは読まれないのでは?
読む理由がある人は読みます。問題は長さではなく、途中で「自分には関係ない」と判断させることです。判断材料を順序どおりに置けば、必要な人は最後まで読みます。
Q. 動画を入れるべきですか?
商材の理解に動きが必要な場合(施術、施工の流れ)は有効です。ただし表示速度が落ちるため、ファーストビューでの自動再生は避け、中盤以降に置いてください。
Q. アコーディオン(開閉)は使ってよいですか?
よくある質問のように、必要な人だけが読む情報には有効です。一方、判断に必須の情報(料金、対応エリア)を隠すと、開かれずに離脱されます。
Q. 1ページに複数のサービスを載せてよいですか?
推奨しません。訪問者は自分に該当するものを探すことになり、判断が遅れます。広告のキーワード単位でLPを分けるほうが、CVRは上がります。
まとめ
縦長LPの離脱は、ブロックごとの通過率の掛け算で積み上がります。各ブロック90%の通過率でも、10ブロックあれば最後まで到達するのは35%程度です。情報を足すたびに到達率が下がることを前提にしてください。
並び順は、ファーストビュー、課題提起、解決策、証拠、差別化、料金、流れ、FAQ、CTAが標準です。会社の沿革や理念は判断材料にならないため、上部に置かないでください。特に料金を後ろに下げすぎると、そこまで読まれません。
設計の起点はスマートフォンです。PCで作ってから落とすと、1画面の情報量と順序が破綻します。そしてCTAは最下部だけでなく、証拠と料金の直後にも置いてください。
「LPを作ったがCVが伸びない」「どのブロックを直せばよいか分からない」といった状態にある場合は、並べ替えの前に、各ブロックの通過率を計測してください。
当社ではホームページ制作からLP制作、計測設計、公開後の改善までを一貫して支援しています。資料では構成設計と改善の進め方をまとめていますので、自社の課題を整理したい方はぜひダウンロードしてご活用ください。