リスティング広告の成果が出ないとき、LPを作り直すという判断になりがちです。しかし作り直しても数字が変わらないことは珍しくありません。原因がLPではなく、広告側にあるためです。
この経路には検索語、広告文、LPという3つの要素があり、隣り合う組み合わせでズレが起きます。どこがズレているかを特定せずに1つだけ直すと、他のズレが残ったままになります。
この記事では、ズレが起きる3つの箇所、どこで起きているかを数字で切り分ける方法、そして直す順序を整理します。
この記事でわかること
・ズレは検索語・広告文・LPの隣り合う組み合わせで起きる
・どこで落ちているかは数字で切り分けられる
・クリック率が低いなら原因は広告側
・クリック率は高いのに獲得がないならLP側
・期待値のズレは、両方が正しくても起きる
・直す順序は上流から

ズレは3つの箇所で起きる
検索した人がLPにたどり着くまでに、2つの接続点があります。
| 接続点 | ズレると起きること | 現れる数字 |
|---|---|---|
| 検索語 → 広告文 | 検索した内容と違う広告が出る | クリック率が低い |
| 広告文 → LP | 期待した内容と違うページに着く | 直帰が多い、獲得がない |
| 両方が合っている | 内容は合うが、条件が合わない | 獲得はあるが商談化しない |
3行目が最も気づきにくい箇所です。検索語も広告文もLPも一致しているのに、価格帯や対応範囲が合っていない場合、獲得はできても商談にはなりません。数字上は成功に見えるため、見落とされます。
接続点は2つ。どちらがズレているかで現れる数字が違う。
両方合っていても、条件が合わなければ商談にならない。
どこで落ちているかを数字で切り分ける
感覚ではなく、段階ごとの数字で判断してください。
- 表示回数に対するクリック率を見る(検索語と広告文の一致)
- クリックに対する獲得率を見る(広告文とLPの一致)
- 獲得に対する商談化率を見る(条件の一致)
- 低い段階が見つかったら、その接続点だけを直す
- 直した後、その段階の数字が動いたかを確認する
複数を同時に直すと、何が効いたか分かりません。1つずつ直して確認してください。検証の設計はABテストの始め方|やるべき条件と、できない場合の代替手段を参照してください。
段階ごとの数字で、どの接続点がズレているか判別できる。
同時に複数を直すと、効果が分からなくなる。
クリック率が低いなら原因は広告側
この場合、LPをいくら直しても変わりません。そもそもクリックされていないためです。
| 確認する箇所 | 起きていること | 対応 |
|---|---|---|
| 実際の検索語 | 意図と違う語で表示されている | 除外キーワードを追加する |
| 広告文の見出し | 検索語が含まれていない | 検索語を見出しに入れる |
| 表示される情報 | 料金や条件が分からない | 判断材料を広告文に入れる |
| 掲載順位 | 下位で見られていない | 入札と品質を確認する |
まず実際に検索された語を確認してください。登録したキーワードと、実際に表示された検索語は違います。確認の方法は検索語句レポートの見方と除外キーワードの決め方、広告文の作り方は検索広告の訴求文の作り方|見出しと説明文に入れるべき情報を参照してください。
クリック率が低い状態で、LPを直しても変わらない。
登録キーワードと実際の検索語は違う。まず実績を見る。
クリック率は高いのに獲得がないならLP側
クリックされているのに獲得がない場合、広告で伝えた内容がLPの冒頭にないことが多くなります。
- 広告文の見出しと同じ言葉が、LPの冒頭にあるか
- 広告で示した条件(価格、対応地域、無料など)が最初に確認できるか
- 検索した課題に対する答えが、スクロールせずに見えるか
- 次に何をすればよいかが明確か
「広告で見た内容がここにある」と数秒で確認できないと、戻られます。広告文とLPの冒頭は、意図的に同じ言葉にしてください。
冒頭の設計はファーストビュー設計の重要性|離脱を防ぐ最初の3秒の作り方、どこで離脱しているかの特定はスクロール率からLPを改善する|どこで読むのをやめたかを特定する手順を参照してください。
広告文とLPの冒頭は、意図的に同じ言葉にする。
数秒で確認できないと戻られる。
期待値のズレは両方が正しくても起きる
検索語も広告文もLPも一致しているのに商談にならない場合、条件が合っていません。
| ズレる条件 | 起きること | 対応 |
|---|---|---|
| 価格帯 | 予算が合わず商談で終わる | 目安の金額をLPに書く |
| 対応範囲 | 対象外の依頼が来る | できない範囲を明記する |
| 納期 | 間に合わず断ることになる | 所要期間を示す |
| 規模 | 想定より小さい・大きい案件が来る | 想定する規模を書く |
条件を書くと問い合わせ数は減ります。しかし減るのは商談にならない問い合わせであり、対応の工数が下がります。獲得数ではなく商談化率で判断してください。
獲得後の歩留まりは問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方で整理しています。
条件を書くと問い合わせは減るが、減るのは商談にならない分。
獲得数ではなく商談化率で判断する。
直す順序は上流から
複数の段階で数字が低い場合、上流から直してください。
| 順 | 直す箇所 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 除外キーワード | 対象外への表示が減り、以降の数字が正確になる |
| 2 | 広告文 | クリックが増えないと、LPの改善効果が測れない |
| 3 | LPの冒頭 | 到達した人の離脱を減らす |
| 4 | LPの本文と導線 | 読み進めた人の獲得率を上げる |
| 5 | 条件の明記 | 獲得の質を上げる |
下流から直すと、上流の問題で数字が動かず、効果を誤って判断します。順序を守ってください。全体の流れは広告運用は何から決めるか|媒体選定から評価までの順序と、飛ばすと起きることを参照してください。
上流から直す。下流から直すと効果を誤判断する。
除外キーワードの整理が最初になることが多い。
LPを作り直すべき場合
作り直しが妥当なのは、部分的な修正では対応できない場合に限られます。
- 訴求する対象そのものを変える(別の課題を持つ層に向ける)
- 商材の内容や価格体系が変わった
- スマートフォンでの操作性に構造的な問題がある
- 情報が不足しており、追記では収まらない
クリック率が低いだけの状態で作り直しても、費用が無駄になります。作り直す前に、どの接続点がズレているかを確認してください。費用の考え方はLP制作費用の相場は?価格帯別の内訳と成果から逆算する予算の決め方を参照してください。
作り直しは、部分修正で対応できない場合に限る。
クリック率の問題を、LPの作り直しで解決しようとしない。
よくある失敗
原因を特定せずLPを作り直す
クリック率が低いなら、LPを直しても変わりません。段階ごとの数字で切り分けてください。
登録キーワードだけを見る
実際に表示された検索語は違います。検索語句レポートを確認してください。
広告文とLPで違う言葉を使う
「見た内容がここにある」と確認できず戻られます。意図的に同じ言葉にしてください。
条件を書かずに問い合わせを増やす
商談にならない問い合わせが増え、対応工数だけがかかります。
複数の箇所を同時に直す
何が効いたか分かりません。1つずつ直して確認してください。
よくある質問
LPは検索語ごとに作るべきですか
検索意図が明確に違う場合は分ける価値があります。ただし数を増やすほど管理と改善の工数が増えます。まず主要な1つで各段階の数字を安定させてから、分ける判断をしてください。
広告文に価格を書くべきですか
書くとクリック率は下がりますが、獲得後の商談化率は上がります。予算が合わない層のクリックに費用を払わずに済むためです。獲得数ではなく商談数で判断してください。
通常のサイトを遷移先にしてもよいですか
商材と検索意図によります。判断の基準はLPと通常サイト、広告の遷移先はどちらにすべきかを参照してください。
どのくらいの期間で判断すべきですか
判断できる件数が集まるまでです。獲得が数件の段階では、差が出ても偶然の可能性があります。件数から必要な期間を逆算してください。
平均的なコンバージョン率はどのくらいですか
業種や商材で大きく変わるため、他社の平均は目標として使えません。考え方はLPのコンバージョン率の平均は?業種別の目安と改善の考え方を参照してください。
まとめ
リスティング広告の成果が出ないとき、LPを作り直すという判断になりがちですが、作り直しても数字が変わらないことは珍しくありません。この経路には検索語、広告文、LPという3つの要素があり、ズレは隣り合う組み合わせで起きます。どこがズレているかを特定せずに1つだけ直しても、他のズレが残ります。
切り分けは数字でできます。クリック率が低いなら原因は広告側にあり、LPをいくら直しても変わりません。クリック率は高いのに獲得がないならLP側で、多くの場合は広告で伝えた内容がLPの冒頭にないことが原因です。広告文とLPの冒頭は、意図的に同じ言葉にしてください。
最も気づきにくいのは、3つとも一致しているのに商談にならない場合です。価格帯や対応範囲といった条件が合っていないためで、数字上は成功に見えます。条件を書けば問い合わせ数は減りますが、減るのは商談にならない分です。そして複数の段階で数字が低い場合は、必ず上流から直してください。下流から直すと、上流の問題で数字が動かず、効果を誤って判断します。
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