ウェビナーを開いたが商談につながらない、という相談はよくあります。原因は「内容が悪かった」ではなく、どの段階で落ちているかを分けずに見ていることが多くなります。
この施策は集客、当日、その後という3つの段階に分かれ、それぞれ落ちる理由が違います。集客で落ちているのに内容を改善しても、参加者は増えません。
この記事では、3段階それぞれの設計、開催後の追いかけ方、そして開催しないほうがよい条件を整理します。
この記事でわかること
・落ちる場所は集客・当日・その後の3つに分かれる
・集客で最も効くのは、対象を絞った告知
・申込者の半分は当日来ない前提で設計する
・当日の内容は「持ち帰れる判断基準」で決める
・商談化は開催後48時間の対応で決まる
・商材によっては開催しないほうがよい

落ちる場所は3つに分かれる
まずどこで落ちているかを分けて数えてください。
| 段階 | 測る数字 | 落ちている場合の原因 |
|---|---|---|
| 集客 | 申込数 | 対象が広すぎる、告知が届いていない |
| 当日 | 参加率 | 日程、リマインドの不足、期待値のズレ |
| 当日 | 最後まで視聴した率 | 内容が想定と違う、長すぎる |
| その後 | 商談化率 | 追いかけの遅れ、次の案内がない |
この4つを分けずに「商談が0件だった」とだけ見ると、打つ手が決まりません。申込が5件なら集客の問題であり、申込が50件で商談が0件なら別の問題です。
申込数・参加率・視聴完了率・商談化率を分けて数える。
分けないと、どこを直せばよいか決まらない。
集客で最も効くのは対象を絞ること
参加者を増やそうとして対象を広げると、かえって申込は減ります。「自分向けだ」と判断できないためです。
| 告知の書き方 | 起きること |
|---|---|
| 「マーケティング担当者向け」 | 対象が広く、自分事にならない |
| 「広告費が月30万円を超えた企業の担当者向け」 | 該当者が判断できる |
| 「〇〇の基礎が学べます」 | 他でも学べるため優先度が上がらない |
| 「〇〇を判断する基準をお持ち帰りいただけます」 | 参加する理由が明確になる |
申込のハードルも下げすぎないでください。入力項目を減らすと申込は増えますが、商談にならない層が混ざり、当日の参加率も下がります。会社名と役職は取ってください。
獲得の考え方は資料ダウンロードでリードを獲得する設計|記事の要約を配っても取れない理由と共通しています。
対象を広げると申込は減る。該当者が判断できる書き方にする。
入力項目を減らしすぎると、商談にならない層が増える。
申込者の半分は当日来ない
無料のウェビナーでは、申込者の一定割合が当日参加しません。これは内容の問題ではなく構造的なものです。参加率を上げる手立てはあります。
- 申込直後に、日時と参加URLを送る
- 前日にリマインドを送る
- 当日開始1時間前にもう一度送る
- 開始時刻を業務の切れ目に合わせる(昼休み明け、夕方など)
- 所要時間を明示し、その時間を超えない
リマインドの有無で参加率は大きく変わります。申込時のメール1通だけでは、忘れられます。
配信の設計はメールマーケティングのデザイン設計|開封後に読まれる構成の作り方を参照してください。
申込者全員が来る前提で設計しない。
リマインドは前日と当日の2回。1通だけでは忘れられる。
当日は持ち帰れる判断基準を渡す
情報を網羅する構成にすると、「勉強になった」で終わり、商談になりません。参加者が持ち帰るべきは知識ではなく、自社で判断するための基準です。
- 自社が当てはまるかどうかを判断できる条件を示す
- やらないほうがよい場合を明示する
- 判断する基準を数字で示す(何件から、いくらから、など)
- その場で自社に当てはめられる時間を取る
「やらないほうがよい場合」を話すと、信頼が上がります。すべての参加者に勧める内容は、売り込みとして受け取られます。
知識ではなく、自社で判断できる基準を渡す。
やらないほうがよい場合を話すと、信頼が上がる。
商談化は開催後48時間で決まる
参加者の関心は時間とともに下がります。1週間後に連絡しても、内容を覚えていません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 当日中 | 録画と資料を送る。質問への回答も添える |
| 翌営業日 | 個別の相談枠を案内する |
| 3日以内 | 反応があった相手へ個別に連絡する |
| 1週間後 | 反応がない相手へ、別の切り口で1度だけ送る |
全員に同じ案内を送らないでください。最後まで視聴した人と、途中で離脱した人では関心度が違います。視聴時間で分けて、対応を変えてください。
獲得後の管理は問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方を参照してください。
当日中に録画と資料を送る。翌営業日に相談枠を案内する。
視聴時間で分けて、対応を変える。
開催しないほうがよい場合
ウェビナーは準備と当日の工数が大きい施策です。次に当てはまる場合は、別の手段を検討してください。
| 条件 | 理由 | 代わりの手段 |
|---|---|---|
| 商材の単価が低い | 工数に対して回収できない | 記事と資料での獲得 |
| 検討期間が短い | 開催まで待たずに決まる | 広告と問い合わせ導線 |
| 対象企業の数が少ない | 母数が集まらない | 個別の接触 |
| 話せる実績がまだない | 内容が一般論になる | 実績を作ってから |
特に4行目が重要です。自社の経験に基づく話ができない段階では、どこでも聞ける内容になり、商談につながりません。
単価が低い、検討期間が短い場合は工数に見合わない。
話せる実績がない段階では、一般論になる。
繰り返す場合の設計
1回で終わらせず継続する場合、毎回違うテーマにする必要はありません。
- 同じテーマを月次で繰り返し、都度新しい対象に届ける
- 3回程度は同じ内容で回し、参加率と商談化率を安定させる
- 数字が安定してから、別のテーマを追加する
- 録画を資料として配布し、開催以外でも使う
毎回新規に作ると、改善が積み上がりません。同じ内容を繰り返すほうが、質は上がります。
検証の考え方はABテストの始め方|やるべき条件と、できない場合の代替手段を参照してください。
毎回新規に作らない。同じ内容を繰り返すほうが質が上がる。
録画は開催以外でも使える資産になる。
開催以外の獲得手段との位置づけ
ウェビナーは1回あたりの費用が小さく、録画とリストが残る手段です。ただし単独では母数が伸びないため、他の手段と併用することになります。
| 手段 | 特徴 | 詳しくは |
|---|---|---|
| 手段全体の選び方 | 獲得単価ではなく商談1件あたりで比較する | BtoBのリード獲得手段はどう選ぶか |
| 展示会 | 費用は大きいが、普段接点のない企業と対面できる | 展示会で集めた名刺を商談につなげる方法 |
| オウンドメディア | 立ち上がりは遅いが、止めても流入が残る | オウンドメディアは続けるべきか |
よくある失敗
商談が0件だったとだけ見る
どの段階で落ちたかが分かりません。申込・参加・視聴完了・商談化に分けて数えてください。
対象を広げて告知する
「自分向けだ」と判断できず、かえって申込が減ります。該当者が分かる書き方にしてください。
リマインドを送らない
申込時の1通だけでは忘れられます。前日と当日の2回送ってください。
情報を網羅する構成にする
「勉強になった」で終わります。自社で判断できる基準を渡してください。
1週間後にまとめて連絡する
内容を覚えていません。当日中に録画を送り、翌営業日に相談枠を案内してください。
よくある質問
参加人数は何人いれば成功ですか
人数ではなく商談数で判断してください。対象を絞った10人のほうが、広く集めた100人より商談になることがあります。人数を目標にすると、対象を広げる方向に判断が傾きます。
有料にすべきですか
無料のほうが申込は増え、有料のほうが参加率と関心度は上がります。母数がまだ少ない段階では無料、対象企業が十分にある場合は有料も選択肢になります。
録画配信でもよいですか
参加のハードルは下がりますが、質疑がなく、関心の強さも測れません。録画は開催後の資料として使い、初回は生配信を推奨します。
何分が適切ですか
30〜45分が目安です。60分を超えると離脱が増えます。告知した時間を超えないことのほうが重要です。
資料ダウンロードとどちらを先にやるべきですか
資料のほうが工数が小さく、先に着手できます。まず資料で獲得の流れを作り、どの層が問い合わせに至るかが見えてからウェビナーを検討する順序が現実的です。対象が絞れていない段階で開催すると、集客の設計ができません。
まとめ
ウェビナーで商談につながらないとき、原因を内容に求めがちですが、実際には集客、当日、その後という3つの段階のどこかで落ちています。申込数、参加率、視聴完了率、商談化率を分けて数えなければ、打つ手は決まりません。申込が5件なのか50件なのかで、直す場所はまったく違います。
集客では、対象を広げるほど申込が減ります。「自分向けだ」と判断できないためです。当日は、情報を網羅するのではなく、自社で判断するための基準を渡してください。やらないほうがよい場合を明示すると、かえって信頼が上がります。そして開催後は48時間が勝負です。当日中に録画と資料を送り、翌営業日に相談枠を案内してください。1週間後には内容を覚えていません。
同時に、開催しないほうがよい場合もあります。単価が低い、検討期間が短い、対象企業の数が少ない、そして自社の経験に基づく話がまだできない場合です。特に最後は重要で、どこでも聞ける内容になり、工数だけがかかります。継続する場合も、毎回新規に作らず、同じ内容を繰り返すほうが質は上がります。
当社では広告代行において、獲得から商談化までの設計をご相談いただけます。資料や告知ページの制作はホームページ制作とあわせてご検討ください。