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会社案内パンフレットの制作費用相場|部数を増やしても総額はほとんど変わらない。原価を動かすのは、原稿と撮影を誰が持つかと、刷り直しの回数

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会社案内を作り直したい。見積もりを取ると、20万円の会社もあれば、80万円を超える会社もある。部数を1,000部に増やしても金額がほとんど変わらないのはなぜか。会社案内の発注で、よく受ける相談です。

会社案内の費用を動かすのは、印刷部数ではありません。原稿と撮影を誰が持つかと、何年で刷り直すかです。総額の大半は制作費で、印刷費は部数を10倍にしても数万円しか動きません。損が大きいのは、刷りすぎではなく、すぐに古くなる情報を刷り込んで、制作費をもう一度払うことです。

この記事では、形式と依頼先ごとの費用の幅、費用の内訳、部数を変えても総額が動かない理由、依頼範囲別の試算、渡した1部あたりの原価の出し方、刷り直しを減らす作り方、見積もりで揃える項目を、中小企業の担当者を前提に整理します。作るべきかの判断と掲載内容は会社案内パンフレット制作の進め方|作るべきかの判断と費用の考え方で扱っているため、ここでは費用に絞ります。

この記事でわかること

・比較サイトの相場では、A4・8ページの会社案内はフリーランス5万〜30万円、印刷会社15万〜30万円、デザイン会社30万〜80万円(比較ビズ、2024年4月更新、税表記なし)

・同じ記事が紹介する中綴じ8ページの料金例では、100部で216,800円、1,000部で228,000円。部数を10倍にしても差は約1.1万円で、総額の大半は制作費

・総額を大きく動かすのは原稿・取材・撮影を依頼するかどうか。自社で原稿と写真を用意する場合と、すべて頼む場合とで、試算の見積もり額は2倍以上違った。ただし社内の作業時間を足すと差は縮まる

・判断は総額 ÷ 次に作り直すまでに実際に渡す部数で出す、渡した1部あたりの原価で行う

・従業員数・役員・拠点・実績の件数は、本体に刷り込まず差し込みかWebに回す。これが刷り直しの費用を最も減らす

会社案内の費用を決める順序
会社案内の費用を決める順序

会社案内パンフレットの費用は、何で決まるか

結論として、会社案内の費用は「形式とページ数」「原稿」「取材と撮影」「デザイン」「印刷」の5つで決まり、このうち金額の差が大きいのは原稿と撮影です。見積もりで目に入りやすい部数と紙の種類は、総額への影響が小さい項目です。

費用を動かすもの 中身 高くなる条件
形式とページ数 二つ折り・三つ折り・中綴じの冊子。冊子は4ページ単位で増える 事業ごとにページを分ける、沿革や拠点を細かく載せる
原稿 会社の説明、事業の紹介、代表のあいさつの文章 依頼先が取材して一から書く。社内の確認者が多い
取材と撮影 代表・社員・現場・製品の写真と、話を聞く時間 撮影場所が複数ある、人物の写真が多い
デザイン 表紙と中面のレイアウト、図や地図の作成 デザイン案を複数出してもらう、修正の回数が多い
印刷 部数、紙、加工、印刷の方式 特殊な紙や加工を使う。部数自体の影響は小さい

見積もりを並べるときは、金額より先に、原稿と写真を誰が用意する前提かを揃えます。同じ「A4・8ページ」でも、自社の原稿と写真を流し込む見積もりと、取材・撮影・原稿まで含む見積もりとでは、別の買い物です。

形式と依頼先ごとの費用の幅

公開されている相場は、形式で2〜4倍、依頼先で数倍の幅があります。比較サイトが示す幅を並べます。

形式 費用の目安(500〜1,000部) 向く場面
二つ折り(4ページ) 5万〜20万円 展示会や店頭で多く配る。会社の概要だけ伝える
三つ折り(6面) 8万〜20万円 封筒に入れて郵送する。事業が1つか2つ
中綴じの冊子(8ページ〜) 20万〜40万円 商談や来客で手渡す。事業・実績・体制まで伝える
依頼先 A4・8ページの目安 含まれやすいもの
フリーランス 5万〜30万円 デザイン。原稿と写真は自社で用意する前提が多い
印刷会社 15万〜30万円 デザインと印刷。原稿の整理は限られる
デザイン会社・制作会社 30万〜80万円 構成の提案、原稿の作成、取材と撮影の手配、デザイン

どちらの表も、比較ビズ「会社案内パンフレットの制作費用相場」(最終更新2024年4月1日)の値です。形式別の幅は500〜1,000部を作る想定とされています。税込か税抜かの表記と、根拠のデータは示されておらず、公的な統計ではありません。2年以上前の値のため、紙と印刷の値上がりを考えると、現在はこれより上に寄っている可能性があります。

依頼先で差が出るのは、デザインの腕より、原稿と写真をどこまで引き受けるかです。フリーランスの見積もりが安いのは、原稿を自社で書き、写真を自社で揃える前提であることが多いためです。この前提を自社で満たせない場合、安い見積もりを選んでも、原稿が揃わず進行が止まります。

費用の内訳

総額を読み違える原因は、デザイン費の外にある費用です。同じ記事が示す内訳の目安を、見落としたときに起きることと並べます。

項目 目安 見落としたときに起きること
ディレクション(進行・構成) 2万〜8万円 ページの割り振りが決まらず、デザインの修正が増える
原稿の作成 1ページ2万〜3万円 自社で書く前提で進め、原稿が揃わず納期が延びる
取材 2万〜5万円 代表や社員の話を聞く時間が見積もりに入っていない
撮影 1日5万〜10万円 既存の写真では足りず、後から撮影を足す
印刷 1,000部で10万〜25万円 加工や紙を変えて、見積もりを取り直す
データの納品 見積もりに書かれないことが多い 改訂のたびに同じ依頼先に頼むしかなくなる

印刷費の幅は、比較ビズの内訳の値です。ただし同じサイトの印刷会社の掲載欄では、A4・8ページ・4色・中綴じ・500部の料金例として3.2万円と約3.8万円が示されています(税表記なし)。ネット印刷や印刷会社に直接出せば、8ページ程度の冊子の印刷費は数万円に収まることが多く、内訳の10万〜25万円は紙や加工にこだわった場合の幅と読むのが安全です。

デザイン費は、比較ビズの内訳では1ページあたりの値で示されていますが、ページ数を掛けると依頼先別の総額の幅を超えてしまいます。デザイン費は1ページの単価で比べず、表紙を含めた一式で、修正の回数とデザイン案の数を揃えて比べます。

部数を増やしても、総額はほとんど変わらない

会社案内の総額は、部数を10倍にしても1割も動きません。比較ビズの記事が紹介している、ある制作会社の中綴じ8ページの料金例です(配送料込み、税表記なし)。

部数 総額 100部との差
100部 216,800円 —
500部 222,800円 +6,000円
1,000部 228,000円 +11,200円
3,000部 280,000円 +63,200円

総額の大半は、部数に関係なく1回だけかかる制作費です。印刷は、版を作る費用が部数で割られるため、部数が増えるほど1部の単価が下がります。このため「多めに刷っておけば1部が安くなる」と考えがちですが、余った分は、次に作り直すときに捨てることになります。

部数を決める基準は、印刷の単価ではなく、次に作り直すまでに実際に渡す部数です。100部ずつ小さく刷る方法も、少ない部数に向くオンデマンド印刷を選べば割高になりにくく、内容を直す機会も増えます。

依頼範囲ごとに、総額を試算する

総額を2倍以上に動かすのは、原稿・取材・撮影を依頼するかどうかです。A4・8ページの中綴じ、500部を、依頼範囲を変えて仮の数字で並べます。

費用 A:原稿と写真は自社 B:撮影だけ依頼 C:原稿・取材・撮影まで依頼
ディレクション 3万円 4万円 6万円
デザイン(一式) 20万円 22万円 25万円
原稿の作成 0円 0円 6ページ×2.5万円=15万円
取材 0円 0円 3万円
撮影 0円 半日 5万円 1日 8万円
印刷(500部) 4万円 4万円 4万円
社内の作業時間 40時間×3,000円=12万円 30時間×3,000円=9万円 15時間×3,000円=4.5万円
総額 39万円 44万円 65.5万円

ディレクション・原稿・取材・撮影の値は、比較ビズの内訳の幅の中から置きました。デザインの一式と印刷費は、前の節の料金例と掲載欄の値を丸めた仮の数字です。社内の作業時間(原稿を書く、写真を集める、確認する時間)と、その単価(1時間3,000円)も仮の数字です。

見積もりの金額だけを並べると、AはCの半分以下に見えます。社内の時間を足すと、差は約27万円まで縮まります。原稿を書ける人が社内にいない会社では、Aを選んでも原稿が揃わず、時間がさらに膨らみます。反対に、事業の説明を書き慣れた人がいる会社なら、Aで十分です。

撮影の費用の考え方はホームページ用写真撮影の費用相場|1日の料金を比べる前に、使う枚数で1枚の原価を出し、使える範囲と撮り直しの時期まで決めるで扱っています。会社案内とホームページで同じ写真を使えるように、撮影の使用範囲を決めておくと、1枚の原価が下がります。

渡した1部あたりの原価で判断する

会社案内の元が取れるかは、刷った部数ではなく、次に作り直すまでに実際に渡した部数で決まります。

項目 式
渡した1部あたりの原価 総額 ÷ 次に作り直すまでに実際に渡す部数
実際に渡す部数 (商談 + 来客 + 郵送 + 展示会 + 採用)の年間の部数 × 作り直すまでの年数

上の試算Cの総額65.5万円を、渡す部数の違う3社で考えます。いずれも2年で作り直す前提です。

会社の状況 2年で渡す部数 渡した1部の原価 読み方
商談 月20件、展示会 年2回、採用でも使う 約1,200部 約550円 500部では足りない。部数を増やしても総額はほとんど変わらない
商談 月8件、来客と郵送 年50部 約290部 約2,260円 500部刷ると200部ほど余る。300部で足りる
商談 月2件だけ 約50部 約1.3万円 冊子より、PDFと営業資料に予算を回すほうがよい

渡した1部の原価が高い会社は、印刷物にこだわらず、PDFで送る前提に切り替えます。メールで送るPDFと、サイトに置く会社案内のページがあれば、手渡しの場面が少ない会社では印刷は最小限で足ります。

1部の原価は、渡す場面の価値と比べます。商談1件に営業が2時間かけているなら、その人件費だけで1万円前後になります。商談で手渡す1部が550円か2,000円かより、その1部が、相手の社内で「取引してよい会社か」を判断する材料になっているかのほうが重要です。商談の後に相手の社内で読まれるのは、会社案内よりも提案の中身を説明する資料で、その作り方は営業資料の作り方|商談で映す前提ではなく、営業がいない稟議の場で読まれる前提で、費用対効果と比較のページから作るで扱っています。

刷り直しの費用を減らす作り方

会社案内で最も高くつくのは、1つの数字が変わっただけで、デザインの修正と印刷をやり直すことです。本体に載せる情報を、変わりにくいものに絞ります。

情報 置き場所 理由
理念・事業の内容・強み・沿革 本体に刷る 数年は変わらない
従業員数・役員・資本金 差し込みのシート 毎年変わる。差し込みなら1枚の刷り直しで済む
拠点・連絡先 本体に刷り、移転の予定があれば差し込み 移転や電話番号の変更で冊子ごと使えなくなる
実績の件数・取引先の名前 Webに置き、本体は二次元コード 増えるたびに古くなる。取引先の掲載の許可も変わる
社員の顔写真 人数を絞る。退職で困る人は載せない 退職のたびに使えなくなる
料金・キャンペーン 載せない 改定のたびに刷り直しになる

差し込みのシートは、A4の片面1枚ならデザインの修正も印刷も小さな費用で済みます。本体を作るときに、差し込みを前提にしたポケットや、Webへの二次元コードの位置を最初から決めておくと、後から足すより安く上がります。

改訂の費用を左右するもう1つの点が、データの納品です。会社案内の元のデータ(Illustrator や InDesign のファイル、使ったフォント、写真の元データ)を受け取っていないと、数字を1つ直すだけでも同じ依頼先に頼むしかなくなります。見積もりの段階で「元のデータを納品に含むか」と「使った写真を他の媒体に使えるか」を確かめます。

費用を抑える方法と、抑えてはいけない費用

項目 判断 理由
部数 渡す部数に合わせて減らす 総額はほとんど変わらないが、余りと捨てる分が減る
ページ数 載せる情報を変わりにくいものに絞ってから決める 4ページ減ると、原稿とデザインの両方が減る
紙・加工 最初は標準の紙でよい 手触りの差より、中身の差のほうが判断に効く
既存の写真の流用 ホームページの写真が使えるなら使う 撮影の費用がまるごと減る。使用範囲は確かめる
原稿の構成(何を載せるか) 削らない ここが決まらないと、デザインの修正が増える
データの納品 削らない 改訂のたびに同じ依頼先に頼むことになる
校正の担当 削らない 誤字や古い数字が刷られると、全部数を刷り直す

会社案内だけでなく、カタログやチラシなど他の販促物も同時に検討している場合は、品目を決める前に、誰にどの場面で渡すかを先に揃えます。その考え方は販促物は何を作るべきか|種類ごとの使い分けと、品目より先に決める4つの条件で、商品の情報を別の冊子に分けるときの費用はカタログ制作の費用相場|1ページの単価を比べる前に、渡す部数で1部の原価を出し、価格改定のたびに刷り直す費用まで含めた数年分の総額で判断するで扱っています。

見積もりの前にそろえる6つ

そろえること 望ましい状態 決めていないと起きること
形式とページ数 二つ折り・三つ折り・冊子のどれか、ページ数の上限 依頼先ごとに違う形式で見積もりが出て比べられない
原稿の担当 自社で書くか、取材して書いてもらうか。ページごとに 原稿が揃わず、納期が延びる
写真 既存の写真で足りるか、撮影が要るか、何を撮るか 後から撮影を足し、追加の費用がかかる
部数と渡す場面 年に渡す部数と、作り直すまでの年数 多く刷りすぎて捨てる、足りずに追加で刷る
修正の回数と確認する人 デザイン案の数、修正の回数、社内で確認する人 確認する人が後から増え、修正の追加料金がかかる
納品物 印刷物に加え、元のデータ・PDF・写真の元データを含むか 改訂やPDFでの送付に、追加の費用がかかる

この6つを書面にして同じ条件で見積もりを取れば、20万円と80万円の見積もりの差が、どの項目から来ているかが分かります。個人に頼むか制作会社に頼むかで迷う場合は、フリーランスと制作会社、依頼するならどちらか|費用差の正体と発注側に生じる義務で、費用差の中身と、個人に頼むときの発注側の義務を扱っています。

作り直すべき会社と、今のままでよい会社

状況 判断 理由
事業の内容や主力が変わった 作り直す 取引の判断に使う情報そのものが古い
数字や役員が古いだけ 差し込みを作り、本体は残す 冊子ごと作り直す必要はない
手渡しの場面が年に数十回しかない PDFとWebのページを先に整える 渡した1部の原価が高くなる
ホームページを近く作り直す サイトと同時に進める 写真と原稿を共用でき、撮影が1回で済む
展示会で大量に配る 冊子とは別に、二つ折りか三つ折りを作る 冊子を配ると、渡した1部の原価が上がる

よくある失敗

1部の単価を下げるために多く刷る

部数を10倍にしても総額の差は1万円ほどでした。安く感じても、作り直すときに余った分を捨てれば、渡した1部の原価は上がります。部数は渡す場面から決めます。

見積もりの金額だけで依頼先を選ぶ

原稿と写真を自社で用意する前提の見積もりは安く見えます。試算では、見積もり額の差は34万円でしたが、社内の時間を足すと約27万円に縮まりました。誰が原稿を書くかを揃えてから比べます。

従業員数や実績の件数を本体に刷る

1年後には数字が合わなくなり、デザインの修正と印刷をやり直すことになります。変わる数字は差し込みかWebに置きます。

元のデータを受け取っていない

数字を1つ直すにも、同じ依頼先に頼むしかありません。依頼先が廃業していれば、作り直しになります。元のデータとフォント、写真の元データを納品に含めます。

よくある質問

会社案内パンフレットの制作費用の相場はいくらですか

比較サイトの相場では、A4・8ページで、フリーランス5万〜30万円、印刷会社15万〜30万円、デザイン会社30万〜80万円です(2024年4月更新、税表記なし)。原稿・取材・撮影まで依頼した試算では、500部で65.5万円になりました。

部数はどう決めればよいですか

年に渡す部数(商談・来客・郵送・展示会・採用)に、次に作り直すまでの年数を掛けて出します。部数を増やしても総額はほとんど変わりませんが、余った分は作り直すときに捨てることになります。

印刷せずにPDFだけでもよいですか

手渡しの場面が少ない会社では、PDFとサイトの会社案内のページで足ります。商談や来客で手渡す場面が多い会社では、紙の冊子があると相手の社内で回覧されやすくなります。

ホームページの制作と一緒に頼むと安くなりますか

同じ写真と原稿を使えるため、撮影と原稿の作成が1回で済みます。サイトとパンフレットで同じ写真を使う場合は、撮影の使用範囲に印刷物を含めておきます。

まとめ

会社案内パンフレットの費用は、形式とページ数・原稿・取材と撮影・デザイン・印刷で決まります。部数は総額をほとんど動かさず、差を生むのは原稿と撮影を誰が持つかです。

依頼先を比べるときは、社内の作業時間まで含めた総額を、次に作り直すまでに実際に渡す部数で割って、渡した1部あたりの原価を出します。手渡しの場面が少ない会社は、PDFとWebのページを先に整えます。

刷り直しの費用を減らすには、従業員数・役員・実績の件数を本体に刷らず、差し込みかWebに回します。見積もりの前に形式・原稿の担当・写真・部数・修正の回数・納品物の6つを書面にし、元のデータを納品に含めます。

会社案内やカタログなどの印刷物は販促・広告デザインで、写真と原稿を共用するホームページの制作はWEB制作・ホームページ制作で承っています。これまでの制作物は制作実績、会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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