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サイト制作の進め方|発注から公開までの工程と発注者側の作業

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サイト制作が遅れる原因は、制作会社側にあるとは限りません。実際には、発注者側の作業が止まっていることが多くあります。原稿が用意できない、社内確認が進まない、決裁者が最後に登場して方針が変わる——これらはすべて発注者側の工程です。

制作を「依頼したら出来上がるもの」と考えると、この工程が計画に入りません。

この記事では、発注から公開までの流れを、発注者側が何をするかという視点で整理します。

この記事でわかること

・制作の全工程と、発注者側の作業

・工程ごとに決めること・決めないこと

・遅れる原因と防ぎ方

・社内調整の順序

・公開前後にやること

制作の全工程

# 工程 制作会社の作業 発注者側の作業
1 要件整理 ヒアリング、提案 目的・対象・予算の言語化
2 見積・契約 見積提示 内訳の確認、条件の確定
3 情報設計 サイト構成の設計 掲載内容の洗い出し
4 ワイヤーフレーム 各ページの構成 情報の過不足の確認
5 原稿・素材 (依頼した場合)執筆 原稿の用意・確認
6 撮影 撮影 場所の準備、出演者の調整
7 デザイン ページデザイン 方向性の判断
8 実装 コーディング、CMS構築
9 検証 動作確認 実機での確認、原稿の最終校正
10 公開 公開作業 公開日の調整
11 公開後 不具合対応 更新運用の開始

発注者側の作業が11工程中8つにあります。この工数を見込まずにスケジュールを組むと、必ず遅れます。

「3か月で公開」というスケジュールに、自社の作業日数は含まれていますか。

原稿の用意と社内確認の期間を、最初に見積もってください。

工程1〜2:始める前に決めること

ここが曖昧なまま進むと、後工程ですべてが揺れます

  1. 何のために作るか:問い合わせ獲得/採用/信頼の担保/情報提供
  2. 誰に見せるか:見込み客/求職者/取引先
  3. 成功の基準:問い合わせ件数/応募数/その他
  4. 予算の上限:制作費と、公開後の運用費
  5. 公開希望日と、その理由:展示会、キャンペーンなど
  6. 決裁者は誰か:最終的に承認する人

1番目と3番目がずれていると、完成しても評価できません。「かっこいいサイト」は成功の基準になりません。何がどうなれば成功かを数字で決めてください。

見積の読み方はWeb制作の見積書の読み方|同じ金額が別の買い物になる理由、制作会社の選定はデザイン制作会社の選び方|見積り比較で確認すべきポイントを参照してください。

工程3〜4:構成を決める

この段階で情報の過不足を確定させてください。デザイン工程に入ってから「この情報も入れたい」と言うと、大幅な手戻りになります。

この段階で決める この段階で議論しない
どのページを作るか 色・書体・写真
各ページに何を載せるか デザインの雰囲気
情報の並び順 装飾
問い合わせまでの導線
更新する箇所

ワイヤーフレームの確認方法はワイヤーフレームとは?作る目的と作成時に押さえるべきポイントを参照してください。

「更新する箇所」をこの段階で決めることが重要です。後から「ここも自社で更新したい」と言うと、実装のやり直しになります。整理方法は更新しやすい企業サイトの作り方|CMS選定と運用設計のポイントを参照してください。

工程5〜6:原稿と素材

ここが最も遅れる工程です。制作会社は待つことしかできません。

遅れる原因 防ぎ方
誰が書くか決まっていない ページごとに担当を割り振る
何を書けばよいか分からない 制作会社に構成案と文字数を出してもらう
書いたが社内確認が進まない 確認者と期限を先に決める
写真が用意できない 撮影日を先に押さえる
既存写真の権利が不明 使用範囲を確認する

2番目が効きます。「自由に書いてください」と言われると止まります。「この見出しで300字程度」という形で依頼を受けると、書き始められます

撮影の準備はWeb用写真のディレクション|撮影前に決めるべきことと当日の進め方を参照してください。掲載位置が決まっていない状態での撮影は、使えない写真を量産します。

原稿の量を見積もる

  1. ページ数を確認する
  2. 1ページあたりの文字数を聞く
  3. 合計文字数を出す
  4. 1日に書ける量から日数を計算する
  5. 社内確認の日数を足す

この計算をすると、原稿を外注すべきかの判断ができます。通常業務と並行して数万字を書くのは現実的でない場合があります。

工程7:デザインの判断

好みで判断しないでください。判断の観点は次の5つです。

  • 決めたコンセプトと一致しているか
  • 対象者が「自分向け」と感じるか
  • 本文サイズで読めるか
  • 最も見せたい要素が最も目立っているか
  • 競合と並べて区別がつくか

フィードバックの伝え方と修正回数の使い方はデザインカンプの作り方と進め方|制作会社とのやり取りをスムーズにを参照してください。

社内調整の順序

手戻りの最大の原因は、決裁者が最後に登場することです

タイミング 決裁者を入れる 合意する内容
工程1 目的、対象、予算
工程4(ワイヤーフレーム) 情報の過不足、構成
工程7(デザイン初回提案) 方向性
工程7(2回目以降) 窓口担当が判断
工程9(検証) 公開の承認

3番目までに合意を取っておけば、完成間際の方針転換を防げます。「最後に見せて驚かせる」進め方は、最も手戻りのリスクが高くなります。

工程9:公開前の確認

  1. 実機(スマートフォン)で全ページを確認する:PCだけで承認しない
  2. 問い合わせフォームから実際に送信する:受信と自動返信を確認
  3. 電話番号をタップして発信画面が出るか確認する
  4. 原稿の最終校正を行う:誤字、価格、電話番号、営業時間
  5. 計測タグが動いているか確認する
  6. 旧サイトからのリダイレクト設定を確認するリニューアルの場合は必須

6番目を忘れると、旧サイトが積み上げた検索評価が失われます。全ページを1対1で対応させてください。トップページにまとめてリダイレクトすると、下層ページの評価が引き継がれません。

2番目と5番目は公開直後にも再確認してください。公開作業でタグが外れることがあります。

工程11:公開後にやること

時期 作業
公開直後 フォーム送信テスト、計測の確認、表示崩れの確認
1週間後 Search Consoleのエラー確認、インデックス状況
1か月後 GA4で流入と行動を確認、明らかな問題の修正
3か月後 当初の成功基準と照らして評価
以降 月次でフォームテスト、四半期で内容の見直し

公開が完了ではありません。運用の設計はホームページの保守運用とは?何を、どの頻度でやるのかを参照してください。

公開後に流入が増えない場合の切り分けはホームページから問い合わせが来ない原因の切り分け方|5段階で診断するを参照してください。サイトを作っただけでは、訪問者は増えません。集客施策の全体像はWeb集客の全体像|施策の選び方と着手する順序で解説しています。

よくある失敗

失敗1:自社の作業日数をスケジュールに入れない

原稿と社内確認の期間を見込まないと、必ず遅れます。

失敗2:デザイン工程で構成を変える

大幅な手戻りになります。ワイヤーフレームで確定させてください。

失敗3:決裁者が完成間際に登場する

最も手戻りのリスクが高い進め方です。初回提案までに合意を取ってください。

失敗4:リダイレクト設定を確認しない

旧サイトの検索評価が失われます。

失敗5:公開を完了と考える

更新運用と効果検証が始まる時点です。

よくある質問

Q. 制作期間はどのくらいですか?

ページ数と、原稿・撮影の有無で変わります。ただし期間の大部分は、自社の原稿作成と社内確認に費やされます。制作会社の作業日数だけで判断しないでください。

Q. 原稿は自社で書くべきですか?

合計文字数と、書ける日数を計算してから判断してください。通常業務と並行して数万字を書くのは現実的でない場合があります。外注する場合も、取材への協力と内容確認の工数は残ります。

Q. 途中で追加したい要望が出たらどうしますか?

工程によって影響が違います。ワイヤーフレーム段階なら調整可能、デザイン以降は費用と期間の再見積が必要です。早く伝えるほど影響は小さくなります。

Q. 公開日を先に決めてもよいですか?

展示会など明確な理由がある場合は、最初に伝えてください。ただし逆算して、自社の作業日数が確保できるかを確認してください。無理な日程は品質を落とします。

Q. 複数人で確認すると意見が割れます。

窓口を1人決め、社内で調整してから制作会社へ渡してください。矛盾する指摘をそのまま伝えると、制作側が判断できません。

まとめ

サイト制作の全11工程のうち、8つに発注者側の作業があります。制作が遅れる原因の多くは、この工数が計画に入っていないことです。

始める前に、目的・対象・成功の基準・予算・決裁者を決めてください。特に「成功の基準」を数字で決めないと、完成しても評価できません。

情報の過不足はワイヤーフレーム段階で確定させてください。デザイン工程で構成を変えると、大幅な手戻りになります。

そして、決裁者は初回のデザイン提案までに合意を取ってください。完成間際の方針転換は、最も手戻りのリスクが高くなります。公開前には、実機でのフォーム送信テストとリダイレクト設定の確認を必ず行ってください。

当社ではホームページ制作において、発注者側の作業と期間も含めて計画を立てています。資料では進め方と確認事項をまとめていますので、制作を検討中の方はぜひダウンロードしてご活用ください。

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