Yahoo!検索広告には品質インデックスという指標があり、キーワードごとに評価が表示されます。この数値が低いと不安になりますが、上げること自体を目的にすると、成果につながらない作業に時間を使うことになります。
品質の評価は広告の掲載順位と、実際に発生するクリック単価に影響します。同じ順位を取るために必要な入札額が変わるため、無視してよい指標ではありません。ただし、すべてのキーワードで改善を目指す必要はありません。
この記事では、品質インデックスを構成する要素、改善できるものとできないもの、放置してよい条件、そして改善の順序を整理します。
この記事でわかること
・品質インデックスが影響するのは順位と単価
・構成する3要素のうち、直接改善できるものは限られる
・表示回数が少ないキーワードの数値は参考にならない
・改善は広告文とページの一致から着手する
・数値が低くても放置してよい条件がある
・評価は数値ではなく獲得数と単価で行う
品質インデックスが影響するもの
この指標は、広告の掲載可否、掲載順位、そして実際のクリック単価に関わります。評価が高いキーワードは、同じ順位をより低い単価で獲得できます。
| 影響する項目 | 評価が高い場合 | 評価が低い場合 |
|---|---|---|
| 掲載順位 | 同じ入札でも上位に出やすい | 上位を取るのに高い入札が必要 |
| クリック単価 | 抑えられる | 高くなりやすい |
| 掲載機会 | 確保しやすい | 表示されにくくなることがある |
つまり品質の改善は、同じ予算でより多くの獲得を得るための手段です。数値そのものが目的ではありません。この位置づけを間違えると、獲得に結びつかないキーワードの改善に時間を使うことになります。
品質は順位と単価に影響する。数値自体が目的ではない。
同じ予算でより多く獲得するための手段と考える。
構成する要素と、改善できる範囲
評価は主に3つの観点から算出されます。このうち自社で直接手を入れられるものと、間接的にしか影響できないものがあります。
| 要素 | 内容 | 改善の余地 |
|---|---|---|
| 推定クリック率 | その広告がクリックされる見込み | 広告文の改善で間接的に影響 |
| 広告文とキーワードの関連性 | 検索語と広告文の一致度 | 直接改善できる |
| リンク先ページの利便性 | 遷移先の内容と使いやすさ | 直接改善できる |
最も着手しやすいのは、キーワードと広告文の関連性です。広告グループに詰め込まれたキーワードを分割し、それぞれに対応した広告文を用意するだけで改善することがあります。
仕様は変更される可能性があるため、細かい算出方法については各媒体の公式ヘルプで最新の情報を確認してください。
直接手を入れられるのは、広告文の関連性とページの利便性。
推定クリック率は結果として動く指標。
表示回数が少ないキーワードの数値は参考にならない
データが蓄積されていないキーワードでは、評価が初期値のまま、あるいは実態と乖離した数値になります。この段階の数値を見て改善しても、判断の根拠になりません。
- 表示回数がごく少ないキーワードは、まず配信量を確保する
- 一定期間の配信データが溜まってから評価を確認する
- 季節性のある語は、需要期のデータで判断する
- 新規追加直後の評価で、停止の判断をしない
逆に、表示回数が多いのに評価が低いキーワードは、優先的に改善する価値があります。影響する費用が大きいためです。
データが少ないキーワードの評価は判断材料にならない。
表示回数が多く評価が低いものから着手する。
改善は広告文とページの一致から着手する
改善の順序は、効果が出やすく作業量が少ないものからです。
- 広告グループ内のキーワードを、意味の近いものごとに分割する
- 分割した各グループに、そのキーワードを含む広告文を用意する
- 遷移先ページを、そのキーワードの内容に対応するページへ変更する
- ページ側に、検索語に対応する見出しと説明があるか確認する
- 配信して一定期間後、評価の変化を確認する
広告文とページの内容が一致していない状態は、品質の評価だけでなく獲得率も下げます。検索した語に対する答えが遷移先にない場合、ユーザーは離脱します。
ページ側の改善についてはLPと通常サイト、広告の遷移先はどちらにすべきかも参考になります。
キーワードの分割と、対応する広告文の用意が最も効きやすい。
広告文とページの不一致は、獲得率も下げる。
数値が低くても放置してよい条件
すべてのキーワードを改善する必要はありません。次の場合は、優先度を下げてよい判断になります。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 評価は低いが獲得単価は許容範囲 | 放置してよい | 成果が出ている |
| 表示回数がごく少ない | 後回し | 影響する費用が小さい |
| 一般的すぎる語で獲得が薄い | 停止を検討 | 改善より除外が有効 |
| 評価は高いが獲得がない | 見直す | 数値と成果は別 |
特に最後の行が重要です。評価が高くても獲得につながらないキーワードは存在します。品質の数値は成果を保証しません。
獲得単価が許容範囲なら、評価が低くても放置してよい。
評価が高くても獲得がないキーワードは存在する。
評価は獲得数と単価で行う
品質の数値を追いかけると、成果に結びつかない作業に時間を使うことになります。
| 見る指標 | 分かること | 優先度 |
|---|---|---|
| キーワード別の獲得数 | 実際の成果 | 最優先 |
| キーワード別の獲得単価 | 効率 | 最優先 |
| 平均クリック単価の推移 | 品質改善の効果 | 参考 |
| インプレッションシェア | 取りこぼしの有無 | 重要 |
| 品質インデックス | 改善余地の所在 | 参考 |
品質の改善によって平均クリック単価が下がれば、同じ予算で獲得数が増えます。この変化を確認することが、改善の成果測定になります。数値の上下そのものではありません。
指標の考え方は広告のCPA目安はどう決めるか|業種別平均が使えない理由を参照してください。
改善の成果は、平均クリック単価と獲得数の変化で測る。
品質の数値そのものを目標にしない。
全体の中での位置づけ
この工程は広告運用の一部です。前後に決めるべきことがあり、順序を飛ばすと後から戻れなくなります。全体の流れは広告運用は何から決めるかを参照してください。
よくある失敗
すべてのキーワードで改善を目指す
表示回数が少ないものは影響する費用も小さくなります。優先度をつけてください。
新規追加直後の評価で判断する
データが蓄積されていない段階の数値は、実態を反映していません。一定期間の配信後に確認してください。
広告グループにキーワードを詰め込む
広告文との関連性が下がります。意味の近いものごとに分割してください。
遷移先を全てトップページにする
検索語に対応する内容がないページでは、評価も獲得率も下がります。
評価が高いキーワードを成果と誤解する
評価と獲得は別の指標です。獲得がないなら見直しの対象になります。
よくある質問
評価はどのくらいの期間で変わりますか
配信量によります。表示回数が多いキーワードでは変化が早く現れますが、少ない場合はデータが蓄積されるまで動きません。改善後すぐに数値が変わらないことをもって、施策が無効だと判断しないでください。
入札を上げれば評価も上がりますか
入札額は評価の構成要素ではありません。ただし入札を上げて掲載順位が上がると、クリック率が変化し、結果として評価が動くことはあります。直接の因果ではないため、入札で解決しようとしないでください。
Google広告の品質スコアと同じですか
考え方は近いものの、算出の詳細や表示のされ方は媒体ごとに異なります。片方の知識をそのまま当てはめず、各媒体の公式情報を確認してください。Google側の考え方はGoogle広告の品質スコアとは?改善すべき指標と無視してよい指標で解説しています。
除外キーワードは評価に影響しますか
直接の構成要素ではありませんが、関連性の低い検索での表示が減ることで、クリック率が改善し、間接的に評価へ影響することがあります。除外の考え方は検索語句レポートの見方と除外キーワードの決め方を参照してください。
評価が低いまま獲得できている場合はどうすべきですか
そのままで問題ありません。品質の数値は、同じ順位を取るための費用に影響する指標です。獲得単価が許容範囲に収まっているなら、改善の優先度は下がります。
まとめ
品質インデックスは、広告の掲載順位と実際のクリック単価に影響する指標です。評価が高いキーワードは、同じ順位をより低い単価で獲得できます。したがって改善は、同じ予算でより多くの獲得を得るための手段であり、数値そのものを上げることが目的ではありません。この位置づけを間違えると、獲得に結びつかない作業に時間を使うことになります。
構成する要素のうち、自社で直接手を入れられるのは広告文の関連性と遷移先ページの利便性です。最も着手しやすいのは、広告グループに詰め込まれたキーワードを意味の近いものごとに分割し、それぞれに対応した広告文を用意することです。この作業は品質の評価だけでなく、獲得率そのものにも効きます。
一方で、すべてのキーワードで改善を目指す必要はありません。表示回数が少ないキーワードは影響する費用も小さく、評価が低くても獲得単価が許容範囲に収まっているなら放置してよい判断になります。逆に注意すべきは、評価が高いのに獲得がないキーワードです。品質の数値は成果を保証しません。改善の成果は、平均クリック単価と獲得数の変化で測ってください。
当社では広告代行において、アカウント構成の見直しと改善の優先順位づけをご相談いただけます。現状を整理したい場合はお問い合わせよりご連絡ください。