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BtoBのリード獲得手段はどう選ぶか|獲得単価ではなく商談化率から逆算する

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BtoBのリード獲得では、資料ダウンロード、ウェビナー、展示会、オウンドメディア、広告といった手段が並びます。どれを選ぶかを決めるとき、多くの場合はリード1件あたりの獲得単価(CPL)で比較されます。

しかしこの比較は成立しません。手段ごとに、獲得したリードが商談になる確率が違うためです。1件3,000円で取れたリードの商談化率が2%で、1件30,000円のリードが40%なら、商談1件あたりの費用は前者が15万円、後者が7.5万円になります。安いほうが高くつきます。

この記事では、手段を「リードの温度」で分類し、商談数から必要なリード数を逆算し、どの手段にいくら払えるかを決める順序を整理します。個別の手段の実務は、それぞれの記事に分けて解説しています。

この記事でわかること

・リード獲得手段はCPLで横並びに比較できない

・比較すべきは商談1件あたりの費用(CPA per 商談)

・手段ごとに「温度」「立ち上がり期間」「止めたときに残るもの」が違う

・獲得数を増やすと商談化率は下がる。合計だけを見ると悪化が見えない

・商談化率を測れないうちは、手段を増やしても判断材料が増えない

・最初の1つはストック型かフロー型かで決める

獲得単価では判断できない
獲得単価では判断できない

リード獲得手段は「温度」で分かれる

BtoBのリードは、獲得した時点で相手がどこまで検討を進めているかが手段ごとに大きく違います。これを温度と呼びます。

温度 相手の状態 主な獲得手段
課題が明確で、発注先を探している 指名検索、比較検討キーワードの広告、紹介
課題は認識しているが、手段を調べている段階 ウェビナー、事例資料、比較資料
情報収集。自社に課題があるかも確定していない 入門資料、展示会での名刺交換、記事流入

温度が低い手段ほど、リードは安く大量に取れます。そして商談になる割合は下がります。どちらが良いという話ではなく、温度の違う数字を同じ表に並べて単価順に並べ替えることが誤りです。

問い合わせフォームまで到達した人がなぜ増えないかという別の論点はホームページから問い合わせが来ない原因の切り分け方|5段階で診断するで段階別に扱っています。この記事はその手前、リードを集める手段そのものの選び方を扱います。

手段ごとにリードの温度が違う。

温度が違う数字は、単価で並べ替えても意味がない。

獲得単価を横並びで比較してはいけない理由

同じ月に3つの手段を回した場合を考えます。数字はすべて自社で測った実績である前提です。

手段 費用 リード数 CPL 商談化率 商談数 商談1件あたり
入門資料のダウンロード 30万円 100件 3,000円 3% 3件 10万円
ウェビナー 40万円 40件 10,000円 20% 8件 5万円
比較検討キーワードの広告 50万円 20件 25,000円 45% 9件 5.6万円

CPLで並べると入門資料が最も優秀に見えますが、商談1件あたりでは最も高くつきます。削減するならこの手段からで、増額するならウェビナーからです。

この構造は広告のCPAでも同じことが起きます。指標単体で良し悪しを判断できない理由は広告のCPA目安はどう決めるか|業種別平均が使えない理由で整理しています。

注意すべきは、入門資料が無駄だという結論にはならない点です。温度の低いリードは、育成して温度を上げる工程とセットで初めて機能します。育成の工程を持たないまま低温の手段だけを増やすと、名簿が増えて商談が増えない状態になります。

CPLが安い手段が、商談単価でも安いとは限らない。

低温のリードは、育成工程とセットでなければ商談にならない。

必要なリード数を商談から逆算する

手段を選ぶ前に、いくつ商談が必要かを先に決めます。順序は次のとおりです。

  1. 年間または四半期の目標受注件数を置く
  2. 商談から受注に至る率で割り、必要な商談数を出す
  3. リードから商談に至る率で割り、必要なリード数を出す
  4. 1件あたりの粗利から、商談1件に払える上限を決める
  5. 手段ごとの商談化率で割り戻し、その手段のCPL上限を出す

受注1件の粗利が60万円、商談から受注が25%なら、商談1件の期待粗利は15万円です。獲得費用を粗利の3分の1に抑えるなら、商談1件あたり5万円が上限になります。商談化率20%の手段なら許容CPLは10,000円、3%の手段なら1,500円です。

同じ会社の中でも、手段ごとに払える金額が違う。これが逆算の結論です。広告予算を粗利から決める考え方は広告予算はいくらが適正?売上比率ではなく粗利から決める方法で詳しく扱っています。

商談数から逆算すると、手段ごとのCPL上限が別々に出る。

全社で1つの目標CPLを置くと、必ずどれかの手段の判断を誤る。

手段別の特性を整理する

温度以外に、立ち上がるまでの期間と、止めたときに何が残るかも手段ごとに違います。

手段 温度 立ち上がり 止めた後に残るもの
検索広告 中から高 数日 残らない。停止した日に流入が止まる
資料ダウンロード 低から中 数週間 資料そのものは残る。流入元が広告なら止まる
ウェビナー 1回目から 録画とリスト。開催をやめれば新規は止まる
展示会 出展当日 名刺。次の出展まで新規はない
オウンドメディア 低から中 半年から1年 記事が残り、流入も残る
紹介・既存顧客 関係の年数ぶん 関係が残る

止めた後に残るものがある手段をストック型、残らない手段をフロー型と呼びます。ストック型は立ち上がりが遅く、フロー型は速い代わりに支払いを止めた時点で成果も止まります。

手段の違いは、温度・立ち上がり期間・止めた後に残るものの3軸で整理できる。

ストック型とフロー型のどちらから始めるか

商談が今すぐ必要ならフロー型、来期以降の獲得費用を下げたいならストック型です。両方を同時に始められる予算がない場合、判断は次のようになります。

自社の状況 先に着手する 理由
受注が今期中に必要 検索広告 数日で配信でき、温度の高い層に届く
広告費が上がり続けている オウンドメディア 止めても残る流入を作らないと単価が下がらない
商談はあるが受注しない どちらでもない 獲得ではなく提案側の問題。手段を増やしても解決しない
リストはあるが商談にならない 育成の設計 獲得より先に、既存リードの扱いを決める

3行目と4行目が重要です。獲得手段を増やして解決する問題かどうかを先に切り分けます。すでに獲得したリードの扱いは問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方で扱っています。

今期の商談が要るならフロー型、来期の単価を下げたいならストック型。

商談が受注にならない場合は、獲得手段の問題ではない。

手段ごとの実務は分けて設計する

選んだ後の組み立ては手段ごとに別物です。共通するのは、獲得した後に何をするかまで決めてから始めることです。

資料ダウンロード

記事の要約を配っても取れません。読み手が自分で作ると時間がかかるものを配る必要があります。設計は資料ダウンロードでリードを獲得する設計|記事の要約を配っても取れない理由を参照してください。

ウェビナー

集客から商談化までを一続きで設計しないと、参加者数だけが残ります。ウェビナーでリードを獲得する設計|集客から商談化までの組み立て方で扱っています。

展示会

名刺は獲得ではなく、獲得の材料です。フォローの順序と、追わない基準の決め方は展示会で集めた名刺を商談につなげる方法|フォローの順序と、追わない基準で整理しています。

オウンドメディア

最も立ち上がりが遅く、途中で判断を誤りやすい手段です。継続と撤退の基準はオウンドメディアは続けるべきか|成果が出るまでの期間と、撤退の判断基準で扱っています。

検索広告

BtoBでは検索数が少ないため、キーワードの選び方が成果を分けます。SEOキーワードの選び方|検索数で選ぶと問い合わせにつながらない理由の考え方は広告のキーワード選定にも使えます。

手段を選んだ後の設計は、それぞれ別の記事で扱っている。

共通するのは、獲得後の工程を先に決めることだけ。

商談化率を測れる状態にする

ここまでの判断はすべて商談化率に依存します。測れていない場合、手段を増やしても比較材料は増えません。最低限、次の3つが分かる状態を作ります。

  • そのリードがどの手段から来たか(獲得経路)
  • 商談に至ったかどうか(日付とともに)
  • 受注に至ったかどうかと、その粗利額

3つが揃えば、手段ごとの商談単価が計算できます。獲得経路を取り違えないための命名はUTMパラメータの設計と命名規則|流入元を正しく計測する方法で扱っています。

BtoBは検討期間が長く、獲得した月と受注した月がずれます。今月のリードの商談化率は、数か月後にならないと確定しません。月次で見ると常に直近が悪く見えるため、獲得月ごとに追跡する形で集計してください。

獲得経路・商談・受注粗利の3つが揃って初めて手段を比較できる。

BtoBは獲得月と受注月がずれる。獲得月ごとに追跡する。

予算規模別の組み立て

月額予算 組み立て やらないこと
30万円未満 検索広告1媒体に集中。指名と比較検討キーワードのみ 手段を分散させる。効果が判定できなくなる
30万から80万円 検索広告+資料ダウンロード1本 展示会。1回の出展で予算が消える
80万から200万円 上記+ウェビナーかオウンドメディアのどちらか 両方の同時着手。運用が回らない
200万円超 フロー型で商談を確保しつつ、ストック型を並走 測定設計を後回しにすること

予算が小さいほど手段を絞ります。分散させると、どの手段も判断できる件数に届かないためです。1つの手段で商談化率が確定してから次を足すほうが、結果的に早く進みます。

予算が小さいときほど手段を絞る。

判断できる件数に届かない分散が、最も費用を無駄にする。

よくある失敗

全社で1つの目標CPLを置く

手段ごとに商談化率が違うため、単一の目標CPLは必ずどれかの手段の判断を誤らせます。手段ごとに上限を計算してください。

リード数を目標にする

数を目標にすると、温度の低い手段に寄ります。名簿は増え、商談は増えません。目標は商談数に置きます。

低温のリードを育成工程なしで集める

入門資料や展示会は、その後に接触を続ける工程があって初めて機能します。集めるだけなら費用が残るだけです。

オウンドメディアを3か月で判断する

立ち上がりに半年から1年かかる手段を、フロー型と同じ期間で評価すると必ず失敗と判定されます。評価の時期を手段ごとに変えてください。

商談化率を測る前に手段を増やす

比較の土台がないまま手段が増えると、どれを止めるべきかが判断できなくなります。測定が先です。

受注しない原因を獲得のせいにする

商談はあるのに受注しない場合、原因は提案や価格にあります。獲得手段を変えても解決しません。

よくある質問

商談化率はどのくらいが標準ですか

手段・商材・価格帯で大きく変わるため、外部の平均値を基準にすると判断を誤ります。自社の実績を手段ごとに3か月以上ためて、その数字を基準にしてください。最初は測ること自体が目的で構いません。

展示会は費用対効果が悪いのでしょうか

出展費用に対して名刺の数で評価すると悪く見えます。ただし、普段接点を持てない企業と対面できる点は他の手段で代替しにくく、フォローの設計次第で商談単価は変わります。名刺を配って終わりにしないことが条件です。

広告とオウンドメディアはどちらが先ですか

今期の商談が必要なら広告です。オウンドメディアは効果が出るまでの期間が長く、その間の商談を別の手段で確保しておかないと、途中で継続の判断ができなくなります。

リードの育成には何が必要ですか

最低限、獲得経路と最終接触日が分かるリストと、定期的に送る内容です。ツールを導入する前に、送る内容が用意できるかを先に確認してください。内容がないまま仕組みだけ入れても配信が止まります。

複数の手段を同時に始めてはいけませんか

予算と人員が足りていれば問題ありません。ただし、同時に始めると各手段の件数が少なくなり、商談化率が確定するまでの期間が延びます。判断を早めたいなら絞るほうが有利です。

まとめ

BtoBのリード獲得手段は、獲得単価で並べ替えて選ぶことができません。手段ごとにリードの温度が違い、商談になる割合が違うためです。比較すべきは商談1件あたりの費用であり、そのためには獲得経路と商談・受注の結果が紐づいている必要があります。

選ぶ順序は、目標受注件数から必要な商談数を出し、粗利から商談1件に払える上限を決め、手段ごとの商談化率で割り戻してCPL上限を計算する形になります。全社で1つの目標CPLを置くと、必ずどれかの手段の判断を誤ります。

手段の違いは、温度・立ち上がり期間・止めた後に残るものの3軸で整理できます。今期の商談が必要ならフロー型、来期以降の獲得単価を下げたいならストック型です。予算が小さいときほど手段を絞り、1つで商談化率が確定してから次を足すほうが早く進みます。

当社では広告代行でフロー型の獲得を、ホームページ制作で受け皿とストック型の設計をご相談いただけます。現状の手段の整理からご希望の場合はお問い合わせください。

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