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インテントマッチ(旧・部分一致)は使うべきか|自動入札に渡せる件数で決め、キーワード単位で広げる

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Google広告のキーワードを、インテントマッチ(2024年7月までの名称は部分一致)にすべきか。広告代理店やGoogleの担当者からは「今は原則インテントマッチです」と言われ、自社で運用している人からは「広がりすぎて無駄なクリックが増えた」と聞きます。どちらも正しく、どちらも自社に当てはまるかどうかは、確認しなければ分かりません。

Googleのヘルプは、インテントマッチについて「スマート自動入札との併用が不可欠」だと明記しています。検索語句が広がるほど、1つ1つの入札単価をオークションごとの状況に合わせて変える必要があるためです。つまり、インテントマッチを使うかどうかは、自動入札に渡せるコンバージョンの数があるかどうかで決まります。数が無ければ、広がった検索に対して入札を調整する材料が無く、無駄なクリックが増えるだけで終わります。

この記事では、インテントマッチが広げる先を決める仕組み、使える条件と使えない条件、完全一致から始めてキーワード単位で広げる順序、除外キーワードとブランドの登録による制御、そして2026年9月から始まるAI最大化設定への自動移行で判断がどう変わるかを整理します。広告運用全体の順序は広告運用は何から決めるか|媒体選定から評価までの順序と、飛ばすと起きることで扱っています。

この記事でわかること

・インテントマッチを使うかは「広がるかどうか」ではなく「自動入札に渡せるコンバージョン数があるか」で決める

・Googleは、インテントマッチとスマート自動入札の併用を「不可欠」としている。手動入札で広げてはいけない

・自動入札の評価には月30件以上のコンバージョンが推奨されている(目標広告費用対効果は50件以上)

・広がる先は、ユーザーの直前の検索、ランディングページの内容、同じ広告グループの他のキーワードで決まる

・始めるなら完全一致・フレーズ一致で数をためてから、キーワード単位で切り替える。キャンペーン単位の設定は一括で変わる

・除外キーワードは類義語に広がらない。インテントマッチの広がりに合わせて、概念ごとに除外を足す

・同じキーワードを3つのマッチタイプで重複登録する必要はない。検索語句と同一のキーワードが優先される

・2026年9月から、キャンペーン単位のインテントマッチ設定はAI最大化設定へ自動で移行する。キーワードの外まで広がる

インテントマッチが機能する条件と、しない条件
インテントマッチが機能する条件と、しない条件

インテントマッチは「使うか」ではなく「自動入札に渡せる数があるか」で決める

最初に結論を示します。インテントマッチを使うべきかは、スマート自動入札が機能するだけのコンバージョン数を、そのキャンペーンが持っているかで決めます。持っていれば使う価値があり、持っていなければ完全一致とフレーズ一致で数をためるのが先です。

理由はGoogleの仕組みにあります。インテントマッチは、登録したキーワードそのものを含まない検索にも広告を出します。広がった検索語句は1つ1つ価値が違うため、Googleはヘルプで「検索語句は千差万別で、それぞれの入札単価にはオークション時の固有のコンテキストシグナルを反映する必要がある」として、スマート自動入札との併用を不可欠だと説明しています。手動で入札単価を決めている状態でインテントマッチを使うと、価値の低い検索にも価値の高い検索にも同じ単価で入札することになります。

では、その自動入札はどれだけの数があれば機能するのか。Googleのスマート自動入札のヘルプは、掲載結果を正確に評価するには1か月以上の期間に30回以上のコンバージョン(目標広告費用対効果では50回以上)が推奨だとしています。履歴が無くても開始はできますが、開始できることと、評価できることは別です。月に数件しかコンバージョンが無いキャンペーンでインテントマッチを使うと、広がった分が良かったのか悪かったのかを判定する材料がそろいません。

自動入札の選び方と、機能しない条件は自動入札の選び方と切り替えるタイミング|機能しない条件も解説で扱っています。この記事は、その自動入札を前提に、マッチタイプをどこまで広げるかを扱います。

3つのマッチタイプの違いと、2024年に名前が変わった理由

マッチタイプは、登録したキーワードに対してどこまでの検索に広告を出すかを決める設定です。Google広告には3つあり、記号で区別します。

マッチタイプ 記号 広告が表示される検索 広さ
完全一致 [キーワード] キーワードとまったく同じ意味または意図の検索 最も狭い
フレーズ一致 “キーワード” キーワードと同じ意味の内容を含む検索 中間
インテントマッチ 記号なし(初期設定) キーワードに関連する内容の検索 最も広い

注意が要るのは、完全一致も「文字列の完全一致」ではないことです。Googleのヘルプは、完全一致を「キーワードとまったく同じ意味または意図の検索」と定義しています。表記ゆれや語順の違い、同じ意図の言い換えには完全一致でも表示されます。完全一致にすれば登録した語句だけに出る、という理解は現在の仕様と合いません。

「部分一致」から「インテントマッチ」への名称変更は、日本では2024年7月に行われました。Googleは名称を変えた理由として、「部分一致」という日本語が「登録した語句の一部が含まれていれば表示される」という字面の印象を与え続け、実態との乖離が誤解を招いていたことを挙げています。名前が変わっただけで、仕組みが変わったわけではありません。ただし、名前が変わる前から、部分一致はすでに「語句の一部を含む検索」ではなく「意図が関連する検索」に広がる仕様になっていました。Yahoo!広告も同じ名称に追従しています。

Google検索広告を初めて設定する人向けの手順と、初期のマッチタイプの選び方は店舗集客のためのGoogle検索広告の始め方で扱っています。

インテントマッチが広げる先は、3つのシグナルで決まる

インテントマッチが「関連する検索」をどう判断するのかは、ブラックボックスではありません。Googleのヘルプは、インテントマッチが考慮する情報として次の3つを挙げています。

シグナル 何を見ているか 運用側で動かせるか
ユーザーの最近の検索アクティビティ その人が直前にどんな検索をしていたか 動かせない
ランディングページのコンテンツとアセット リンク先のページに何が書かれているか 動かせる。ページの内容が広がる先を決める
広告グループ内の他のキーワード 同じ広告グループに何が登録されているか 動かせる。混ぜると広がる先が読めなくなる

3つのうち2つは、運用側で決められます。ランディングページに複数のサービスが書かれていれば、インテントマッチはそのどれにも関連する検索へ広がります。広告グループに「外壁塗装」と「屋根修理」と「雨漏り」が混ざっていれば、それぞれの関連検索が互いに影響し、どこまで広がるかを予測できなくなります。

ここから出る実務の結論は2つです。1つは、インテントマッチを使う広告グループは、意図を1つに絞ることです。2つ目は、リンク先を専用のページにすることです。トップページに送っていると、会社案内や採用情報まで関連の材料になります。インテントマッチの広がりを制御する第一の手段は除外キーワードではなく、広告グループとリンク先の設計です。

キャンペーンと広告グループをどう分けるかの基準はGoogle広告のキャンペーン構成はどう分けるか|分ける基準と、分けすぎの弊害で整理しています。

使える条件と、使えない条件

自動入札に渡せる数があることを前提に、インテントマッチが機能する条件と、機能しない条件を整理します。

条件 機能する 機能しない
コンバージョン計測 フォーム送信と電話の両方が計測できている 計測していない、または電話が取れていない。自動入札が学ぶ材料が無い
月のコンバージョン数 30件以上。自動入札を評価できる 数件。広がった分の良し悪しが判定できない
1日の予算 広がった検索を受けても、主要な検索の表示が減らない 小さい。広がった検索に予算を食われ、本命の検索で表示されなくなる
商圏・資格 商圏内の検索であれば広く受けてよい 出せる検索が最初から限られる。医療や士業など表現の制約が強い場合も広げにくい
運用体制 検索語句レポートを週1回は見て除外を足せる 見る人がいない。広がった無駄が放置される
広告グループの設計 1つの意図でまとまり、専用ページに送っている 複数のサービスが混ざり、トップページに送っている

「機能しない」列に1つでも当てはまる場合、インテントマッチより先に直すものがあります。特にコンバージョン計測は、他の全ての前提です。計測が無い状態でインテントマッチを使うと、自動入札はクリックを最大化する方向にしか動けず、広がった検索を安いクリックで集めるだけになります。計測できていない疑いがあるときの確認順序はGA4のコンバージョンが計測されない時に確認すべき5つのポイントで扱っています。

BtoBでキーワードが少なく、月のコンバージョンが10件に届かない場合は、インテントマッチを無理に使う理由がありません。フレーズ一致で必要な検索を受け、検索語句レポートから見つかった語句を完全一致で足していくほうが、費用の行き先を把握できます。

広げる順序|完全一致から始めて、キーワード単位で切り替える

インテントマッチを使うと決めた場合も、最初から全部を切り替える必要はありません。順序を守れば、広がった分の効果を既存の分と分けて測れます。

手順

  • 完全一致とフレーズ一致で始め、コンバージョンをためる。目安は月30件。届かない場合は、この段階でLPと計測を直す
  • スマート自動入札に切り替え、コンバージョンサイクル1〜2回分を待つ。入札の切り替えとマッチタイプの切り替えを同時にやると、どちらの効果か分からなくなる
  • コンバージョンの多い上位のキーワードだけをインテントマッチに変える。キャンペーン単位の設定ではなく、キーワード単位で変える。キャンペーン単位は全てのキーワードが一括で変わる
  • 最初の2週間は検索語句レポートを毎日見る。無関係な語句が出たら、その語句ではなく、その語句が属する概念を除外する
  • 4週間後に、新しく出た検索語句のコンバージョン単価を既存の語句と分けて見る。検索語句レポートのマッチタイプ列で、どのキーワードから広がったかが分かる

計算の例

数字は仮のものです。完全一致とフレーズ一致で運用していたキャンペーンが、月に32万円を使ってコンバージョン40件、コンバージョン単価8,000円だったとします。上位のキーワードをインテントマッチに変えて4週間後、既存の語句からは38件、新しく出た語句からは12件のコンバージョンが取れ、費用は合計46万1,600円になりました。

費用 コンバージョン コンバージョン単価
切り替え前 320,000円 40件 8,000円
切り替え後(既存の語句) 311,600円 38件 8,200円
切り替え後(新しい語句) 150,000円 12件 12,500円
切り替え後(合計) 461,600円 50件 9,232円

合計のコンバージョン単価は9,232円で、切り替え前より上がっています。ここで見るべきは合計ではなく、増えた分の単価です。費用は14万1,600円増え、コンバージョンは10件増えました。増えた1件あたりの単価は14,160円です。この14,160円が、1件の問い合わせに払える上限の中に収まっていれば、インテントマッチは続ける価値があります。上限が10,000円なら、新しい語句のうち単価の高いものを除外して絞るか、戻します。

合計の単価だけを見ると「上がったから失敗」、コンバージョン数だけを見ると「増えたから成功」になります。どちらも判断を誤ります。1件に払える上限の決め方は広告のCPA目安はどう決めるか|業種別平均が使えない理由で扱っています。

除外キーワードは広がらない|インテントマッチに合わせて設計を変える

インテントマッチを使うと、除外キーワードの役割が変わります。通常のキーワードが意図で広がるのに対して、除外キーワードは広がりません。Googleのヘルプは、除外キーワードは類似パターンには一致しないと明記しています。「安い」を除外しても「格安」や「低価格」の検索は止まりません。

一方で、大文字と小文字、誤字脱字は自動的に考慮されるため、表記ゆれごとに除外を追加する必要はありません。2024年6月の仕様変更で、誤字の除外を個別に登録する手間は無くなりました。無くなったのは表記の手間であって、概念の手間ではありません。

除外のマッチタイプ 広告が表示されなくなる検索 インテントマッチと組み合わせるときの使い方
除外部分一致 キーワードの全ての語句が含まれる検索(語順は問わない) 概念そのものを止める。「無料」「求人」「自分で」など
除外フレーズ一致 同じ語順でキーワードが含まれる検索 特定の言い回しを止める。「やり方 動画」など
除外完全一致 キーワードだけで検索された場合 その語句だけを止める。関連語は生きる

インテントマッチで出てくる無関係な検索語句は、大きく3つに分かれます。顧客でない意図(求人、無料、自分でやる方法)、商圏外の地名、他社名です。除外は語句単位ではなく、この3つの分類ごとにリストを作り、キャンペーンをまたいで共有します。語句を1つずつ足していくと、同じ概念の別の言い方が翌週また出ます。

検索語句レポートの読み方と、除外を決める基準は検索語句レポートの見方と除外キーワードの決め方で扱っています。

同じキーワードを3種で重複登録する必要はない

「完全一致、フレーズ一致、インテントマッチの3つで同じキーワードを登録する」という運用を今も見かけます。かつては、完全一致に高い単価、部分一致に低い単価を付けて使い分ける意味がありました。スマート自動入札を使う現在、この重複は必要ありません。

Googleのヘルプは、インテントマッチのキーワードを1つ使えば、同じキーワードを繰り返し指定しなくても、複数のマッチタイプを使った場合と同じメリットが得られると説明しています。入札単価は自動入札が検索語句ごとに決めるため、マッチタイプで単価を分ける理由が無くなりました。

重複登録したときに、どのキーワードが使われるかも決まっています。Googleが公開している優先順位は次のとおりです。

  • 検索語句と同一のキーワードが優先される。マッチタイプを問わない。[外壁塗装 費用]と「外壁塗装 費用」が両方あり、検索語句も「外壁塗装 費用」なら、同一の完全一致が使われる
  • 同一のキーワードが無ければ、関連していると考えられるキーワードを全て取得し、関連性と広告ランクの組み合わせで選ぶ
  • 別のキャンペーンに同じ完全一致がある場合は、広告ランクが最も高いものがオークションに送られる

この優先順位から言えるのは、完全一致で残しておきたい主力のキーワードは、インテントマッチと同じ広告グループにあっても、同一の検索語句には完全一致が使われるということです。主力を完全一致で守りつつ、周辺をインテントマッチで広げる構成は、重複登録ではなく、主力を完全一致、周辺の少数をインテントマッチにする形で成立します。

ブランドの登録・除外で、広がり方を制御する

インテントマッチの広がりを、除外キーワードより強く制御できる機能が「ブランドのリスト」です。共有ライブラリにブランドを登録し、キャンペーンに「ブランドの登録」か「ブランドの除外」として適用します。

機能 何が起きるか 使えるキャンペーン 使いどころ
ブランドの登録 登録したブランドに関連する検索語句にだけ配信される。ブランド名を含まない検索には表示されない 検索キャンペーン 指名キャンペーンでインテントマッチを使い、表記ゆれや「社名 評判」などを広く受ける
ブランドの除外 登録したブランドに関連する検索語句には配信されない 検索キャンペーン、P-MAX 一般キャンペーンから自社名の検索を外す。他社名の検索を外す

指名キャンペーンでは、インテントマッチとブランドの登録を組み合わせると、自社名を含む多様な検索を1つのキーワードで受けられます。「社名」「社名 口コミ」「社名 営業時間」「社名の読み間違い」を個別に登録する必要がなく、しかもブランド名を含まない検索には広がりません。

一般キャンペーンでは、ブランドの除外で自社名を外します。これをしないと、インテントマッチの一般キーワードが自社名の検索にも表示され、指名のコンバージョンが一般の成績に混ざります。自社名に広告を出すべきかの判断と、指名と一般を分けて評価する理由は自社名の指名検索に広告を出すべきか|止めても自然検索で戻る分を測ってから決めるで扱っています。

注意点が2つあります。広告グループ単位のブランドの登録はキャンペーン単位より優先されること、そして、ブランドの登録の語句と一致する除外キーワードがあるとパフォーマンスが下がるとGoogleが案内していることです。ライブラリに無いブランドは追加をリクエストでき、審査結果は3〜6週間以内に通知されます。指名キャンペーンでインテントマッチを使うなら、審査の期間を見込んで先に申請します。

2026年9月以降、キャンペーン単位の設定はAI最大化設定に移る

Google広告には、キーワード単位ではなく「キャンペーン単位のインテントマッチ設定」があります。これをオンにすると、そのキャンペーンのフレーズ一致と完全一致のキーワードは全てインテントマッチに変換され、以後追加するキーワードもインテントマッチになります。コンバージョンベースのスマート自動入札を使っている場合にだけ使えます。

Googleのヘルプは、2026年9月より、キャンペーン単位のインテントマッチ設定を使っているキャンペーンがAI最大化設定に自動的にアップグレードされると告知しています。AI最大化設定は新しいキャンペーンの種類ではなく、既存の検索キャンペーンに追加する設定群で、検索語句のマッチング、テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張の3つを含みます。移行後は、このうち検索語句のマッチングが有効な状態になります。既存のキャンペーン構成とブランドリストは引き継がれると案内されています。

ここで判断が変わります。インテントマッチは「登録したキーワードに関連する検索」に広がる仕組みでしたが、AI最大化設定の検索語句のマッチングは、キーワードそのものを持たない「キーワードレス」の拡張を含みます。Googleのヘルプは、インテントマッチとキーワードレステクノロジーにより既存のキーワードを発展させると説明しており、検索語句レポートには「AI最大化設定」というマッチタイプと、一致のソースがインテントマッチの拡張かキーワードレスかを示す列が追加されています。

キャンペーン単位の設定を使っている場合は、9月の移行前に対象のキャンペーンを確認し、移行後の検索語句レポートでソース列を見て、キーワードレスの分の成績を分けて追います。キーワード単位でインテントマッチを使っているキャンペーンは、今回の自動移行の対象ではありません。キーワード単位で広げる運用は、広がりの範囲を自分で決められる点で、この移行後も残る選択肢です。AI最大化設定のどこまでを任せるかはGoogle広告のAI自動化機能はどこまで任せるか|使う機能と、人が残す判断で扱っています。

効果の判定|新しい語句の成績を既存と分けて見る

インテントマッチに切り替えた後の判定で、キャンペーン全体のコンバージョン単価を見るのは誤りです。見るのは、切り替えによって新しく出た検索語句の成績と、それにかかった費用です。

  • 検索語句レポートをマッチタイプ列で絞る。インテントマッチから出た語句だけを取り出し、期間を切り替え後の4週間にする
  • 新しい語句の費用とコンバージョンを合計し、増えた1件あたりの単価を出す。合計の単価ではなく、増分の単価を1件に払える上限と比べる
  • 既存の語句の成績が下がっていないかを確認する。予算が広がった検索に回り、主力の表示シェアが下がっていれば、予算不足の状態でインテントマッチを使っている
  • コンバージョンの中身を見る。件数が増えても、問い合わせの質が下がっていれば、広がった先が顧客でない層に届いている

最後の点は、広告の管理画面だけでは分かりません。増えた問い合わせが商談や来店につながっているかを、営業や店舗の側で確認します。インテントマッチは件数を増やしやすい反面、意図がずれた問い合わせも増やします。コンバージョンの数ではなく、その先の成約で判定するのが、広げた後の運用の基本です。

よくある失敗

手動入札のままインテントマッチにする

インテントマッチは、検索語句ごとに入札を変える自動入札と組み合わせて初めて機能します。手動入札で広げると、価値の低い検索にも同じ単価で入札し、無駄なクリックだけが増えます。Googleもヘルプでスマート自動入札との併用を不可欠としています。順序は、自動入札への切り替えが先です。

月のコンバージョンが数件のキャンペーンで、キャンペーン単位の設定をオンにする

キャンペーン単位の設定は、全てのキーワードが一括でインテントマッチになります。コンバージョンが少ないと、広がった分の良し悪しを判定できないまま費用だけが出ます。数が少ないうちは、キーワード単位で上位の数個だけを切り替えてください。

完全一致にすれば登録した語句だけに出ると思っている

完全一致も「同じ意味または意図の検索」に表示されます。表記ゆれや言い換えには完全一致でも広がります。登録した文字列だけに出るマッチタイプは、現在のGoogle広告にはありません。検索語句レポートは、完全一致だけの運用でも確認が必要です。

除外キーワードを語句単位で足し続ける

除外キーワードは類義語に広がりません。「安い」を除外しても「格安」は止まりません。無関係な語句が出たら、その語句ではなく、それが属する概念(顧客でない意図、商圏外、他社名)ごとにリストを作り、共有します。

一般キャンペーンから自社名を除外していない

インテントマッチの一般キーワードは自社名の検索にも表示されます。ブランドの除外か除外キーワードで自社名を外していないと、指名のコンバージョンが一般キャンペーンの成績に混ざり、実際より良く見えます。

切り替え後の判定を、キャンペーン全体の単価で行う

全体の単価は、既存の語句と新しい語句が混ざった数字です。新しい語句の単価と、増えた1件あたりの単価を分けて出さないと、続けるべきか戻すべきかを判断できません。

よくある質問

Googleの担当者からインテントマッチを勧められました。従うべきですか

勧め自体は、Googleが公開している推奨と一致しています。ただし推奨には前提があり、スマート自動入札を使っていること、その自動入札を評価できるだけのコンバージョンがあることです。前提を満たしているなら、キーワード単位で上位から切り替えて、4週間後に新しい語句の成績で判断してください。満たしていないなら、先に計測とコンバージョン数を整えるほうが、同じ費用で成果が出ます。

月30件のコンバージョンは、店舗の広告では届きません

30件は「正確に評価するための推奨」であり、下限ではありません。目標コンバージョン単価は履歴が無くても開始できます。届かない場合は、電話のコンバージョンを計測に含める、マイクロコンバージョン(予約ページの到達など)を補助として使う、複数の店舗や地域のキャンペーンを1つにまとめる、といった方法で自動入札に渡す数を増やせます。それでも数件に留まるなら、フレーズ一致中心の運用で費用の行き先を把握するほうが安全です。

フレーズ一致とインテントマッチ、どちらから始めるべきですか

コンバージョンをためる段階では、完全一致とフレーズ一致です。広がり方が読めるため、除外の設計が追いつきます。自動入札が機能し始めてから、コンバージョンの多いキーワードをインテントマッチに変えます。最初からインテントマッチで始めると、無関係なクリックの中からコンバージョンをためることになり、自動入札の学習も遅れます。

インテントマッチに変えたら、既存の完全一致のキーワードは消してよいですか

主力のキーワードは完全一致で残してかまいません。検索語句と同一のキーワードはマッチタイプを問わず優先されるため、主力の検索は完全一致が受け、周辺の検索をインテントマッチが受ける形になります。同じキーワードを3つのマッチタイプ全てで重複させる必要はありません。

Yahoo!広告でも同じ考え方でよいですか

名称はYahoo!広告もインテントマッチに揃えており、自動入札との組み合わせが前提である点も同じです。ただし、ブランドの登録・除外のような機能や、AI最大化設定への移行はGoogle広告の仕様です。Yahoo!側は、除外キーワードと広告グループの設計で制御することになります。

2026年9月の自動移行で、自分のキャンペーンは対象ですか

対象は「キャンペーン単位のインテントマッチ設定」をオンにしているキャンペーンです。キーワード単位でインテントマッチを使っているだけなら対象ではありません。管理画面のキャンペーン設定でこの設定の状態を確認し、対象なら移行後の検索語句レポートで、一致のソースがキーワードレスの分を分けて追ってください。

インテントマッチで、商圏外の検索に広がりませんか

地域ターゲティングが設定されていれば、配信される地域は変わりません。ただし、地名を含む検索語句(隣の市の名前など)には広がることがあります。商圏外の地名は、除外キーワードのリストとして最初から用意しておきます。

まとめ

インテントマッチを使うべきかは、「広がるから危ない」でも「Googleが推奨しているから使う」でもなく、自動入札に渡せるコンバージョンの数があるかで決めます。Googleはインテントマッチとスマート自動入札の併用を不可欠とし、自動入札の評価には月30件以上のコンバージョンを推奨しています。数が無ければ、完全一致とフレーズ一致で数をためるのが先です。

広がる先は、ユーザーの直前の検索、ランディングページの内容、同じ広告グループの他のキーワードで決まります。広がりを制御する第一の手段は、除外キーワードではなく、広告グループを1つの意図に絞り、専用のページに送ることです。

使うと決めたら、キャンペーン単位ではなくキーワード単位で、コンバージョンの多い上位から切り替えます。4週間後に、新しく出た検索語句の成績を既存と分け、増えた1件あたりの単価を、1件に払える上限と比べて判定します。

除外キーワードは類義語に広がらないため、語句単位ではなく概念ごとにリストを作ります。指名キャンペーンではブランドの登録、一般キャンペーンではブランドの除外で、自社名の扱いを分けます。同じキーワードを3つのマッチタイプで重複登録する必要はありません。

2026年9月から、キャンペーン単位のインテントマッチ設定はAI最大化設定へ自動で移行し、キーワードを持たない検索にも広がるようになります。対象のキャンペーンを確認し、移行後は検索語句レポートのソース列で、キーワードレスの分を分けて追ってください。

マッチタイプの設計を含めた検索広告の運用はWEBマーケティング・広告運用で承っています。会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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