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採用ブランディングは何から始めるか|求人を出す前に決めておくこと

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採用ブランディングという言葉は、雰囲気の良い採用サイトを作ることと同じ意味で使われがちです。しかし本質は誰に選ばれたいかを決め、それを求人票から面接まで一致させることにあります。サイトはその一部にすぎません。

実際に応募者が離れるのは、情報が足りないときと、接点によって言っていることが違うときです。求人票では「未経験歓迎」、面接では「即戦力がほしい」。この不一致は、どれだけ良いサイトを作っても埋まりません。

この記事では、着手の順序、決めるべき4項目、社内から集める材料、そして効果をどう測るかを整理します。

この記事でわかること

・採用ブランディングが対象とする範囲

・着手の順序(サイト制作は何番目か)

・決めるべき4項目

・社内から集める材料と、その集め方

・全接点で一致させる対象

・効果の測り方

対象は接点のすべて

採用ブランディングの対象は採用サイトだけではありません。応募者が触れるすべての接点が対象です。

接点 伝わること ずれると起きること
求人票 条件と仕事の内容 面接で話が違うと辞退につながる
採用サイト 働く環境、働く人 求人票との差が疑念を生む
自社の一般サイト 事業内容、規模、信頼性 採用情報だけ立派だと違和感が出る
SNS 日常の様子 更新が止まっていると不安になる
面接 実際の人と雰囲気 ここでの印象が最終判断になる
内定後の連絡 対応の丁寧さ 遅いと他社を選ばれる

3行目は見落とされがちです。採用サイトだけ立派で、会社の一般サイトが更新されていない状態は、かえって不自然に映ります。応募者は必ず両方を見ます。

対象は採用サイトではなく、応募者が触れる全接点。

接点ごとに言っていることが違うと、情報量を増やしても効果が出ない。

着手の順序

サイト制作は3番目です。先に決めるべきことがあります。

  1. 誰に来てほしいかを決める:経験、志向、生活のスタイル
  2. その人が自社を選ぶ理由を言語化する:条件で言えることを3つ
  3. 接点ごとの記載を一致させる:求人票、サイト、面接
  4. 不足している情報を作る:写真、社員の言葉、1日の流れ
  5. 運用を決める:誰が更新し、誰が面接するか

1番目を「若くて元気な人」で済ませると、以降がすべて曖昧になります。年齢や印象ではなく、働き方の条件で書いてください。「土日に休みたい人」「未経験から手に職をつけたい人」「転勤を避けたい人」。この粒度まで下ろすと、伝えるべき情報が決まります。

2番目も条件で言えることに置き換えてください。「風通しが良い」ではなく「1年目から担当を持つ」「有給の取得率が◯割」のように、比較可能な形にします。

決めるべき4項目

項目 決めること 記入欄
対象 どんな働き方を求めている人か (    )
選ばれる理由 他社ではなく自社である理由を条件で3つ (    )
言わないこと 誇張になる表現、実態と違う点 (    )
受け入れの体制 入社後3か月の流れ (    )

3行目は特に重要です。採用の場面では、実態より良く見せたくなる力が働きます。しかし入社後の落差は早期離職につながり、採用にかけた費用が無駄になります。書かないと決めることも設計の一部です。

4行目が埋まっていない状態で採用を進めると、入社後に放置が起きます。採用ブランディングは、入社後の体制が伴って初めて成立します。

社内から集める材料

採用サイトに載せる材料は、外から買うものではなく社内にあります。集め方には順序があります。

  • 直近で入社した人に聞く:何が決め手だったか、入社前の不安は何だったか
  • 長く在籍している人に聞く:辞めなかった理由
  • 辞めた人の理由を整理する:ミスマッチの傾向が分かる
  • 1日の流れを記録する:時間帯ごとの実際の業務
  • 写真を撮る:働いている場面、休憩、設備

1つ目が最も価値があります。入社を決めた理由は、そのまま次の応募者に効く訴求です。そして入社前の不安は、そのままサイトに書くべき項目になります。想像で書くより確実です。

3つ目は避けられがちですが、ミスマッチの傾向が分かります。同じ理由で辞めているなら、求人票の書き方で防げる可能性があります。

訴求は社内にある。直近の入社者に「決め手」と「不安」を聞く。

入社前の不安は、そのまま掲載すべき項目になる。

全接点で一致させる対象

対象 揃える内容
職種の呼び方 求人票、サイト、面接で同じ名称にする
仕事の範囲 どこまでを担当するか
求める経験 必須と歓迎を分けて、全接点で同じにする
給与の考え方 何で変わるか
働き方 シフト、休日、残業の実態
入社後の流れ 研修、配属、評価の時期

3行目のずれが最も辞退を生みます。求人票で「未経験歓迎」と書きながら、面接で経験を求めると、その場で信頼が失われます。必須と歓迎を分けて書き、面接でもその基準で判断してください。

掲載する情報の順序については採用サイトに入れるべきコンテンツ|応募につながる情報の順序を参照してください。

効果の測り方

指標 何が分かるか 見る時期
応募数 露出と訴求の合計 月次
応募から面接への進行率 求人票と実態の一致 月次
面接からの辞退率 面接での印象と、事前情報との差 四半期
入社後1年の定着率 採用時の説明と実態の一致 年次
社名での検索数 認知の広がり 月次

採用ブランディングの効果は応募数より、3行目と4行目に先に現れます。情報が一致していれば、辞退が減り、定着率が上がります。応募数だけを見ていると、成果が出ているのに気づけません。

応募数そのものが不足している場合は、ブランディング以前に露出の問題です。切り分けは応募が集まらない原因の切り分け方|求人広告・採用サイト・応募フォームのどこで止まっているかで扱っています。

よくある失敗

採用サイトの制作から始める

誰に来てほしいかが決まっていないと、載せる内容も決まりません。順序としては3番目です。

対象を「若くて元気な人」で済ませる

以降がすべて曖昧になります。働き方の条件で書いてください。

実態より良く見せる

入社後の落差が早期離職につながり、採用費が無駄になります。書かないと決めることも設計の一部です。

採用サイトだけ立派にする

会社の一般サイトが更新されていないと不自然に映ります。応募者は必ず両方を見ます。

応募数だけで効果を判断する

先に現れるのは辞退率と定着率です。応募数だけを見ていると成果に気づけません。

よくある質問

小さい会社でも取り組む意味はありますか

あります。規模で選ばれないぶん、誰と働くかと、何を任せてもらえるかで選ばれる余地があります。むしろ規模が小さいほど、この2つを明示する価値が高くなります。

費用はどのくらいかかりますか

決める作業自体には費用がかかりません。かかるのは写真の撮影とサイトの制作です。先に社内で4項目を決めてから見積を取ると、制作の範囲が絞れて費用も下がります。

求人媒体を使っていれば不要ですか

媒体は露出を作りますが、選ばれる理由は自社で用意する必要があります。媒体経由で応募が来ても、面接で辞退されるなら、そこは媒体では解決できません。

ブランディングと会社のブランディングは別ですか

接続しています。事業として何を大事にしているかが、働く環境にも現れます。ただし対象が違うため、伝える順序と材料は分けてください。考え方はブランディングとは?価格競争から抜け出す進め方と効果の測り方を参照してください。

どのくらいの期間で効果が出ますか

辞退率の改善は数か月で見えます。定着率は1年単位です。応募数への影響は露出の量に左右されるため、ブランディング単体では判断しにくくなります。

まとめ

採用ブランディングは、雰囲気の良い採用サイトを作ることではありません。誰に選ばれたいかを決め、それを求人票からサイト、面接、内定後の連絡まで一致させる作業です。応募者が離れるのは情報が足りないときと、接点によって言っていることが違うときです。

着手の順序として、サイト制作は3番目です。先に、どんな働き方を求めている人に来てほしいかを条件で決め、その人が自社を選ぶ理由を比較可能な形で言語化してください。「若くて元気な人」「風通しが良い」では、以降がすべて曖昧になります。

材料は社内にあります。直近で入社した人に決め手と入社前の不安を聞いてください。決め手はそのまま次の応募者への訴求になり、不安はそのまま掲載すべき項目になります。そして実態より良く見せないこと。入社後の落差は早期離職につながり、採用にかけた費用が無駄になります。

当社ではデザイン制作において、採用の接点設計からご相談を承っています。自社の材料を整理したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

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