検索広告に電話番号を表示すると、検索結果から直接発信できるようになります。来店や予約が電話で成立する業種では、フォームより距離が近い導線です。
ただし、設定しただけでは成果になりません。電話は、つながらなかった時点で失注になります。フォームなら後から返信できますが、電話は取れなければそれで終わりです。営業時間外に表示されている、担当が不在で取れない、という状態は、クリックの費用を払って失注を買っていることになります。
この記事では、表示される条件と営業時間の連動、電話が向く業種と向かない業種を整理し、通話を成果として数えるための設定と、外したほうがよい場面を扱います。
この記事でわかること
・電話番号アセットが表示される条件
・営業時間と連動させる設定の重要性
・電話が向く業種と、フォームのほうが向く業種
・通話を成果として数えるための設定
・電話が取れない体制での対処
・外したほうがよい条件
表示される条件を先に把握する
電話番号アセットは、設定すれば必ず表示されるわけではありません。他のアセットとの兼ね合いや、成果が見込まれるかどうかによって表示が決まります。
| 条件 | 内容 | 実務への影響 |
|---|---|---|
| 端末 | 発信できる端末で表示されやすい | スマートフォンからの流入が中心になる |
| 掲載位置 | 上位に掲載された場合に表示されやすい | 下位では表示されないことがある |
| スケジュール | 指定した時間帯にのみ表示できる | 営業時間外の表示を止められる |
| 他のアセットとの競合 | 同時に表示される数に限りがある | アセットを増やしすぎると出なくなる |
| 表示の判断 | 成果が見込まれる場合に表示される | 設定しても常に出るとは限らない |
3行目が最も重要です。スケジュールを設定せずに運用している場合、営業時間外にも電話番号が表示されます。クリックされても誰も出られないため、費用だけが発生します。設定した直後に必ず確認してください。
電話番号アセットを設定したら、次にやるのは営業時間の指定。
つながらない時間の表示は、費用を払って失注を買っている状態になる。
電話が向く業種と、フォームのほうが向く業種
| 条件 | 電話が向く | フォームが向く |
|---|---|---|
| 検討期間 | その場で決めたい(緊急、当日予約) | 比較検討する(高額、複数社見積) |
| 聞きたいこと | 空き状況、料金、対応可否 | 詳細な仕様、資料 |
| 時間帯 | 営業時間に集中する | 夜間や休日も発生する |
| 受け手の体制 | 取れる人が常にいる | 後から対応できる |
| 記録の必要性 | 低い | 高い。内容を残したい |
分かれ目は検討期間と受け手の体制です。緊急性が高く、その場で決めたい商材では電話が圧倒的に強くなります。逆に、比較検討される商材で電話に寄せると、話す準備ができていない見込み客を取りこぼします。
両方を並行して用意する場合は、時間帯で優先度を変えるのが現実的です。営業時間内は電話を目立たせ、時間外はフォームへ誘導します。
通話を成果として数える
電話をコンバージョンとして扱わないまま運用すると、電話で成果が出ている広告の評価が実態より低くなります。次の3つを区別してください。
| 計測の対象 | 何が分かるか | 限界 |
|---|---|---|
| 広告からの発信 | 広告経由で発信された件数 | つながったかどうかは別 |
| サイト上の電話番号のタップ | サイトを経由した発信の意思 | 実際に通話したかは分からない |
| 通話時間による判定 | 一定時間以上つながった件数 | 内容までは分からない |
3行目まで設定すると、間違い電話や短時間で切れたものを除外できます。ただし通話の内容や、その後成約したかどうかは広告側では分かりません。ここをつなぐには別の仕組みが必要です。
サイト上の電話番号タップの計測手順は電話問い合わせをコンバージョンとして計測する方法、媒体別に電話成果を把握する方法は電話の問い合わせを媒体別に把握する方法|コールトラッキング導入の判断基準で解説しています。
電話が取れない体制での対処
現場が忙しく電話を取れない業種は少なくありません。この場合、電話番号を出さないという選択も含めて検討します。
- 取れる時間帯だけ表示する:スケジュールで絞る
- 取り逃しを記録する:着信履歴と対応の有無を残す
- 折り返しの運用を決める:何分以内に、誰が
- 不在時の案内を用意する:留守番電話でフォームやLINEへ誘導する
- それでも取れないなら外す:フォームと予約に一本化する
2番目を実施すると、判断材料が出ます。取り逃しが3割を超えているなら、電話番号を出し続けるより、予約フォームへ寄せたほうが成果は上がります。費用を払って呼び込んだ電話に出られていない状態は、広告の問題ではなく体制の問題です。
取り逃しの件数を記録する。3割を超えるなら電話導線を見直す。
電話を出すかどうかは、広告の設定ではなく体制で決める。
外したほうがよい条件
- 営業時間内でも電話に出られないことが多い
- 問い合わせ内容が複雑で、電話では回答できない
- 予約が専用のシステムで完結している
- 受け手によって案内が変わり、品質が揃わない
- 折り返しの運用が決まっていない
4番目は見落とされます。受け手によって料金や納期の案内が変わると、後のトラブルにつながります。電話で答える内容が定まっていないうちは、フォームで受けて統一した回答を返すほうが安全です。
エリアを絞った配信そのものの設定はGoogle広告の地域ターゲティング設定方法|商圏に絞った集客のコツを参照してください。電話は商圏外からの問い合わせが増えると対応の負荷だけが上がります。
全体の中での位置づけ
この工程は広告運用の一部です。前後に決めるべきことがあり、順序を飛ばすと後から戻れなくなります。全体の流れは広告運用は何から決めるかを参照してください。
よくある失敗
営業時間を設定しない
時間外に表示され、出られない電話に費用を払うことになります。設定直後に必ず確認してください。
代表電話を設定する
取り次ぎが発生し、機会損失になります。可能であれば、問い合わせを受ける部署や店舗の番号を直接設定してください。
電話をコンバージョンに入れない
電話で成果が出ている広告の評価が低くなり、止めるべきでないものを止めてしまいます。
アセットを増やしすぎる
同時に表示される数には限りがあります。電話を優先したいなら、他のアセットを整理してください。
取り逃しを記録しない
体制の問題か広告の問題かを判断できません。着信と対応の有無を1か月記録するだけで、判断材料になります。
よくある質問
電話番号は転送番号を使うべきですか
媒体別に成果を把握したい場合は有効です。ただし転送番号は提供元の所有物で、変更や再割り当てがあるため、看板やチラシなどの印刷物には使えません。Web上の表示に限定して使ってください。
フリーダイヤルと市内番号のどちらがよいですか
商圏が限定されている店舗なら市内番号のほうが所在地が伝わります。広域を対象にする事業ではフリーダイヤルの安心感が効く場合があります。業種と商圏で判断してください。
通話の内容を録音してもよいですか
録音自体を行う事業者はありますが、事前の告知など運用上の配慮が必要です。導入する場合は、告知の方法と保存期間を決めてから始めてください。
電話とフォームのどちらを目立たせるべきですか
時間帯で分けるのが現実的です。営業時間内は電話、時間外はフォーム。サイト側の表示も同様に切り替えられるなら、そのほうが取りこぼしが減ります。
検索広告以外でも電話番号を出せますか
配信面によって使えるアセットの種類が異なります。使っているキャンペーンの種類ごとに、管理画面で選択できるかを確認してください。基本的な入稿の流れは店舗集客のためのGoogle検索広告の始め方にまとめています。
まとめ
電話番号アセットは、その場で決めたい商材において最も距離の近い導線です。ただし電話は、つながらなかった時点で失注になります。フォームのように後から対応できないため、営業時間の指定を必ず設定してください。設定しないまま運用すると、出られない時間帯にも表示され、費用だけが発生します。
電話に寄せるかフォームに寄せるかは、検討期間と受け手の体制で決まります。緊急性が高くその場で決めたい商材では電話が強く、比較検討される商材では電話に寄せると取りこぼします。両方用意する場合は、時間帯で優先度を変えるのが現実的です。
そして、通話を成果として計測しないまま運用すると、電話で成果が出ている広告の評価が実態より低くなります。通話時間による判定まで設定すれば、間違い電話や短時間で切れたものを除外できます。あわせて取り逃しの件数を1か月記録してください。3割を超えているなら、それは広告ではなく体制の問題です。
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