デジタルマーケティング

KNOWLEDGE

GA4のセグメント分析の始め方|全体平均では見えない差を取り出す

  • #デジタルマーケティング

SHARE

GA4のレポートに出る平均の直帰率や平均のセッション時間は、成果につながる層とそうでない層を混ぜた数字です。指名検索で来た人と、広告で来た人と、たまたま記事を読みに来た人。この3者の行動はまったく違いますが、全体平均では1つの数字になります。

したがって、平均値を追いかけても改善点は出てきません。分けて初めて差が見えます。そして差が見えれば、どこに手を入れるかが決まります。

この記事では、最初に作るべき3つのセグメント、比較の順序、そして分けても意味がない場面を、実務の手順として整理します。

この記事でわかること

・全体平均で改善点が見えない理由

・最初に作るべき3つのセグメント

・比較の順序と、見る指標

・分けても意味がない場面

・セグメントから打ち手に変える手順

・業種によって見るべき行動の違い

最初に作る3つのセグメント

セグメントは無数に作れますが、増やすほど見なくなります。まず次の3つだけを作ってください。

セグメント 分ける基準 分かること
流入経路 検索、広告、地図、SNS、直接 経路ごとの質の差
新規と再訪 初回訪問か、2回目以降か 検討期間の長さと、再訪の価値
成果に至った人 問い合わせ・予約を完了したか 成果につながる行動の特徴

3行目が最も価値があります。成果に至った人だけを抽出し、その人たちがどのページを見ていたかを確認してください。全体では見られていないページが、成果に至った人には必ず見られている、というケースは頻繁にあります。そのページは導線の中で重要な役割を果たしています。

1行目については、流入経路が正しく判別できていることが前提です。パラメータの設計はUTMパラメータの設計と命名規則|流入元を正しく計測する方法を参照してください。ここが崩れていると、セグメントの分類自体が信用できません。

まず「成果に至った人」を抽出し、見ていたページを確認する。

全体では目立たないページが、成果の導線になっていることが多い。

比較の順序

順番を決めておくと、迷わず進められます。上から順に見てください。

  1. 経路ごとの成果率を比べる:どの経路が成果につながっているか
  2. 成果率の高い経路と低い経路で、見ているページを比べる:何が違うか
  3. 成果に至った人が必ず見ているページを特定する:導線上の要所を見つける
  4. そのページへの到達率を経路別に見る:届いていない経路がないか
  5. 届いていない経路の入口を直す:リンクの位置、遷移先の変更

この順序の要点は、ページ単体の数値を見ないことです。直帰率が高いページを見つけて直す、という進め方は効率が悪くなります。直帰率が高くても、それが目的の情報を提供しきったページなら問題ありません。

5番目まで来ると、具体的な打ち手になります。「成果に至った人が必ず見ているページに、広告経由の人が到達していない」と分かれば、遷移先を変えるか、そのページへのリンクを目立たせるという判断ができます。

分けても意味がない場面

状況 理由 先にやること
セッション数が少ない 分けると各セグメントが数件になり、差が偶然 母数を増やす。または期間を広げる
成果イベントを計測していない 成果に至った人を抽出できない 計測の設定を先に済ませる
流入経路が判別できていない 分類そのものが誤る パラメータを整える
サイトのページ数が少ない 行動の差が出にくい 経路別の成果率だけ見る
直近で大きくサイトを変更した 前後の比較ができない 変更後のデータがたまるのを待つ

1行目は最も多い落とし穴です。月に数十セッションしかない状態でセグメントを分けると、1〜2件の違いが大きな差に見えます。この段階では、分けるより流入を増やすことが先です。

2行目については、コンバージョンが計測されていない状態では分析そのものが成立しません。設定はGA4のコンバージョンが計測されない時に確認すべき5つのポイントで確認してください。

業種によって見るべき行動が違う

業種の特徴 見るべき行動 理由
来店型(飲食、サロン) アクセス・地図ページの閲覧、電話タップ 来店の直前行動が明確
高額・比較検討型(住宅、車) 再訪の回数、事例ページの閲覧数 1回では決まらない
採用 募集要項の滞在時間、応募フォームの到達率 条件を読み込む行動が出る
EC 商品ページからカートへの遷移率 段階が明確に分かれる
BtoB 会社概要・実績ページの閲覧 発注前の与信確認が行動に出る

2行目と5行目に共通するのは、再訪が成果の予兆になることです。検討期間が長い商材では、1回目の訪問で成果を判断すると評価を誤ります。新規と再訪を分けたセグメントが効いてくるのはこの場面です。

最初に見るべき画面そのものの選び方はGA4レポートの見方|最初に見るべき3画面にまとめています。セグメント分析はその次の段階です。

検討期間が長い商材では、1回目の訪問だけで評価しない。

再訪の回数と、再訪時に見ているページが成果の予兆になる。

ページ内の行動まで見たい場合

セグメントで「このページで落ちている」と分かった後、ページのどこで落ちているかはGA4だけでは分かりません。次の手段と組み合わせます。

  • スクロールの到達率:どこまで読まれているか
  • クリックされている箇所:どのリンクやボタンが押されているか
  • フォームの離脱項目:どの入力欄で止まっているか

3つ目は成果に直結します。フォームの項目ごとの離脱が分かれば、削るべき項目が決まります。ページ内の挙動を見る方法はヒートマップ分析のやり方|何を見て、どこを直すのかで扱っています。

計測全体の設定

個別の計測は、全体の実装が動いていることが前提になります。設定の全体像は店舗ビジネスのためのGA4×GTM計測設定ガイドを参照してください。

よくある失敗

セグメントを増やしすぎる

10個作っても見るのは2〜3個です。最初の3つで運用し、必要になってから足してください。

母数が少ないまま分ける

1〜2件の違いが大きな差に見えます。各セグメントが判断できる件数に達しているかを先に確認してください。

平均値の改善を目標にする

平均は複数の層を混ぜた数字です。全体の直帰率を下げること自体は目的になりません。

ページ単体の数値から直し始める

成果への貢献度が分からないまま手を入れることになります。成果に至った人の経路から逆算してください。

分析して終わりにする

見つけた差を打ち手に変えるところまでが1セットです。誰が、いつまでに、どのページを直すかを決めてください。

よくある質問

どのくらいの期間のデータで見るべきですか

期間ではなく件数で判断してください。各セグメントに十分な件数がたまる期間を取ります。月次で足りない場合は3か月分をまとめて見てください。

探索レポートと標準レポートのどちらを使いますか

セグメントで分けた比較は探索の機能を使うことになります。標準のレポートは日々の確認、探索は原因を掘るとき、という使い分けが現実的です。

広告の管理画面の数字と合いません

計測の仕組みと成果の帰属の考え方が違うため、一致しません。片方を基準に決めて、もう片方は参考値として扱ってください。合わせようとすると時間だけが消えます。

セグメントを保存しておくべきですか

繰り返し使うものは保存してください。ただし定義をメモに残さないと、数か月後に何を条件にしたか分からなくなります。名称に条件が分かる言葉を入れてください。

店舗ビジネスでもGA4を使う意味はありますか

あります。来店の前にサイトで何を確認しているかが分かるためです。アクセス情報、営業時間、料金のどれを見てから電話しているかが分かれば、その情報の見せ方を優先できます。

まとめ

GA4の全体平均は、成果につながる層とそうでない層を混ぜた数字です。指名検索で来た人と広告で来た人では行動がまったく違うため、平均を追いかけても改善点は出てきません。分けて初めて差が見え、差が見えれば手を入れる場所が決まります。

最初に作るべきセグメントは3つです。流入経路、新規と再訪、そして成果に至った人。特に3つ目が価値を持ちます。成果に至った人だけを抽出して見ていたページを確認すると、全体では目立たないページが導線の要所になっていることが分かります。

ただし、セッション数が少ない状態で分けると、1〜2件の違いが大きな差に見えます。この段階では分けるより流入を増やすことが先です。また、成果イベントが計測されていない、流入経路が判別できていない状態では分析そのものが成立しません。順序を守ってください。

当社ではホームページ制作において、計測設計と改善の進め方をご相談いただけます。自社の分析環境を整理したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

SHARE