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グラフィックデザインを外注する流れ|初めての依頼で決めておくこと

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初めてデザインを外注すると、想定より修正が増える、費用が膨らむ、公開が遅れるといった問題が起きます。原因の多くは進行の仕方ではなく、依頼前に決めておくべきことが決まっていないことにあります。

デザインは目的が決まらないと良し悪しを判断できません。誰に何を伝えるかが定まっていないと、提出されたものを好みでしか評価できず、修正が繰り返されます。

この記事では、依頼前に決めること、見積もりで確認する項目、工程ごとの作業、修正が増える原因、そして納品時の確認を整理します。

この記事でわかること

・手戻りの原因は、進行ではなく前提の不足

・依頼前に決めておくべき6項目

・見積もりでは範囲と回数を確認する

・各工程で発注側にも作業がある

・修正が増える典型的な原因

・納品時に受け取るものを確認する

依頼前に決めておくこと

問い合わせる前に、次を整理してください。ここが曖昧だと、見積もりも精度が出ません。

項目 決めていない場合 決め方
目的 良し悪しを判断できない 何を達成したいかを1文で書く
対象 訴求が定まらない 誰に届けるかを具体化する
使用媒体 後から追加費用になる 使う場面を一覧にする
納期 調整が難しくなる 使用開始日から逆算する
予算 提案の粒度が合わない 上限を伝える
社内の決裁者 確認が往復する 誰が決めるかを決める

最も重要なのは目的です。「かっこよくしてほしい」では判断基準になりません。何を達成したいかが決まれば、提出物をその基準で評価できます。

目的が決まらないと、好みでしか評価できない。

使用媒体を一覧にしないと、後から追加費用になる。

見積もりでは範囲と回数を確認する

金額だけを見ると、同じ金額でも含まれる内容が違います。

  1. 提案される案の数
  2. 修正できる回数と、その範囲
  3. 納品されるデータの形式
  4. 使用できる範囲(媒体、期間、地域)
  5. 写真やイラストの素材費が含まれるか
  6. 印刷の手配が含まれるか

修正回数の上限は必ず確認してください。回数を超えると追加費用になります。また「修正」の定義も確認が必要です。方向性を変える依頼は、修正ではなく作り直しと扱われることがあります。

見積もりの読み方はWeb制作の見積書の読み方|同じ金額が別の買い物になる理由を参照してください。

修正回数の上限と、修正の定義を確認する。

方向性の変更は、作り直しと扱われることがある。

各工程で発注側にも作業がある

依頼したら任せきりにできるわけではありません。発注側の作業が遅れると、全体が遅れます。

工程 制作側 発注側
要件の整理 質問と提案 目的と対象の説明
素材の準備 必要な素材の指定 写真、文章、資料の提供
初回提案 案の作成 基準に沿った評価
修正 反映 指摘の集約と決定
最終確認 調整 表記と事実の確認
納品 データの引き渡し 受領と保管

特に素材の提供と、指摘の集約が遅れがちです。社内で複数名が確認する場合、誰がいつまでに意見を出すかを決めておいてください。

素材の提供と指摘の集約が、遅れの主因になる。

社内の確認期限と決裁者を先に決めておく。

修正が増える典型的な原因

修正が想定より増える場合、原因はいくつかに絞られます。

原因 起きること 対策
目的が共有されていない 好みでの指摘が続く 評価の基準を先に決める
決裁者が後から登場する 方向性が覆る 初回から参加してもらう
複数名の意見が矛盾する どちらに従うか不明 集約する担当を決める
手段だけを指示する 意図が伝わらない 目的を書く
実データで確認していない 後から破綻が見つかる 実際の文言で確認する

最も影響が大きいのは、決裁者が後から登場することです。方向性が覆ると、それまでの工程が無駄になります。初回の提案から参加してもらってください。

決裁者が後から登場すると、方向性が覆る。

初回の提案から参加してもらう。

指摘は目的とセットで伝える

修正の依頼は、手段ではなく目的を書いてください。

伝え方 結果
手段のみ 文字を大きくしてほしい 他の要素との差が崩れる
目的つき 遠くから読めるようにしたい 配置や書体も含めて提案される
感想のみ なんとなく違う 何を直すか分からない
比較で示す この案のこの部分を、あの案の形に 意図が伝わりやすい

専門的な判断を活かすには、目的を伝える必要があります。手段だけを指示すると、その通りに直した結果、全体のバランスが崩れることがあります。

手段だけを指示すると、全体のバランスが崩れる。

目的を伝えると、代替の提案が得られる。

納品時に受け取るものを確認する

納品の段階で、後から必要になるものを揃えてください。

  • 編集可能なデータ(形式を確認する)
  • 印刷用と画面用、それぞれのデータ
  • 使用している書体の名称
  • 使用している色の値
  • 写真やイラストの利用条件
  • 使用してよい範囲の取り決め

編集可能なデータを受け取れないと、次に修正する際に作り直しになります。受け取れるかどうかは契約によって異なるため、依頼の段階で確認してください。

権利の扱いはデザイン制作会社の選び方|見積り比較で確認すべきポイントを参照してください。

編集可能なデータを受け取れないと、次回は作り直しになる。

書体と色の情報、素材の利用条件も揃える。

継続的に依頼する場合

制作物が定期的に発生する場合、都度の依頼とは別の形が合うことがあります。

形態 向く状況 注意
都度の依頼 年に数件 毎回の説明が必要
継続契約 月に複数件 稼働量の下限を確認する
定額での契約 量が読める 使い切れないと割高になる
社内で対応 定型的な制作が多い 基準と確認体制が必要

都度の依頼を繰り返すと、毎回説明する手間が発生します。件数が増えてきたら、形態の変更を検討してください。判断はデザイン業務を定額で外注するメリットとは?損益分岐点と契約前の確認項目を参照してください。

都度の依頼は、毎回説明する手間が発生する。

件数が増えたら、契約形態の変更を検討する。

工程全体の中で見る

この工程の前後には、情報の分類と構造の設計があります。全体の流れは情報設計(IA)とは?わかりやすいサイト構成の作り方を参照してください。

よくある失敗

目的を決めずに依頼する

提出物を好みでしか評価できず、修正が繰り返されます。

決裁者が最終段階で登場する

方向性が覆り、それまでの工程が無駄になります。初回から参加してもらってください。

使用媒体を伝えない

後から必要な形式が出て、追加費用になります。使う場面を一覧にしてください。

修正回数と定義を確認しない

回数を超えると追加費用です。方向性の変更は作り直し扱いになることがあります。

編集可能なデータを受け取らない

次に修正する際、作り直しになります。依頼の段階で確認してください。

よくある質問

複数社に相見積もりを取るべきですか

条件を揃えて依頼すれば、比較の意味があります。ただし目的や使用媒体を伝えずに金額だけを比べると、範囲が違うものを並べることになります。同じ条件を伝えてください。

参考にしたいデザインを見せてもよいですか

有効です。ただし何が良いと感じたかを言葉で添えてください。色なのか、構成なのか、雰囲気なのかで、参考にする箇所が変わります。

修正はどのくらいの回数が一般的ですか

契約によって異なります。回数より、何が修正に含まれるかの定義が重要です。細かい調整と方向性の変更では、扱いが変わります。

素材の写真は自社で用意すべきですか

あるほうが実態に合ったものになります。ただし質が伴わない場合、逆効果になることもあります。撮影を依頼する選択肢も含めて相談してください。準備の考え方はWeb用写真のディレクション|撮影前に決めるべきことと当日の進め方を参照してください。

印刷まで依頼すべきですか

手配の手間が減る一方、費用に管理料が含まれることがあります。自社で印刷会社に発注する場合、データの形式や仕様の指定を正しく行う必要があります。手間と費用を比較して判断してください。

まとめ

初めてデザインを外注したときに修正が増える、費用が膨らむ、公開が遅れるといった問題が起きる原因は、進行の仕方ではなく依頼前に決めておくべきことが決まっていないことにあります。特に目的が定まっていないと、提出されたものを好みでしか評価できず、修正が繰り返されます。

依頼前に決めるべきは、目的、対象、使用媒体、納期、予算、そして社内の決裁者です。このうち影響が最も大きいのは決裁者で、最終段階で登場して方向性が覆ると、それまでの工程が無駄になります。初回の提案から参加してもらってください。また複数名が確認する場合は、意見を集約する担当と期限を決めておく必要があります。

見積もりでは金額だけでなく、提案される案の数、修正できる回数とその範囲、納品されるデータの形式を確認してください。特に修正の定義は重要で、方向性を変える依頼は修正ではなく作り直しと扱われることがあります。そして納品時には、編集可能なデータ、書体と色の情報、素材の利用条件を揃えてください。編集可能なデータを受け取れないと、次に修正する際に作り直しになります。

当社ではデザイン制作において、初めての依頼でも進めやすい形でご相談を承っています。要件の整理から進めたい場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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