WEB制作

KNOWLEDGE

企業サイトに必要な表記の整理|プライバシーポリシーと、特商法表記が要る条件

  • #WEB制作

SHARE

企業サイトに置く表記として、プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記、利用規約などがあります。これらは「一式そろえるもの」ではなく、必要になる条件がそれぞれ違います。

特に混同されやすいのが、特定商取引法に基づく表記です。通信販売を行っていないBtoBの企業サイトでは、この表記が必要とは限りません。一方、問い合わせフォームを設置して個人情報を取得しているなら、その扱いを示す必要が出てきます。

この記事では、どの表記がどの条件で必要になるかの判定、フォームや解析ツールを入れたときに生じる対応、そして確認先を整理します。法令の適用は個別の事情で変わるため、最終的な判断は専門家と所管の官庁の資料で確認してください。

この記事でわかること

・表記の種類と、必要になる条件の違い

・特定商取引法に基づく表記が必要になる場合

・プライバシーポリシーが必要になる場合

・解析ツールや広告タグを入れたときの対応

・書いておくと問い合わせが減る項目

・確認先と、更新のタイミング

表記の種類と、必要になる条件

表記 主に関わる法令など 必要になる条件
プライバシーポリシー 個人情報の保護に関する法律 個人情報を取得・利用する場合
特定商取引法に基づく表記 特定商取引法 通信販売などに該当する取引を行う場合
利用規約 契約一般 会員機能やサービスを提供する場合
外部送信に関する公表など 電気通信事業法の外部送信規律 利用者の情報を外部へ送信する場合
著作権・免責の表記 著作権法など 任意。掲載物の扱いを示す場合

1行目と2行目の違いが要点です。プライバシーポリシーは個人情報を扱うかどうかで決まり、特定商取引法に基づく表記は取引の形態で決まります。問い合わせフォームがあるだけの企業サイトでは、前者は関係し、後者は該当しないことがあります。

プライバシーポリシーは「個人情報を扱うか」で決まる。

特商法表記は「どんな取引をしているか」で決まる。同じ基準ではない。

特定商取引法に基づく表記が必要になる場合

特定商取引法は、通信販売をはじめとする特定の取引形態を対象とした法律です。サイト上で商品やサービスを販売し、申込みを受ける場合が典型です。

自社の状況 該当しうるか 備考
サイト上で商品を販売している 該当しうる ECサイト、オンラインショップ
サイトから有料サービスを申し込める 該当しうる オンラインで契約が完結する場合
問い合わせを受けて個別に見積・契約する 該当しない場合がある 販売の形態による
会社案内のみで販売機能がない 該当しない場合が多い 取引そのものがない
セミナーの申込みと決済がある 該当しうる 有料の場合

3行目と4行目に該当する企業サイトは多くあります。この場合、特定商取引法に基づく表記を無理に置く必要はありません。ただし、後述する事業者情報の記載は別の理由で有効です。

該当する場合に記載が求められる項目には、事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、販売価格、送料、支払方法と時期、引渡しの時期、返品・キャンセルの扱いなどがあります。項目と書き方は消費者庁の資料で確認してください。

プライバシーポリシーが必要になる場合

問い合わせフォーム、資料請求、採用応募、メール配信の登録。いずれも個人情報を取得しています。この場合、取得した情報をどう扱うかを示す必要が出てきます。

  • 取得する情報:氏名、連絡先、会社名など
  • 利用の目的:問い合わせへの回答、資料の送付など
  • 第三者への提供:あるかどうか、ある場合の範囲
  • 委託の有無:外部のサービスを使っている場合
  • 問い合わせ先:本人からの求めに対応する窓口
  • 安全管理:どう管理しているか

4行目が見落とされます。フォームの送信内容が外部のサービスに保存される、メールの配信を外部サービスで行う、といった構成は委託にあたる場合があります。使っているサービスを一覧にして、記載が必要かを確認してください。

記載すべき項目と表現は事業の内容で変わります。ひな形をそのまま使うのではなく、自社が実際に取得している情報と用途に合わせてください。実態と違う記載は、書いていないことより問題になります。

解析ツールや広告タグを入れたときの対応

アクセス解析や広告の計測タグを設置すると、利用者の情報が外部へ送信されます。2023年6月16日に施行された電気通信事業法の外部送信規律により、一定の場合に通知や公表などが求められます。

  1. 設置しているタグを一覧にする:解析、広告、チャット、フォームなど
  2. それぞれが何を送信しているかを確認する:提供元の資料を見る
  3. 対象になるかを確認する:適用の範囲は事業の内容で変わる
  4. 必要な対応を行う:公表や通知の方法を決める
  5. タグを追加したときに見直す:一度で終わらせない

対象範囲と求められる内容は総務省の資料で確認してください。事業の性質によって扱いが変わるため、記事の記述で判断しないでください。

5番目が実務では最も抜けます。新しい広告媒体を追加したり、チャットツールを入れたりするたびに、送信される情報は増えます。タグを追加する作業の手順に、この確認を組み込んでください。計測環境の変化そのものはCookie規制で広告の計測はどう変わったか|必要な対応と、不要になった対応で扱っています。

タグを追加するたびに、送信される情報は増える。

確認を一度で終わらせず、タグ追加の手順に組み込む。

書いておくと問い合わせが減る項目

法令上の要否とは別に、書いてあると問い合わせの前の不安が減る項目があります。BtoBでは特に効きます。

項目 何が伝わるか 置く場所
事業者の正式名称と所在地 誰が運営しているか 会社概要、フッター
電話番号 連絡が取れる相手か 会社概要、問い合わせページ
問い合わせ後の流れ いつ返事が来るか 問い合わせフォームの近く
対応できる範囲 自社の依頼が対象か サービスページ
営業時間 いつ返事が来るか 問い合わせページ

3行目は問い合わせ率に直結します。「1営業日以内にご連絡します」の一文があるだけで、送信の心理的な負担が下がります。

1行目については、広告を出す場合に別の意味も持ちます。運営者が不明確な状態は、媒体のポリシー上の問題につながることがあります。詳細はGoogle広告の「不実表示」で即時停止される条件|身元と提携関係の書き方を参照してください。掲載すべき情報の全体像は会社案内サイトで信頼感を作る方法|見た目より先に埋めるべき情報にまとめています。

確認先と、更新のタイミング

対象 確認先 見直す時期
特定商取引法 消費者庁の公表資料 販売の形態を変えたとき
個人情報の取扱い 個人情報保護委員会の資料 取得する情報や用途を変えたとき
外部送信規律 総務省の公表資料 タグやツールを追加したとき
表示に関する規制 消費者庁の資料 サイトの訴求を変えたとき
個別の判断 弁護士など専門家 新しい取引形態を始めるとき

いずれも制度の運用が更新される領域です。解説記事の内容ではなく、所管の官庁が公表している資料で確認してください。

更新のタイミングとして最も多いのは2行目です。採用ページを追加した、資料請求を始めた、メール配信を開始した。いずれも取得する情報と用途が変わります。サイトに機能を追加したら、記載の見直しが必要かを確認してください。

よくある失敗

ひな形をそのまま掲載する

実態と違う記載は、書いていないことより問題になります。自社が実際に取得している情報と用途に合わせてください。

特商法表記を必要ないのに置く

該当しない取引の記載は、かえって内容が実態と合わなくなります。まず自社が該当するかを確認してください。

タグを追加しても記載を見直さない

送信される情報は増えています。タグ追加の手順に確認を組み込んでください。

フッターの隅にだけ置く

フォームの近くにも導線を置いてください。送信する直前に確認したい情報です。

一度作って放置する

機能を追加するたびに、取得する情報と用途が変わります。定期的な確認が必要です。

よくある質問

問い合わせフォームだけの企業サイトでも必要ですか

個人情報を取得している以上、その扱いを示す必要が出てきます。一方、通信販売を行っていないなら特定商取引法に基づく表記は該当しない場合があります。両者は必要になる条件が違います。

採用ページを作った場合はどうなりますか

応募者の情報を取得するため、利用目的の記載に採用に関する用途を含める必要が出てきます。既存の記載が問い合わせ対応だけを想定している場合、見直しが必要です。

外部のフォームサービスを使っている場合は

送信内容がそのサービスに保存されるため、委託の記載が必要になる場合があります。使っているサービスを一覧にして確認してください。

制作会社に任せてよいですか

ページの作成は依頼できますが、記載する内容は自社の実態に基づくものです。取得する情報、利用目的、使っているサービスの一覧は自社しか把握していません。個別の判断が必要な場合は専門家に確認してください。

記載を置く場所はどこがよいですか

フッターからの導線に加えて、フォームの送信ボタンの近くにも置いてください。送信する直前に確認したい情報であり、探しに行く手間があると離脱の原因になります。フォームの設計は入力フォームの離脱率を改善するデザインの工夫を参照してください。

まとめ

企業サイトに置く表記は、一式そろえるものではありません。必要になる条件がそれぞれ違います。プライバシーポリシーは個人情報を取得・利用するかどうかで決まり、特定商取引法に基づく表記は取引の形態で決まります。問い合わせフォームがあるだけのBtoBサイトでは、前者は関係し、後者は該当しないことがあります。

解析や広告のタグを設置している場合は、外部送信規律への対応も確認してください。2023年6月16日に施行された規律により、一定の場合に通知や公表などが求められます。実務で最も抜けるのは、タグを追加したときの見直しです。新しい広告媒体やチャットツールを入れるたびに送信される情報は増えるため、タグ追加の手順に確認を組み込んでください。

そしてひな形をそのまま掲載しないでください。実態と違う記載は、書いていないことより問題になります。自社が実際に取得している情報、その用途、使っている外部サービスの一覧は自社しか把握していません。制度の運用は更新される領域であり、最終的な判断は所管の官庁が公表している資料と、必要に応じて専門家に確認してください。

当社ではホームページ制作において、掲載内容の整理を含めた制作をご相談いただけます。自社サイトの状況を確認したい場合は、資料をダウンロードのうえご活用ください。

SHARE