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商圏分析から始める広告の出稿エリア設計|来店実績から配信範囲を決める

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店舗の広告でエリアを設定するとき、店舗を中心とした半径何キロという指定をしがちです。しかし実際の商圏が円になることはほとんどありません。川、線路、幹線道路、坂といった地形と、交通手段によって商圏は歪みます。

円で設定すると、実際には来ない地域に費用をかけ、実際には来ている地域を外すという状態が同時に起きます。これは配信範囲を広げても狭めても解決しません。実績に基づいて形を決める必要があります。

この記事では、来店実績から商圏を割り出す方法、商圏が歪む要因、競合の位置を踏まえた配信設計、そして効果測定の考え方を整理します。

この記事でわかること

・商圏は円にならない

・来店実績から実際の分布を割り出す

・地形と交通が商圏を歪ませる

・競合の位置によって取りに行く方向が変わる

・配信範囲は入札の調整と組み合わせる

・効果はエリア別の獲得単価で測る

商圏は円にならない

半径での指定が実態と合わない理由は、移動が直線距離ではなく経路で決まるためです。

要因 商圏への影響 設定への反映
川、線路 越える方向の商圏が縮む その方向を狭める
幹線道路 沿った方向の商圏が伸びる その方向を広げる
駅の位置 駅を挟むと流動が変わる 駅単位で判断する
坂、地形 徒歩圏が非対称になる 実績で確認する
競合の位置 その方向の商圏が縮む 重ならない方向を優先

同じ距離でも、方向によって来店の見込みはまったく違います。この差を無視した配信は、費用の一定割合を確実に無駄にします。

移動は直線距離ではなく経路で決まる。

同じ距離でも方向によって来店見込みが違う。

来店実績から実際の分布を割り出す

推測ではなく、すでに来ている顧客のデータから商圏を出してください。多くの店舗が、この情報をすでに持っています。

  1. 顧客名簿、予約記録、会員情報から住所の情報を集める
  2. 郵便番号または町丁目の単位で件数を集計する
  3. 件数の多い順に並べ、上位で全体の何割を占めるかを確認する
  4. 累計で7割から8割に達する範囲を、主要な商圏とみなす
  5. 残りの範囲は、獲得単価が上がる周辺商圏として扱う

この作業をすると、想定と実態がずれていることが多く分かります。特に、遠方から来ている顧客が一定数いる場合、その理由を確認する価値があります。特定の勤務先や施設の近くである、乗り換えの経路上にあるといった要因が見つかることがあります。

実績が少ない新規出店の場合は、近隣の類似店舗や、既存店の実績を参考にしてください。

顧客の住所データから、実際の分布を集計する。

累計7割から8割の範囲を主要商圏とみなす。

競合の位置によって取りに行く方向が変わる

商圏内に競合がある場合、その方向は獲得コストが上がります。同じ予算なら、競合が少ない方向を厚くするほうが効率的です。

状況 配信の考え方
競合が近接している方向 入札を下げるか、除外する
競合がいない方向 厚く配信する
競合と自店の中間 差別化できる訴求で配信する
競合の裏側(自店が遠い) 基本的に除外する

競合の裏側にあたる地域は、その競合を通り越して自店に来る必要があるため、獲得は困難です。この範囲を配信対象に含めていると、費用が無駄になります。

競合の裏側は、通り越してもらう必要があるため獲得が難しい。

同じ予算なら、競合の少ない方向を厚くする。

配信範囲は入札の調整と組み合わせる

エリアは含めるか外すかの二択ではありません。入札の調整と組み合わせると、細かく制御できます。

エリアの区分 設定 理由
主要商圏 配信し、入札を上げる 来店率が高い
周辺商圏 配信し、標準の入札 一定の来店がある
境界の外側 配信し、入札を下げる 取りこぼしを防ぐ
競合の裏側、遠方 除外 獲得が見込めない

境界を鋭く切ると、わずかに外れた見込み客を取りこぼします。入札を下げた状態で配信を残すと、獲得できる範囲では拾えます。設定の詳細はGoogle広告の地域ターゲティング設定方法|商圏に絞った集客のコツを参照してください。

含める・外すの二択にせず、入札の強弱で制御する。

境界を鋭く切ると、わずかに外れた層を取りこぼす。

業種によって商圏の広さが変わる

同じ地域でも、業種によって人が移動する距離は違います。

特性 商圏の傾向
頻度が高く単価が低い 狭い 日常的に利用する店舗
頻度が低く単価が高い 広い 専門性の高いサービス
緊急性が高い 狭い すぐに必要になるもの
指名性が高い 広い 特定の担当者や技術
予約前提 やや広い 計画して来店するもの

単価が高く来店頻度が低い業種ほど、遠方からの来店が成立します。逆に日常的に利用する業種で商圏を広げても、来店にはつながりません。業種特性の整理は自社の業種に合う集客チャネルの決め方|業種名ではなく4つの軸で選ぶを参照してください。

単価が高く頻度が低いほど、商圏は広くなる。

日常利用の業種で範囲を広げても来店しない。

効果はエリア別の獲得単価で測る

全体の獲得単価だけを見ると、どのエリアが足を引っ張っているか分かりません。

見る指標 分かること 対応
エリア別の獲得数 実際に取れている範囲 配分の見直し
エリア別の獲得単価 効率の差 入札の調整
エリア別の来店率 獲得後の質 遠方の扱いを判断
表示回数の分布 配信の偏り 設定の確認

獲得はできても来店に至らないエリアがあります。問い合わせや予約の後に離脱している場合、距離が理由であることが多くなります。獲得単価だけでなく、来店までの率も確認してください。

電話での問い合わせが多い業種では、出所の計測が必要です。方法は電話の問い合わせを媒体別に把握する方法|コールトラッキング導入の判断基準を参照してください。エリアごとの費用対効果の判断は広告のCPA目安はどう決めるか|業種別平均が使えない理由も参考になります。

エリア別に分けないと、非効率な範囲が見えない。

獲得できても来店しないエリアがある。

全体の中での位置づけ

この工程は広告運用の一部です。前後に決めるべきことがあり、順序を飛ばすと後から戻れなくなります。全体の流れは広告運用は何から決めるかを参照してください。

よくある失敗

半径での指定をそのまま使う

商圏は円になりません。地形と交通で歪むため、実績に基づいて形を決めてください。

顧客の住所データを使わない

多くの店舗がすでに持っている情報です。推測より確実な根拠になります。

競合の裏側まで配信する

競合を通り越して来店してもらう必要があり、獲得は困難です。費用が無駄になります。

境界を鋭く切る

わずかに外れた見込み客を取りこぼします。入札を下げて配信を残してください。

エリア別に数字を見ない

全体の平均では、非効率な範囲が隠れます。エリアごとに獲得単価を確認してください。

よくある質問

顧客の住所データがない場合はどうすべきですか

問い合わせ時や予約時に、郵便番号だけでも取得する運用を始めてください。全住所である必要はありません。町丁目の単位が分かれば商圏の把握には十分です。並行して、既存の配信データからエリア別の獲得実績を確認してください。

新規出店の場合はどう設定すべきですか

実績がないため、まず広めに配信して実際の獲得分布を取ってください。1か月から2か月のデータが溜まった段階で、実績に基づいて絞り込みます。最初から狭く設定すると、想定外の商圏を見逃します。

市区町村単位の指定で十分ですか

市区町村が大きい場合は不十分です。同じ市内でも、川や線路を挟むと来店率が大きく変わります。可能な限り細かい単位で指定し、実績に応じて調整してください。

競合の位置はどう調べますか

地図上で同業の店舗を確認するのが基本です。加えて、検索結果の地図表示に自店より上位で出る店舗を確認すると、実際に競合している相手が分かります。

商圏は定期的に見直すべきですか

見直してください。競合の出店や撤退、道路や施設の変化で商圏は動きます。少なくとも年に一度、来店実績の分布を再集計することを推奨します。

まとめ

広告の配信エリアを半径で指定すると、実態と合わない設定になります。移動は直線距離ではなく経路で決まるため、川や線路、幹線道路、坂といった要因で商圏は歪みます。円で設定すると、実際には来ない地域に費用をかけながら、実際には来ている地域を外すという状態が同時に起きます。

根拠にすべきは推測ではなく、すでに来ている顧客のデータです。多くの店舗が顧客名簿や予約記録という形でこの情報を持っています。郵便番号や町丁目の単位で件数を集計し、累計で7割から8割に達する範囲を主要商圏とみなしてください。この作業をすると、想定と実態がずれていることが多く分かります。

設定は含めるか外すかの二択にせず、入札の強弱と組み合わせてください。主要商圏は入札を上げ、境界の外側は入札を下げて配信を残すと、わずかに外れた見込み客を取りこぼしません。一方、競合の裏側にあたる地域は、その競合を通り越して来店してもらう必要があるため、基本的に除外の対象です。そして効果はエリア別の獲得単価で測ってください。全体の平均では、非効率な範囲が隠れます。

当社では広告代行において、来店実績に基づく配信範囲の設計をご相談いただけます。現状の設定を見直したい場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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