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デザインツールの違いは発注側に影響するか|確認すべきは機能ではなく引き継ぎ

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制作会社によって使用するデザインツールは異なります。発注する立場でこの違いが影響するのは、成果ではなく引き継ぎと確認の方法です。

どのツールを使っても、作れるものに大きな差はありません。差が出るのは、確認をどう行うか、データを引き継げるか、複数人で作業できるかといった運用面です。

この記事では、発注側に影響する観点、契約時に確認すべき項目、ツールを指定すべき場合、そして指定しないほうがよい場合を整理します。ツールの仕様や提供条件は変更されるため、詳細は公式の情報を確認してください。

この記事でわかること

・成果への影響は小さく、運用への影響が大きい

・確認すべきは確認方法と引き継ぎ

・ツールを指定すべき場合は限られる

・指定すると選べる制作会社が減る

・契約時に確認する項目

・移行を前提にしない設計にする

成果への影響は小さい

ツールの違いが公開後の成果に与える影響は限定的です。

観点 ツールによる差 実際に影響するもの
デザインの質 小さい 担当者の力量と要件の明確さ
表示速度 なし 実装の方法と画像の扱い
成約率 なし 情報設計と導線
確認のしやすさ 大きい 共有と指摘の方法
引き継ぎやすさ 大きい データの形式と説明

制作会社を選ぶ基準として、使用ツールの優先度は低くなります。実績、対応範囲、進め方のほうが影響します。

選定の観点はデザイン制作会社の選び方|見積り比較で確認すべきポイントを参照してください。

成果に影響するのは、ツールではなく担当者と要件の明確さ。

ツールが影響するのは、確認と引き継ぎの運用面。

確認方法への影響

発注側が実感するのは、デザインをどう見せてもらうかの違いです。

方式 発注側の負担 指摘のしやすさ
ブラウザで開いて確認 小さい 該当箇所に直接書ける
画像として送付 小さい 位置を文章で伝える必要がある
専用ソフトが必要 大きい 導入の手間がかかる
印刷して確認 中程度 実際の見え方が分からない

ブラウザで開けて、該当箇所にコメントできる方式が最も負担が小さくなります。ツールの名称より、この形式で確認できるかを聞いてください。

確認の進め方はFigmaを発注側が使えるようになる意味|確認と指示のために覚える範囲を参照してください。

ツール名より、確認の形式を聞く。

該当箇所にコメントできる方式が、最も負担が小さい。

ツールを指定すべき場合は限られる

発注側からツールを指定する合理性があるのは、次の場合です。

  • 社内に既存のデータがあり、それを引き継ぐ必要がある
  • 社内で編集する予定があり、担当者が特定のツールしか使えない
  • 複数の制作会社に依頼し、データを共有する必要がある
  • 既に社内で契約しており、追加費用が発生しない

これらに該当しないなら、指定する必要はありません。制作会社が慣れたツールを使うほうが、作業の効率も品質も安定します。

既存データの引き継ぎや社内編集の予定がある場合のみ指定する。

該当しないなら、慣れたツールを使ってもらうほうがよい。

指定すると選べる制作会社が減る

ツールを条件にすると、候補が狭まります。

指定した場合 起きること
対応できる会社が限られる 選択肢が減る
慣れていない会社が受注する 作業効率が落ちる
追加の費用が発生する 契約の負担が増える
対応可能でも品質が落ちる 使い慣れていないため

ツールを条件にして候補を減らすより、実績と進め方で選ぶほうが結果につながります。指定する場合は、その理由が費用と選択肢の減少に見合うかを確認してください。

ツールを条件にすると、候補が狭まる。

指定する理由が、選択肢の減少に見合うかを確認する。

契約時に確認する項目

ツール名より重要なのは、次の項目です。

  1. 制作したデータの所有者は誰か
  2. 契約終了時にデータを受け取れるか
  3. 受け取る形式は何か
  4. 他のツールで開けるデータも提供されるか
  5. 使用している外部の素材の利用条件はどうなるか
  6. 説明や規定は文書として残るか

データを受け取れても、開けなければ意味がありません。次の制作会社が扱える形式で提供されるかを確認してください。特に画像や書体の素材は、利用条件が引き継げないことがあります。

データを受け取れても、開けなければ意味がない。

外部素材の利用条件が引き継げるかも確認する。

移行を前提にしない設計にする

ツール間の完全な移行は難しいため、移行しなくても困らない状態を作ってください。

残すもの 形式 理由
使用している色の値 文書 どのツールでも再現できる
書体の名称と太さ 文書 同上
余白の基準値 文書 同上
部品の使い分けの基準 文書 意図が引き継げる
画面の完成イメージ 画像 ツールに依存しない

設計の意図が文書として残っていれば、ツールが変わっても再現できます。編集可能なデータが引き継げなくても、作り直す判断ができます。

文書化の範囲はブランドガイドラインの作り方|どこまで決めれば運用が回るかを参照してください。

設計の意図が文書として残っていれば、ツールが変わっても再現できる。

移行できることより、移行しなくても困らない状態を目指す。

社内で編集する場合の判断

社内での編集を予定している場合、別の観点が必要になります。

確認項目 理由
担当者が使えるか 習得の時間が必要になる
費用が継続的に発生するか 利用形態によって変わる
編集する範囲はどこか 全部か、一部か
誤って壊した場合に戻せるか 履歴の機能があるか
担当者が変わった場合はどうするか 属人化を避ける

社内で編集する範囲は、必要最小限に絞ってください。範囲が広いほど、習得の負担と事故の可能性が増えます。実務では、更新頻度の高い一部だけを社内で扱う形が現実的です。

サイトの更新体制は更新しやすい企業サイトの作り方|CMS選定と運用設計のポイント、内製化の判断はAIがあればデザインの外注は不要になるのか|依頼する側が判断すべきことを参照してください。

社内で編集する範囲は、必要最小限に絞る。

範囲が広いほど、習得の負担と事故の可能性が増える。

工程全体の中で見る

この工程の前後には、情報の分類と構造の設計があります。全体の流れは情報設計(IA)とは?わかりやすいサイト構成の作り方を参照してください。

よくある失敗

ツール名で制作会社を選ぶ

成果への影響は小さくなります。実績と進め方で選んでください。

理由なくツールを指定する

候補が減り、慣れていない会社が受注すると効率が落ちます。

データの所有者を確認しない

契約終了時に引き継げないことがあります。契約時に明確にしてください。

受け取る形式を確認しない

データを受け取れても、次の会社が開けなければ意味がありません。

設計の意図を文書に残さない

ツールが変わると再現できなくなります。色や余白の基準値は文書で残してください。

よくある質問

制作会社にツールを聞く必要はありますか

ツール名そのものより、確認をどのように行うか、データをどう受け取れるかを聞いてください。この2点が分かれば、名称は重要ではありません。

複数の会社に分けて依頼する場合はどうすべきですか

データを共有する必要があるなら、揃えたほうが効率的です。ただし各社が別々の範囲を担当し、成果物として画像や実装を受け取るだけなら、揃える必要はありません。

古いツールで作られた既存データはどうすべきですか

そのまま引き継ぐか、作り直すかの判断になります。移行に工数がかかる場合、次のリニューアルで作り直すほうが結果的に安くなることがあります。設計の意図が文書で残っていれば、作り直しの負担は小さくなります。

社内で編集できるようにすべきですか

更新頻度によります。頻繁に更新する箇所があるなら価値がありますが、年に数回であれば依頼するほうが総額は下がります。習得と維持の負担も考慮してください。

ツールの費用は誰が負担しますか

通常は制作会社ですが、社内で編集する場合は自社の負担になります。利用形態と条件は変更されることがあるため、契約前に確認してください。

まとめ

制作会社が使用するデザインツールの違いは、発注する立場では成果にほとんど影響しません。デザインの質は担当者の力量と要件の明確さで決まり、表示速度や成約率は実装と情報設計で決まります。ツールが影響するのは、確認をどう行うか、データを引き継げるかという運用面です。

したがって制作会社に聞くべきはツール名ではなく、確認をどのように行うか、そしてデータをどう受け取れるかの2点です。ブラウザで開けて該当箇所にコメントできる方式であれば、発注側の負担は小さくなります。またデータを受け取れても次の会社が開けなければ意味がないため、形式まで確認してください。

発注側からツールを指定する合理性があるのは、既存データの引き継ぎや社内編集の予定がある場合に限られます。指定すると対応できる会社が減り、慣れていない会社が受注すれば効率も品質も落ちます。より重要なのは、色や余白の基準値、部品の使い分けといった設計の意図を文書として残しておくことです。これがあれば、ツールが変わっても再現できます。移行できることより、移行しなくても困らない状態を目指してください。

当社ではデザイン制作において、引き継ぎを前提とした進め方をご提案しています。既存データの扱いはお問い合わせよりご相談ください。

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