Instagramのリールを始めたものの、再生数が伸びない。伸びた回と伸びなかった回の違いが分からない。店舗や中小企業の運用では、こうした相談がよくあります。
リールの成否は、内容の良し悪しより先に、最初の3秒と、おすすめに載る条件で決まります。リールはフォロワー以外に届けるための形式で、届くかどうかはInstagramがおすすめに載せるかどうかにかかっているからです。条件を外していれば、内容を磨いても届きません。
この記事では、店舗や中小企業がリールを使う前提で、フィード投稿との役割分担、尺の決め方、冒頭3秒の作り方、おすすめに載らなくなる条件、試験的なリールでの比べ方、数字ごとに直す場所を整理します。
この記事でわかること
・リールの役割はフォロワー以外に届けること。来店前に確かめてもらう役割はフィード投稿とプロフィールに持たせる
・おすすめに載るのは3分以内のリール。再投稿・透かし入りの動画は載りにくい
・作るときは最初の3秒に結論か変化を置く。説明やあいさつから始めない
・冒頭の良し悪しは試験的なリール(トライアルリール)で、フォロワー以外に先に見せて比べられる
・直すときは再生数ではなく、最初の3秒で離れた割合、平均の視聴時間、リーチあたりの送信、フォロワー以外の割合を見て、直す場所を1つに絞る

リールの役割は、フォロワー以外に届けること
結論として、リールはフォロワー以外に届けるための形式として使い、来店や問い合わせの前に確かめてもらう役割はフィード投稿とプロフィールに持たせます。
リールは、リールタブや発見タブで、フォロワー以外にもおすすめとして表示されます。Instagramの責任者のアダム・モセリ氏は、2025年1月に、表示の順位を決める信号として「視聴時間」「いいね」「送信」の3つを挙げ、フォロワー以外への表示では送信がやや重く見られると説明しています。届け先がフォロワー以外であれば、評価されるのは、知らない人が最後まで見て、誰かに送りたくなるかどうかです。
| リール | フィード投稿(写真・カルーセル) | |
|---|---|---|
| 主な届け先 | フォロワー以外 | フォロワーと、プロフィールを見に来た人 |
| 役割 | 店や会社を知らない人に見つけてもらう | メニュー・価格・事例・雰囲気を確かめてもらう |
| 評価する数字 | 最初の3秒で離れた割合、視聴時間、送信、フォロワー以外の割合 | 保存、プロフィールからの行動 |
| 作る負担 | 撮影と編集が要る | 写真と文で作れる |
リールで知った人は、次にプロフィールを開き、並んでいる投稿を見て、行くか問い合わせるかを決めます。リールだけを増やしても、プロフィールに確かめる材料が無ければ、来店や問い合わせにはつながりません。両方を同じ比重で作る必要はありませんが、プロフィールに並ぶ投稿は先に整えておきます。
SNSを始める前の媒体の選び方は店舗のSNS運用は何から始めるか|媒体の選び方と、続けない判断で、投稿の型の決め方は店舗SNSの投稿ネタが尽きたときの考え方|企画を毎回考えない仕組みにするで扱っています。
リールが向く会社、向かない会社
リールが向くのは、見た目の変化や作業の様子を動画で見せられ、来てもらえる範囲に十分な人がいる会社です。反対に、撮れるものが少ない、または商圏が狭く届けたい人が少ない会社では、リールに時間をかけるより、プロフィールとフィード投稿を整えるほうが先です。
| 向く会社 | 後回しでよい会社 | |
|---|---|---|
| 見せられるもの | 調理、施術、施工、製造など、動きや変化がある | 店内が撮れない、取引先の情報で撮れるものが少ない |
| 届けたい人 | 商圏内に多くの人がいる、または通販や遠方からの来店がある | 商圏が狭く、すでに地域の人の多くに知られている |
| 運用の人手 | 撮影を業務の中に組み込める | 撮影と編集を担う人がいない |
| 他の手段 | 検索や地図からの来店がすでにある | Googleビジネスプロフィールが未整備 |
地域の店舗では、来店前の確認は検索や地図で行われることが多く、Googleビジネスプロフィールが整っていないまま、リールに時間をかけるのは順序が逆です。整え方はMEO対策とは?Googleビジネスプロフィールで来店数を増やす具体的手順で扱っています。
おすすめに載らなくなる条件を、作る前に外す
作り込む前に確かめるのは、おすすめに載らない条件に当たっていないかです。条件に当たっていると、フォロワー以外にはほとんど届かず、内容の良し悪しを判断する材料も得られません。
| 条件 | 公式の説明 | 避け方 |
|---|---|---|
| 尺 | おすすめに表示されるには3分以内にする必要がある | 3分以内に収める。長い説明は分ける |
| 再投稿 | すでにInstagramに投稿されているリールの再投稿はおすすめされにくい | 他人のリールをそのまま上げない。自社の過去分の再投稿も避ける |
| 透かし | 透かしが入っているとわかるコンテンツはおすすめされにくい | 他のアプリのロゴが入った書き出しを使わない |
| 他の人の作品の転載 | 他の人のコンテンツを集めて再共有するアカウントはおすすめされにくい | まとめ・転載型の運用をしない |
| おすすめのガイドライン | 違反するとフォロワー以外には表示されない | 設定の「アカウントステータス」で確かめる |
リールの上限は、2025年1月に90秒から3分に延びました。延びたからといって長く作る必要はありません。長いほど、最後まで見てもらうのが難しくなり、平均の視聴時間の割合も下がりやすくなります。
見落とされやすいのが透かしです。TikTokなど他のアプリで作った動画を、ロゴが入ったまま書き出してリールに上げると、おすすめに載りにくくなります。他の媒体にも出すときは、編集した元の動画ファイルを残し、媒体ごとにロゴの無いファイルから上げます。
音源は、ビジネスで使ってよい範囲を確かめる
Metaの音楽ガイドラインは、適切なライセンスを得ている場合を除き、営利目的での音楽の使用や、私的な利用を超えた使用を禁じています。企業や店舗の宣伝のためのリールは、私的な利用には当たりません。
ビジネス用のアカウントでは、アプリ内で選べる楽曲が、商用で使える音源の範囲に限られることがあります。流行している曲が使えないからといって、他のアプリで曲を付けて書き出すと、規約に反するおそれがあり、透かしの問題も重なります。アプリで選べる商用向けの音源か、自社で用意した音、話し声と環境音で作るのが確実です。
尺の決め方|長さではなく、最後まで見てもらえるかで決める
尺は、伝えることを1つに絞ったうえで、最後まで見てもらえる長さにします。始めたばかりのうちは、15〜30秒程度で1つのことだけを伝える形から始めると、撮影も編集も短く済み、数字の比較もしやすくなります。これは長さの正解ではなく、作る負担と比べやすさから選ぶ目安です。
| 伝えること | 尺の考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 変化を見せる | 変化の前後と途中だけ。短くてよい | 施術の前後、施工の前後、料理の仕上げ |
| 手順を見せる | 手順の数で決まる。3つを超えたら分ける | 商品の使い方、手入れの方法 |
| 質問に答える | 質問、答え、理由の順。答えを先に | よく聞かれる質問への回答 |
| 人を見せる | 一言で人柄が伝わる長さ | スタッフの紹介、作り手の話 |
長くなるのは、伝えることが2つ以上入っているときです。尺を縮めようとして早送りにするより、伝えることを分けて2本にします。2本に分ければ、どちらの主題が反応を得たかも比べられます。
最初の3秒の作り方
最初の3秒には、結論か変化を置きます。おすすめで流れてきたリールは、知らない人が指を止めるかどうかを数秒で決めます。あいさつ、店名、ロゴから始めると、そこで離れていきます。
| 冒頭の型 | 最初の3秒に置くもの | 向く主題 |
|---|---|---|
| 完成から見せる | 仕上がった状態を先に見せ、その後に工程を見せる | 料理、施術、施工、製造 |
| 答えから言う | 質問への答えを一言で言い、理由は後に回す | よく聞かれる質問 |
| 前後を並べる | 変化の前と後を最初に並べる | 掃除、修理、美容 |
| 数字や条件から言う | 時間、価格、回数など、具体的な条件を先に示す | メニュー、料金、手順 |
冒頭には、画面の上に短い文字を重ねます。音を出さずに見る人がいるため、話している内容を文字でも示しておくと、音が無くても何の動画か伝わります。文字は画面の端に寄せすぎず、Instagramのボタンや説明文に隠れない位置に置きます。
縦長の動画の構成の考え方は、広告の場合も同じです。広告に使う縦型の素材の作り方は縦型クリエイティブの作り方|動画がなくても成果を出す構成で扱っています。
最後の数秒で、次に見てほしい場所を示す
最後の数秒では、プロフィールや他の投稿など、次に見てほしい場所を示します。リールで興味を持った人が、プロフィールを開いて確かめるまでが、来店や問い合わせにつながる流れです。「詳しくはプロフィールから」と一言添えるだけでも、次の動きは示せます。
説明文の最初の一文と、プロフィールには、検索される語を入れておきます。ハッシュタグの上限は5個に減っており、付け方はInstagramのハッシュタグはどう付けるか|上限は5個になり、付けても届く範囲は広がらない。5枠は検索される語に使うで扱っています。
試験的なリールで、冒頭だけを比べる
冒頭の良し悪しは、試験的なリール(トライアルリール)で比べられます。試験的なリールは、2024年12月10日に提供が始まった機能で、条件を満たすプロアカウントに段階的に提供されています。投稿すると、最初はフォロワー以外にだけ表示され、フォロワーのフィードやプロフィールには並びません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰に表示されるか | 最初はフォロワー以外にだけ表示される |
| 結果が見られる時期 | 投稿から約24時間後に、再生数・いいね・コメント・シェアを確認できる |
| フォロワーへの公開 | 手動で公開するか、最初の72時間の再生数で良好と判断されたら自動で公開する設定を選べる |
| 使う場面 | 同じ本編で、冒頭だけを変えた2本を比べる |
比べるときは、変えるのを冒頭の1か所だけにします。冒頭も本編も音源も変えると、どこが効いたのか分かりません。本編は同じにして、「完成から見せる」と「答えから言う」の2本を出し、最初の3秒で離れた割合を比べます。
フォロワーの少ないアカウントほど、試験的なリールは役に立ちます。フォロワーの反応だけでは数が少なく、比べる材料になりにくいからです。使える条件は変わることがあるため、リールの作成画面に試験的なリールの切り替えが表示されるかで確かめます。
数字ごとに、直す場所を1つに絞る
リールを直すときは、再生数ではなく、どこで離れたかを示す数字を見て、直す場所を1つに絞ります。再生数は、おすすめに載ったかどうかで大きく動くため、内容のどこが悪かったかは教えてくれません。
| 見る数字 | 低い・悪いときに考えること | 直す場所 |
|---|---|---|
| 最初の3秒で離れた割合(スキップ率) | 冒頭で何の動画か伝わっていない | 冒頭。結論か変化を最初に見せる |
| 平均の視聴時間(尺に対する割合) | 途中で説明が長い、同じ絵が続く | 中盤。削って尺を短くする |
| リーチあたりの送信 | 誰かに知らせたい情報になっていない | 主題。具体的な条件や答えを入れる |
| フォロワー以外の割合 | おすすめに載っていない | 尺・再投稿・透かし・音源。アカウントステータス |
| プロフィールへのアクセス | 見て終わりになっている | 最後の数秒と説明文。次に見てほしい場所を示す |
リールのインサイトには、視聴の維持を示すグラフや、最初の3秒で離れた人の割合が表示されます。グラフが急に下がる場所が、直す場所です。表示される項目は時期によって変わるため、数字の名前ではなく、何を示す数字かで読み替えます。
インサイトの数字の読み方と、リーチあたりの比率の出し方はInstagramインサイトの見方|数字を眺めず、リーチあたりの保存・送信と、プロフィールからの行動の2段で次の投稿を決めるで詳しく扱っています。
来店や問い合わせまでは、インサイトの外で確かめる
リールの数字が良くなっても、来店や問い合わせが増えたかは、インサイトだけでは分かりません。プロフィールに置くリンクに計測用のパラメータを付ける、来店時や問い合わせ時に何で知ったかを聞く、の2つで確かめます。パラメータの付け方はUTMパラメータの設計と命名規則|流入元を正しく計測する方法で扱っています。
伸びたリールは、広告に回す
フォロワー以外によく届き、送信も多かったリールは、広告の素材としても使えます。知らない人が指を止め、最後まで見たという実績があるため、新しく広告用の動画を作るより外れにくくなります。
反対に、伸びなかったリールを広告で押し出しても、成果は出にくくなります。広告は届ける人数を増やせますが、冒頭で離れる動画を直すことはできません。Instagram広告の費用と始め方はInstagram広告の費用相場と店舗集客での始め方で扱っています。
お客さまが撮った動画をリールや広告に使う場合は、本人の許諾が必要です。謝礼や割引と引き換えに投稿してもらった動画は、広告であることを示す必要があります。線引きはUGCを集客に活用する方法|二次利用の許諾と、依頼が「広告」になる線引きで扱っています。
よくある失敗
再生数が少ないと、内容を丸ごと変える
再生数は、おすすめに載ったかどうかで大きく動きます。内容を丸ごと変えると、何が原因だったかが分からなくなります。最初の3秒で離れた割合と、フォロワー以外の割合を先に見て、直す場所を1つに絞ります。
あいさつや店名から始める
「こんにちは、〇〇店です」から始めるリールは、知らない人にとっては見る理由がありません。店名は最後か、説明文とプロフィールで示します。
TikTokの動画を、ロゴ付きのまま上げる
他のアプリのロゴが入った動画は、おすすめに載りにくくなります。媒体ごとに、ロゴの無い元のファイルから上げます。
流行の曲を、別のアプリで付けて上げる
宣伝のためのリールで、ライセンスの無い曲を使うと、Metaの音楽ガイドラインに反するおそれがあります。アプリで選べる商用向けの音源か、自社で用意した音を使います。
リールだけを作り、プロフィールを整えない
リールで興味を持った人は、プロフィールを見て、行くか問い合わせるかを決めます。プロフィールにメニュー、価格、事例、場所が並んでいなければ、そこで離れます。
よくある質問
リールは週に何本出せばよいですか
本数より、同じ条件で比べられる本数を続けることを優先します。週に1本でも、冒頭の型を変えながら続ければ、どの型が効くかが分かります。本数を増やして撮影や編集が雑になるなら、本数を減らします。
顔を出さないと伸びませんか
顔を出さなくても作れます。手元、工程、仕上がり、店内の様子など、見せられるものは多くあります。顔を出すかどうかより、最初の3秒に何を置くかのほうが、離れる割合に影響します。
過去に伸びたリールを、もう一度投稿してもよいですか
Instagramは、すでに投稿されているリールの再投稿はおすすめされにくいと説明しています。同じ素材を使う場合は、冒頭や構成を変えて、新しいリールとして作り直します。
リールの尺は、何秒が正解ですか
決まった正解はありません。おすすめに載るのは3分以内で、それより短ければ長さの決まりはありません。伝えることを1つに絞り、平均の視聴時間の割合が下がりすぎない長さにします。
運用を外部に任せてもよいですか
撮影と編集は任せられますが、店や会社の中で起きていることを撮れるのは自社です。素材の撮影を自社で行い、編集と数字の確認を任せる分け方が現実的です。費用と分け方はSNS運用代行の費用は何で決まるか|月額の相場より先に、自社に残す作業と契約終了時に残るものを決めるで扱っています。
まとめ
Instagramのリールは、フォロワー以外に届けるための形式です。届くかどうかは、おすすめに載るかどうかで決まるため、作り込む前に、3分以内の尺、再投稿や透かしの無い動画、商用で使える音源という条件を満たしているかを確かめます。
作るときは、最初の3秒に結論か変化を置き、伝えることを1つに絞り、最後に次に見てほしい場所を示します。冒頭の良し悪しは試験的なリールで比べ、直すときは再生数ではなく、最初の3秒で離れた割合、平均の視聴時間、リーチあたりの送信、フォロワー以外の割合から、直す場所を1つに絞ります。
Web集客全体の中でのSNSの位置づけはWeb集客の全体像|施策の選び方と着手する順序で扱っています。リールの企画・撮影の設計を含むSNSの運用はSNS運用・コンテンツマーケティングで承っています。会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。