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企業サイトのサーバーはどう選ぶか|性能の比較より先に、契約の名義と、更新・バックアップを誰が持つかを決める

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企業サイトのサーバーを調べると、料金、容量、表示速度、WordPressの簡単インストールといった比較が並びます。ただ、中小企業の企業サイトで、サーバーの性能が原因でサイトが止まることはまれです。止まる原因の多くは、契約の更新切れ、ソフトの更新の放置、戻せないバックアップという、管理の問題です。

制作会社の契約の中にサーバーがあって移せない、担当者の個人カードで払っていて更新が止まった、改ざんされたのにバックアップから戻せなかった。こうした相談は、性能ではなく、契約した時点の決め方でほぼ防げます。

この記事では、サーバーで決まること、種類ごとの違いと向く会社、メールをサーバーから分けるかの判断、SSLとバックアップの確認項目、契約の名義と権限、乗り換えを考えるべき状況を整理します。料金は事業者とプランで大きく変わるため、金額ではなく比べ方を示します。

この記事でわかること

・サーバーはサイトのファイルとデータベースを置く場所。ドメインとは別の契約で、どちらが切れてもサイトは表示されない

・先に決めるのは性能ではなく、契約の名義と、ソフトの更新・バックアップ・SSLを誰が管理するか

・保守を自社で持てない会社は、共用のレンタルサーバーか、WordPressの管理まで任せられるマネージド型を選ぶ。VPSやクラウドは、管理する人がいる場合に限る

・サーバーに付属するメールを使うと、サーバーを乗り換えるときにメールも移すことになる。社員が多い会社は、メールを別のサービスに分ける

・バックアップは「取っている」ではなく、何日前まで戻せるか、誰が戻すか、戻したことがあるかで確認する

・性能で乗り換えるのは、表示速度を測って、原因がサーバーの応答にあると確かめてから

企業サイトのサーバーで決める順序
企業サイトのサーバーで決める順序

サーバーで決まること|ドメインとは別の契約で、どちらが切れてもサイトは止まる

最初に全体の答えを示します。サーバーは、サイトのページの元になるファイルや、WordPressの記事を保存したデータベースを置いておく場所です。閲覧者のブラウザは、ドメインを手がかりにサーバーの場所を調べ、サーバーからページを受け取って表示します。

ドメインとサーバーは、別々の事業者と、別々に契約することができます。そのため、ドメインが有効でもサーバーの契約が切れればサイトは表示されず、サーバーが動いていてもドメインが切れれば誰もたどり着けません。ドメインの選び方と名義は企業サイトのドメインはどう選ぶか|co.jpと.comの違いより先に、登録者の名義と更新の担当を決めるで扱っています。

サーバーが担っているもの 管理を誤ったときに起きること
サイトのファイルとデータベース 契約切れで消える。バックアップが無ければ作り直しになる
WordPressなどのソフトが動く環境(PHPなど) 古いまま放置すると、プラグインが動かなくなる、改ざんの入口になる
SSL証明書(https) 期限が切れると、ブラウザが警告を出し、問い合わせフォームが使われなくなる
問い合わせフォームのメール送信 サーバーから送る設定の場合、迷惑メールに振り分けられることがある
付属のメールアドレス(使っている場合) サーバーの乗り換えや契約切れで、メールも止まる

この表の項目は、どれも性能とは関係がありません。サーバー選びの比較記事は性能と料金から始まりますが、企業サイトで実際に損失になるのは、この表の管理の抜けです。だから先に、誰の名義で契約し、誰が管理するかを決めます。

種類ごとの違い|保守を誰が持つかで選ぶ

サーバーの種類は、性能の高い順ではなく、自社がどこまで管理を引き受けるかの違いとして見ると選びやすくなります。上の行ほど事業者が管理し、下の行ほど自社(または委託先)が管理します。

種類 事業者が管理する範囲 向く会社 注意点
共用のレンタルサーバー 機器、OS、サーバーのソフト。多くはSSLの自動更新とバックアップも付く 社内に技術の担当がいない中小企業の企業サイト WordPressとプラグインの更新は自社か委託先の仕事。ほかの利用者と機器を共有する
マネージド型(WordPress専用のホスティングなど) 上に加えて、WordPress本体の更新やセキュリティ対策の一部 WordPressで運用し、更新作業を減らしたい会社 使えるプラグインや設定に制限があることがある。料金は共用より高いことが多い
VPS 機器まで。OSとソフトの更新は利用者 サーバーを管理できる担当者か委託先がいる会社 更新を放置すると、共用サーバーより危険な状態になる
クラウド(AWS、Google Cloudなど) 機器まで。構成と運用は利用者 アクセスの急増がある、システムと連携するなど、要件が明確な会社 使った分だけ課金され、月額が読みにくい。構成を作った人がいないと触れない
専用サーバー 機器の提供まで 企業サイトでは、ほぼ選ぶ理由が無い 費用と管理の負担に見合う用途が限られる

中小企業の企業サイトは、月の訪問が数千から数万程度であれば、共用のレンタルサーバーの標準的なプランで足りることがほとんどです。VPSやクラウドを選ぶと性能は上げられますが、OSの更新や障害の対応を引き受けることになります。管理する人がいないまま選ぶと、性能のために安全を手放すことになります。

制作会社のサーバーに置くという選択

制作会社が自社のサーバーで預かる形もあります。更新や障害の対応まで任せられる一方で、契約の名義が制作会社になるため、制作会社を変えるときにはサーバーの移転が必ず発生します。選ぶ場合は、解約時にファイルとデータベースを受け取れること、移転の作業を誰が行うかを、契約の段階で書面にしておきます。制作会社を変える手順はホームページの制作会社を変更する手順|引き継げるものと、作り直しになるもので扱っています。

メールをサーバーから分けるか|社員が多いなら分ける

多くのレンタルサーバーには、メールアドレスを作れる機能が付いています。追加の費用がかからないため、そのまま使う会社は少なくありません。注意が要るのは、サイトとメールが同じ契約に乗ることで、サーバーを乗り換えるときにメールも移すことになる点です。

置き場所 向く会社 乗り換え・トラブル時の影響
サーバーに付属のメール 社員が数名で、メールの利用が限られる会社 サーバーを移すと、全員のメールの設定と過去のメールの移行が要る。サーバーの障害でメールも止まる
別のメールサービス(Google Workspace、Microsoft 365など) 社員が多い、外出先や複数の端末で使う、アカウントを会社で管理したい会社 サイトのサーバーを移しても、メールは影響を受けない。月額は人数分かかる

メールを分けると、サイトの制作会社やサーバーを変えても、会社の連絡手段は止まりません。退職者のアカウントを止める、端末を紛失したときにログインを無効にするといった管理も、メール専用のサービスのほうが行いやすくなります。分けない場合は、少なくとも、サーバーの乗り換えがメールの移行を伴うことを、社内で共有しておきます。

どちらに置いても、会社のドメインでメールを送るなら、送信認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定が必要です。問い合わせフォームの自動返信メールをサーバーから送る場合は、その送信元も認証の設定に含めます。

SSLとバックアップ|「付いている」ではなく「戻せるか」で確認する

SSL(https)とバックアップは、今ではほとんどのレンタルサーバーに付いています。確認すべきは、付いているかどうかではなく、自動で更新されるか、実際に戻せるかです。

項目 確認すること 確認しないと
SSL証明書 無料の証明書が使えるか、期限の前に自動で更新されるか。全ページがhttpsで表示されるか 期限切れでブラウザに警告が出る。フォームの入力をためらわれる
バックアップの頻度と保存期間 毎日取られるか。何日前まで戻せるか 改ざんに気づいたのが1週間後だと、保存期間が短いと戻せない
バックアップの範囲 ファイルとデータベースの両方が対象か 記事や問い合わせの記録が戻らない
戻す手順と費用 管理画面から自分で戻せるか、依頼が要るか、有料か 緊急時に手順が分からず、復旧が遅れる
戻したことがあるか 年1回、テスト環境などで実際に戻してみる 取れていると思っていたバックアップが、実は空だった

バックアップをサーバーの機能だけに頼ると、サーバー自体の障害や契約切れのときに、バックアップも一緒に失われます。重要なサイトは、サーバーの外にも定期的に複製を置きます。WordPressであればプラグインで外部の保存先に送る方法があります。ただし、プラグインを増やすことは更新の対象を増やすことでもあるため、保守の担当と一緒に決めます。

契約の名義と権限|ここが自社に無いと、乗り換えも復旧も進まない

サーバーも、ドメインと同じく、誰の名義で契約しているか、管理画面に誰が入れるかが後から問題になります。制作や保守を委託していても、契約そのものは自社で持つのが基本です。

項目 望ましい状態 よくある状態と、起きること
契約の名義 自社の法人名 制作会社や前任者の名義。乗り換えや解約を自社で判断できない
管理画面のアカウント 自社で契約したアカウント。委託先には作業用の権限を渡す 委託先のアカウントの中にある。自社からは状態が見えない
ログインできる人 2人以上 担当者1人。退職や異動で誰も入れなくなる
更新の案内・障害の通知の届く先 個人ではなく、共有のアドレス 退職者のアドレス。契約切れや障害の通知を誰も読まない
支払い 会社のカードか請求書払い。自動更新を有効にする 個人カード。カードの期限切れで契約が止まる
サーバーへの接続情報(FTPなど) 社内の台帳で管理し、委託先が変わったら変更する 退職者や前の制作会社が、今も入れる状態のまま

最後の行は見落とされがちです。サーバーに入るためのパスワードを、以前の委託先や退職者が知ったままになっている状態は、改ざんの入口になります。委託先が変わったとき、担当者が異動したときは、接続情報を変更します。制作物の権利と、ドメインやサーバーで手が止まる理由はホームページの著作権は誰のものか|譲渡しても直せない場合と、ドメインで手が止まる理由で扱っています。

性能はどこで判断するか|表示が遅いなら、先に原因を測る

サイトが遅いと感じると、サーバーを上位のプランや別の事業者に変えたくなります。ただ、遅さの原因は、サーバーより、画像の大きさ、プラグインの数、外部のタグの読み込みにあることが多くあります。サーバーを変えても、これらは一緒に移るため、遅いままです。

測って分かったこと 判断
最初の応答(サーバーが返事をするまで)が遅い サーバーのプランや事業者の見直しを検討する
応答は速いが、画像や読み込むファイルが重い サーバーは変えない。画像の圧縮、不要なプラグインやタグの削除が先
特定の時間帯だけ遅い、エラーが出る 共用サーバーの負荷や、プランの上限に当たっている可能性。事業者に確認する
管理画面だけが遅い プラグインやデータベースの肥大の可能性。サーバーの前に構成を見直す

表示速度をどの順で改善するかはサイトの表示速度を改善する優先順位|何から手をつけるかで扱っています。サーバーの乗り換えは、測定で原因がサーバーにあると分かってからの手段です。

乗り換えを考えるべき状況と、変えなくてよい状況

状況 判断 理由
契約の名義が制作会社や前任者になっている 乗り換えより先に、名義を自社へ移せるか確認する 名義の問題は、同じサーバーのままでも解決できることがある
WordPressが求めるPHPのバージョンに対応していない 乗り換えを検討する ソフトの更新ができず、安全を保てない
バックアップが無い、戻す手段が無い 乗り換えるか、外部のバックアップを追加する 改ざんや障害のときに戻せない
測定して、応答の遅さがサーバーに原因がある 上位のプランか、乗り換えを検討する 原因がサーバーにある場合に限り、効果が出る
特に問題が無く、料金が少し安い事業者がある 変えない 移転の作業費と、メール・フォームの設定のし直しが、差額を上回りやすい

乗り換えるときは、ドメインは変えず、サーバーだけを移すのが基本です。URLが変わらなければ、検索の評価も外部からのリンクもそのまま残ります。新しいサーバーで表示を確かめてから、ドメインの向き先を切り替えます。付属のメールを使っている場合は、メールの移行を同じ日に行う計画を立てます。URLまで変える場合の手順はURLを変えるときのリダイレクト|評価を落とさない手順と、やってはいけない転送で扱っています。

見直さなくてよい会社と、すぐに確認したほうがよい会社

見直さなくてよい会社

  • 自社の名義で契約し、管理画面に2人以上が入れ、自動更新と会社の支払い手段が設定されている会社
  • SSLが自動で更新され、バックアップから実際に戻したことがある会社。料金が相場より少し高くても、変える理由は小さい

すぐに確認したほうがよい会社

  • サーバーの契約者が誰か、社内の誰も答えられない会社
  • サイトを作った担当者や制作会社が変わっている会社。接続情報が前の関係者のまま残っている可能性がある
  • WordPressの管理画面に、更新を促す表示が長く残っている会社
  • バックアップから戻したことが一度も無い会社

決める順序|名義、保守の担当、種類、メール、SSLとバックアップ

1. 契約の名義を自社の法人名にする

制作会社に手配を任せる場合も、契約は自社の名義にします。見積もりの段階で条件に入れます。見積書で確認する項目はWeb制作の見積書の読み方|同じ金額が別の買い物になる理由で扱っています。

2. 保守の担当を決める

WordPressとプラグインの更新、バックアップの確認、障害時の連絡を、自社で行うか、委託するかを決めます。保守で何をどの頻度で行うかはホームページの保守運用とは?何を、どの頻度でやるのかで扱っています。

3. 種類を決める

保守を自社で持てないなら、共用のレンタルサーバーか、マネージド型を選びます。VPSやクラウドは、管理する人がいる場合に限ります。

4. メールの置き場所を決める

社員が多い、端末が多い、アカウントを会社で管理したい場合は、メールを別のサービスに分けます。

5. SSLとバックアップを確かめる

SSLの自動更新、バックアップの頻度と保存期間、戻す手順を確認し、年1回は実際に戻してみます。性能は、この5つを決めた後で、足りるかを確かめます。

改ざんされたときは、直す前に止めて記録する

この記事では、サーバーの名義と、更新・バックアップの担当を扱いました。バックアップと接続情報の管理が実際に効くのは、サイトが改ざんされたときです。

確認すること 判断の基準 詳しくは
改ざんに気づいたときの順序 ファイルを消す前に公開を止め、ログとファイルを保存する。入口を塞いでから、改ざんより前のバックアップで戻す ホームページが改ざんされたときの対応|直す前に止めて記録し、戻したあとに入口を塞ぐ

よくある失敗

料金と容量だけで選ぶ

企業サイトで容量が足りなくなることはまれです。比べるべきは、SSLの自動更新、バックアップの保存期間、戻す手順、サポートの窓口です。

管理する人がいないのにVPSやクラウドを選ぶ

OSやソフトの更新が止まり、共用サーバーより危険な状態になります。構成を作った人が離れると、誰も触れなくなります。

バックアップを取っているつもりで、戻したことが無い

いざというときに、範囲が足りない、保存期間が短い、手順が分からない、が判明します。年1回は戻してみます。

遅さの原因を測らずにサーバーを変える

画像やプラグインが原因なら、移転しても遅いままです。移転の費用だけが残ります。

前の委託先の接続情報を変えない

関係の切れた相手が、サーバーに入れる状態が続きます。委託先が変わったら、パスワードを変更します。

よくある質問

無料のサーバーやホームページ作成サービスではだめですか

独自のドメインが使えない、広告が表示される、商用の利用に制限があるといった条件がある場合は、企業サイトには向きません。条件はサービスごとに違うため、利用規約で商用利用と独自ドメインの扱いを確認してください。

サーバーの場所(国内か海外か)は検索順位に影響しますか

サーバーの所在地で順位が決まるわけではありません。国内向けのサイトであれば、国内の事業者を選ぶと、サポートが日本語で受けられ、契約や請求の手続きも分かりやすくなります。

SSLは有料の証明書にしたほうがよいですか

企業サイトの暗号化の目的であれば、無料の証明書で足ります。有料の証明書には、組織の実在を確認して証明書に記載する種類があり、取引先の要件などで求められる場合に検討します。

アクセスが急に増えたら、サーバーは落ちますか

共用サーバーでは、テレビでの紹介や広告の大量配信などで一時的にアクセスが集中すると、表示が遅くなったりエラーになったりすることがあります。予定が分かっている場合は、事業者に事前に相談するか、一時的に上位のプランへ切り替えます。

サーバーの料金はどのくらいが目安ですか

事業者とプランによって大きく異なり、改定もあります。金額より先に、SSLの自動更新、バックアップの保存期間と戻す手順、サポートの窓口が含まれているかで比べ、含まれていない場合の追加費用を足して比較してください。

まとめ

企業サイトのサーバーは、性能や料金の比較より先に、契約の名義と、ソフトの更新・バックアップ・SSLを誰が管理するかを決めます。中小企業の企業サイトで止まる原因の多くは、性能ではなく、契約切れと更新の放置です。

保守を自社で持てないなら、共用のレンタルサーバーかマネージド型を選びます。社員が多い会社は、メールをサーバーから分けておくと、サーバーを変えても連絡手段が止まりません。バックアップは、何日前まで戻せるか、誰が戻すかを確かめ、年1回は戻してみます。遅さを理由に乗り換えるのは、測定で原因がサーバーにあると分かってからです。

サーバーとドメインの名義の整理から、サイトの設計と制作、移転、公開後の保守の台帳づくりまではWEB制作・ホームページ制作で承っています。これまでの制作物は制作実績、会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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