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ホームページの原稿の作り方|書き始める前に、ページごとに「誰が何を確かめに来るか」を決め、素材を持っている人から集める

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ホームページの制作が始まり、制作会社から「各ページの原稿をご用意ください」と言われた。ページ構成の一覧を前に、何を書けばよいか分からず手が止まる。他社のサイトを開いて、言い回しを少し変えて埋めていく。制作の相談で、この場面にはよく立ち会います。

原稿が書けない原因の多くは、文章力ではありません。そのページを誰が読み、何を確かめに来るのかが決まっていないこと、そして書くための材料(事実・数字・事例)が手元に無いことです。材料が無いまま書くと、どの会社にも当てはまる文章になります。

この記事では、ページごとに読む人と確かめたいことを決める方法、原稿の素材を社内の誰から集めるか、骨子の作り方、ページ別に書くこと、他社サイトの言い換えにならない書き方、確認の進め方、制作会社への渡し方、生成AIの使いどころを、企業サイトを作る中小企業の担当者を前提に整理します。制作全体の工程はサイト制作の進め方|発注から公開までの工程と発注者側の作業で扱っているため、ここでは原稿に絞ります。

この記事でわかること

・原稿は書く前に、ページごとに「誰が・何を確かめに来て・次に何をするか」を決める。ここが決まらないと書けない

・時間がかかるのは書く作業より素材集め。事実・数字・事例を持っている人を先に割り当てる

・最初に作るのは文章ではなく骨子(見出しと、各見出しで言い切る一文)。骨子の段階で確認を取る

・社名を競合に入れ替えても成り立つ文は削る。他社サイトの言い換えから始めない

・確認は事実と表現を分け、最後に決める人を1人にする。確認の人数が増えるほど公開が遅れる

ホームページの原稿を作る順序
ホームページの原稿を作る順序

原稿が「書けない」のは、書く前の準備が抜けているから

ホームページの原稿は、文章を書く作業と、書く材料を集める作業に分かれます。止まるのは、ほとんどの場合、後者が済んでいないのに前者から始めたときです。

止まる場面 原因 先にやること
何から書けばよいか分からない ページの役割が決まっていない 読む人・確かめたいこと・次の行動を1行ずつ書く
書いても中身が薄い 数字や事例などの材料が無い 材料を持っている人に聞く時間を取る
他社サイトに似てしまう 他社の文章を見本にして書き始めた 自社の事実を並べてから文章にする
確認で何度も差し戻される 確認する人と観点が決まっていない 事実の確認と表現の確認を分ける
公開が延びる 原稿の締切と担当が決まっていない ページごとに担当と締切を決める

制作会社に原稿を任せる場合でも、材料を出すのは発注側です。原稿作成を依頼しても、自社の事実は自社からしか出てきません。取材の時間を取れないなら、任せても同じところで止まります。

ページごとに「誰が・何を確かめに来て・次に何をするか」を決める

書き始める前に、ページごとに3つを1行ずつ書きます。読む人、その人が確かめたいこと、読み終えた後にしてほしい行動です。この3行が、そのページに何を書き、何を書かないかの基準になります。

ページ 読む人(例) 確かめたいこと(例) 次の行動(例)
トップ 初めて社名を知った人 何の会社で、自分に関係があるか 事業紹介か実績へ進む
事業・サービス紹介 発注先を探している担当者 何をどこまで頼めるか、費用の考え方 実績を見る、問い合わせる
実績・事例 比較している担当者、その上長 同じような会社・課題での例があるか 問い合わせる、資料を請求する
会社概要 取引の前に確認する人(上長・購買・経理) 実在して、続いている会社か 取引の稟議に進める
採用 応募を考えている人 仕事の中身、働き方、誰と働くか 応募する、説明会に申し込む
お問い合わせ 相談を決めかけている人 何を書けばよいか、返事はいつ来るか 送信する

読む人を「すべてのお客様」にすると、何も削れなくなります。1ページに読む人は主に1種類と決め、他の人には別のページを用意します。BtoBのサイトで誰が何を確認しに来るかの整理はBtoBサイトの制作は何から決めるかで、ページ構成そのものの決め方は情報設計(IA)とは?わかりやすいサイト構成の作り方で扱っています。

素材は、持っている人から集める

原稿の素材は、担当者1人の頭の中にはありません。営業が持っている顧客の言葉、現場が持っている手順と数字、経理や総務が持っている会社の事実。それぞれ持っている人が違うため、誰から何を集めるかを先に決めます。

素材 持っている人 聞き方
お客様が最初に困っていたこと 営業、窓口の担当 「問い合わせの最初の一言で多いのは何か」
選ばれた理由・断られた理由 営業 「最後に決め手になったと言われたことは」「失注したときの理由は」
仕事の進め方と期間 現場の責任者 「依頼を受けてから納品までに何をするか、何日かかるか」
数字(件数・年数・対応範囲) 現場、経理、総務 「年に何件」「何年続けている」「どの地域まで」
実績・事例 営業、現場 「掲載の許可を取れる案件はどれか」
会社の基本情報 総務、経理 登記上の社名、所在地、設立年、資本金、許認可の番号
写真 全員 「実際の現場・人・設備で、見せられるものは何か」

聞くときは、書面のアンケートより30分程度の聞き取りのほうが材料が集まります。書面にすると「丁寧な対応」「高品質」のような答えが返りやすく、具体的な場面が出てきません。「最近あった依頼を1件、最初から最後まで話してください」と頼むと、手順・期間・困りごと・決め手が一度に出てきます。

数字は、出せる範囲で出します。正確な件数が分からないなら「年に数十件」のように幅で書くか、書かずに事例で示します。根拠の無い数字や「業界No.1」のような表現は書きません。景品表示法の不当表示にあたるおそれがあり、取引先に確認されたときに説明できません。

写真の段取りはWeb用写真のディレクション|撮影前に決めるべきことと当日の進め方で扱っています。

文章より先に、骨子を作る

最初に作るのは文章ではなく骨子です。骨子とは、そのページの見出しと、各見出しで言い切る一文だけを並べたものです。

見出し(例) この見出しで言い切る一文(例)
こんな会社からご相談をいただいています 社員10〜50名の製造業で、営業資料と展示会の準備を兼任している方からの相談が中心です
できること 会社案内・展示会ツール・Webサイトを、同じ方針でまとめて作ります
進め方と期間 初回の打ち合わせから納品まで、会社案内で約2か月です
費用の考え方 金額はページ数より、原稿と撮影をどちらが持つかで変わります
実績 同じ業種での制作例を3件掲載しています

骨子の段階で、決める人に一度見てもらいます。文章になってから方向を変えると、書いた分がすべて無駄になります。骨子なら1ページ数分で確認でき、直すのも数行です。

表の一文は記入例です。自社の事実で置き換えて使います。言い切る一文が書けない見出しは、材料が足りていない見出しです。素材集めに戻るか、その見出しを削ります。

ページ別に書くこと

トップページ:何の会社で、誰のためかを最初の画面で言い切る

トップページの原稿は、会社の思いより先に「何を、誰に提供している会社か」を書きます。最初の画面で関係があると分からなければ、その先は読まれません。各ページへの入口として、事業・実績・会社情報への短い案内文を置きます。最初の画面の設計はファーストビュー設計の重要性で扱っています。

事業・サービス紹介:頼めることと、頼めないことを書く

対応する範囲だけでなく、対応しない範囲も書きます。「対応していません」と書くと問い合わせが減るように見えますが、合わない相談が減り、合う相談の割合が上がります。進め方、期間、費用の決まり方まで書くと、比較している担当者が上長に説明しやすくなります。

実績・事例:依頼前の状態、やったこと、その後を書く

制作物の画像だけを並べても、読む人は自分の場合に置き換えられません。依頼前に困っていたこと、やったこと、その後どうなったかの3段で書きます。掲載の許可は、原稿を書く前に取ります。お客様の声の集め方はお客様の声の集め方と載せ方で扱っています。

会社概要:取引の前に確認される事実を、省かずに書く

会社概要は、購買や経理の担当者が取引の前に確認するページです。登記上の社名、所在地、設立年、代表者、事業内容、許認可の番号など、事実を正確に書きます。ここで文章を飾る必要はありません。信頼を作る情報の整理は会社案内サイトで信頼感を作る方法|見た目より先に埋めるべき情報で扱っています。

採用ページ:仕事の1日と、合わない人を書く

採用の原稿は、理念より仕事の中身が先です。1日の流れ、最初の3か月でやること、一緒に働く人。合わない人の条件も書くと、入社後のずれが減ります。入れるべき内容は採用サイトに入れるべきコンテンツ|応募につながる情報の順序で扱っています。

お問い合わせ:送った後に何が起きるかを書く

問い合わせページの原稿は短くてよいですが、返事が来るまでの日数、相談の段階で費用がかかるか、何を書けば話が早いかは書きます。送信をためらう理由を先に消すためです。フォーム周りの短い文言はマイクロコピーとは?CVRを動かす短い文章の書き方で扱っています。

他社サイトの言い換えにならない書き方

確認の方法は1つです。その文の社名を競合他社の名前に入れ替えても成り立つなら、その文は削るか、自社の事実に置き換えます。「お客様第一」「高品質なサービス」「丁寧なヒアリング」は、どの会社が書いても成り立ちます。読む人にとっては情報がありません。

入れ替えても成り立つ文 自社の事実に置き換えた文(例)
丁寧なヒアリングを行います 初回の打ち合わせは90分、現場の担当者にも同席していただきます
スピーディーに対応します お問い合わせには翌営業日までに担当者から返信します
豊富な実績があります 製造業の会社案内を中心に制作しています(制作例はこちら)
お客様に寄り添います 公開後3か月は、更新の操作を電話で一緒に行います

右の列は記入例で、書いた内容は実際にやっていることでなければなりません。やっていないことを書くと、問い合わせの後で必ず食い違います。

文章は、各段落を結論から書きます。1文に言いたいことは1つ。専門用語は、読む人が社内で使っている言葉に合わせます。自社の業界用語は、取引先の担当者には通じないことがあります。

確認は、事実と表現を分けて、決める人を1人にする

原稿の確認で公開が遅れる原因の多くは、確認する人が多く、観点が混ざることです。社長・営業部長・現場の責任者がそれぞれ言い回しを直すと、意見が割れ、何度も往復します。

確認の段階 見る人 見ること
事実の確認 その素材を出した人 数字、手順、期間、社名や固有名詞、許認可の番号が正しいか
表現の確認 原稿の担当者(必要なら制作会社) 読む人に伝わるか、長すぎないか、ページの役割に合っているか
最終の判断 決める人1人 会社として出してよいか

事実の確認では言い回しを直してもらわず、誤りだけを指摘してもらいます。表現への意見は表現の段階でまとめて受けます。最後に決める人を1人にしておくと、意見が割れたときに止まりません。

法令で載せる必要がある表記(プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記など)は、文章の好みで直す対象ではありません。要否の整理は企業サイトに必要な表記の整理|プライバシーポリシーと、特商法表記が要る条件で扱っています。

制作会社への渡し方

原稿は、ページごとに1ファイル、見出しの階層が分かる形で渡します。メール本文に貼ったり、1つのファイルに全ページを詰めたりすると、組み込みの段階で抜けや取り違えが起きます。

決めておくこと 内容
ファイルの単位 1ページ1ファイル。ファイル名にページ名を入れる
見出しの階層 大見出し・小見出しを書式か記号で区別する
写真の指定 どの段落の近くに、どの写真を置くか。写真のファイル名で指定する
リンクの指定 リンクにする言葉と、リンク先のページ
確定の印 確認が済んだ版にだけ「確定」と書く。途中の版を渡さない
締切 ページごとの原稿の締切。遅れたときに公開日をどうするか

公開の遅れでよくあるのは、社内の原稿と写真の遅れです。原稿の締切はデザインの確認より前に置き、遅れたページは「仮の原稿で公開して後から差し替える」のか「公開を延ばす」のかを、制作の開始時に決めておきます。

制作会社に原稿の作成まで頼むと、見積もりの金額が変わります。どの範囲を頼むかで費用が動く点はホームページ制作の費用相場|金額はページ数より「原稿と更新を誰が持つか」で動く。予算は見積もりの前に上限から決めるで、見積書のどの行に含まれるかの見方はWeb制作の見積書の読み方|同じ金額が別の買い物になる理由で扱っています。

原稿を自社で書くか、任せるか

やり方 向く会社 注意すること
自社で書く 書ける担当者がいて、時間を確保できる 骨子の段階で決める人の確認を取る。担当者1人に抱え込ませない
自社で素材を出し、制作会社が書く 材料はあるが、文章にする時間が無い 聞き取りの時間を必ず取る。事実の確認は自社で行う
制作会社が取材して書く 社内に材料が散らばっていて、まとめる人がいない 取材に出る人の日程を先に押さえる。費用は上がる

どのやり方でも、事実の確認と最終の判断は自社に残ります。任せられるのは文章にする作業と、材料を引き出す聞き取りまでです。

生成AIの使いどころ

生成AIは、集めた素材を骨子や下書きに整える作業には使えます。素材そのものは作れません。自社の事実を入れずに「製造業向けの会社案内サイトの事業紹介を書いて」と頼むと、どの会社にも当てはまる文章が出てきます。社名を入れ替えても成り立つ文の典型です。

  • 使える:聞き取りのメモから骨子を作る、長い文を短くする、読む人に合わせて言葉を言い換える、抜けている見出しの候補を出す
  • 使わない:数字・実績・お客様の声を作る、法令の表記を書く、確認を省く

出てきた文章に含まれる数字や事実は、すべて素材と照らして確認します。記事の執筆でのAIの使い方は生成AIでSEO記事は書けるのか|Googleのポリシーと、AIに任せられない工程で扱っています。

よくある失敗

ページ構成の一覧を見て、上から順に書き始める

役割が決まっていないまま書くと、どのページも会社の紹介になり、内容が重なります。先にページごとの読む人・確かめたいこと・次の行動を決めます。

担当者1人に原稿を任せる

材料は社内に散らばっているため、1人では集まりません。素材ごとに持っている人を決め、聞き取りの時間を取ります。

確認を全員に回して、全員に直してもらう

言い回しの意見が割れて往復が増えます。事実は素材を出した人、表現は担当者、最終判断は1人と分けます。

きれいな言葉でまとめて、具体が消える

「高品質」「丁寧」のような言葉は、読む人の判断材料になりません。社名を入れ替えても成り立つ文は、事実に置き換えます。

原稿の締切を決めずに制作を始める

デザインと組み込みが終わっても原稿が揃わず、公開日が延びます。ページごとに担当と締切を決め、遅れたときの扱いも先に決めます。

よくある質問

原稿の文字数はどのくらい必要ですか

文字数の目安から決めるより、ページの読む人が確かめたいことに答え切れているかで判断します。会社概要は短くてよく、事業紹介や事例は、進め方・期間・費用の考え方まで書くと長くなります。答え切れていれば、長さは結果です。

原稿が揃わないうちに制作を始めてもよいですか

骨子(見出しと各見出しの一文)が揃っていれば、デザインの作業は始められます。骨子も無いまま始めると、仮の文章で作ったデザインに原稿が収まらず、作り直しになることがあります。

リニューアルでは、今のサイトの原稿を使い回せますか

事実が正しく、ページの役割に合っている部分は使えます。ただし、今のサイトで問い合わせにつながっていないなら、原稿も原因の一つです。検索からの流入があるページの文章は、大きく削る前に流入の言葉を確認します。

SEOのためにキーワードを多く入れるべきですか

入れる必要はありません。読む人が探すときに使う言葉で、確かめたいことに答えていれば足ります。同じ言葉を不自然に繰り返すと、読みにくくなるだけです。

まとめ

ホームページの原稿は、書く前の準備で決まります。ページごとに、読む人・確かめたいこと・次の行動の3行を決め、事実・数字・事例を持っている人から集めます。

最初に作るのは骨子(見出しと、各見出しで言い切る一文)で、骨子の段階で決める人の確認を取ります。文章は結論から書き、社名を入れ替えても成り立つ文は自社の事実に置き換えます。

確認は事実と表現を分け、最終の判断は1人にします。原稿はページごとに1ファイルで、確定した版だけを渡します。生成AIは整える作業に使い、素材は作らせません。

企業サイトの制作とリニューアルは、原稿の聞き取りからWEB制作・ホームページ制作で、会社案内などの販促物は販促・広告デザインで承っています。これまでの制作物は制作実績、会社紹介資料は資料ダウンロードから、原稿の段階からのご相談もお問い合わせからご連絡ください。

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