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BtoBサイトの制作は何から決めるか|ページ一覧より先に、誰が何を確認しに来るかを決め、出口は温度で分ける

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BtoBサイトの制作について調べると、「必要なページは10種類」「成功のポイントは8つ」という形の記事が並びます。トップ、サービス、強み、事例、料金、FAQ、ブログ、資料、お知らせ、フォーム。挙げられているページはどれも要るものです。ただ、一覧を埋めても問い合わせが増えないサイトは珍しくありません。ページの有無ではなく、誰がそのページを見て、何を確認できたかで結果が決まるためです。

BtoBの購買は1人で決まりません。担当者が候補を探して比較表を作り、上長が稟議を通し、決裁者が承認し、商材によっては情報システムや法務が確認します。それぞれが別の日に、別のページを見ます。担当者向けに機能を詳しく書いたサイトでも、決裁者が確認したい会社情報や実績が薄ければ、稟議の最後で止まります。

この記事では、サイトが受注までのどの段を担うかの決め方、必要な訪問数の逆算、見に来る人ごとに要るページ、価格の出し方、出口の分け方と試算、サイトを分ける基準、更新体制、作り直さなくてよい会社、決める順序を整理します。数値の例は、出典を示した調査を除き、すべて仮のものです。自社の数字に置き換えて使ってください。

この記事でわかること

・BtoBサイトの制作は、ページの一覧からではなく、誰が、検討のどの段階で、何を確認しに来るかから決める。買い手は担当者、上長、決裁者、情報システムや法務に分かれ、見るページが違う

・制作で動くのは問い合わせ率で、訪問数は動かない。仮の数字では、月1件の受注に必要な訪問は約2,700人。月800人のサイトを作り直して問い合わせ率が2倍になっても、問い合わせは月4件から8件

・公表されている調査では、サイトで参考にした情報は製品・サービス情報87.9%、価格・料金表65.0%、実績・事例61.1%。製品概要や仕様書の資料は44.6%、ノウハウ集は27.4%

・価格を出せない商材でも、料金表、価格の決まり方と幅、事例ごとの規模感の3段階のどれかは出せる。何も出さないと、比較表の価格の欄が空のまま候補から外れる

・出口を問い合わせだけにせず製品資料のダウンロードを併設すると、仮の数字で商談は4.5件から7.2件に増える。同じ条件でノウハウ集を置くと4.5件のままで、営業の対応だけが15件から57件に増える

・コーポレートサイトとサービスサイトは、買い手が別の事業が複数あるときだけ分ける。分ける場合も、新しいドメインではなく同じドメインの中で分ける

・公開時点のページ数より、公開後に事例を足し続けられるかが効く。事例を1本足す手順と担当を、制作の段階で決めておく

BtoBサイトを見に来る人と、確認すること
BtoBサイトを見に来る人と、確認すること

BtoBサイトは、ページの一覧ではなく「誰が何を確認しに来るか」から決める

最初に全体の答えを示します。BtoBサイトの制作で先に決めるのは、サイトマップではなく、見に来る人と、その人が確認したいことの対応表です。ページの一覧は、その対応表から自動的に決まります。

理由は、BtoBの買い手が複数人で、しかも営業と話す前に比較を終えているためです。B2BマーケティングとITコミュニケーションズの共同調査(2025年5月27日〜28日、517名、2025年7月15日公表)では、検討段階の主な情報源は各種Webメディアが49.3%、提供企業のWebサイトが35.4%、雑誌・専門誌が31.1%、展示会が25.7%でした。同じ調査で、比較した製品やサービスの数は3つ以内が81.4%を占め、2022年の68.1%から上がっています。

比較の対象が3つ以内ということは、問い合わせが来た時点で、すでに数社に絞られているということです。絞り込みの段階で見られているのは営業資料ではなくサイトで、そこに確認したい情報が無ければ、問い合わせる前に候補から外れます。外れたことは、アクセス解析にも営業の記録にも残りません。

会社案内として信頼を得るために埋める情報は会社案内サイトで信頼感を作る方法|見た目より先に埋めるべき情報、リード獲得の手段全体の中でのサイトの位置づけはBtoBのリード獲得手段はどう選ぶか|獲得単価ではなく商談化率から逆算するで扱っています。この記事は、BtoBのサイトを新しく作る、または作り直すときに、何をどの順で決めるかを扱います。

サイトが担う段を決める|制作で動くのは問い合わせ率で、訪問数は動かない

BtoBサイトの制作やリニューアルで最も多い行き違いは、「作り直せば問い合わせが増える」という期待です。サイトの作りで動くのは、訪れた人が問い合わせる割合です。訪れる人の数は、検索、広告、展示会、営業の紹介といった集客の側で決まります。

月に1件の受注をサイト経由で取りたい場合に、必要な訪問数を逆算します。

段 項目 仮の数字 ここまでの結果
1 サイト経由で取りたい受注 月1件 月1件
2 商談から受注に至る割合 25% 商談が月4件必要
3 問い合わせが商談になる割合 30% 問い合わせが月約13件必要
4 訪問が問い合わせになる割合 0.5% 訪問が月約2,700人必要

現在の訪問が月800人のサイトなら、問い合わせ率0.5%で問い合わせは月4件です。作り直して問い合わせ率が2倍の1.0%になっても、月8件。必要な月約13件には届きません。このサイトに必要なのは、制作と同時に訪問数を増やす手段を決めることで、制作だけに予算を使い切ることではありません。

逆に、訪問が月5,000人あって問い合わせが月5件(0.1%)のサイトは、集客ではなくサイトの側に原因があります。どちらの状態かは、制作会社に相談する前に自社で確認できます。段階ごとの切り分けはホームページから問い合わせが来ない原因の切り分け方|5段階で診断する、段を掛け算で並べる考え方はKPIツリーの作り方|掛け算の段はどこを動かしても効き方は同じで、選ぶ基準は動かす費用と上限、月30件を切る段より下は分解しないで扱っています。

サイトの役割は3つあり、比重は会社ごとに違う

役割 見に来る人 測り方
探している人に見つけてもらう 検索や広告から初めて来る担当者 新規の訪問数、サービスページへの到達
比較と稟議で確認される 候補に入れた後の担当者、上長、決裁者 事例・料金・会社情報の閲覧、指名検索からの訪問
商談の前後で確認される 営業が会った相手、紹介を受けた相手 商談時の聞き取り。解析には現れにくい

紹介と展示会で受注している会社では、3番目の役割が中心です。この場合、問い合わせ件数は増えなくても、サイトは仕事をしています。「サイトから問い合わせが来ない」ことと「サイトが役に立っていない」ことは別です。商談の場で「サイトを見たか、何を見たか」を聞く項目を営業の記録に足すと、3番目の役割が測れます。

見に来る人は1人ではない|担当者、上長、決裁者で確認することが違う

BtoBサイトを見に来る人を、確認したいことで分けます。冒頭の図と同じ内容です。

見に来る人 確認すること 要るページ・情報 欠けると起きること
担当者 候補を探し、比較表を作る。仕様、対応範囲、料金、導入の流れ サービスページ、料金、製品資料、導入の流れ 比較表の欄が埋まらず、候補から外れる
上長・部門長 稟議を通せるか。自社と同じ規模・業種の実績、効果、体制 事例(規模と業種で探せる)、支援体制 「うちに合うのか」に担当者が答えられない
決裁者 任せてよい会社か。事業の継続性、取引実績、代表者 会社情報、沿革、主要取引先、代表メッセージ 稟議の最後で「聞いたことがない会社」として止まる
情報システム・法務・購買 安全性、契約条件、支払い条件 セキュリティの方針、FAQ、約款や契約の概要 確認の往復が増え、導入が数週間遅れる
既存の取引先・紹介先 連絡先、担当窓口、最新の情報 お知らせ、窓口の案内、拠点情報 更新が止まっていると、営業の信用を下げる

この表から分かるのは、担当者向けのページだけを厚くしても、稟議は通らないということです。担当者は、自分が納得した後、上長と決裁者を説得する材料を探します。サイトは、担当者が社内で説明するための資料置き場でもあります。

ページは「社内で回覧される」前提で作る

  • 1ページで完結させる。料金のページだけがチャットやメールで共有される。前後のページを読んでいない人が見ても意味が通じるようにする
  • URLで共有できる形にする。タブの切り替えや絞り込みの結果に固有のURLが無いと、「この事例を見てください」が伝えられない
  • 印刷とPDF化に耐える。稟議書に添付される。動きや重なりに頼った表現は、印刷すると情報が欠ける
  • 事例は規模と業種で探せるようにする。上長が知りたいのは「有名企業の事例」ではなく「自社と同じ規模の事例」

誰に向けて作るかの定め方はWebデザインにおけるペルソナ設計の考え方と作り方、ページの分類と階層の決め方は情報設計(IA)とは?わかりやすいサイト構成の作り方、メニューの項目はグローバルナビの設計|項目の決め方と並べ方で扱っています。

比較で確認される情報は3つ|製品情報、価格、事例から先に作る

すべてのページを同じ厚みで作る予算は、多くの会社にありません。どこから作るかは、買い手が実際に参考にしている情報で決めます。

ITコミュニケーションズが、勤務先で製品やサービスの検討に関わった会社員445名に行った調査(2018年10月5日〜9日)では、提供企業のWebサイトで参考にした情報(157名が回答)は次のとおりでした。調査から時間が経っていますが、サイト上のどの情報が見られているかを項目別に示した公表資料は少ないため、順位の参考として確認します。

サイトで参考にした情報 割合
製品・サービス情報 87.9%
価格・料金表 65.0%
実績・事例情報 61.1%
ダウンロード資料(製品概要・仕様書など) 44.6%
会社情報 43.3%
ダウンロード資料(ノウハウ集・レポートなど) 27.4%

読み取れることは2つあります。1つは、価格が2番目に来ていることです。BtoBのサイトは価格を載せないことが多い一方で、買い手の約3分の2は価格を参考にしています。もう1つは、ダウンロード資料の中では、ノウハウ集よりも製品概要や仕様書のほうが参考にされていることです。資料ダウンロードというとノウハウ集を先に作りがちですが、比較の段階にいる買い手が欲しいのは、社内で回せる製品の資料です。

価格を出せないときの、3つの出し方

受託や個別見積もりの商材では、料金表を出せないことがあります。それでも、出し方は3段階あります。

出し方 内容 向く商材
料金表 プランと金額をそのまま載せる 仕様が固定されたサービス、月額のツール
価格の決まり方と幅 金額を左右する要素(数量、範囲、期間)と、「◯万円から◯万円が多い」という幅 受託、制作、コンサルティング
事例ごとの規模感 事例に、期間、体制、費用の帯を添える 案件ごとの差が大きい商材

何も出さない場合、担当者の比較表では、自社の価格の欄だけが空になります。空欄の候補は、問い合わせて埋めてもらえることもありますが、3社以内に絞る段階では、埋まっている候補が優先されます。価格を出すと、予算の合わない問い合わせが減るという効果もあります。営業が対応する件数が限られている会社では、こちらの効果のほうが大きいことがあります。

事例の集め方と見せ方は「お客様の声」の効果的な掲載方法|信頼につながる集め方と見せ方で扱っています。BtoBでは、社名を出せない事例も、業種、規模、課題、期間を書けば比較の材料になります。

出口は温度で分ける|問い合わせだけでは取りこぼし、混ぜると営業が回らない

BtoBのサイトで、出口が「お問い合わせ」だけのサイトは今も多くあります。問い合わせは、すでに候補を絞り、話を聞く準備ができた人の出口です。比較表を作っている途中の担当者は、まだ営業と話したくありません。その人向けの出口が無ければ、何も残さずに帰ります。

月の訪問が3,000人のサイトで、出口を足した場合を仮の数字で比べます。問い合わせの商談化率は30%、製品資料(サービス概要と料金の考え方)のダウンロードは8%、ノウハウ集のダウンロードは2%と置きます。資料を置くと、問い合わせの一部が資料へ流れると見て、問い合わせ率を0.5%から0.4%に下げています。

項目 問い合わせだけ 製品資料を併設 ノウハウ集を併設
問い合わせ 15件 12件 12件
資料ダウンロード(訪問の1.5%) なし 45件 45件
問い合わせからの商談(30%) 4.5件 3.6件 3.6件
資料からの商談 なし 3.6件(8%) 0.9件(2%)
商談の合計 4.5件 7.2件 4.5件
営業が対応する件数 15件 57件 57件

製品資料を併設すると、商談は4.5件から7.2件に増えます。同じ条件でノウハウ集を置くと、商談は4.5件のままで、営業が対応する件数だけが15件から57件に増えます。資料ダウンロードという同じ名前の出口でも、中身が比較の材料かどうかで結果が分かれます。前の章の調査で、製品概要や仕様書がノウハウ集より参考にされていたことと整合します。

ノウハウ集が無意味ということではありません。検討を始める前の人との接点を作る役割があり、商談化までの期間が長いだけです。問題は、温度の違うリードを同じ1件として数え、同じ対応をすることです。

出口 来る人の段階 最初の対応 数え方
問い合わせ・見積もり依頼 候補を絞り終えた 当日中に電話またはメール 問い合わせとして数える
製品資料のダウンロード 比較表を作っている 資料の送付と、数日後に1通。料金や事例を再訪したら連絡 別に数える。商談化率を問い合わせと分けて記録する
ノウハウ集、メール登録 検討を始める前 すぐに連絡しない。メールで接点を保つ 別に数える。半年単位で商談化を見る

資料の中身の設計は資料ダウンロードでリードを獲得する設計|記事の要約を配っても取れない理由、フォームの項目数と離脱の関係は入力フォームの離脱率を改善するデザインの工夫、営業目的の送信への対策は問い合わせフォームのスパム対策|本物の問い合わせを減らさずに止める順序で扱っています。広告から集客する場合に、資料請求と問い合わせを同じ1件で数えると何が起きるかはBtoBのリスティング広告は何から決めるか|上限クリック単価を粗利から逆算し、資料請求と問い合わせを同じ1件で数えないで試算しています。

コーポレートサイトとサービスサイトは分けるべきか

BtoBサイトの制作では、会社全体のサイト(コーポレートサイト)と、商材ごとのサイト(サービスサイト)を分けるかどうかが早い段階で議題になります。判断の基準は、買い手が別かどうかです。

会社の状態 判断 理由
事業が1つ、または買い手が同じ 分けない 決裁者が見る会社情報と、担当者が見るサービス情報が同じサイトにあるほうが、稟議の確認が1か所で済む
買い手が別の事業が複数ある 同じドメインの中で、事業ごとにディレクトリを分ける メニューと出口を事業ごとに最適化できる。会社情報は共通で使える
採用や投資家向けの情報が多く、買い手向けの情報が埋もれている 採用を別のまとまりに分ける 買い手と求職者では、トップページに求めるものが違う
ブランド名が会社名と別に認知されている 別サイトも選択肢 指名検索がブランド名で起きている場合に限る

分ける場合に注意したいのは、新しいドメインを取ってサービスサイトを立てる方法です。新しいドメインは、外部からのリンクも運用の実績も無い状態から始まります。会社のサイトが10年かけて得たものを引き継げません。会社名とブランド名が別に認知されている場合を除き、同じドメインの中で分けるほうが、検索からの集客では有利に働きます。

採用の情報を分けるかどうかは中小企業が採用サイトを作るべき理由と制作のポイント、URLを変える場合の転送はURLを変えるときのリダイレクト|評価を落とさない手順と、やってはいけない転送で扱っています。

公開後に足し続けられるかで差がつく|事例を1本足す手順を制作時に決める

BtoBサイトは、公開した時点が最も情報の少ない状態です。事例、FAQ、料金の改定、お知らせは、公開後に増えていきます。比較で確認される3つの情報のうち、事例だけは公開後にしか増やせません。事例が3本のサイトと30本のサイトでは、上長が「自社と同じ規模の事例」を見つけられる確率が違います。

制作の段階で、次の3つを決めておきます。

  • 事例を足すのは誰か。営業が受注先に許諾を取り、誰が書き、誰が公開するか。担当が決まっていないと、公開後に1本も増えない
  • 事例の入力項目を固定する。業種、規模、課題、実施したこと、期間、結果。項目が決まっていれば、書く人が変わっても比較できる形で蓄積される
  • 自社で更新できる範囲を決める。事例、お知らせ、FAQ、料金は自社で更新できるようにし、レイアウトの変更は制作会社に依頼する、という線引き

更新の仕組みの選び方は更新しやすい企業サイトの作り方|CMS選定と運用設計のポイント、公開後の保守で何をどの頻度で行うかはホームページの保守運用とは?何を、どの頻度でやるのかで扱っています。

計測は、出口ごとに分けて取る

公開と同時に、問い合わせ、製品資料、ノウハウ集を別々のイベントとして計測します。合計の件数だけを取ると、前の章の表のように、対応件数が増えただけなのか商談が増えたのかが区別できません。フォームの送信に流入元を持たせ、営業の記録で商談になったかを書き、出口ごとの商談化率を四半期で出します。

計測の実装は店舗ビジネスのためのGA4×GTM計測設定ガイド、問い合わせ後に残す項目は問い合わせ後の歩留まりを改善する|リード管理の始め方で扱っています。

作り直さなくてよい会社と、作り直したほうがよい会社

作り直さなくてよい会社

  • 訪問が少ないことが原因の会社。月の訪問が数百人なら、問い合わせ率を2倍にしても数件の差。先に集客の手段を決める
  • 足りないのがページではなく情報の会社。料金の考え方、事例、会社情報を今のサイトに足せば済む。全面的な作り直しは要らない
  • 紹介と既存取引で受注が足りている会社。サイトの役割は商談の前後の確認。会社情報と実績を最新にしておけば役割を果たす
  • 問い合わせが商談になったかを記録していない会社。作り直しても、良くなったかどうかを判定できない。先に記録を始める

作り直したほうがよい会社

  • 訪問はあるのに問い合わせ率が低い会社。月に数千人が来て、問い合わせが数件。サイトの側に原因がある
  • 事例やお知らせを自社で更新できない会社。足すたびに費用と日数がかかり、公開後に情報が増えない
  • 事業の内容が変わったのに、サイトの構成が昔のままの会社。主力のサービスがメニューの奥にあり、買い手がたどり着けない
  • スマートフォンで読めない会社。担当者は移動中にも調べる。表が崩れ、資料が開けない状態は機会の損失になる
  • 出口が問い合わせ1つしかなく、足す場所が構造上ない会社。サービスページごとに出口を置ける構成に改める

作り直す場合の依頼の手順と、公開時に検索からの流入を落とさない方法はコーポレートサイトリニューアルの進め方|失敗しない依頼手順、見積書の比べ方はWeb制作の見積書の読み方|同じ金額が別の買い物になる理由、発注から公開までに発注側が行う作業はサイト制作の進め方|発注から公開までの工程と発注者側の作業で扱っています。

決める順序|役割、見に来る人、3つの情報、出口、更新

1. サイトが担う段と、必要な訪問数を出す

受注の目標から、商談、問い合わせ、訪問を逆算します。今の訪問数と比べ、制作で解決する問題か、集客で解決する問題かを分けます。

2. 見に来る人と、確認することの対応表を作る

直近の受注先について、誰が探し、誰が稟議を通し、誰が決裁したかを営業に聞きます。3件から5件聞けば、自社の商材での登場人物が分かります。

3. 製品情報、価格、事例から先に作る

価格は3段階のどれで出すかを決めます。事例は、規模と業種で探せる形にし、入力項目を固定します。

4. 出口を温度で分け、対応と数え方を決める

問い合わせ、製品資料、ノウハウ集を別の出口にします。それぞれの最初の対応と、誰が対応するかを営業と決めます。

5. 公開後に足す手順と、計測を決める

事例を足す担当と頻度、自社で更新する範囲、出口ごとの計測を、公開前に決めます。判定は四半期ごとに、出口ごとの商談化率で行います。

製品資料の出口に置く資料は、稟議で読まれる前提で作る

この記事では、出口に製品資料を併設すると商談が増えると試算しました。この資料は、比較表を作っている担当者が、上長と決裁者に説明するために使います。営業が説明する場はありません。サービスの説明だけで終わる資料では、稟議書に書ける情報が足りません。

確認すること 判断の基準 詳しくは
サイトで配る製品資料が、社内の説明と稟議に使えるか 商談の後に送る営業資料を原本にし、個別の条件や社外に出せない事例を除いた版を配る。料金の決まり方、費用対効果の試算の式と前提、比較の基準、買い手の側の作業を入れ、1枚だけ抜き出されても意味が通じるようにする 営業資料の作り方|商談で映す前提ではなく、営業がいない稟議の場で読まれる前提で、費用対効果と比較のページから作る

事例を1本足す手順の次に、その1本の中身を決める

この記事では、事例を1本足す手順と担当を制作の段階で決めることを勧めました。足す事例の中身は、有名企業の成功談ではなく、比較の段階にいる担当者が「自社と同じ条件の会社が、何と比べて、どう決めて、何が起きたか」を社内に説明できるものにします。一覧は業種と規模で絞り込め、詳細は1ページだけ送られても意味が通じる形にします。

確認すること 判断の基準 詳しくは
事例の本数と公開範囲を、何を基準に決めるか 本数は業種×規模の格子のマスの数。公開範囲は社名なしから担当者名・写真までの5段階に分け、受注時に社名なしの許諾を書面で取り、成果が数字になった時点で広げる。数字は何を・何と比べて・どの期間で、という前提とセットで書く 導入事例の作り方|本数は相場ではなく買い手が自分を見つけられる組み合わせで決め、社名が出せなくても業種・規模・数字の前提を書けば稟議の材料になる

よくある失敗

必要なページの一覧を埋めることが目的になる

ページがあることと、確認したい情報が載っていることは別です。料金のページがあっても「お問い合わせください」だけなら、比較表の欄は空のままです。

担当者向けの情報だけを厚くする

機能や仕様を詳しく書いても、決裁者が確認する会社情報や実績が薄いと、稟議の最後で止まります。

作り直せば問い合わせが増えると期待する

制作で動くのは問い合わせ率です。訪問が月800人なら、問い合わせ率が2倍になっても月4件が8件になるだけです。

新しいドメインでサービスサイトを立てる

外部からのリンクも実績も無い状態から始まります。会社名と別にブランド名が認知されている場合を除き、同じドメインの中で分けます。

資料ダウンロードの件数を、問い合わせと合計して報告する

件数は必ず増えますが、商談が増えたかは別です。出口ごとに分けて数え、商談化率を分けて記録します。

デザインの議論に時間を使い、事例の許諾が間に合わない

事例は、受注先への依頼から許諾までに数週間かかります。制作の開始と同時に依頼を始めます。

公開後の更新の担当を決めない

公開時点が最も情報の少ない状態です。事例を足す人が決まっていないサイトは、その状態のまま数年が過ぎます。

よくある質問

BtoBサイトに最低限必要なページは何ですか

サービスの内容、価格の手がかり、事例、会社情報、出口(問い合わせと製品資料)です。調査で参考にされていた上位の情報と、決裁者が確認する情報にあたります。ブログやノウハウ集は、この5つが揃ってからで間に合います。

料金を載せると、競合に知られて不利になりませんか

競合が価格を知る経路はサイト以外にもあり、載せないことで守れる範囲は限られます。一方で、買い手の比較表の欄が空になる不利益は確実に起きます。料金表が難しければ、価格の決まり方と幅、または事例ごとの規模感で出します。

デザインはどの程度重要ですか

古く見える、スマートフォンで崩れる、といった状態は信頼を下げます。一方で、基準を満たした後は、デザインの差よりも、確認したい情報が載っているかの差のほうが大きく効きます。何をどの順で決めるかはWebデザインの構成要素はどの順で決めるか|好みの議論にしないための順序で扱っています。

制作の費用と期間はどのくらいですか

ページ数よりも、事例や料金の原稿を誰が用意するか、更新の仕組みをどこまで作るかで変わります。同じ金額でも含まれる作業が違うため、見積書は項目ごとに比べます。原稿と事例の許諾を発注側で先に進めておくと、期間は短くなります。

サイトを作れば、検索から集客できますか

サービスページだけで集まる検索は、社名やサービス名を知っている人の検索が中心です。まだ知らない人に見つけてもらうには、課題を調べる語に答えるページや、広告が別に要ります。始める順序は中小企業のSEOは何から始めるべきか|着手の順序と判断基準で扱っています。

チャットや日程調整のツールは入れるべきですか

出口の種類を増やす前に、今ある出口への対応が当日中にできているかを確認します。対応が追いつかない状態で出口を増やしても、商談は増えません。

制作会社には、何を伝えて依頼すればよいですか

見に来る人と確認することの対応表、今の訪問数と問い合わせ件数、出口ごとの対応の決まり、公開後に自社で更新したい範囲の4つです。デザインの好みより先に、この4つを渡すと、提案の中身が比べやすくなります。

まとめ

BtoBサイトの制作は、必要なページの一覧からではなく、誰が、検討のどの段階で、何を確認しに来るかから決めます。買い手は担当者、上長、決裁者、情報システムや法務に分かれ、それぞれが別のページを見ます。担当者向けの情報だけを厚くしても、決裁者が確認する会社情報や実績が薄ければ、稟議の最後で止まります。

制作で動くのは問い合わせ率で、訪問数は動きません。仮の数字では、月1件の受注に必要な訪問は約2,700人で、月800人のサイトを作り直して問い合わせ率が2倍になっても、問い合わせは月4件から8件です。制作で解決する問題か、集客で解決する問題かを、先に分けます。

公表されている調査では、サイトで参考にした情報は製品・サービス情報が87.9%、価格・料金表が65.0%、実績・事例が61.1%でした。価格は、料金表、決まり方と幅、事例ごとの規模感のどれかで出します。出口は温度で分け、製品資料を併設すると仮の数字で商談は4.5件から7.2件に増えますが、ノウハウ集では4.5件のままで、営業が対応する件数だけが15件から57件に増えます。出口ごとに分けて数え、商談化率で判定します。

見に来る人の整理から、構成、価格と事例の見せ方、出口と計測の設計、公開後に自社で更新できる仕組みづくりまではWEB制作・ホームページ制作で承っています。これまでの制作物は制作実績、会社紹介資料は資料ダウンロードから、ご相談はお問い合わせからご連絡ください。

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